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WebLogic Type 4 JDBC ドライバ ガイド

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Sybase ドライバ

以下の節では、BEA WebLogic Type 4 JDBC Sybase ドライバのコンフィグレーション方法と使用方法について説明します。

 


データベース バージョンのサポート

Sybase 用の BEA WebLogic Type 4 JDBC ドライバ (「Sybase ドライバ」) は次のデータベース バージョンをサポートします。

注意 : XA 接続は Sybase Adaptive Server Enterprise 12.0 以降のバージョンでのみサポートされます。XA 接続は Sybase Adaptive Server 11.5 および 11.9 ではサポートされません。

 


ドライバ クラス

BEA WebLogic Type 4 JDBC Sybase ドライバのドライバ クラスは次のとおりです。

XA : weblogic.jdbcx.sybase.SybaseDataSource

非 XA : weblogic.jdbc.sybase.SybaseDriver

WebLogic Server ドメインに JDBC データ ソースをコンフィグレーションする場合に、これらのドライバ クラスを使用します。

 


Sybase URL

Sybase データベースに接続するには、次の形式の URL を使用します。

jdbc:bea:sybase://dbserver:port

 


Sybase 接続プロパティ

表 7-1 に、Sybase ドライバでサポートされる JDBC 接続プロパティを示し、各プロパティについて説明します。WebLogic Server ドメインの JDBC データ ソースのコンフィグレーションでこれらの接続プロパティを使用できます。プロパティを指定するには、JDBC データ ソースのコンフィグレーションで次の形式を使用します。

property=value

注意 : すべての接続文字列プロパティ名で、大文字と小文字は区別されません。たとえば、Password は password と同じです。

表 7-1 Sybase の接続プロパティ

プロパティ

説明

BatchPerformanceWorkaround

省略可能

true または false。バッチ処理の実行に使用されるメソッドを決定する。true に設定すると、ネイティブの Sybase バッチ メカニズムが使用される。

false に設定すると、JDBC 3.0 に準拠したバッチ メカニズムが使用される。ほとんどの場合、ネイティブな Sybase バッチ機能を使用するとパフォーマンスはかなり向上するが、ドライバが常にバッチの更新件数を返せるとは限らない。

デフォルトは false。

バッチ挿入とバッチ更新」を参照。

CodePageOverride

省略可能

ドライバが文字データの変換に使用するコード ページを指定する。指定したコード ページによって、デフォルトのデータベース コード ページがオーバーライドされる。データベースとやり取り (取得および書き込み) するすべての文字データは、指定したコード ページを使用して変換される。値としては、使用している Java 仮想マシンでサポートされている有効なコード ページの名前 (たとえば CodePageOverride=CP950) を含む文字列を指定する必要がある。

ConnectionRetryCount

省略可能

データベース サーバへの正常な接続を確立できるまでに、ドライバで接続を再試行する回数。有効な値は、0 または正の整数。

デフォルトは 0。

ConnectionRetryDelay

省略可能

ConnectionRetryCount が正の整数に設定されている場合に、ドライバがデータベース サーバへの接続を再試行する前に待機する秒数。

デフォルトは 3。

DatabaseName

省略可能

接続先のデータベースの名前。

InsensitiveResultSetBufferSize

省略可能

-1、0、または x。ドライバがインセンシティブな結果セット データのキャッシュに使用するメモリの量を指定する。以下のいずれかの値を指定する必要がある。

-1 に設定すると、ドライバはすべてのインセンシティブな結果セット データをメモリにキャッシュする。結果セットのサイズが利用できるメモリ容量を超えると、OutOfMemoryException 例外が生成される。結果セット データをディスクに書き込む必要がないため、データがより効率的に処理される。

0 に設定すると、ドライバは 2GB を限度としてすべてのインセンシティブな結果セット データをメモリにキャッシュする。結果セットのサイズが利用できるメモリ容量を超えると、結果セットがディスクにページングされる。結果セット データがディスクに書き込まれる可能性があるため、ディスクに正しく書き込むためにデータの再フォーマットが必要になることがある。

x (正の整数) に設定すると、インセンシティブな結果セット データのキャッシュに使用するメモリ バッファのサイズ (KB 単位) を指定したことになり、ドライバはすべての結果セット データをメモリにキャッシュする。結果セットのサイズがバッファ サイズを超えると、結果セットがディスクにページングされる。結果セット データがディスクに書き込まれる可能性があるため、ディスクに正しく書き込むためにデータの再フォーマットが必要になることがある。バッファ サイズとして 2 の累乗を指定すると、メモリの使用がより効率的になる。

デフォルトは 2048 (KB)。

LoginTimeout

省略可能

データベース接続の作成の試行を待機する最大時間 (秒単位)。値 0 は、デフォルトのシステム タイムアウトがある場合はそのタイムアウトを使用し、それ以外の場合はタイムアウトがないことを指定する。

Password

Sybase データベースに接続する場合に使用するパスワード。大文字と小文字を区別する。パスワードは、データベースでセキュリティが有効化されている場合にのみ必要となる。その場合は、システム管理者に連絡してパスワードを取得する。

PortNumber

Sybase データベースへの接続をリスンするプライマリ データベース サーバの TCP ポート。

デフォルトはオペレーティング システムによって異なる。

PrepareMethod

省略可能

StoredProc、StoredProclfParam、または Direct。サーバに Prepared Statement 用のストアド プロシージャを作成するかどうかを指定する。

StoredProc に設定すると、文が準備されるときにストアド プロシージャが作成され、Prepared Statement が実行されるときにストアド プロシージャが実行される。

StoredProcIfParam に設定すると、Prepared Statement に 1 つまたは複数のパラメータ マーカが含まれる場合にのみストアド プロシージャが作成される。この場合も、文が準備されるとストアド プロシージャが作成され、Prepared Statement が実行されるとストアド プロシージャが実行される。Prepared Statement にパラメータ マーカが含まれない場合、ストアド プロシージャは作成されず、Prepared Statement が直接実行される。

Direct に設定すると、Prepared Statement 用のストアド プロシージャは作成されず、Prepared Statement が直接実行される。パラメータ メタデータが要求された場合は、ストアド プロシージャが作成されることがある。

デフォルトは StoredProclfParam。

アプリケーションが Prepared Statement を複数回実行する場合は、このプロパティを StoredProc または StoredProclfParam に設定するとパフォーマンスが向上する。これは、いったん作成されたストアド プロシージャは、単一の SQL 文よりも高速に実行できるため。一方、Prepared Statement を 1 回しか実行しない、または 1 回も実行しない場合はパフォーマンスが低下するおそれがある。これは、ストアド プロシージャを作成する際のサーバへの負荷が、単一の SQL 文を実行する負荷よりも大きいため。アプリケーションが Prepared Statement を複数回実行することがない場合は、このプロパティを Direct に設定することが望ましい。

SelectMethod

省略可能

Direct または Cursor。SQL Server ドライバが、Select 文でデータベース カーソルを要求するかどうかを判定するためのヒント。ドライバが要求されたメソッドを常に満たせるとは限らないので、ドライバのパフォーマンスと動作は、ヒントとして定義されるこのプロパティによって影響を受ける。

Direct - ドライバが Direct メソッドを使用すると、データベース サーバはクエリに応答するときに、ドライバへの 1 つの応答ですべての結果セットを送信する。サーバサイドのデータベース カーソルは作成されない。通常、応答はドライバによってキャッシュされない。このメソッドでは、ドライバはクエリの応答をすべて処理してからでないと、次のクエリを送信できない。同じ接続で別の文を使うなどしてクエリがもう 1 つ送信された場合、ドライバは 2 番目のクエリを送信する前に最初のクエリの応答をキャッシュする。通常、Cursor メソッドよりも Direct メソッドのほうがパフォーマンスが良い。

Cursor - ドライバが Cursor メソッドを使用すると、サーバサイドのデータベース カーソルが要求される。この行は、転送専用の結果セットを返すときにサーバからブロック単位で取得する。JDBC Statement メソッドの setFetchSize を使用すると、各リクエストで取得する行数を制御できる。パフォーマンス テストの結果から、Cursor メソッドを使用した場合、setFetchSize の値がパフォーマンスに大きく影響することがわかっている。setFetchSize の値を決定するための簡単なルールはない。setFetchSize の値を変えて実験して、アプリケーションのパフォーマンスが最高になる値を見つけだすことが望ましい。Cursor メソッドは、大量のデータが得られるクエリ、特に複数の結果セットを開く場合に効果的である。

デフォルトは Direct。

ServerName

プライマリ データベース サーバの IP アドレスまたはサーバ名 (ネットワークが名前付きのサーバをサポートしている場合) を指定する。たとえば、122.23.15.12 または SybaseServer のように指定する。

User

Sybase データベースに接続する場合に使用するユーザ名。大文字と小文字は区別されない。ユーザ名は、データベースでセキュリティが有効化されている場合にのみ必要となる。その場合は、システム管理者に連絡してユーザ名を取得する。


 

 


データ型

表  7-2 では、Sybase ドライバでサポートされるデータ型と、それらが JDBC データ型へどのようにマップされるかを示します。

表 7-2 Sybase データ型

Sybase データベース

Sybase のデータ型

JDBC のデータ型

Sybase 11.5 以降

binary

BINARY

bit

BIT

char

CHAR

datetime

TIMESTAMP

decimal

DECIMAL

float

FLOAT

image

LONGVARBINARY

int

INTEGER

money

DECIMAL

nchar

CHAR

numeric

NUMERIC

nvarchar

VARCHAR

real

REAL

smalldatetime

TIMESTAMP

smallint

SMALLINT

smallmoney

DECIMAL

sysname

VARCHAR

text

LONGVARCHAR

timestamp

VARBINARY

tinyint

TINYINT

varbinary

VARBINARY

varchar

VARCHAR

Sybase 12.5 および 12.5.1 のみ

date

DATE

time

TIME

unichar

CHAR

univarchar

VARCHAR


 

注意 : ADAPTIVE SERVER 12.5 および 12.5.1 を使用する場合、Sybase ドライバは character および binary のカラムでの XNL (extended new limits) をサポートします。長さが 255 を超えるカラムがサポートされます。character および binary のカラムにおける XNL の詳細については、Sybase のマニュアルを参照してください。

データ型の詳細については、「getTypeInfo」を参照してください。

 


SQL エスケープ シーケンス

Sybase ドライバでサポートされている SQL エスケープ シーケンスについては、「JDBC の SQL エスケープ シーケンス」を参照してください。

 


アイソレーション レベル

Sybase ドライバは、トランザクション アイソレーション レベルとして Read Committed、Read Uncommitted、Repeatable Read、および Serializable をサポートしています。デフォルトは Read Committed です。

 


スクロール可能なカーソルの使用

Sybase ドライバは、ID カラムを持つテーブルから結果セットが返される場合にのみ、スクロールセンシティブな結果セットをサポートします。Sybase ドライバでも、スクロールインセンシティブな結果セット、および更新可能な結果セットをサポートしています。

注意 : Sybase ドライバが、要求された結果セットのタイプまたは同時実行性をサポートできない場合は、カーソルを自動的にダウングレードして詳細情報の入った SQLWarning を生成します。

 


Large Object (LOB) のサポート

Sybase では Blob または Clob データ型は定義されていませんが、Sybase ドライバによって、Blob および Clob 用に設計された JDBC メソッドを使用して長いデータの LONGVARBINARY および LONGVARCHAR データを取得および更新できます。これらのメソッドを使用して長いデータを Blob または Clob として更新すると、更新は Blob または Clob オブジェクト内のデータのローカル コピーに対して行われます。

Blob および Clob 用の JDBC メソッドを使用して長いデータを取得および更新すると、Blob および Clob を操作した場合と同じメリットが得られます。たとえば Blob および Clob を使用した場合、

Blob および Clob を使用した場合のこうしたメリットを得るには、データをキャッシュする必要があります。データをキャッシュするので、特に一度にデータの逐次読み出しを行う場合に、パフォーマンスが低下します。長いデータのサイズが使用可能なメモリよりも大きいと、パフォーマンスが著しく低下することがあります。

 


バッチ挿入とバッチ更新

Sybase ドライバは次のバッチ メカニズムを提供します。

Sybase のネイティブのバッチ メカニズムを使用するには、BatchPerformanceWorkaround 接続プロパティを true に設定します。接続プロパティの指定の詳細については、「Sybase 接続プロパティ」を参照してください。

 


パラメータ メタデータのサポート

Sybase ドライバは、あらゆるタイプの SQL 文のパラメータ メタデータを返すことができます。

 


自動生成キーのサポート

Sybase ドライバは自動生成キーの値の取得をサポートします。Sybase ドライバから返される自動生成キーは、identity カラムの値です。

自動生成キーの値を取得する方法は、使用する Insert 文にパラメータが含まれるかどうかによって異なります。

アプリケーションでは Statement.getGeneratedKeys() メソッドを使用して、生成されたキーの値をドライバから取得します。

 


Sybase の JTA のサポート

グローバル トランザクションで Sybase XA ドライバを使用するには、グローバル トランザクションをサポートするように Sybase サーバを設定しておく必要があります。『WebLogic JTA プログラマーズ ガイド』の「XA をサポートするための Sybase サーバの設定」を参照してください。

 

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