サーバの起動と停止の管理
概要とロードマップ
以下の節では、このマニュアル『サーバの起動と停止の管理』の内容と構成について説明します。
マニュアルの内容と対象読者
このマニュアルでは、BEA WebLogic Server® の起動、停止、およびサーバのライフサイクルを管理する方法について説明します。また、サーバの障害を回避したり、サーバの障害から回復したりするための WebLogic 機能についても説明します。
このマニュアルは、インストールされた WebLogic Server のモニタおよび管理に携わるシステム管理者およびオペレータを対象としています。その内容は、デプロイメントからテストおよびプロダクションまで、ソフトウェア プロジェクトのすべての段階に関連しています。
J2EE 技術、Web 技術、オブジェクト指向プログラミング技術、および Java プログラミング言語について読者が精通していることを前提としています。
このマニュアルの手引き
このマニュアルの構成は次のとおりです。
関連マニュアル
サーバのライフサイクル管理の新機能と変更点
WebLogic Server 9.0 では、以下の新機能と変更点があります。
サーバのライフサイクルを管理するための WebLogic Scripting Tool (WLST) コマンドライン インタフェース - WLST を使用して、管理サーバおよび管理対象サーバを起動、停止、中断、および再開できます。WLST コマンドを使用することで、サーバ インスタンスが遷移するライフサイクルの状態を制御したり、WebLogic Server インスタンスの実行時状態に関する情報を取得したりできます。
WLST は、ノード マネージャのコマンドライン クライアントとして使用できます。ノード マネージャで WLST コマンドを使用して、リモートまたはローカルで管理サーバ インスタンスおよび管理対象サーバ インスタンスを起動、停止、および再起動できます。『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「サーバおよびサーバのライフサイクルの管理」を参照してください。
新しいコンフィグレーション ディレクトリ - config.xml
ファイルは新しい DOMAIN_NAME
\config
ディレクトリに格納されます。DOMAIN_NAME
はドメインのルート ディレクトリです。さらに config
ディレクトリには、新しいドメイン コンフィグレーション ファイルが格納されます。『WebLogic のアプリケーション環境のアップグレード』の「WebLogic ドメインのディレクトリ構造の強化」および『ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメイン コンフィグレーション ファイル」を参照してください。
推奨される新しいバックアップ手順については、「障害回復のためのディレクトリとファイルのバックアップ」を参照してください。
管理対象サーバのキャッシュ コンフィグレーション - 以前のバージョンでは、管理対象サーバの独立が有効な場合のみ、管理対象サーバはそのコンフィグレーション データのコピーを保存しました。WebLogic Server 9.0 では、管理対象サーバはドメイン コンフィグレーションのローカル コピーを自動的に保持します。管理対象サーバが起動するたびに、ローカル コピーの最後の更新以降にドメイン コンフィグレーションに対して行われた変更がダウンロードされます。管理対象サーバがコンフィグレーションのローカル バージョンを保持するかどうかを指定していた ServerMBean
属性、MSIFileReplicationEnabled
はなくなりました。「管理対象サーバ独立モードについて」を参照してください。
サーバの障害検出用終了コード - 新しい終了コードでは、管理者およびシステム サポート担当者はサーバ インスタンスが障害の結果として終了したのかどうかを判別できます。「WebLogic Server の終了コードと障害後の再起動」を参照してください。
ライフサイクル管理機能の拡張 - 新しいライフサイクルの状態 ADMIN
によって、アプリケーションの再デプロイメント、保守、およびトラブルシューティングが行いやすくなりました。ADMIN
状態の場合、WebLogic Server は動作していますが、受け付けるのは管理操作のみとなり、ユーザは、実行中のアプリケーションに影響を与えることなくサーバおよびアプリケーション レベルの管理タスクを実行できます。詳細については、「サーバのライフサイクルについて」を参照してください。
ノード マネージャは多くの機能が拡張されて、用途が広がり使いやすくなりました。
シェル スクリプトのノード マネージャ - 新しいノード マネージャはシェル スクリプトとして実装されており、Java のノード マネージャと同じ機能を備えています。また、Secure Shell (SSH) またはリモート シェル (RSH) プロトコルとともに使用して、UNIX または Linux システムで動作するサーバ インスタンスをセキュアにリモート制御できます。
WLST コマンドによるノード マネージャへのアクセス - 実行中の管理サーバが存在しなくても、リモートまたはローカルでサーバ インスタンスを起動、停止、および中断したり、サーバの状態やサーバ出力ログの内容を取得したりできます。また、WLST を実行するマシンを、ノード マネージャでモニタするように登録できます。『WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。
管理サーバの制御 - ノード マネージャを使用して、管理サーバを起動、停止、および再起動できます。以前のバージョンのノード マネージャでは、実行中の管理サーバにアクセスする必要があり、管理対象サーバの制御とモニタしか行えませんでした。
ノード マネージャとサーバの移行 - ノード マネージャを使用して、WebLogic Server クラスタ内の移行可能なサーバを移行できます。『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「Server Migration」を参照してください。
診断とロギングの改良 - ノード マネージャの診断機能が改良されました。また、ノード マネージャやノード マネージャが制御するサーバ インスタンスのロギング方法が簡素化されました。
設定の簡素化 - ノード マネージャの設定が簡素化されました。特に、ノード マネージャで双方向 SSL は必要なくなりました。一方向 SSL のみが必要です。
Windows サービスとして実行するノード マネージャ - WebLogic Server のカスタム インストール プロセスでは、必要に応じてノード マネージャを Windows システム上の Windows サービスとしてインストールおよび起動します。システムの障害や再起動の際にノード マネージャが自動的に再起動されるように、オペレーティング システムのサービスとしてノード マネージャを実行し、ノード マネージャを使用してサーバの起動や再起動を行うことをお勧めします。『インストール ガイド』の「Windows サービスとしてのノード マネージャのインストールについて」を参照してください。