WebLogic Web サービス プログラマーズ ガイド
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以下の節では、Web サービスに対する各種セキュリティのコンフィグレーションについて説明します。
WebLogic Web サービスを保護するには、以下の 3 種類の概念的に異なるセキュリティを 1 つまたは複数コンフィグレーションします。
「メッセージレベルのセキュリティ (デジタル署名と暗号化) のコンフィグレーション」を参照してください。
「転送レベルのセキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。
「アクセス制御セキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」を参照してください。
アクセス制御のセキュリティは、「誰が何を実行できるか」という質問の回答となります。まず、Web サービスにアクセスできるロールのリストを指定します。次に、クライアント アプリケーションが Web サービスのオペレーションを呼び出そうとするときに、そのクライアントは WebLogic Server に対して自身を認証し、権限がある場合はその呼び出しを続行することができます。アクセス制御セキュリティは、WebLogic Server のリソースのみを保護します。つまり、アクセス制御のセキュリティしかコンフィグレーションされていない場合は、クライアント アプリケーションと WebLogic Server の接続が保護されず、SOAP メッセージはプレーン テキストになります。
転送レベルのセキュリティでは、クライアント アプリケーションと WebLogic Server の間の接続がセキュア ソケット レイヤ (SSL) で保護されます。SSL では、ネットワーク接続している 2 つのアプリケーションが互いの ID を認証できるようにするとともに、アプリケーション間でやりとりされるデータを暗号化することでセキュアな接続が実現します。認証を使用すると、サーバは (場合によってはクライアントも) ネットワーク接続の相手側アプリケーションの ID を検証できます。ネットワーク経由で送信されるデータは暗号化されるので、予定されている宛先以外には解釈できません。
ただし、転送レベルのセキュリティでは接続そのものしか保護されません。つまり、クライアントと WebLogic Server の間にルータやメッセージ キューなどの仲介機能がある場合、その仲介機能は SOAP メッセージをプレーン テキストで取得します。仲介機能から次の送信先にメッセージが送信されたとき、その受信側では元々そのメッセージがどこから来たのかわかりません。また、SSL で使用される暗号化は「オール オア ナッシング」です。つまり、SOAP メッセージの全体が暗号化されるか、あるいはまったく暗号化されないかのいずれかになります。SOAP メッセージの一部だけを選択して暗号化することはできません。
メッセージレベルのセキュリティでは、SSL のすべてのセキュリティ上のメリットに、柔軟性と機能が追加されます。メッセージレベルのセキュリティはエンド ツー エンドです。つまり、SOAP メッセージは転送の過程でいくつ仲介機能があっても保護されます。接続だけでなく、SOAP メッセージ自体がデジタル署名および暗号化されます。さらに、メッセージの一部のみを署名または暗号化するように指定することもできます。
メッセージレベルのセキュリティでは、クライアント アプリケーションとそれが呼び出す Web サービスの間の SOAP メッセージに対してデジタル署名、暗号化、またはその両方のいずれを行うかを指定します。
WebLogic Web サービスには、以下の 2004 年 3 月付の OASIS 標準 Web Services Security 1.0 仕様が実装されています。
これらの仕様は、主にセキュリティ トークンの伝播、メッセージの整合性、およびメッセージの機密性の 3 つのメカニズムを提供します。これらのメカニズムは別々に (ユーザ認証でのユーザ名トークンの受け渡しなど)、または組み合わせて (SOAP メッセージのデジタル署名と暗号化、認証でのユーザによる X.509 証明書の使用の指定など) 使用できます。
WS-Policy 仕様 (2004 年 9 月付) で指定されているように、セキュリティ ポリシー ステートメントを格納する 1 つまたは複数の WS-Policy ファイルを添付することにより、Web サービスのメッセージレベルのセキュリティをコンフィグレーションします。Web サービス ランタイムにおけるこれらのファイルの使用方法については、「メッセージレベルのセキュリティ コンフィグレーションに対する WS-Policy ファイルの使い方の概要」を参照してください。
簡単なメッセージレベルのセキュリティをコンフィグレーションする場合に実行する基本的な手順については、「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」を参照してください。この節では、Web サービス ランタイムに対するメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション、特定の Web サービスに対するメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション、およびそのサービスを呼び出すクライアント アプリケーションのコーディング方法について説明します。
注意 : SOAP 添付ファイルに対しては、デジタル署名も暗号化も行うことができません。
Web Services Security: SOAP Message Security 仕様の BEA 実装は、以下の使い方をサポートするように設計されています。
WS-Policy ファイルを使用して、WebLogic Web サービスのメッセージレベルのセキュリティの詳細を指定します。WS-Policy 仕様では、Web サービスのポリシーを記述して通信するための、汎用的なモデルと XML 構文が提供されています。
メッセージレベルのセキュリティに使用される WS-Policy ファイルは、オペレーションを呼び出した結果として発生する SOAP メッセージに対してデジタル署名または暗号化を行うかどうかの明記とその方法が記述された XML ファイルです。また、クライアント アプリケーションがユーザ名、SAML、または X.509 の各トークンを使用して自身を認証することの指定もできます。
注意 : WebLogic Web サービスのメッセージレベルのセキュリティをコンフィグレーションするための WS-Policy ファイルで使用されるポリシー アサーションは、Web Services Security Policy Language (WS-SecurityPolicy) 仕様 (2002 年 12 月 18 日付) で説明されているアサーションに基づいています。つまり、WebLogic Server のアサーションの正確な構文と使用方法は、この仕様で説明されているアサーションとは異なっていますが、意味上の違いはありません。このリリースの WebLogic Server のアサーションは、最新の仕様 (2005 年 7 月 13 日付) には基づいていません。
Web サービスに関連付けられる WS-Policy ファイルの名前は、JWS ファイル内の @Policy
および @Policies
JWS アノテーションを使用して指定します。Web サービスに指定できる WS-Policy ファイルの数に制限はありません。ただし、アサーションが互いに矛盾しないように管理者が確認する必要があります。WS-Policy ファイルは、JWS ファイルのクラスレベルでも、メソッドレベルでも指定できます。
WebLogic Server には、ユーザ独自の WS-Policy ファイルを作成しない場合に JWS ファイルで指定できる、3 つの簡単な WS-Policy ファイルが用意されています。特定のセキュリティ ニーズがない場合はできる限り、以下のあらかじめパッケージ化されているファイルを使用することをお勧めします。
あらかじめパッケージ化されている 3 つの WS-Policy ファイルの内容については、「Auth.xml」、「Sign.xml」、および「Encrypt.xml」を参照してください。
WebLogic Web サービス ランタイムでは、抽象および具象という若干異なる 2 種類の WS-Policy ファイルが認識されます。
抽象 WS-Policy ファイルでは、認証、暗号化、およびデジタル署名に使用されるセキュリティ トークンが明示的に指定されません。Web サービス ランタイムは Web サービスがデプロイされるときにセキュリティ トークンを決定します。具体的にはつまり、WS-Policy ファイルの <Identity>
および <Integrity>
要素 (またはアサーション) には <SupportedTokens><SecurityToken>
子要素が含まれておらず、<Confidentiality>
要素には <KeyInfo><SecurityToken>
子要素が含まれていません。
具象 WS-Policy ファイルでは、Web サービスのプログラミング時にセキュリティ トークンの詳細が明示的に指定されます。サービスのプログラミング時に、認証のタイプの詳細 (x509
トークンまたは SAML
トークンの使用など) や、キーストアの複数のプライベート キーと証明書のペアが暗号化とデジタル署名に使用されるかどうかなどが分かっている場合に、プログラマは具象 WS-Policy ファイルを作成します。
あらかじめパッケージ化されている 3 つの WS-Policy ファイルは、すべて抽象ファイルです。Web サービスがこれらの WS-Policy ファイルのみに関連付けられている場合は、クライアント認証でユーザ名トークンが必要になります。このリリースの WebLogic Server の Web サービスでは、暗号化とデジタル署名用のトークン タイプは 1 つしかサポートされていません (X.509
)。つまり、<Integrity>
要素および <Confidentiality>
要素が使用される場合でも、抽象 WS-Policy ファイルと具象 WS-Policy ファイルは結果的に同じになります。
Web サービスが抽象 WS-Policy ファイルに関連付けられ、そのファイルが WSDL の添付ファイルとして公開される場合 (デフォルトの動作)、Web サービスのアーカイブ ファイル (JAR または WAR) にパッケージ化される静的 WSDL ファイルは、デプロイされた Web サービスの動的 WSDL ファイルとは若干異なります。その違いは、抽象的な静的 WSDL には特定の <SecurityToken>
要素が含まれていないのに、動的 WSDL にはこれらの要素が含まれていることです。サービスがデプロイされるときに Web サービス ランタイムによってこれらの要素が自動的に設定されるからです。このため、clientgen
Ant タスクを使用して Web サービスの呼び出しに使用される JAX-RPC スタブを生成する場合には、必ず動的 WSDL を指定してください。そうしないと、オペレーションを呼び出そうとしたときに実行時エラーが発生します。デプロイされた Web サービスの動的 WSDL ファイルの表示については、「Web サービスの WSDL の参照」を参照してください。
また、実行時に Web サービスのメッセージレベルのセキュリティをコンフィグレーションすることもできます。詳細については、「Administration Console を使用した実行時の WS-Policy ファイルの関連付け」を参照してください。
<?xml version="1.0"?>
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
>
<wssp:Identity/>
</wsp:Policy>
<?xml version="1.0"?>
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
xmlns:wsu="http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-200401-wss-wssecurity-utility-1.0.xsd"
xmlns:wls="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part"
>
<wssp:Integrity>
<wssp:SignatureAlgorithm URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#rsa-sha1"/>
<wssp:CanonicalizationAlgorithm
URI="http://www.w3.org/2001/10/xml-exc-c14n#"/>
<wssp:Target>
<wssp:DigestAlgorithm URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
<wssp:MessageParts
Dialect="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part">
wls:SystemHeaders()
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
<wssp:Target>
<wssp:DigestAlgorithm URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
<wssp:MessageParts
Dialect="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part">
wls:SecurityHeader(wsu:Timestamp)
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
<wssp:Target>
<wssp:DigestAlgorithm URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
<wssp:MessageParts
Dialect="http://schemas.xmlsoap.org/2002/12/wsse#part">
wsp:Body()
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
</wssp:Integrity>
<wssp:MessageAge/>
</wsp:Policy>
<?xml version="1.0"?>
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
>
<wssp:Confidentiality>
<wssp:KeyWrappingAlgorithm URI="http://www.w3.org/2001/04/xmlenc#rsa-1_5"/>
<wssp:Target>
<wssp:EncryptionAlgorithm
URI="http://www.w3.org/2001/04/xmlenc#tripledes-cbc"/>
<wssp:MessageParts
Dialect="http://schemas.xmlsoap.org/2002/12/wsse#part">
wsp:Body()
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
<wssp:KeyInfo/>
</wssp:Confidentiality>
</wsp:Policy>
以下では、Web サービス セキュリティ ランタイムと特定の WebLogic Web サービスに対して簡単なメッセージレベルのセキュリティをコンフィグレーションする手順と、その Web サービスのオペレーションを呼び出すクライアント アプリケーションをコンフィグレーションする手順について説明します。このマニュアルでは、簡単なメッセージレベルのセキュリティを次のように定義しています。
Auth.xml
、Sign.xml
、および Encrypt.xml
) を使用してセキュリティ要件を指定する。これらのファイルの説明については、「メッセージレベルのセキュリティ コンフィグレーションに対する WS-Policy ファイルの使い方の概要」を参照してください。上記の定義の一部に関する詳細と、簡単なメッセージレベルのセキュリティの使用例に基づいて Web サービス セキュリティを追加する使用例については、後半の節で説明します。
次の手順では、WebLogic Web サービスを実装する JWS ファイルがすでに作成済みであることを前提として、SOAP メッセージにデジタル署名と暗号化を行うようにそのファイルを更新します。また、Ant ビルド スクリプトを使用して Web サービスを反復的に開発することと、新しい情報で更新できる作業用の build.xml
ファイルがあることも前提となっています。さらに、保護されていない Web サービスを呼び出すクライアント アプリケーションも用意されているものとします。これらの前提条件が満たされていない場合は、以下を参照してください。
@Policy
および @Policies
JWS アノテーションを追加して、Web サービス全体または特定のオペレーションに添付されるあらかじめパッケージ化されている WS-Policy ファイルを指定します。WS-Policy ファイルの指定方法については、「@Policy および @Policies アノテーションで JWS ファイルを更新する」を参照してください。この基本的な手順の場合は、あらかじめパッケージ化されている WS-Policy ファイル (Auth.xml
、Sign.xml
、および Encrypt.xml
) を指定する手順に従うだけです。
「Java から開始する WebLogic Web サービスの反復的な開発 : 主な手順」を参照してください。
この手順には、Cert Gen ユーティリティまたは Sun Microsystem の keytool ユーティリティを使用します。開発が目的の場合は、keytool
ユーティリティを使用すると簡単に開始できます。
詳細については、「プライベート キー、デジタル証明書、信頼性のある認証局の取得」を参照してください。
証明書のキーの用途で、暗号化とデジタル署名の両方での使用が指定されていることを確認してください。WebLogic Server でクライアントの証明書が有効であることを確認する方法については、「WebLogic Server でクライアントの証明書を検証できることを確認する」も参照してください。
この手順には、Sun Microsystem の keytool ユーティリティを使用します。
詳細については、「プライベート キー、デジタル証明書、信頼性のある認証局の取得」を参照してください。
詳細については、「ユーザ、グループ、セキュリティ ロール」を参照してください。
詳細については、「メッセージ保護された Web サービスを呼び出すようにクライアント アプリケーションを更新する」を参照してください。
簡単なメッセージレベルのセキュリティの使用例に基づいて Web サービス セキュリティを追加する使用例については、以下の節を参照してください。
クライアントが SOAP リクエストのデジタル署名に使用し、次に WebLogic Server がクライアントへの SOAP 応答の暗号化に使用する X.509 証明書を WebLogic Server で検証できることを確認しておく必要があります。次のいずれかの方法で行います。
詳細については、「SSL 証明書の検証」を参照してください。
JWS ファイルで @Policy
アノテーションおよび @Policies
アノテーションを使用して、Web サービスに 1 つまたは複数の WS-Policy ファイルが添付されていることを指定できます。これらのアノテーションは、クラス レベルまたはメソッド レベルのいずれかで使用できます。
@Policies
アノテーションは、複数の @Policy
アノテーションをグループ化します。複数の WS-Policy ファイルをクラスまたはメソッドに添付する場合は、@Policies
アノテーションを使用してください。WS-Policy ファイルを 1 つだけ添付する場合は、そのファイル自体に対して @Policy
を使用します。
@Policy
アノテーションでは、1 つの WS-Policy ファイル、その場所、ポリシーが SOAP のリクエスト メッセージ、応答メッセージ、またはその両方のいずれに適用されるか、およびその WS-Policy ファイルをサービスの公開 WSDL に添付するかどうかを指定します。
uri
属性を使用して、WS-Policy ファイルの場所を以下のように指定します。
policy:
プレフィックスと WS-Policy ファイルのいずれかの名前 (Auth.xml
、Encrypt.xml
、または Sign.xml
のいずれか) を使用する。
@Policy(uri="policy:Encrypt.xml")
あらかじめパッケージ化されている WS-Policy ファイルを使用する場合は、独自のファイルを作成する必要も、アクセス可能な場所にファイルをパッケージ化する必要もありません。このため、できる限り、あらかじめパッケージ化されている WS-Policy ファイルを使用することをお勧めします。
あらかじめパッケージ化されている WS-Policy ファイルで提供される、各種のメッセージレベルのセキュリティについては、「メッセージレベルのセキュリティ コンフィグレーションに対する WS-Policy ファイルの使い方の概要」を参照してください。
@Policy(uri="../policies/MyPolicy.xml")
上記の場合では、WS-Policy ファイルが共有 J2EE ライブラリの META-INF/policies
ディレクトリまたは WEB-INF/policies
ディレクトリにあることになります。ライブラリをパッケージ化するときには、WS-Policy ファイルを必ずこのディレクトリに配置してください。
共有 J2EE ライブラリにある WS-Policy ファイルを指定するには、次の例に示すように、policy:
プレフィックスと WS-Policy ファイルの名前を使用します。
@Policy(uri="policy:MySharedPolicy.xml")
共有ライブラリの作成、および Web サービスが共有の WS-Policy ファイルを見つけることができるようにするための環境設定については、「Creating Shared J2EE Libraries and Optional Packages」を参照してください。
@Policy
アノテーションで以下の属性を設定することもできます。
direction
- ポリシー ファイルがリクエスト (着信) SOAP メッセージ、応答 (発信) SOAP メッセージ、またはその両方のいずれに適用されるかを指定します。この属性を指定しない場合のデフォルト値は、both です。direction
属性には、以下の値を指定できます。attachToWsdl
- ポリシー ファイルを、Web サービスのパブリック規約を記述した WSDL ファイルに添付するかどうかを指定します。この属性のデフォルト値は false
です。抽象 WS-Policy ファイルはビルド時には添付されません。それらは、欠落している情報が WebLogic Server によって設定されるデプロイ時に添付されます。次の例では、@Policy
および @Policies
JWS アノテーションの使い方を示します。該当する個所は太字で表示しています。
package examples.webservices.security_jws;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;import weblogic.jws.Policies;
import javax.jws.WebService;
import weblogic.jws.Policy;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.soap.SOAPBinding;
/**
*
*/
@WebService(name="SecureHelloWorldPortType",
serviceName="SecureHelloWorldService",
targetNamespace="http://www.bea.com")
@SOAPBinding(style=SOAPBinding.Style.DOCUMENT,
use=SOAPBinding.Use.LITERAL,
parameterStyle=SOAPBinding.ParameterStyle.WRAPPED)
@WLHttpTransport(contextPath="SecureHelloWorldService",
serviceUri="SecureHelloWorldService",
portName="SecureHelloWorldServicePort")
@Policies({
@Policy(uri="policy:Auth.xml", direction=Policy.Direction.inbound),
@Policy(uri="policy:Sign.xml"),
@Policy(uri="policy:Encrypt.xml")})
public class SecureHelloWorldImpl {
@WebMethod()
public String sayHello(String s) {
return "Hello " + s;
}
}
この例では、3 つの WS-Policy ファイルがクラス レベルで Web サービスに添付されています。つまり、3 つすべての WS-Policy ファイルは Web サービスのすべてのパブリック オペレーションに適用されます。指定された WS-Policy ファイルは、WebLogic Server であらかじめパッケージ化されているファイルです。開発者は独自のファイルを作成する必要も、対応するアーカイブにファイルをパッケージ化する必要もありません。
Auth.xml
ファイルは、direction
属性で指定されているように、リクエスト (着信) SOAP メッセージのみに適用されます。このため、クライアント アプリケーションのみでユーザ名トークンの指定が必要になります。WebLogic Server が呼び出しに応答するときにはユーザ名トークンは指定されません。Sign.xml
WS-Policy ファイルは、SOAP のリクエスト メッセージおよび応答メッセージの両方の本文と WebLogic システム ヘッダにデジタル署名が行われることを指定しています。Encrypt.xml
ポリシー ファイルは、SOAP のリクエスト メッセージおよび応答メッセージの両方の本文が暗号化されることを指定しています。
メッセージ保護された Web サービスを呼び出すように Java コードを更新する場合には、クライアントのキーストアからプライベート キーとデジタル証明書のペアをロードし、その情報を、WS-Policy で必要とされている場合はユーザ認証用のユーザ名およびパスワードとともに、呼び出されるセキュアな WebLogic Web サービスに渡す必要があります。
Web サービスの WS-Policy ファイルで SOAP リクエストを暗号化するように指定されている場合、Web サービス クライアント ランタイムはサービスの WSDL に添付されている WS-Policy ファイルからサーバの証明書を自動的に取得し、それを暗号化に使用します。ただし、WS-Policy ファイルが WSDL に添付されていない場合や、WSDL 自体を使用できない場合には、クライアント アプリケーションは WS-Policy ファイルのクライアントサイドのコピーを使用する必要があります。詳細については、「クライアントサイド セキュリティ WS-Policy ファイルの使用」を参照してください。
次の例では、「@SecurityRoles および @SecurityIdentity アノテーションでの JWS ファイルの更新」の JWS ファイルで記述されているメッセージ保護された WebLogic Web サービスを呼び出す Java クライアント アプリケーションを示します。クライアント アプリケーションは、以下の 5 つの引数を取ります。
サンプル クライアント アプリケーションのセキュリティ固有のコードは太字で表示し、例の後で説明します。
package examples.webservices.security_jws.client;
import weblogic.security.SSL.TrustManager;
import weblogic.xml.crypto.wss.provider.CredentialProvider;
import weblogic.xml.crypto.wss.WSSecurityContext;
import weblogic.wsee.security.bst.ClientBSTCredentialProvider;
import weblogic.wsee.security.unt.ClientUNTCredentialProvider;
import javax.xml.rpc.Stub;
import java.util.List;
import java.util.ArrayList;
import java.security.cert.X509Certificate;
/**
* Copyright (c) 2004 by BEA Systems.All Rights Reserved.
*/
public class SecureHelloWorldClient {
public static void main(String[] args) throws Throwable {
//ユーザ名トークンのユーザ名またはパスワード
String username = args[0];
String password = args[1];
//クライアントのプライベート キー ファイル
String keyFile = args[2];
//クライアントの証明書
String clientCertFile = args[3];
String wsdl = args[4];
SecureHelloWorldService service = new SecureHelloWorldService_Impl(wsdl);
SecureHelloWorldPortType port = service.getSecureHelloWorldServicePort();
//資格プロバイダを作成し、それをスタブに設定する
List credProviders = new ArrayList();
//クライアントサイドの BinarySecurityToken 資格プロバイダ -- x509
CredentialProvider cp = new ClientBSTCredentialProvider(clientCertFile, keyFile);
credProviders.add(cp);
//クライアントサイドの UsernameToken 資格プロバイダ
cp = new ClientUNTCredentialProvider(username, password);
credProviders.add(cp);
Stub stub = (Stub)port;
stub._setProperty(WSSecurityContext.CREDENTIAL_PROVIDER_LIST, credProviders);
stub._setProperty(WSSecurityContext.TRUST_MANAGER,
new TrustManager(){
public boolean certificateCallback(X509Certificate[] chain, int validateErr){
return true;
}
} );
String response = port.sayHello("World");
System.out.println("response = " + response);
}
}
TrustManager
API をインポートする。
import weblogic.security.SSL.TrustManager;
import weblogic.xml.crypto.wss.provider.CredentialProvider;
import weblogic.xml.crypto.wss.WSSecurityContext;
import weblogic.wsee.security.bst.ClientBSTCredentialProvider;
import weblogic.wsee.security.unt.ClientUNTCredentialProvider;
ClientBSTCredentialProvider
WebLogic API を使用して、クライアントの証明書とプライベート キーからバイナリ セキュリティ トークン資格プロバイダを作成する。
CredentialProvider cp =
new ClientBSTCredentialProvider(clientCertFile, keyFile);
ClientUNTCredentialProvider
WebLogic API を使用して、クライアントのユーザ名とパスワードからユーザ名トークン資格プロバイダを作成する。ユーザ名とパスワードは WebLogic Server によっても認識されます。
cp = new ClientUNTCredentialProvider(username, password);
WSSecurityContext.CREDENTIAL_PROVIDER_LIST
プロパティを使用して、バイナリ セキュリティ トークン資格プロバイダおよびユーザ名トークン資格プロバイダを格納する List
オブジェクトを JAX-RPC スタブに渡す。
stub._setProperty(WSSecurityContext.CREDENTIAL_PROVIDER_LIST, credProviders)
weblogic.security.SSL.TrustManager
WebLogic セキュリティ API を使用して、SOAP リクエストの暗号化に使用される証明書が有効であることを確認する。Web サービス クライアント ランタイムは Web サービスのデプロイされた WSDL からこの証明書を取得します。実際にはこの証明書は自動的には信頼されないので、クライアント アプリケーションでは、その証明書を使用して SOAP リクエストを暗号化する前に、証明書が有効であることを確認する必要があります。
stub._setProperty(WSSecurityContext.TRUST_MANAGER,
new TrustManager(){
public boolean certificateCallback(X509Certificate[] chain, int validateErr){
return true;
}
} );
「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」で説明した、簡単なメッセージレベルのコンフィグレーション手順では、Web サービス ランタイムが WebLogic Server に用意されているプライベート キーと X.509 証明書のペアを使用することが前提となっています。SSL 用のコア セキュリティ サブシステムでも同じキー ペアが使用されます。このキー ペアは主にデモまたはテスト目的用に用意されています。プロダクション環境では、Web サービス ランタイムは通常、独自のプライベート キーとデジタル証明書のペアを 2 つ使用します。1 つは SOAP メッセージの署名用、もう 1 つは SOAP メッセージの暗号化用です。
以下では、これらを使用できるようにするための追加の手順について説明します。
必須ではありませんが、WebLogic Web サービスのみが使用するペアを 2 つ取得することをお勧めします。両方の証明書のキーの用途がコンフィグレーションの目的と一致していることを確認してください。たとえば、証明書を暗号化に使用するように指定する場合は、証明書のキーの用途が暗号用として指定されているか、または用途が定義されていないことを確認します。そうでない場合、Web サービス セキュリティ ランタイムによって証明書が拒否されます。
この手順には、Cert Gen ユーティリティまたは Sun Microsystem の keytool ユーティリティを使用します。開発が目的の場合は、keytool
ユーティリティを使用すると簡単に開始できます。
詳細については、「プライベート キー、デジタル証明書、信頼性のある認証局の取得」を参照してください。
SSL 用に WebLogic Server をすでにコンフィグレーションしてある場合は、この手順で使用できる ID キーストアがすでに作成されています。
この手順には、WebLogic の ImportPrivateKey
ユーティリティおよび Sun Microsystem の keytool ユーティリティを使用できます。開発が目的の場合は、keytool
ユーティリティを使用すると簡単に開始できます。
詳細については、「キーストアの作成およびプライベート キーと信頼性のある認証局のキーストアへのロード」を参照してください。
詳細については、「プロダクション用のキーストアのコンフィグレーション」を参照してください。
default_wss
にする必要があります。デフォルトの Web サービス セキュリティ コンフィグレーションは、別のコンフィグレーションを使用するように明示的にプログラミングされていない限り、ドメイン内のすべての Web サービスで使用されます。「Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの作成」を参照してください。
「SOAP メッセージのデジタル署名で使用するキーストアの作成」を参照してください。この手順では、キーストアとキー ペアの識別に使用されるプロパティを作成するときに各プロパティの正確な値 (IntegrityKeyStore
、IntegrityKeyStorePassword
など) を [名前] フィールドに入力します。ただし、[値] フィールドには独自に作成したキーストアとキー ペアを識別する値を入力します。
「SOAP メッセージの暗号化で使用するキーストアの作成」を参照してください。この手順では、キーストアとキー ペアの識別に使用されるプロパティを作成するときに各プロパティの正確な値 (ConfidentialityKeyStore
、ConfidentialityKeyStorePassword
など) を [名前] フィールドに入力します。ただし、[値] フィールドには独自に作成したキーストアとキー ペアを識別する値を入力します。
WS-Policy ファイルの <MessageAge>
要素では、WS-Policy ファイルに関連付けられている Web サービスを呼び出した結果として発生する SOAP メッセージに有効期限があるかどうかを指定します。有効期限とメッセージに含まれる作成時のタイムスタンプに基づいて期限切れになった SOAP リクエストは WebLogic Server で拒否されます。また、サービスに関連付けられている Web サービス セキュリティ コンフィグレーションを作成および更新する Administration Console を使用してメッセージの有効期限をコンフィグレーションすることもできます。
以下の項目では、WebLogic Web サービス ランタイムが特定の Web サービスの SOAP メッセージの有効期限を決定する方法について説明します。
<MessageAge>
アサーションが含まれていない場合、SOAP メッセージは期限切れにならない。 <MessageAge>
アサーションが属性のない状態で含まれており、さらに Web サービスが Web サービス セキュリティ コンフィグレーションに関連付けられていない場合、有効期限は 60 秒。Web サービスが Web サービス セキュリティ コンフィグレーションに関連付けられている場合、有効期限は、関連付けられた Web サービス セキュリティ コンフィグレーション (通常は default_wss
) の [有効期間] タイムスタンプ フィールドの値です。Age
属性が指定された <MessageAge>
アサーションが含まれている場合、有効期限は Age
属性の値。この値は常に、関連付けられた Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの [有効期間] フィールドの値をオーバーライドします。次の手順では、「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」での手順がすでに実行されていることを前提として、メッセージの有効期限を設定します。
SOAP メッセージの有効期限を設定するには、次の手順に従います。
<MessageAge>
アサーションが含まれていることを確認します。あらかじめパッケージ化されている Sign.xml
ファイルには、属性のない状態の <MessageAge> アサーションが含まれています。 カスタム WS-Policy ファイルに <MessageAge>
アサーションを追加する場合は、Age
属性を指定してください。設定すると、この属性の値が有効期限になります。この値は、Administration Console でオーバーライドされません。デフォルトの 60 秒に設定するために属性を指定しない場合は、そのままでかまいません。ただし、デフォルト値を変更する場合は、次の手順に進みます。
default_wss
にする必要があります。デフォルトの Web サービス セキュリティ コンフィグレーションは、別のコンフィグレーションを使用するように明示的にプログラミングされていない限り、ドメイン内のすべての Web サービスで使用されます。「Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの作成」を参照してください。
WebLogic Server には、ほとんどのプログラマの通常のセキュリティ ニーズを満たす 3 つの WS-Policy ファイルが用意されていますが、追加のコンフィグレーションが必要な場合は、独自の WS-Policy ファイルを作成して使用することもできます。たとえば、以下の場合に独自の WS-Policy ファイルを作成する必要があります。
Encrypt.xml
および Sign.xml
) で行うことができます。WS-Policy ファイルの一般的な情報とメッセージレベルのセキュリティ コンフィグレーションでのそれらの使用方法については、「メッセージレベルのセキュリティ コンフィグレーションに対する WS-Policy ファイルの使い方の概要」を参照してください。
カスタム WS-Policy ファイルを作成する場合には、あらかじめパッケージ化されているファイルと同じように 3 つの主なセキュリティ カテゴリ (認証、暗号化、および署名) を 3 つの別々の WS-Policy ファイルに分けることもできますし、3 つのカテゴリすべてを含む 1 つの WS-Policy ファイルを作成することもできます。また、認証など 1 つのカテゴリだけを変更するカスタム WS-Policy ファイルを作成し、その他のカテゴリについてはあらかじめパッケージ化されているファイル (Encrypt.xml
および Sign.xml
) を使用することもできます。つまり、Web サービスに関連付ける WS-Policy ファイルの数および内容は、適宜組み合わせることができます。ただしこの場合は、それらの複数のファイルが互いに矛盾していないことを常に確認する必要があります。
WS-Policy ファイルのルート要素は <Policy>
でなければなりません。また、この要素には次のネームスペース宣言が含まれている必要があります。
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
xmlns:wsu="http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-200401-wss-wssecurity-utility-1.0.xsd"
xmlns:wls="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part"
>
WS-Policy ファイルでは、<Policy>
ルート要素の以下の子要素を使用できます。これらの要素の詳細なリファレンス情報については、「セキュリティ ポリシー アサーションのリファレンス」を参照してください。
<Identity>
- 認証用にサポートされているトークンを指定します。<SupportedTokens>
要素は、ID としてサポートされているトークンのタイプ (ユーザ名、X.509、または SAML) ごとに 1 つまたは複数の <SecurityTokens>
要素をグループ化します。SAML トークンの確認のタイプ (sender-vouches または holder-of-key) を指定したり、ユーザ名トークンの使用時にパスワード ダイジェストの使用を指定したりするには、<Claims>
要素を使用します。<Confidentiality>
- SOAP メッセージのどの部分に暗号化を行うかを指定します。省略可能な子要素としては、対称鍵のラップに使用されるアルゴリズムを指定する <KeyWrappingAlgorithm>
、暗号化される SOAP メッセージのブロックを指定する <Target>
、暗号化に使用されるトークン (このリリースでは X.509 トークンのみサポート) を指定する <KeyInfo>
があります。<Integrity>
- SOAP メッセージのどの部分にデジタル署名を行うかを指定します。省略可能な子要素としては、メッセージの署名に使用されるアルゴリズムを指定する <SignatureAlgorithm>
、正規化に使用されるアルゴリズムを指定する <CanonicalizationAlgorithm>
、デジタル署名される SOAP メッセージのブロックを指定する <Target>
、署名に使用できるトークンのタイプ (このリリースでは X.509 トークンのみサポート) を指定する <SupportedTokens>
があります。<MessageAge>
- SOAP メッセージの最大存続期間を秒単位で指定します。ID として SAML トークンを指定するためのカスタム WS-Policy ファイルの例については、「カスタム WS-Policy ファイルの例」を参照してください。<Integrity>
要素に <KeyInfo>
子要素が、<Confidentiality>
要素に <SupportedTokens>
子要素が含まれていないため、ファイルのこれらのセクションは抽象セクションです。<Identity>
要素には、SAML トークンが含まれているので、ID セクションは具象セクションです。
あらかじめパッケージ化されている抽象 WS-Policy ファイルをテンプレートとして使用して、独自のカスタム ファイルを作成することもできます。「Auth.xml」、「Sign.xml」、および「Encrypt.xml」を参照してください。
<<?xml version="1.0"?>
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
xmlns:wsu="http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-200401-wss-wssecurity-utility-1.0.xsd"
xmlns:wls="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part"
>
<wssp:Identity>
<wssp:SupportedTokens>
<wssp:SecurityToken TokenType="http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-2004-01-saml-token-profile-1.0#SAMLAssertionID">
<wssp:Claims>
<wssp:ConfirmationMethod>sender-vouches</wssp:ConfirmationMethod>
</wssp:Claims>
</wssp:SecurityToken>
</wssp:SupportedTokens>
</wssp:Identity>
<wssp:Integrity>
<wssp:SignatureAlgorithm URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#rsa-sha1"/>
<wssp:CanonicalizationAlgorithm
URI="http://www.w3.org/2001/10/xml-exc-c14n#"/>
<wssp:Target>
<wssp:DigestAlgorithm
URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
<wssp:MessageParts
Dialect="http://schemas.xmlsoap.org/2002/12/wsse#part">
wsp:Body()
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
<wssp:Target>
<wssp:DigestAlgorithm URI="http://www.w3.org/2000/09/xmldsig#sha1" />
<wssp:MessageParts
Dialect="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part">
wls:SecurityHeader(Assertion)
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
</wssp:Integrity>
<wssp:Confidentiality>
<wssp:KeyWrappingAlgorithm URI="http://www.w3.org/2001/04/xmlenc#rsa-1_5"/>
<wssp:Target>
<wssp:EncryptionAlgorithm
URI="http://www.w3.org/2001/04/xmlenc#tripledes-cbc"/>
<wssp:MessageParts
Dialect="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part">
wls:SecurityHeader(Assertion)
</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
<wssp:Target>
<wssp:EncryptionAlgorithm
URI="http://www.w3.org/2001/04/xmlenc#tripledes-cbc"/>
<wssp:MessageParts
Dialect="http://schemas.xmlsoap.org/2002/12/wsse#part">
wsp:Body()</wssp:MessageParts>
</wssp:Target>
<wssp:KeyInfo />
</wssp:Confidentiality>
<wssp:MessageAge/>
</wsp:Policy>
「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」で説明した、簡単なメッセージレベルのコンフィグレーション手順では、Web サービスを実装する JWS ファイルで @Policy
および @Policies
JWS アノテーションを使用して、サービスに関連付けられている 1 つまたは複数の WS-Policy ファイルを指定する方法について説明しています。つまり、これは Web サービスのプログラミング時には Web サービスとそのオペレーションに関連付ける WS-Policy ファイルをあらかじめ認識しておく必要があることを示します。しかし、常にあらかじめ WS-Policy ファイルを認識できるとは限りません。そのため、Web サービスをデプロイした後で Administration Console を使用して実行時に WS-Policy ファイルを関連付けることもできます。
JWS ファイルで @Policy
JWS アノテーションも @Policies
JWS アノテーションも使用せずに、Administration Console を使用して実行時に WS-Policy ファイルを関連付けることもできますし、これらのアノテーションを使用して一部の WS-Policy ファイルを指定し、追加の WS-Policy ファイルを実行時に関連付けることもできます。ただし、いったん JWS アノテーションを使用して WS-Policy ファイルを関連付けると、その関連付けは実行時に Administration Console を使用して変更することはできません。
Administration Console では、ファイル内のポリシー アサーションが互いに矛盾していても、JWS アノテーションに関連付けられている WS-Policy ファイル内のアサーションと矛盾していても、実行時に WS-Policy ファイルを Web サービスやそのオペレーションにいくつでも関連付けることができます。ただし、関連付けられた複数の WS-Policy ファイルが連携できるように、管理者が確認する必要があります。何らかの矛盾がある場合は、クライアント アプリケーションが Web サービスのオペレーションを呼び出すときに、WebLogic Server から実行時エラーが返されます。
Administration Console を使用して実行時に WS-Policy ファイルを関連付ける詳細な手順については、「WS-Policy ファイルと Web サービスとの関連付け」を参照してください。
「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」で説明した、簡単な Web サービスのコンフィグレーション手順では、ユーザはユーザ名トークンを使用して自身を認証することが前提となっています。WebLogic Server は Web Services Security 仕様の Web Services Security: SAML Token Profile を実装しているため、この節で説明するように、ユーザは Web サービスのオペレーションの呼び出し時に SOAP メッセージで SAML トークンを使用して自身を認証することもできます。
SAML トークンの使用はサーバ間で機能します。つまり、ある WebLogic Server インスタンスで実行されているクライアント アプリケーションが、ID として SAML を使用して別の WebLogic Server インスタンスで実行されている Web サービスを呼び出します。クライアント アプリケーション自体が Web サービスであるため、Web サービス セキュリティ ランタイムによってすべての SAML プロセスが処理されます。
ID として SAML トークンを要求するように Web サービスをコンフィグレーションする場合には、以下のいずれかの確認メソッドを指定できます。
これらの確認メソッドの詳細については、Web Services Security: SAML Token Profile を参照してください。
注意 : この節では、読者が SAML の基礎と、SAML を WebLogic Server のコア セキュリティに関連付ける方法を理解していることを前提としています。一般的な情報については、「Security Assertion Markup Language (SAML)」を参照してください。次の手順では、「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」での手順がすでに実行されていることを前提として、ユーザ名トークンではなく、SAML トークンを ID として使用できるようにします。
SAML トークンを ID として使用するには、次の手順に従います。
<Identity><SupportedTokens>
要素の <SecurityToken>
子要素を作成し、TokenType
属性を SAML トークンの使用を示す値に設定する。<SecurityToken>
要素の <Claims><Confirmationmethod>
子要素を追加し、必要に応じて sender-vouches
または holder-of-key
を指定する。
<?xml version="1.0"?>
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
xmlns:wsu="http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-200401-wss-wssecurity-utility-1.0.xsd"
xmlns:wls="http://www.bea.com/wls90/security/policy/wsee#part"
>
<wssp:Identity>
<wssp:SupportedTokens>
<wssp:SecurityToken
TokenType="http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-2004-01-saml-token-profile-1.0#SAMLAssertionID">
<wssp:Claims>
<wssp:ConfirmationMethod>sender-vouches</wssp:ConfirmationMethod>
</wssp:Claims>
</wssp:SecurityToken>
</wssp:SupportedTokens>
</wssp:Identity>
</wsp:Policy>
独自の WS-Policy ファイルの作成に関する詳細については、「カスタム WS-Policy ファイルの作成と使用」を参照してください。
@Policy
アノテーションを更新します。たとえば、Web サービスのすべてのオペレーションの呼び出しで SAML を ID として使用する場合は、@Policy
アノテーションをクラスレベルで指定します。 Web サービスに関連付ける WS-Policy ファイルは、互いに矛盾しない限り、適宜組み合わせることができます。たとえば、SAML の ID としての使用を指定する <Identity>
セキュリティ アサーションのみを含む、簡単な MyAuth.xml
ファイルを作成し、あらかじめパッケージ化されている Encrypt.xml
ファイルおよび Sign.xml
ファイルとともにそのファイルを Web サービスに関連付けることができます。ただし、関連付けられた複数の WS-Policy ファイルが互いに矛盾しないように、管理者が確認する必要があります。何らかの矛盾がある場合は、実行時エラーが発生するか、または Web サービスが想定どおりに動作しなくなるおそれがあります。
「Java から開始する WebLogic Web サービスの反復的な開発 : 主な手順」を参照してください。
「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」で説明した、簡単な Web サービスのコンフィグレーション手順では、ユーザはユーザ名トークンを使用して自身を認証することが前提となっています。WebLogic Server は Web Services Security 仕様の Web Services Security: X.509 Certificate Token Profile を実装しているので、この節で説明するように、ユーザは Web サービスのオペレーションの呼び出し時に X.509 証明書を使用して自身を認証することもできます。
注意 : 次の手順では、「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」での手順がすでに実行されていることを前提として、X.509 証明書を ID として使用できるようにします。
default_wss
にする必要があります。デフォルトの Web サービス セキュリティ コンフィグレーションは、別のコンフィグレーションを使用するように明示的にプログラミングされていない限り、ドメイン内のすべての Web サービスで使用されます。「Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの作成」を参照してください。
警告 : 上記の Administration Console の手順では、手順が 1 つ欠落しています。[デフォルト ユーザ名マッパーを使用] チェック ボックスがチェックされていることを確認した後で、特定の X.509 証明書属性をユーザにマップするように [デフォルト ユーザ名マッパーの属性の種類] フィールドも更新する必要があります。
具体的には、<Identity><SupportedTokens>
要素の <SecurityToken>
子要素で TokenType
属性を、次の例に示すように #x509Token
に設定します。
<?xml version="1.0"?>
<wsp:Policy
xmlns:wsp="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/09/policy"
xmlns:wssp="http://www.bea.com/wls90/security/policy"
>
<wssp:Identity>
<wssp:SupportedTokens>
<wssp:SecurityToken TokenType="#X509Token" />
</wssp:SupportedTokens>
</wssp:Identity>
</wsp:Policy>
独自の WS-Policy ファイルの作成に関する詳細については、「カスタム WS-Policy ファイルの作成と使用」を参照してください。
@Policy
アノテーションを更新します。たとえば、Web サービスのすべてのオペレーションの呼び出しで X.509 を ID として使用する場合は、@Policy
アノテーションをクラスレベルで指定します。 Web サービスに関連付ける WS-Policy ファイルは、互いに矛盾しない限り、適宜組み合わせることができます。たとえば、X.509 証明書の ID としての使用を指定する <Identity>
セキュリティ アサーションのみを含む、簡単な MyAuth.xml
ファイルを作成し、あらかじめパッケージ化されている Encrypt.xml
ファイルおよび Sign.xml
ファイルとともにそのファイルを Web サービスに関連付けることができます。ただし、関連付けられた複数の WS-Policy ファイルが互いに矛盾しないように、管理者が確認する必要があります。何らかの矛盾がある場合は、実行時エラーが発生します。
「Java から開始する WebLogic Web サービスの反復的な開発 : 主な手順」を参照してください。
//クライアントサイドの UsernameToken 資格プロバイダ
cp = new ClientUNTCredentialProvider(username, password);
credProviders.add(cp);
デフォルトでは、WebLogic Web サービス セキュリティ ランタイムは、メッセージ保護された Web サービスを呼び出した結果として発生する SOAP メッセージの中で、パスワード ダイジェストではなくクリアテキスト パスワードを使用します。以下では、SOAP メッセージでパスワード ダイジェストが使用されるように、このデフォルトの動作を変更する手順について説明します。
次の手順では、「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」での手順がすでに実行されていることを前提として、すべての SOAP メッセージでクリアテキスト パスワードではなくパスワード ダイジェストが使用されるように指定します。
default_wss
にする必要があります。デフォルトの Web サービス セキュリティ コンフィグレーションは、別のコンフィグレーションを使用するように明示的にプログラミングされていない限り、ドメイン内のすべての Web サービスで使用されます。警告 : デフォルトの Web サービス セキュリティ コンフィグレーション (default_wss
) に加えて、Web サービス セキュリティ コンフィグレーションを作成した場合は、各コンフィグレーションで同じパスワード ダイジェストの使用を指定する必要があります。使用するパスワード ダイジェストが Web サービス セキュリティ コンフィグレーション間で異なると、実行時エラーが発生します。
「Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの作成」を参照してください。
Auth.xml
ファイルを使用する代わりにカスタム WS-Policy ファイルを作成して、<Identity><SupportedTokens><SecurityToken>
要素で明示的にユーザ名トークンを指定している場合は、次に示すように <Claims><UsePassword>
子要素を追加する必要があります。
<wssp:Identity>
<wssp:SupportedTokens>
<wssp:SecurityToken TokenType="#UsernameToken">
<wssp:Claims>
<wssp:UsePassword
Type="http://www.docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-200401-wss-username-token-profile-1.0#PasswordDigest" />
</wssp:Claims>
</wssp:SecurityToken>
</wssp:SupportedTokens>
</wssp:Identity>
あらかじめパッケージ化されている Auth.xml
ファイルを使用して認証をコンフィグレーションしている場合は、この手順を実行する必要はありません。
独自の WS-Policy ファイルの作成に関する詳細については、「カスタム WS-Policy ファイルの作成と使用」を参照してください。
@Policy
アノテーションを更新します。「@Policy および @Policies アノテーションで JWS ファイルを更新する」を参照してください。「Java から開始する WebLogic Web サービスの反復的な開発 : 主な手順」を参照してください。
「簡単なメッセージレベルのセキュリティのコンフィグレーション : 主な手順」で説明した、簡単な Web サービスのコンフィグレーション手順では、スタンドアロンのクライアント アプリケーションがメッセージ保護された Web サービスを呼び出すことが前提となっています。ただし、クライアント自体が EJB、サーブレット、または別の Web サービスの一部として、WebLogic Server インスタンスで実行されている場合もあります。この場合には、WebLogic Server コア セキュリティ フレームワークを使用して資格プロバイダとトラスト マネージャをコンフィグレーションして、EJB、サーブレット、または JWS コードには保護されたオペレーションの簡単な呼び出しのみが含まれ、他のセキュリティ関連の API の使用は含まれないようにできます。以下では、この場合に WebLogic Server コア セキュリティ フレームワークを使用するための高度な手順について説明します。
CredentialProvider
オブジェクトを作成せず、さらに、セキュアな Web サービスのホストである WebLogic Server からの証明書を検証するための TrustManager
コア セキュリティ API も使用しないようにします。クライアント コードでこれらの API を使用しない理由は、Web サービス ランタイムによってこの作業が実行されるためです。注意 : WebLogic Server には、ユーザ名/パスワードおよび X.509 用の資格マッピング プロバイダがありますが、デフォルトでコンフィグレーションされているのはユーザ名/パスワードのみです。
用意されている資格プロバイダとトラスト マネージャをクライアント アプリケーションで使用しない場合は、この手順で説明したように WebLogic Server コア セキュリティ フレームワークをコンフィグレーションする必要はありません。「メッセージ保護された Web サービスを呼び出すようにクライアント アプリケーションを更新する」で説明されているスタンドアロンの Java コードと同じ API を EJB、サーブレット、および JWS コードで使用することで、そのコンフィグレーションをすべてオーバーライドできます。ただし、コア セキュリティ フレームワークを使用することで、WebLogic Server のコンフィグレーションが標準化され、Web サービスを呼び出すクライアント アプリケーションの Java コードが簡略化されます。
この章で説明されるセキュリティ使用例の多くでは、Administration Console を使用した、デフォルトの Web サービス セキュリティ コンフィグレーションの作成 (名前は default_wss
) が必要になります。このコンフィグレーションの作成後は、@weblogic.jws.security.WssConfiguration
JWS アノテーションを使用しなくても、属性のない状態でこのアノテーションを指定しても、すべての Web サービスにこのコンフィグレーションが適用されます。
ただし、指定するタイムスタンプ値をサービス間で変える場合など、Web サービスをデフォルト以外のセキュリティ コンフィグレーションに関連付けなければならない場合もあります。
Web サービスをデフォルト以外のセキュリティ コンフィグレーションに関連付けるには、次の手順に従います。
default_wss
以外の名前が指定された Web サービス セキュリティ コンフィグレーションを作成します。@WssConfiguration
アノテーションを追加して、このセキュリティ コンフィグレーションの名前を指定します。詳細と例については、「weblogic.jws.security.WssConfiguration」を参照してください。「Java から開始する WebLogic Web サービスの反復的な開発 : 主な手順」を参照してください。
警告 : すべての Web サービス セキュリティ コンフィグレーションで同じパスワード ダイジェストの使用を指定する必要があります。使用するパスワード ダイジェストが Web サービス セキュリティ コンフィグレーション間で異なると、実行時エラーが発生します。
転送レベルのセキュリティとは、セキュア ソケット レイヤ (SSL) を使用したクライアント アプリケーションと Web サービスの間の接続の保護です。
SSL に関する一般的な情報と WebLogic Server に含まれている実装については、「Secure Sockets Layer (SSL)」を参照してください。
転送レベルの Web サービス セキュリティをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。
一方向の SSL (この節で説明されるデフォルト。WebLogic Server がクライアント アプリケーションに証明書を提示する必要がある)、または双方向の SSL (クライアント アプリケーションと WebLogic Server が両方とも互いに証明書を提示する必要がある) のいずれかをコンフィグレーションできます。
WebLogic Server コア セキュリティ サブシステムに対して、一方向および双方向の SSL をコンフィグレーションする手順については、「SSL のコンフィグレーション」を参照してください。
@weblogic.jws.WLHttpsTransport
アノテーションを指定する。「weblogic.jws.WLHttpsTransport」を参照してください。jwsc
Ant タスクの <WLHttpsTransport>
子要素を指定する。「jwsc」を参照してください。
-Djava.protocol.handler.pkgs=weblogic.net
-Dweblogic.security.SSL.trustedCAKeyStore=keystore
-Djavax.net.ssl.trustStore=keystore
双方向 SSL の詳細については、「クライアント アプリケーションでの双方向 SSL のコンフィグレーション」を参照してください。
WebLogic Server で双方向 SSL をコンフィグレーションした場合は、一方向 SSL で必要なように WebLogic Server がクライアント アプリケーションに証明書を提示するだけでなく、クライアント アプリケーションも WebLogic Server に証明書を提示する必要があります。さらに、以下の要件も満たしている必要があります。
dev2dev CodeShare は、BEA の技術に関するアイデア、コード、およびベスト プラクティスを共有する、開発者向けのコミュニティです。このサイトでは、BEA のさまざまなの技術のコード例が紹介されており、Web サービスでの SSL の使い方に関するコード例もあります。
dev2dev サイトで SSL Web サービスのコード例の表示およびダウンロードを行うには、メインの「Projects」ページに移動し、[By Technology] カラムで [Web Services] リンクをクリックします。
アクセス制御セキュリティとは、アクセスできるユーザを制御するように Web サービスをコンフィグレーションし、クライアントがオペレーションの 1 つを呼び出したときに Web サービスに対して HTTP またはユーザ名トークンを使用して自身を認証するようにクライアント アプリケーションをコーディングすることです。
WebLogic Web サービスはステートレス セッション EJB または Java クラスで実装されるため、標準的な J2EE の方法でこれらのコンポーネントを保護することで Web サービスを保護できます。「WebLogic リソースのセキュリティ」を参照してください。
Web サービスが EJB で実装されている場合は、JWS ファイルで以下の Web サービス固有の JWS アノテーションを使用することもできます。
@weblogic.jws.security.SecurityRoles
- Web サービス全体または選択されたオペレーションにアクセスできるロールを指定します。@weblogic.jws.security.SecurityIdentity
- 呼び出される Web サービスが前提とする ID を指定します。これら 2 つのアノテーションを使用する場合に必要となる、EJB を明示的に実装する手順については、「ステートレス セッション EJB を実装すべき場合」を参照してください。
以下では、高度な手順について説明します。手順の詳細についてはこの章の後の節で説明します。
注意 : 次の手順では、WebLogic Web サービスを実装する JWS ファイルがすでに作成されていることを前提として、そのファイルをアクセス制御セキュリティの設定で更新します。また、Ant ビルド スクリプトを使用して Web サービスを反復的に開発することと、新しい情報で更新できる作業用の build.xml
ファイルがあることも前提となっています。さらに、保護されていない Web サービスを呼び出すクライアント アプリケーションも用意されているものとします。これらの前提条件が満たされていない場合は、以下を参照してください。
@weblogic.jws.WLHttpsTransport
アノテーションを指定する。「weblogic.jws.WLHttpsTransport」を参照してください。jwsc
Ant タスクの <WLHttpsTransport>
子要素を指定する。「jwsc」を参照してください。「Java から開始する WebLogic Web サービスの反復的な開発 : 主な手順」を参照してください。
「ユーザ、グループ、セキュリティ ロール」を参照してください。
Web サービスのオペレーションを呼び出すことができるロールを指定するには、JWS ファイルで WebLogic 固有の @weblogic.security.jws.SecurityRoles
JWS アノテーションを使用します。呼び出される Web サービスが前提とする ID を指定するには、@weblogic.security.jws.SecurityIdentity
アノテーションを使用します。
@SecurityRoles
アノテーションは、クラス レベルでもメソッド レベルでも設定できます。クラスレベルで設定した場合、ロールはすべてのパブリック オペレーションに適用されます。このアノテーションをメソッド レベルで指定することで、特定のオペレーションにロールを追加できます。
@SecurityRoles
アノテーションには、以下の 2 つの属性があります。
rolesAllowed
- オペレーションにアクセスできるロールを指定します。 このアノテーションは、Web サービスを実装するステートレス セッション EJB の ejb-jar.xml
デプロイメント記述子の <method-permission>
要素と同じ役割を持っています。
rolesReference
- Web サービスで参照されるロールのリストを指定します。@SecurityIdentity
アノテーションは、クラスレベルでのみ設定できます。属性は、呼び出される Web サービスが前提とするロールを指定する value
だけです。ロールは、WebLogic Server のセキュリティ レルム内のユーザまたはグループに対応している必要があります。
次の例では、JWS ファイルでの @SecurityRoles
アノテーションおよび @SecurityIdentity
アノテーションの使い方を示します。該当する個所は太字で表示しています。
package examples.webservices.security_roles;
import javax.ejb.SessionBean;
import javax.ejb.SessionContext;
import weblogic.ejbgen.Session;
import javax.jws.WebMethod;
import javax.jws.WebService;
import javax.jws.soap.SOAPBinding;
import weblogic.jws.WLHttpTransport;import weblogic.jws.security.SecurityRoles;
import weblogic.jws.security.SecurityIdentity;
@Session(ejbName="SecurityRolesEJB")
@WebService(name="SecurityRolesPortType",
serviceName="SecurityRolesService",
targetNamespace="http://example.org")
@SOAPBinding(style=SOAPBinding.Style.DOCUMENT,
use=SOAPBinding.Use.LITERAL,
parameterStyle=SOAPBinding.ParameterStyle.WRAPPED)
@WLHttpTransport(contextPath="security", serviceUri="SecurityRolesService",
portName="SecurityRolesPort")
// Web サービス全体を呼び出すことができるロールを指定する
@SecurityRoles(rolesAllowed="Admin")
@SecurityIdentity( value="Admin")
/**
* この JWS ファイルは、1 つのオペレーション sayHello を含む簡単な
* Java クラス実装の WebLogic Web サービスの基本となる
*
*/
public class SecurityRolesImpl implements SessionBean {
@WebMethod()
public String sayHello(String message) {
System.out.println("sayHello:" + message);
return "Here is the message: '" + message + "'";
}
// 標準の EJB メソッド。通常、メソッドをオーバーライドする必要はない
public void ejbCreate() {}
public void ejbActivate() {}
public void ejbRemove() {}
public void ejbPassivate() {}
public void setSessionContext(SessionContext sc) {}
}
Web サービスを呼び出す JAX-RPC クライアント アプリケーションを記述する場合、クライアントが自身を認証できるように、以下の 2 つのプロパティを使用してサービスにユーザ名とパスワードを送信します。
次の例は JAX-RPC 仕様からの抜粋ですが、javax.xml.rpc.Stub
インタフェースを使用してセキュアな Web サービスを呼び出す場合の、これらのプロパティの使い方を示しています。
StockQuoteProviderStub sqp = // ... スタブを取得する
sqp._setProperty ("javax.xml.rpc.security.auth.username", "juliet");
sqp._setProperty ("javax.xml.rpc.security.auth.password", "mypassword");
float quote sqp.getLastTradePrice("BEAS");
JAX-RPC を使用してセキュアな Web サービスを呼び出すクライアント アプリケーションの記述に関する詳細については、http://java.sun.com/xml/jaxrpc/index.html を参照してください。
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