WebLogic デプロイメントプログラマーズガイド

概要とロードマップ

以下の節では、このマニュアル『WebLogic デプロイメントプログラマーズガイド』の内容と構成について説明します。

マニュアルの内容と対象読者

このマニュアルは、WebLogic デプロイメント API パッケージについて理解を深めることを目的とするソフトウェア開発者向けに書かれています。この API は J2EE Deployment API 標準 (JSR-88) に記述された API 仕様に準拠し、この標準で提供されるインタフェースを拡張するものです。このマニュアルの情報を利用するにあたっては、J2EE Deployment API 標準 (JSR-88) と、そのインタフェースがどのように拡張されているかを理解することが重要なポイントになります。

WebLogic Server にはすでに、パッケージ化されたデプロイメントツール WebLogic.Deployer が含まれています。このツールを使用すると、WebLogic Server でデプロイメントサービスを利用できます。WebLogic デプロイメント API を使用して実装できるデプロイメント処理は、Deployer によって部分的に、または完全に実装されています。Deployer は WebLogic Server 環境で推奨されるデプロイメントツールです (Deployer および WebLogic Server Administration Console の使用方法については、「WebLogic Server 9.0 アプリケーションデプロイメント」を参照)。従って、デプロイメント API の実装は以下のような数少ない場合にのみ適用されます。

独自モデルを実装して使用することを計画していて (モデルの定義については、J2EE Deployment API 標準を参照)、WebLogic Service Provider Interface (SPI。J2EE Deployment API 標準を参照) とインタフェースする必要がある。この場合、WebLogic デプロイメント API のデプロイメントファクトリ (「アプリケーション評価」を参照) を使用して WebLogicDeploymentManager を取得します。これは、WebLogic SPI と連携するための javax.enterprise.deploy.spi.DeploymentManager の拡張です。
WebLogic Server Administration Console または Deployer の代わりに、独自に設計したインタフェースの使用を計画している。この場合、WebLogic デプロイメント API のクラスとインタフェースを使用して、「デプロイメントのフェーズ」の一部またはすべてを実装する方法があります。

また、このマニュアルには WebLogic Server の評価や、特定のデプロイメント方式での WebLogic デプロイメント API の使用を考えているシステム設計者にとって便利な情報も掲載しています。

このマニュアルは、ソフトウェアプロジェクトの設計、デプロイメント、テスト、およびプロダクション前のフェーズに関するものです。プロダクションフェーズでの管理、モニタ、WebLogic デプロイメント API でのアプリケーションパフォーマンスのチューニングについては直接的には取り扱いません。このデプロイメント API にはプロダクションフェーズでソフトウェアを更新するユーティリティもありますが、これはすでに利用できるデプロイメントツールの機能を反映したものです。WebLogic Server® のマニュアルと他の製品情報への参照先については、「関連マニュアル」を参照してください。

このマニュアルは、J2EE の概念、J2EE Deployment API 標準 (JSR-88)、Java プログラミング言語、エンタープライズ Java Bean (EJB)、および Web 技術に精通している読者を対象としています。付加価値の高い機能と、WebLogic デプロイメント API でアプリケーションのデプロイメントを管理する方法を重点的に扱います。

このマニュアルの手引き

このマニュアルの構成は次のとおりです。

この章「概要とロードマップ」では、このマニュアルの内容と対象読者について説明し、WebLogic デプロイメント API の機能についてまとめます。
第 2 章「WebLogic デプロイメント API について」では、WebLogic デプロイメント API のパッケージ、インタフェース、およびクラスについて説明します。J2EE Deployment API 標準 (JSR-88) の拡張、ユーティティ、ヘルパークラス、および WebLogic Server デプロイメントの新しい概念についても記載しています。
第 3 章「デプロイメントのためのアプリケーションのコンフィグレーション」では、デプロイメントの各側面をプログラム的にコンフィグレーションする方法について説明します。
第 4 章「デプロイメント工程の実行」では、デプロイメント API に関する情報の仕上げとして、デプロイメントのライフサイクルとデプロイされたアプリケーションの制御について説明します。

デプロイメント API 開発者向けのサンプル

http://www.beasys.co.jp/dev2dev/index.html で、API サンプルをダウンロードできます。API サンプルは .zip ファイルとして配布されており、既存の WebLogic Server サンプルディレクトリ構造に解凍できます。

ダウンロードしたサンプルは、インストール済みの WebLogic Server サンプルと同じ方法でビルドして実行します。詳細については、各サンプルのダウンロードページを参照してください。

WebLogic デプロイメント API のリリース固有情報

リリース固有の情報については、以下のマニュアルを参照してください。

『リリースノート』の「WebLogic Server 9.1 の新機能」。新機能、変更された機能、および非推奨の機能がリストされています。WebLogic Server のバージョン 9.0 で提供された機能が不明な場合は、『リリースノート』の「WebLogic Server 9.0 の新機能」を参照してください。
『確認済みおよび解決済みの問題』。WebLogic デプロイメント API を含むすべての WebLogic Server API に関する、確認済みの問題が一般リリースおよびサービスパックごとにリストされています。

WebLogic デプロイメント API 機能のまとめ

WebLogic デプロイメント API は、J2EE Deployment API 標準 (JSR-88) の拡張です。Sun Microsystems の Java サポートサイトで、J2EE Deployment API 標準 (JSR-88) について参照してください。

WebLogic デプロイメント API でサポートされない機能

WebLogic デプロイメント API では、アプリケーションの更新に失敗した際の自動フォールバック手続きはサポートされていません。フォールバックは重要な処理なので、この動作のポリシーと手続きは必ず開発者または管理者が定義し、コンフィグレーションするようにします。