WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド

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オペレーティング システムのチューニング

オペレーティング システムのチューニングは、使用しているオペレーティング システムのマニュアルに従って行ってください。Windows プラットフォームの場合、通常はデフォルト設定を変更する必要はありません。一方、Solaris および Linux プラットフォームでは、通常は適切なチューニングを行う必要があります。以下の節では、オペレーティング システムのパフォーマンスに関する考慮事項について説明します。

 


OS チューニングの基本概念

OS を適切にチューニングすると、エラー状態の発生が回避され、システム パフォーマンスが向上します。オペレーティング システムのエラー状態は、パフォーマンスを常に低下させます。通常、ほとんどのエラー状態は、TCP チューニング パラメータに関係し、オペレーティング システムが close_wait 呼び出しから古いソケットを解放できなかった場合に発生します。一般的なエラーとしては、サーバサイドでの「connection refused」、「too many open files」や、クライアントサイドでの「address in use: connect」があります。

ほとんどの場合、これらのエラーは、TCP の wait_time 値および TCP のキュー サイズを調整することによって回避できます。トンネリングを使用する際に調整が必要な場合がよくありますが、あまりにも大きな負荷がかかっている場合は、どのプロトコルに対しても OS のチューニングが必要な場合があります。以下の節では、さまざまなオペレーティング システムのチューニング パラメータに関する情報を示します。

注意 : 以下の節では、アプリケーションのパフォーマンスが向上すると判断されたチューニング パラメータについて説明します。ただし、ローカル環境でチューニング パラメータを変更する際は、パラメータ値のチューニングおよびパフォーマンスの変化のモニタを、OS ベンダのチューニング ドキュメントに従って行うことをお勧めします。
注意 : チューニングに関する有用な情報は、Web ページ「All SPEC jAppServer2004 Results Published by SPEC」でも提供されています。このページでは、報告済みの各 WebLogic Server ベンチマークに使用された OS チューニング パラメータが紹介されています。

 


Solaris チューニング パラメータ

以下の節では、Solaris オペレーティング システムのチューニングに関する情報を示します。

注意 : 以下の節では、パフォーマンスを改善できる共通パラメータの一覧を示します。このリストには、すべてのパラメータが含まれているとは限りません。また、変更されたパラメータ、デフォルト値が変更されたパラメータ、および別バージョンの Solaris オペレーティング システムでは無効になったパラメータが含まれている可能性もあります。詳細については、「Solaris のチューニングに関する追加情報」を参照してください。

ndd コマンドを使用した TCP パラメータの設定

この節では、チューニングすることでパフォーマンスを改善できる重要な TCP チューニング パラメータの一覧を示します。

ヒント : 使用できる TCP パラメータをすべて表示するには、netstat -s -P tcp コマンドを使用します。

次の例に示すように、TCP 関連のチューニング パラメータは ndd コマンドを使用して設定します。

注意 : ndd -set /dev/tcp tcp_conn_req_max_q 16384

/etc/system ファイル内のパラメータの設定

この節では、チューニングすることでパフォーマンスを改善できる重要な /etc/system ファイルのチューニング パラメータの一覧を示します。サーバへの各ソケット接続ではファイル記述子を消費します。ソケットのパフォーマンスを最適化するには、オペレーティング システムをコンフィグレーションして、適切な数のファイル記述子を用意しなければならない場合があります。したがって、/etc/system ファイル内にあるチューニング パラメータ (ファイル記述子の最大数、ハッシュ テーブルのサイズなど) のデフォルト値を変更する必要があります。

注意 : /etc/system パラメータを変更したら、マシンを再起動する必要があります。

CE Gigabit ネットワーク カードの設定

この節では、チューニングすることでパフォーマンスを改善できる重要な CE Gigabit ネットワーク カードのチューニング パラメータの一覧を示します。

Solaris のチューニングに関する追加情報

Solaris のチューニング オプションの詳細については、以下を参照してください。

 


Linux チューニング パラメータ

この節では、チューニングすることでパフォーマンスを改善できる重要な Linux チューニング パラメータの一覧を示します。

Linux のチューニングの詳細については、Linux ベンダのマニュアルを参照してください。また、「Ipsysctl Tutorial 1.0.4」(Linux で提供される IP オプションについての説明) も参照してください。

 


HP-UX チューニング パラメータ

この節では、チューニングすることでパフォーマンスを改善できる重要な HP-UX オペレーティング システムのチューニング パラメータの一覧を示します。

HP-UX のチューニング情報については、「Tunable Kernel Parameters」リファレンス ドキュメントを参照してください。

 


Windows チューニング パラメータ

Windows プラットフォームの場合、通常はデフォルト設定を変更する必要はありません。ただし、あまりにも負荷が大きい場合、MaxUserPort および TcpTimedWaitDelay を調整すべき場合があります。これらのパラメータでは、アプリケーションによってリクエストされるユーザ ポートの可用性を指定します。

デフォルトでは、MaxUserPort パラメータを使って、短命な (存続期間の短い) ポートに、1024 ~ 5000 の値が割り当てられます。アプリケーションが TCP 接続を閉じた後で、OS がポートを再び要求するまで待機する時間を制御する TcpTimedWaitDelay パラメータのデフォルト値は 4 分です。負荷が高い間に、これらの制限が超えられる場合があり、その場合は address in use: connect 例外が発生します。address in use: connect 例外が発生する場合は、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters キーの MaxUserPort および TcpTimedWaitDelay レジストリの値を設定してみてください。

   MaxUserPort = dword:00004e20 (10 進数では 20,000)
   TcpTimedWaitDelay = dword:0000001e (10 進数では 30)

例外が存続する場合、MaxUserPort パラメータの値を大きくしてください。

Windows 2000 のチューニング オプションの詳細については、以下を参照してください。

 


その他のオペレーティング システムのチューニング情報

Windows、HP-UX、および AIX のチューニング オプションの詳細については、以下の Web サイトを参照してください。


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