WebLogic Web サービス プログラマーズ ガイド

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概要とロードマップ

この節では、『WebLogic Web サービス プログラマーズ ガイド』の内容と構成について説明します。

 


マニュアルの内容と対象読者

このマニュアルは、WebLogic Web サービスを開発するソフトウェア開発者のための情報源です。また、WebLogic Server を評価するビジネス アナリストや、特定のアプリケーションで WebLogic Web サービスの使用を考えているシステム設計者にとって便利な情報も掲載されています。

このマニュアルのトピックは、ソフトウェア プロジェクトの設計および開発段階に関連しています。また、プロジェクトのテストおよびプロダクション前の段階で見つかるアプリケーションの問題を解決する上で便利なトピックもあります。

このマニュアルでは、プロダクション段階での Web サービスの管理、モニタ、パフォーマンス チューニングについては扱いません。これらのトピックに関する WebLogic Server® のドキュメントとリソースへのリンクについては、「関連ドキュメント」を参照してください。

このマニュアルは、J2EE および Web サービスの概念、Java プログラミング言語、および Web 技術に精通している読者を対象としています。このマニュアルでは、WebLogic Web サービスの付加価値機能と、WebLogic Server 機能を使用して WebLogic Web サービス アプリケーションを実行するための主要な情報を重点的に扱います。

 


このマニュアルの手引き

このマニュアルの構成は次のとおりです。

 


関連ドキュメント

このマニュアルには、Web サービスに固有の設計および開発上の情報が含まれています。

WebLogic Server アプリケーションを開発、デプロイ、およびモニタするための包括的なガイドラインについては、以下のドキュメントを参照してください。

 


Web サービス開発者向けのサンプル

このマニュアルの他にも、さまざまなコード サンプルが Web サービス開発者向けに用意されています。サンプルとチュートリアルでは WebLogic Web サービスの動作が例示され、主要な Web サービス開発タスクを実行する実際的な手順が示されています。

Web サービスを使用する独自のアプリケーションをプログラミングする前に、Web サービス サンプルの一部または全部を実行してみることをお勧めします。

このガイドで説明するサンプルのダウンロード

このガイドで説明されているサンプルの多くは、dev2dev CodeShare のサイトからダウンロードできます。各サンプルは、自己完結しており、必要なのは WebLogic Server をインストールしてドメインを作成し、サーバ インスタンスを起動することだけです。サンプル Web サービスを実装している JWS ファイル、Web サービス呼び出し用の Java クライアント、サンプルをビルド、デプロイ、および実行するための Ant build.xml ファイルなど、すべての必要なファイルが、ZIP ファイル内に含まれています。

Avitek Medical Records アプリケーション (MedRec) とチュートリアル

MedRec は WebLogic Server に付属したエンドツーエンドのサンプル J2EE アプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRec アプリケーションは、患者、医師、および管理者に対して、さまざまなクライアントを使用して患者のデータを管理するためのフレームワークを提供します。

MedRec では WebLogic Server と J2EE の機能が例示され、BEA 推奨のベスト プラクティスが重要点として示されます。MedRec は WebLogic Server 配布キットに含まれており、Windows マシンの [スタート] メニューからアクセスできます。Linux などのプラットフォームでは、WL_HOME\samples\domains\medrec ディレクトリから MedRec を起動します。WL_HOME は、WebLogic Server の最上位インストール ディレクトリです。

MedRec アプリケーションの手引きとして、主な開発タスク (Web サービスに固有のタスクを含む) の手順を説明する開発チュートリアルが用意されています。最新の情報については、「BEA WebLogic Server® 9.2 アプリケーション サンプルおよびチュートリアル」を参照してください。

WebLogic Server 配布キットの Web サービス サンプル

WebLogic Server では、任意で API コード サンプルを WL_HOME\samples\server\examples\src\examples\webservices にインストールできます。WL_HOME は、WebLogic Server の最上位インストール ディレクトリです。[スタート] メニューの [Examples] から、examplesServer を起動し、サンプルとその実行手順に関する情報を確認できます。

ダウンロード可能な他の Web サービス サンプル

http://www.beasys.co.jp/dev2dev/ で、他の API サンプルをダウンロードできます。これらのサンプルには、BEA で認定されたものと共に、共同開発者によって提示されたサンプルが含まれています。

 


WebLogic Web サービスのリリース固有情報

リリース固有の情報については、『リリース ノート』の以下の節を参照してください。

 


8.1 と 9.X の WebLogic Web サービスの相違点

Web サービスは J2EE 1.4 と WebLogic Server 9.X にとって最も重要なテーマの 1 つです。J2EE 1.4 では、Web サービスを作成するための標準の Java コンポーネント モデルが導入されており、Implementing Enterprise Web Services 1.1 (JSR-921) や Java API for XML Registries (JAX-R) などの新しい仕様と、更新された JAX-RPC および SAAJ 仕様が含まれています。Web サービスの実装は J2EE 標準となったため、8.1 と 9.X の WebLogic Web サービスの間には多数の変更点があります。

特に、JDK のバージョン 5.0 で導入されたメタデータ アノテーションという優れた新機能を利用するために、WebLogic Web サービスの作成に使用されるプログラミング モデルが変更されました。9.X では、JWS メタデータ アノテーションを使用して Java ファイルにアノテーションを付け、Web サービスの形式や動作に関する情報を指定します。JWS アノテーションには、Web Services Metadata for the Java Platform 仕様 (JSR-181) で定義された標準のアノテーションと WebLogic 固有の追加のアノテーションがあります。JWS ベースのプログラミング モデルは WebLogic Workshop 8.1 のものと似ていますが、8.1 では Javadoc タグを使用してメタデータを指定していました。また、8.1 の WebLogic Web サービス プログラミング モデルでは、Web サービス Ant タスク (servicegen など) の多数の属性を使用して、Web サービスの形式や動作を指定していました。プログラマは、Web サービスの特性を指定するために、デプロイメント記述子ファイル (webservices.xml) を手動で更新しなければならない場合がありました。新しいプログラミング モデルでは、Web サービスをより簡単に素早く実装できるようになっています。

詳細については、「JWS ファイルのプログラミング」を参照してください。

また、Web サービス 9.X が動作する実行時環境は、Implementing Enterprise Web Services 1.1 仕様 (JSR-921) をサポートするために、完全に書き換えられました。つまり、9.X で作成される Web サービスの内部的な実装は 8.1 で作成された Web サービスとは異なっており、両者は全く異なる実行時環境で動作します。8.1 の実行時環境は非推奨となりましたが、WebLogic Server の今後の限られたリリースで引き続きサポートされる予定です。したがって、8.1 の WebLogic Web サービスは WebLogic Server 9.X でも正常に動作しますが、常にそれが当てはまるとは限らないので、8.1 の Web サービスを 9.X の実行時環境で動作するようにアップグレードすることをお勧めします。

詳細については、「WebLogic Web サービスの構造」を参照してください。

 


WebLogic Web サービスの機能の概要

以下のリストでは、WebLogic Web サービスの主な機能の概要と、より詳細な情報へのリンクを示します。


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