WebLogic Tuxedo Connector 移行ガイド

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WLEC アプリケーションを WebLogic Tuxedo Connector 用に変更する方法

以下の節では、WebLogic Tuxedo Connector 用に WLEC アプリケーションを変換するために必要な手順について説明します。

 


Tuxedo 環境の変更方法

Tuxedo ユーザは、次のような環境の変更を行う必要があります。

Tuxedo dmconfig ファイルの作成

新しい dmconfig ファイルを作成して、Tuxedo アプリケーションと WebLogic Server アプリケーションの間の接続を提供する必要があります。Tuxedo ドメインの作成方法の詳細については、「CORBA Domains の計画とコンフィギュレーション」を参照してください。

Tuxedo tuxconfig ファイルの変更

アプリケーションは Tuxedo /T Domain ゲートウェイを使用するようになるので、tuxconfig ファイルを変更する必要があります。UBB ファイルの *SERVERS セクションに Tuxedo ドメイン サーバを追加します。

例:

     DMADM SRVGRP=SYS_GRP SRVID=7
     GWADM SRVGRP=SYS_GRP SRVID=8
     GWTDOMAIN SRVGRP=SYS_GRP SRVID=9

WebLogic Tuxedo Connector では ISL は使用されません。ISL を必要とするその他のアプリケーションがない場合は、*SERVERS セクションから ISL を削除できます。

例 : ISL セクションをコメントアウトします。

#     ISL
#          SRVGRP = SYS_GRP
#          SRVID = 5
#           CLOPT = "-A -- -n //lchp15:2468 -d /dev/tcp"

 


WebLogic Server 環境の変更方法

ここでは、WebLogic Server 環境の変更方法について説明します。

WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション方法

注意 : WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション方法の詳細については、「アプリケーション用の WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション」を参照してください。

この節では、WebLogic Server Administration Console を使用して、移行された WLEC アプリケーション用に WTC サービスを作成する基本的な方法について説明します。WTC サービスは、WebLogic Server が Tuxedo アプリケーションへの接続の作成に使用するコンフィグレーション情報を表します。移行された WLEC アプリケーション用の WTC サービスは通常、ローカル Tuxedo アクセス ポイント、リモート Tuxedo アクセス ポイント、およびインポートされたサービスで構成されます。

次の手順に従って、アプリケーションを管理するためのコンフィグレーションを作成します。

  1. WTC サービスを作成します。
  2. ローカル Tuxedo アクセス ポイントを作成します。
  3. リモート Tuxedo アクセス ポイントを作成します。
  4. インポートされたサービスを作成します。

WTC サービスを作成する

次の手順に従って、WebLogic Server Administration Console を使用して WTC サービスを作成しコンフィグレーションします。

  1. Administration Console のナビゲーション ツリーで、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。
  2. [WTC サーバ] ページで、[新規作成] をクリックします。
  3. [新しい WTC サーバの作成] ページの [名前] フィールドに、WTC サービスの名前を入力します。例 : mySimpapp
  4. [完了] をクリックします。
  5. 新しい WTC サービスが WTC サーバのリストに表示されます。

ローカル Tuxedo アクセス ポイントを作成する

注意 : ローカル アクセス ポイントのネットワーク アドレスをコンフィグレーションする場合、使用するポート番号は、他のプロセスに割り当てられたポート番号とは異なる必要があります。たとえば、WebLogic Server のリスン ポートが //mymachine:7001 に割り当てられている場合、ネットワーク アドレスを //mymachine:7001 に設定すると無効になります。

次の手順に従って、ローカル Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションします。

  1. Administration Console で、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。
  2. [WTC サーバ] ページで、mySimpapp などの WTC サービス名をクリックして、設定ページにアクセスします。
  3. [ローカル AP] タブをクリックします。
  4. [WTC ローカル アクセス ポイント] ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。
  5. [アクセス ポイント] に、このローカル Tuxedo アクセス ポイントを WTC サービスのコンフィグレーション内でユニークに識別する名前を入力します。これにより、同じアクセス ポイント ID を持つ複数のローカル Tuxedo アクセス ポイントのコンフィグレーションを作成できます。

    [アクセス ポイント ID] に、リモート Tuxedo アクセス ポイントへのセッション接続を確立するときに使用する接続名を入力します。[アクセス ポイント ID] は、Tuxedo DMCONFIG ファイルの *DM_REMOTE_DOMAINS セクションにある、対応する DOMAINID に一致する必要があります。

    [ネットワーク アドレス] に、このローカル Tuxedo アクセス ポイントのネットワーク アドレスとポートを入力します。例 : //123.123.123.123:5678

  6. [完了] をクリックします。
  7. Tuxedo 6.5 ドメインに接続する場合には、次の手順に従います。
    1. [接続] タブをクリックします。
    2. [相互運用] フィールドを [はい] に設定します。
    3. [保存] をクリックします。

リモート Tuxedo アクセス ポイントを作成する

次の手順に従って、リモート Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションします。

  1. Administration Console で、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。
  2. [WTC サーバ] ページで、mySimpapp などの WTC サービス名をクリックします。
  3. [リモート AP] タブをクリックします。
  4. [WTC リモート アクセス ポイント] ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。
  5. [アクセス ポイント] に、このリモート Tuxedo アクセス ポイントを WTC サービスのコンフィグレーション内でユニークに識別する名前を入力します。これにより、同じアクセス ポイント ID を持つ複数のリモート Tuxedo アクセス ポイントのコンフィグレーションを作成できます。

    [アクセス ポイント ID] に、ローカル Tuxedo アクセス ポイントへの接続を確立するときにリモート Tuxedo アクセス ポイントを識別するために使用する接続名を入力します。リモート Tuxedo アクセス ポイントの [アクセス ポイント ID] は、Tuxedo DMCONFIG ファイルの *DM_LOCAL_DOMAINS セクションにある、対応する DOMAINID に一致する必要があります。

    [ローカル アクセス ポイント] に、このリモート ドメインのローカル アクセス ポイントの名前を入力します。

    [ネットワーク アドレス] に、このリモート ドメインのネットワーク アドレスとポートを入力します。例 : //123.123.123.123:1234

  6. [完了] をクリックします。

インポートされたサービスを作成する

次の手順に従って、インポートされたサービスをコンフィグレーションします。

  1. Administration Console で、[相互運用性] を展開して [WTC サーバ] を選択します。
  2. [WTC サーバ] ページで、mySimpapp などの WTC サービス名をクリックします。
  3. [インポート済み] タブをクリックします。
  4. [WTC インポート サービス] ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。
  5. [リソース名] に、このインポートされたサービスのコンフィグレーションを識別するための名前を入力します。この名前により、WTC サービス内で同じリモート名を持つ、ユニークな複数のインポートされたサービスのコンフィグレーションを作成できます。

    [ローカル アクセス ポイント] を、サービスを使用するローカル Tuxedo アクセス ポイントの名前に設定します。

    [リモート アクセス ポイント リスト] に、このインポートされたサービスを提供するリモート アクセス ポイントの名前のリストを入力します。

    [リモート名] に "//domain_id" を入力します。domain_id は、Tuxedo UBBCONFIG ファイルで指定された DOMAINID です。この CORBA ドメインのユニークな識別子の最大長は、// を含めて 15 文字です。

    例 : //simpappff

  6. [完了] をクリックします。

ejb-jar.xml ファイルの更新方法

WebLogic Tuxedo Connector では、ドメイン ゲートウェイを使用して WebLogic アプリケーションと Tuxedo アプリケーションが接続されます。IIOP 接続プールは使用されないので、記述子を ejb-jar.xml ファイルから削除できます。以下は、wlec/ejb/simpapp サンプルから削除されるコードの例です。

コード リスト 2-1 wlec/ejb/simpapp サンプルの IIOP 接続プール記述子
.
.
.
<env-entry>
<env-entry-name>IIOPPoolName</env-entry-name>
<env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
<env-entry-value>simplepool</env-entry-value>
</env-entry>
.
.
.

 


WLEC アプリケーションの変更方法

以下の節では、WebLogic Tuxedo Connector を使用して WebLogic Server オブジェクトと Tuxedo CORBA オブジェクトを相互運用するために、WLEC アプリケーションを変更する方法について説明します。

WebLogic Tuxedo Connector で使用される CORBA オブジェクトを参照するように WLEC EJB を変更する方法

以下の手順に従って、EJB を変更し、WebLogic Tuxedo Connector を使用して Tuxedo にデプロイされている CORBA オブジェクトを呼び出します。

WTC ORB を初期化する

WLEC は weblogic.jndi.WLInitialContextFactory を使用して、Tobj_Bootstrap オブジェクトによって使用されるコンテキストを返します。

Properties p = new Properties();
p.put(Context.INITIAL_CONTEXT_FACTORY,
     "weblogic.jndi.WLInitialContextFactory");
InitialContext ic = new InitialContext(p);
rootCtx = (Context)ic.lookup("java:comp/env");

WLEC コンテキストの参照を置き換えて、Bean の WTC ORB を初期化します。例:

// ORB を初期化String args[] = null;
Properties Prop;
Prop = new Properties();
Prop.put("org.omg.CORBA.ORBClass",
"weblogic.wtc.corba.ORB");

orb = (ORB)new InitialContext().lookup("java:comp/ORB");

ORB を使用して FactoryFinder オブジェクトを取得する

各 WLEC 接続プールには、Tuxedo ドメインへのアクセスに使用される Tobj_Bootstrap FactoryFinder オブジェクトがあります。例:

Tobj_Bootstrap myBootstrap = 
Tobj_BootstrapFactory.getClientContext("myPool");
org.omg.CORBA.Object myFFObject = 
    myBootstrap.resolve_initial_references("FactoryFinder");

Tobj_Bootstrap FactoryFinder オブジェクトへの参照を削除します。次のメソッドを使用して、ORB を使用する FactoryFinder オブジェクトを取得します。

// 文字列をオブジェクトに変換org.omg.CORBA.Object fact_finder_oref = 		
orb.string_to_object("corbaloc:tgiop:simpapp/FactoryFinder");

// ファクトリ ファインダをナロー変換
FactoryFinder fact_finder_ref =
FactoryFinderHelper.narrow(fact_finder_oref);

// ファクトリ ファインダを使用して Simple ファクトリを見つける
org.omg.CORBA.Object simple_fact_oref =
fact_finder_ref.find_one_factory_by_id(SimpleFactoryHelper.id());

トランザクションの問題

注意 : JTA トランザクションの実装方法の詳細については、『WebLogic JTA プログラマーズ ガイド』を参照してください。

この節では、トランザクションを使用する WLEC アプリケーションの変更方法について説明します。

 


WLEC から WTC へ移行するセキュリティ事項の管理方法

次の表に、セキュリティ事項の WLEC と WTC の間のマッピング ガイドラインと、その Tuxedo との関係を示します。

表 2-1 WLEC から WTC へ移行するセキュリティ事項のマッピング ガイドライン
WLEC のセキュリティ事項
WTC/WLS でのマッピング
Tuxedo
ユーザ名
[WTC サーバ] ページにアクセスし、[ローカル AP] タブをクリックする。[アクセス ポイント ID] フィールドのユーザ名を使用する。
DMCONFIG ファイルの DM_REMOTE_DOMAINS セクションにある DOMAINID
ユーザ パスワード
パスワードのペア (相互認証を形成するには、1 つのパスワードではなく、ローカル アクセス ポイント用のパスワードと、リモート アクセス ポイント用のパスワードを定義する必要がある)。
"weblogic.wtc.gwt.genpasswd" ユーティリティを使用して暗号化されたパスワードのペアを生成できる。それを切り取って、Administration Console の [WTC パスワード コンフィグレーション] ページに貼り付ける。
dmadmin を使用して、定義された各 TDomain セッションにパスワードのペアを追加する。
ロール
サポートされていない。
WTC ではなりすましユーザが信頼され、Tuxedo で定義されたなりすましユーザのロールが使用される。
 
アプリケーション パスワード
[WTC リソース] ページのパスワード。"weblogic.wtc.gwt.genpasswd" ユーティリティを使用して、暗号化されたアプリケーション パスワードを生成する。
特別なコンフィグレーションは不要。
最小暗号化レベル
  1. [WTC サーバ] ページにアクセスし、WTC サービス名をクリックする。
  2. [リモート AP] タブをクリックする。
  3. [セキュリティ] タブをクリックし、必要な [最小暗号化レベル] を選択する。
DMCONFIG ファイルの DM_TDOMAIN セクションにある MINENCRYPTBITS
最大暗号化レベル
  1. [WTC サーバ] ページにアクセスし、WTC サービス名をクリックする。
  2. [リモート AP] タブをクリックする。
  3. [セキュリティ] タブをクリックし、必要な [最大暗号化レベル] を選択する。
DMCONFIG ファイルの DM_TDOMAIN セクションにある MAXENCRYPTBITS
証明書認証
サポートされていない。
 
セキュリティ コンテキストの伝播
  1. [WTC サーバ] ページにアクセスし、WTC サービス名をクリックする。
  2. [リモート AP] タブをクリックする。
  3. [セキュリティ] タブをクリックし、[資格ポリシー] フィールドで [グローバル] を選択して Tuxedo にユーザ資格を伝播する。
DMCONFIG ファイルの DM_REMOTE_DOMAINS セクションにある ACL="GLOBAL"

以下の考慮事項に留意していただくと、現在お使いの WLEC セキュリティを WTC および Tuxedo セキュリティにマップする方法が理解しやすくなります。


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