ORACLE JAPAN Server Release 6.1

 

  |  

  WebLogic Server ホーム   |     管理者ガイド   |   前へ   |   次へ   |   目次   |   索引   |   PDF 版

トランザクションの管理

 

以下の節では、トランザクション管理について説明するとともに、Administration Console でトランザクションをコンフィグレーションおよび管理する際のガイドラインを紹介します。

JDBC 接続プールをコンフィグレーションして JDBC ドライバを分散トランザクションに参加できるようにする方法については、 JDBC 接続の管理を参照してください。

 


トランザクション管理の概要

Administration Console を使用すると、JavaTransaction API(JTA)などの WebLogic Server 機能をコンフィグレーションおよび有効化するためのツールを利用できます。Administration Console を起動するには、「WebLogic Server とクラスタのコンフィグレーション」で説明されている手順を参照してください。トランザクションのコンフィグレーション プロセスでは、属性の値を指定する必要があります。指定した属性によって、以下のような、トランザクション環境のさまざまな側面を定義できます。

トランザクション環境をコンフィグレーションする前に、EJB、JDBC、JMS など、トランザクションに参加可能な J2EE コンポーネントについてよく理解しておく必要があります。

J2EE コンポーネントのコンフィグレーションの詳細については、このマニュアルの対応する章、および Administration Console オンライン ヘルプを参照してください。

 


トランザクションのコンフィグレーション

Administration Console では、すべての JTA コンフィグレーション属性に対して、デフォルト値が用意されています。コンフィグレーション属性に対して無効な値を指定すると、再起動時に WebLogic Server は起動しません。

JTA のコンフィグレーション設定は、ドメイン レベルで適用できます。つまり、コンフィグレーション属性の設定はドメイン内のすべてのサーバに適用されることになります。JTA のモニタ タスクおよびロギング タスクは、サーバ レベルで実行されます。

WebLogic JTA および任意のトランザクション参加コンポーネントをコンフィグレーションすると、システムは JTA API および WebLogic JTA 拡張機能を使用してトランザクションを実行できます。

アプリケーションを実行する前にトランザクション属性をコンフィグレーションすることもできますし(静的コンフィグレーション)、アプリケーションの実行時にトランザクション属性をコンフィグレーションすることもできます(動的コンフィグレーション)。ただし、後者の場合、例外が 1 つあります。[トランザクション ログファイルのプレフィックス] 属性は、アプリケーションの実行前に設定する必要があります。

トランザクション属性をコンフィグレーションするには、以下の手順に従います。

  1. Administration Console を起動します。

  2. 左ペインのドメイン ノードを選択します。デフォルトでは、そのドメインの [コンフィグレーション] タブが表示されます。

  3. [JTA] タブを選択します。

  4. 属性ごとに、値を指定するか、または適用可能な場合はデフォルト値をそのまま使用します。

  5. [適用] をクリックして、新しい属性値を保存します。

  6. サーバのコンフィグレーション時に [トランザクション ログファイルのプレフィックス] 属性が設定されていることを確認します。ロギングに関する属性の設定については、 トランザクションのモニタとログを参照してください。

表 15-1 では、WebLogic Server で使用可能なトランザクション属性について簡単に説明します。属性の詳細、および属性の有効な値とデフォルト値については、Administration Console オンライン ヘルプの「ドメイン」を参照してください。

表15-1 トランザクション属性

属性

説明

[タイムアウト秒数]

強制ロールバックされるまで、トランザクションがアクティブ状態を継続できる時間(秒単位)。

[トランザクションを保持する最長時間]

トランザクション コーディネータがトランザクションの完了を試み続ける最長時間(秒単位)。

[beforeCompletion の反復上限]

強制ロールバックの前に処理される beforeCompletion コールバックの回数。

[最大トランザクション数]

特定のサーバ上で一度にアクティブにできるトランザクションの最大数。

[ユニーク名の最大数]

サーバが一度にトラッキングできるユニークなトランザクション名の最大数。

[ヒューリスティックを無視]

トランザクション マネージャが、ヒューリスティックな出力を得たトランザクションを無視するようリソースに指示するかどうかを指定するブール値。

 


トランザクションのモニタとログ

Administration Console を使用すると、トランザクションをモニタしたり、トランザクション ログ ファイルのプレフィックスを指定したりできます。モニタ タスクおよびロギング タスクは、サーバ レベルで実行されます。トランザクション統計は特定のサーバに表示され、トランザクション ログ ファイルは各サーバに格納されます。

トランザクション統計を表示し、トランザクション ログ ファイルのプレフィックスを設定するには、以下の手順に従います。

  1. Administration Console を起動します。

  2. 左ペインのサーバ ノードをクリックします。

  3. 左ペインで特定のサーバを選択します。

  4. [モニタ] タブを選択します。

  5. [JTA] タブを選択します。トランザクション統計の総計が [JTA] ダイアログに表示されます。モニタに関するテキスト リンクをクリックすると、リソースや名前でトランザクションをモニタしたり、すべてのアクティブなトランザクションをモニタしたりすることもできます。

  6. [ログ] タブを選択します。

  7. [JTA] タブを選択します。

  8. トランザクション ログ ファイルのプレフィックスを入力し、[適用] をクリックして属性値を保存します。

値と属性のモニタとログの詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「サーバ」を参照してください。

 


別のマシンへのサーバの移動

アプリケーション サーバが別のマシンに移動された場合、サーバは新しいディスクにあるトランザクション ログ ファイルを見つけられなければなりません。このため、トランザクション ログ ファイルを新しいマシンに移動してからサーバを起動することをお勧めします。そうすることによって、確実に適切な回復処理を実行できます。新しいマシンでパス名が異なる場合は、[トランザクション ログファイルのプレフィックス] 属性を新しいパス名で更新してからサーバを起動します。

サーバに障害が発生した後でトランザクション ログを移行する場合は、すべてのトランザクション ログ ファイルを新しいマシンで使用可能にしてから、マシンでサーバを起動します。このような移行は、両方のマシンで使用可能なデュアル ポート ディスクにトランザクション ログ ファイルを格納することで実行できます。計画的な移行の場合は、新しいマシンでパス名が異なるときに、[トランザクション ログファイルのプレフィックス] 属性を新しいパス名で更新してからサーバを起動します。必ず、新しいマシンですべてのトランザクション ログ ファイルが使用可能になっていることを確認してから、サーバを起動してください。そうしないと、クラッシュ時にコミット中だったトランザクションが適切に解決できず、その結果、アプリケーション データに矛盾が発生する場合があります。

 

back to top previous page next page