ORACLE JAPAN Server Release 6.1

 

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トラップ通知

 

この章では次の内容について説明します。

 


WebLogic SNMP トラップ タイプの概要

SNMP エージェントによって SNMP マネージャに送信される、イベントの発生またはしきい値への到達についてのレポートをトラップ通知と呼びます。WebLogic SNMP エージェント ソフトウェアが生成できるトラップ通知には、次のようにいくつかのタイプがあります。

この節では、これらさまざまなタイプのトラップ通知を生成するために WebLogic SNMP エージェントを設定する方法について説明します。トラップ通知が送信される送り先の設定方法については、「 SNMP を使用した WebLogic Server の管理」を参照してください。

 


SNMP トラップ フォーマット

SNMP 規格では、マネージャに送信されるトラップ通知を 図 2-1のフィールドを備えたプロトコル データ ユニット(PDU)であると規定しています。

図2-1 SNMP トラップ パケット


 

フィールドには次の意味があります。

注意: WebLogic 6.1 SNMP エージェントで使用される enterprise OID は、WebLogic 5.1 SNMP エージェントで使用された enterprise OID とは異なります。WebLogic 6.1 用の enterprise OID は .1.3.6.1.4.140.625 です。

WebLogic 固有トラップ タイプ

次の表は、WebLogic SNMP エージェントが生成する enterpriseSpecific トラップの固有トラップ タイプについて説明したものです。

表2-1 WebLogic 固有トラップ タイプ

WebLogic
固有トラップ
番号

トラップの
タイプ

意味

60

ログ メッセージ トラップ

ログ通知トラップを送信するためにユーザが定義した基準と一致するメッセージがサーバで記録されたときに生成される。

65

serverStart トラップ

以前停止していた管理対象サーバが起動したことをエージェントが検出したときに生成される。

70

serverShutDown トラップ

以前稼働していた管理対象サーバが停止したことをエージェントが検出したときに生成される。

75

モニタ トラップ

ユーザが定義した JMX モニタが、ユーザ定義のしきい値への到達またはイベントの発生を検出したときに生成される。

80

属性変更トラップ

ユーザが選択した属性の値が変更したことをエージェントが検出したときに生成される。

定義済みの WebLogic SNMP トラップ

WebLogic SNMP エージェントは、自動的に次の汎用トラップを生成します。

WebLogic SNMP エージェントが生成する他のすべてのトラップ通知はエンタープライズ固有のトラップ(generic type 6)です。

次の enterpriseSpecific トラップ通知もエージェントによって自動的に生成されます。

 


属性変更トラップ

選択した WebLogic コンフィグレーション属性が変更したことを SNMP エージェントに通知するために WebLogic SNMP エージェントを設定するには、次の操作を行います。

  1. (起動していない場合は)Administration Console を起動します。

  2. 左のペインで [SNMP|トラップ|SNMP 属性の変更] を選択します。これによって、属性の変更テーブルが表示されます。このテーブルには、選択したコンフィグレーション属性の変更をエージェントが検出したときに SNMP トラップを送信するために作成したフィルタがリストされます。テーブルには、エージェントがモニタしているそれぞれのコンフィグレーション属性に対して 1 つのフィルタがあります。

  3. 新しい属性変更フィルタを作成するには、[新しい Attribute Change のコンフィグレーション] リンクを選択して [属性の変更] 画面を表示します。この画面のフィールドに次のように入力します。

  4. [作成] をクリックして、新しい属性変更フィルタを作成します。

  5. 新しい属性変更フィルタをアクティブにするために、管理サーバを再起動します。

属性変更トラップ通知の変数バインドには、次のような名前と値の組が含まれています。

注意: 実行時属性の変更に関するモニタの作成はサポートされていません。属性値の変更をモニタできるのは、コンフィグレーション MIB 内にある属性だけです。

 


ログ メッセージ トラップ

WebLogic ロギング サブシステムは、各 WebLogic Server のローカル ログにメッセージの記録を取ります。SNMP エージェントは、エージェントが通知を受けたいログ メッセージを選択するローカル サーバ上にログ メッセージ フィルタを登録できます。フィルタの条件を満たすログ メッセージがローカル WebLogic Server に生成されると、JMX ログ通知がエージェントに送信され、エージェントは SNMP ログ通知トラップを生成します。

ログ通知フィルタは、次のようなログ メッセージ属性に基づいてログ メッセージを選択するように定義できます。

ログ通知フィルタの作成

ログ通知フィルタを作成するには、次の操作を行います。

  1. (起動していない場合は)Administration Console を起動します。

  2. 左のペインで [SNMP|トラップ|SNMP ログ フィルタ] を選択します。これによって SNMP ログ フィルタ テーブルが表示され、ローカル サーバに登録したすべてのフィルタが示されます。

  3. 新しいログ フィルタを作成するには、[新しい Log Filter のコンフィグレーション] リンクを選択して [ログ フィルタ] 画面を表示します。この画面のフィールドに次のように入力します。

  4. [作成] をクリックして、新しいログ メッセージ フィルタを作成します。

  5. 管理サーバを再起動して、新しいログ メッセージ フィルタをアクティブにします。

ログ メッセージ トラップにおける変数バインド

ログ メッセージの属性はトラップの変数バインドとして SNMP マネージャに渡されます。ログ通知トラップの変数バインドには、次のような名前と値の組が含まれています。

ログ メッセージと WebLogic Server ロギング サブシステムの詳細については、『WebLogic Server 管理者ガイド』を参照してください。

 


モニタ トラップ

WebLogic SNMP エージェントでは、ユーザが定義した条件の発生またはしきい値への到達をチェックするために、指定した間隔で WebLogic リソースのポーリングを行うように Java Management Extension(JMX)モニタをコンフィグレーションできます。ユーザが定義したモニタが指定された条件を検出すると、トラップ通知が SNMP マネージャに送信されます。この機能によって、SNMP 管理ステーションから WebLogic 管理サーバへの WebLogic リソースのポーリングの負荷を軽減できます。

次の 3 種類の JMX モニタをコンフィグレーションできます。

カウンタ モニタのコンフィグレーション

JMX カウンタ モニタを設定するには、次の操作を行います。

  1. (起動していない場合は)Administration Console を起動します。

  2. 左のペインで [SNMP|トラップ|モニタ|SNMP カウンタ モニタ] を選択します。これによって、カウンタ モニタ テーブルが表示されます。このテーブルにコンフィグレーション済みのカウンタ モニタがすべてリストされます。

  3. 新しいカウンタ モニタを作成するには、[新しい Counter Monitor のコンフィグレーション] リンクを選択して [SNMP カウンタ モニタ] 画面を表示します。この画面のフィールドに次のように入力します。

  4. [作成] をクリックして、新しいカウンタ モニタを作成します。

  5. 管理サーバを再起動して、新しいモニタをアクティブにします。

ゲージ モニタのコンフィグレーション

JMX ゲージ モニタを設定するには、次の操作を行います。

  1. (起動していない場合は)Administration Console を起動します。

  2. 左のペインで [SNMP|トラップ|モニタ|SNMP ゲージ モニタ] を選択します。これによって、ゲージ モニタ テーブルが表示されます。このテーブルにコンフィグレーション済みのゲージ モニタがすべてリストされます。

  3. 新しいゲージ モニタを作成するには、[新しい Gauge Monitor のコンフィグレーション] リンクを選択して [SNMP ゲージ モニタ] 画面を表示します。この画面のフィールドに次のように入力します。

  4. [作成] をクリックして、新しいゲージ モニタを作成します。

  5. 管理サーバを再起動して、新しいモニタをアクティブにします。

文字列モニタのコンフィグレーション

JMX 文字列モニタを設定するには、次の操作を行います。

  1. (起動していない場合は)Administration Console を起動します。

  2. 左のペインで [SNMP|トラップ|モニタ|SNMP 文字列モニタ] を選択します。これによって、文字列モニタ テーブルが表示されます。このテーブルにコンフィグレーション済みの文字列モニタがすべてリストされます。

  3. 新しい文字列モニタを作成するには、[新しい String Monitor のコンフィグレーション] リンクを選択して [SNMP 文字列モニタ] 画面を表示します。この画面のフィールドに次のように入力します。

  4. [作成] をクリックして、新しい文字列モニタを作成します。

  5. 管理サーバを再起動して、新しい文字列モニタをアクティブにします。

モニタ トラップに含まれる変数

JMX モニタは、指定したしきい値または条件に対してポーリングを行い、エージェントは、指定したしきい値に到達したとき、または指定した条件が発生したときにモニタ トラップを生成します。WebLogic SNMP エージェントには、それぞれのモニタ トラップの変数バインドに次のような名前と値の組があります。

 


トラップ生成の無効化

ログ フィルタ トラップや JMX モニタ トラップなど、特定のタイプのトラップのためにエントリを作成すると、そのようなトラップの生成は、管理サーバが再起動されて初めてアクティブになります。ただし、トラップ生成の非アクティブ化は、作成済みのトラップ リクエストに対して、Administration Console 経由で(または weblogic.Admin コマンドライン インタフェースで)動的に行うことができます。

特定のタイプのトラップに対するトラップ生成を有効にするときには、Administration Console に表示されるそのタイプのトラップ用のテーブルにエントリを作成します。トラップの非アクティブ化は、トラップ テーブルのエントリを削除するだけでできます。つまり、特定の条件に対してポーリングを行う JMX カウンタ モニタを作成した場合、[SNMP|トラップ|モニタ|SNMP カウンタ モニタ] で表示されたテーブルでそのカウンタ モニタ用のエントリを削除すると、モニタをオフにすることになります。

 

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