このリリースには、Java 5 でリリースされた Java の標準アノテーションのサポートが組み込まれています。その標準は JSR 175 で定義されています。このトピックでは、バージョン 10.x へのアップグレード時にバージョン 8.1 のアノテーションに対して行われる処理について説明します。 明確な変更点としては、2 つのバージョン間での構文の相違が挙げられます。たとえば、バージョン 8.1 のアノテーションは Javadoc スタイルのコメントに埋め込まれていました。アップグレード ツールを使用してバージョン 8.1 のアプリケーションをアップグレードすると、バージョン 10.x に対応するアノテーションが存在するアノテーションはすべてツールによってアップグレードされます。旧バージョン スタイルのアノテーションは通常、そのまま残されます。残されたアノテーションはバージョン 10.x のランタイムでは無視されます。
注意 : Java 5 アノテーションの基本的な情報については、Sun の Web サイトにある「Annotations」を参照してください。
バージョン 8.1 からアップグレードされるアプリケーションに対して行われる変更の詳細なリストについては、「WebLogic Workshop 8.1 からバージョン 10.x へのアップグレード時における変更点」を参照してください。
Java 5 アノテーション機能を利用するために Workshop バージョン 10.x では、バージョン 8.1 でサポートされていたアノテーションを移行したものが使用されます。たとえば、バージョン 8.1 の @common:operation
アノテーションは、バージョン 10.x では、メソッドが Web サービスのオペレーションとして使用されることを示す @WebMethod
アノテーションに置き換えられます。
バージョン 8.1 のほとんどのアノテーションについては、対応するアノテーションがバージョン 10.x に存在します。ただし、いくつかの例外があります。また、移行されたアノテーションの大部分は Apache Beehive プロジェクトの一部になっています。
注意 : 対応するアノテーションがバージョン 10.x に存在するすべてのアノテーションは、アップグレード ツールによってアップグレードされます。
バージョン 8.1 とは異なり、バージョン 10.x ではアノテーションは Java 型であり、コード内でインポートされるか、または完全に修飾される必要があります。これらの型を使用するコードを追加することでバージョン 8.1 のコード内のアノテーションがアップグレードされるため、8.1 のコードですでに使用されている型と同じ名前のアノテーションが追加されるとあいまいさの問題が発生する場合があります。
たとえば、バージョン 8.1 のセッション Bean で偶然 JMS Session
インタフェースが使用され、javax.jms.*
がインポートされているとします。アップグレードされたセッション Bean は、@Session
アノテーション (weblogic.ejbgen.Session
) でマークされます。インポートには javax.jms.*
と weblogic.ejbgen.Session
が含まれますが、コンパイラではどちらが単純な @Session
アノテーションと使用されるかを識別できません。
通常ではアップグレードされたコードでのコンパイル エラーは、単にこのあいまいさが原因になっていると考えられます。この問題に対処するには、使用される場所でアノテーションの型を完全に修飾します。