[インポート] ウィザードを使用してバージョン 8.1 のアプリケーションをアップグレードするには

Workshop バージョン 10.x には、[インポート] ウィザードを使用してバージョン 8.1 のアプリケーションをアップグレードできる機能が用意されています。このウィザードでは、正常に機能するバージョン 8.1 のアプリケーションを正常に機能するバージョン 10.x のアプリケーションにアップグレードするための変更がほとんどすべて行われます。バージョン 8.1 とバージョン 10.x の相違点は多数あるので、多くの変更が行われます。当然、コードの書き換えを必要とする変更やアプリケーションで行う処理について推測する必要のある変更は、行われる変更のリストから省略されます。

注意 : このウィザードを使用する前に、バージョン 8.1 のアプリケーションを SP4、SP5、または SP6 にアップグレードしておく必要があります。

[インポート] ウィザードの使用は通常、アップグレード プロセスの一部でしかないことに注意してください。アプリケーションで使用されている技術によっては、準備作業を行うことでウィザードを使用するアップグレード プロセスがより効率的になる場合があります。同様に、アップグレードされたアプリケーションをコンパイルおよび実行するために、ウィザード使用後の作業が必要になる場合もあります。アップグレード プロセスに関する高度な詳細については、「概要 : WebLogic Workshop 8.1 からのアップグレード」を参照してください。

注意 : Sun JVM に関する確認済みの問題 (Windows オペレーティング システム上でアプリケーションのアップグレード中に JAR ファイルがロックされる) が原因で、アップグレード後に temp ディレクトリにファイルが残される場合があります。この場合は、最初に IDE を閉じるまでにそれらのファイルを削除しなければなりません。

ウィザードに対するアップグレードのデフォルトの設定

ウィザードのプロンプトの一部に対してデフォルトを設定できます。これは、複数のアプリケーションを同じ設定でアップグレードする場合に便利です。アップグレードのデフォルトを設定するには、次の手順に従います。

  1. Workshop バージョン 10.x で、[ウィンドウ|設定] をクリックします。
  2. [設定] ダイアログの左ペインで、[WebLogic] を展開して [アップグレード] をクリックします。
  3. 必要に応じてデフォルトを設定し、[OK] をクリックします。

    設定自体については、下記のインポートおよびアップグレードの手順で説明します。

大規模アプリケーションに対応するためのウィザードのメモリの確保

[インポート] ウィザードを使用して大規模アプリケーションをアップグレードする前に、Java 仮想マシンが Workshop に割り当てるメモリの最大容量を一時的に増やすよう考慮してください。アップグレード プロセスでは、多数のファイルが含まれる可能性のあるコンパイル手順が必要になります。推奨される最大メモリは 1GB です。

以下のようにして最大メモリを増加できます。

アップグレード ツールの使用終了後は、最大メモリを開発に適切なレベルに戻します。

バージョン 8.1 のアプリケーションをインポートしアップグレードするには

  1. アップグレードされるファイルがソース コントロール システムにある場合は、ウィザードを実行する前にそれらをチェック アウトしておきます。
  2. Workshop バージョン 10.x を起動します。
  3. アップグレードされたファイルの送り先になるワークスペースを開くか、または作成します。
  4. [ファイル|インポート] をクリックします。
  5. [インポート] ダイアログで、[その他|Workshop 8.1 アプリケーション] を選択して、[次へ] をクリックします。
  6. [Workshop 8.1 アプリケーション アップグレード] ダイアログで [参照] ボタンをクリックし、アップグレードする Workshop 8.1 アプリケーションの WORK ファイルを指定します。
  7. WORK ファイルを選択すると、アプリケーションのプロジェクトのリストがチェック ボックスとともに表示されます。
  8. プロジェクトのリストで、アップグレードおよびインポートしないプロジェクトについてはチェック ボックスのチェックをはずします。必要なプロジェクトのチェック ボックスが選択されていることを確認してください。

    プロジェクトを選択解除して、それらをアップグレードから省略できますが、選択解除したプロジェクトと選択したプロジェクトの間のビルドと可視性の依存関係は失われます。選択解除したプロジェクトのアップグレードを後で選択する場合は、プロジェクトの間の依存関係を手動で再設定する必要があります。

  9. [ソースのアップグレード] で [全般]、[NetUI Project Upgrader オプション]、[プロパティ ファイル アップグレーダ オプション]、および [JSP ファイル マイグレータ オプション] を展開して、以下のアップグレード オプションについて検討します。
    • [全般] では、エラー処理とメッセージの詳細度について適切なオプションを選択する。次の表にオプションを示します。

      [エラー処理] オプション

    • 設定 説明
      [エラーをログに記録してアップグレードを続行](デフォルト) エラーの発生に関係なくアップグレードは継続される。エラーはログに記録される。
      [エラーをログに記録してアップグレードを中断] エラーが発生するとアップグレードは中止される。エラーはログに記録される。
      [エラー時にダイアログを表示] アップグレード エラーごとにダイアログが表示される。エラーはアップグレード ログにも記録される。

      [メッセージの詳細度] オプション

      設定 説明
      [情報コメントを含める](デフォルト) アップグレード メッセージには、3 つの重大度レベルのコメント (情報、警告、およびエラー) がすべて含まれる。
      [警告コメントを含める] アップグレード メッセージには、上位 2 つの重大度レベルのコメント (警告およびエラー) が含まれる。
      [エラー コメントを含める] アップグレード メッセージには、最も重大度の高いコメント (エラー) のみが含まれる。
    • [NetUI Project Upgrader オプション] では、[WebLogic J2EE 共有ライブラリの使用] チェック ボックスを選択することで、アプリケーションのアップグレードされるすべてのプロジェクトで実行時ライブラリの共通セットを共有できる。
    • [プロパティ ファイル アップグレーダ オプション] では、[Web コンテンツ フォルダからのコピーされたリソース バンドル ファイルの削除] チェック ボックスを選択することで、アップグレードされるプロジェクトから不要なリソース バンドルを削除できる。
    • [JSP ファイル マイグレータ オプション] では、[BEA NetUI タグを Apache Beehive タグで置き換えます。] チェック ボックスを選択することで、バージョン 8.1 の JSP タグをアップグレードできる。

      アップグレードおよび JSP タグに関する重要な情報については、JSP タグをアップグレードする前に「ページ フローのアップグレード」にある JSP タグのアップグレードに関する記述を読んでください。WebLogic Workshop 8.1 の一部であった NetUI カスタム JSP タグの多くは、Apache Beehive オープンソース プロジェクトで使用されていました。これらのタグの最新バージョンは Beehive プロジェクトにあります。このチェック ボックスを選択することで、アップグレードされるプロジェクトのバージョン 8.1 のタグを現在のタグに置き換えることができます。

  10. [次へ] をクリックします。Workshop によってアプリケーションが順番にインポートおよびコンパイルされ、ファイルごとのアップグレード ステータス メッセージが表示されます。
  11. Java ライセンス契約に関するメッセージが表示された場合は、[I Agree] または [I Disagree] をクリックします。[I Disagree] をクリックすると、アプリケーションのアップグレードは中止されます。
  12. [アップグレードのプレビュー] では、含まれるファイルのリストおよび関連するアップグレード メッセージに注目します。「アップグレード ログの表示」で説明したとおり、ダイアログにあるノードを展開すると、各ファイルのメッセージを表示できます。ここで表示されるメッセージは、ウィザードの作業終了後にログ ファイルでも参照できます。
  13. メッセージの確認が終了したら、[終了] をクリックします。

関連トピック

概要 : WebLogic Workshop 8.1 からのアップグレード