このチュートリアルでは、Web サービスを構築するためのビジュアル開発環境である WebLogic Workshop の主な機能を体験します。チュートリアルでは Investigate という Web サービスを構築します。この Web サービスは、クレジット レポートに関するクライアント リクエストを受け取り、必要な調査と計算を実行し、レポートを返すように設計されています。チュートリアルは約 3 時間で終了します。
チュートリアルの目的
このチュートリアルを通じて、WebLogic Workshop で Web サービスを作成およびテストする方法を学習します。途中、サービスの機能を公開するメソッドの作成方法、WebLogic Workshop による非同期通信と疎結合のサポート、設計のプロセスを速めるコントロールなどについて学習します。
チュートリアルの概要
このチュートリで構築する Investigate Web サービスは、申込者についてのクレジット関連情報を収集し、信用価値のスコアと評価を算出して、合わせた情報をクライアントに返します。
このシナリオには 6 つの主体があります。
Web サービスのクライアント。Investigate のクライアントは、ローンまたはクレジット申し込み処理システムです。例として、デパートのクレジット カード申し込み処理システムが挙げられます。こうしたシステムでは、申込者の信用価値を判断するために Investigate Web サービスを使用します。システムは申込者の納税者 ID を提供し、サービスはクレジット スコアを算出して返します。
Investigate Web サービス。サービスはクライアントからのリクエストの一部として納税者 ID を受け取り、申込者の信用価値に関する情報で応答します。
申込者の破産情報を格納するデータベース。
申込者のクレジット履歴情報を持つクレジット カード レポート Web サービス。
収集した情報に基づいてクレジット スコアを算出するように設計されたクレジット スコアリング アプリケーション。
スコアに基づいてクレジットの評価を提供するように設計されたエンタープライズ JavaBean(EJB)。
このチュートリアルでは、機能を少しずつ追加するプロセスを紹介し、構築した Web サービスのテスト方法を示します。
このチュートリアルのステップ
ステップ 1: Investigate Web サービスを開始する ― 30 分
このステップでは、初めての WebLogic Workshop Web サービス を構築して実行します。WebLogic Workshop と WebLogic Server を起動してから、単一のメソッドを持つ Web サービスを作成します。
ステップ 2: 非同期通信のサポートを追加する ― 25 分
Web を介した通信に固有のネットワーク レイテンシの問題に取り組みます。ネットワーク レイテンシとは、ネットワークを介してデータを転送する場合によく発生する時間遅延です。
ステップ 3: データベース コントロールを追加する ― 20 分
データベースにアクセスするためのコントロールを追加して、破産情報のデータベースに問い合わせます。
ステップ 4: サービス コントロールを追加する ― 15 分
ServiceControl を使用して Web サービスを呼び出し、申込者のクレジット カード データを収集します。
ステップ 5: JMS コントロールと EJB コントロールを追加する ― 20 分
収集したデータを取り出して、社内アプリケーションにクレジット スコアを取得するよう要求します。次に、クレジット スコアを エンタープライズ JavaBean(EJB)に送信します。EJB ではスコアを使用して申込者の信用リスクを測定します。
ステップ 6: マッピング用のスクリプトを追加する ― 15 分
XML マップを適用して、Investigate サービス内に格納されたデータを、クライアントへ配信するための特定の XML 形式に変換します。
ステップ 7: 取り消しと例外処理のサポートを追加する ― 15 分
クライアントがリクエストを取り消す場合、クレジット カード サービスからの応答を待機する時間が長過ぎる場合、サービスのメソッドから例外が送出される場合などの可能性に適切に対応するため、Investigate Web サービスの機能を強化します。
ステップ 8: クライアント アプリケーション ― 20 分
Web サービスを呼び出すために Java コンソール クライアントを構築します。また、最初の設計の代わりとしてポーリング インタフェースをサポートするように、Web サービスを変更します。
ステップ 9: デプロイメントとセキュリティ ― 10 分
セキュリティを高めるために Web サービスを変更し、HTTP ではなく HTTPS(セキュア HTTP)を介して Web サービスを公開します。また、プロダクション サーバへのデプロイメント用に Web サービスをパッケージ化します。
まとめ : 初めての Web サービス ― 15 分
チュートリアルで扱った概念と技術を復習します。このステップでは、それぞれの分野に関する詳細情報へのリンクも提供します。
チュートリアルを開始するには、ステップ 1: Investigate Web サービスを開始するを参照してください。
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