13 ハードウェアの再構成

この章では、基本的な調整方法について説明します。この付録には、次の項があります。

コンポーネントのパスワードの変更

ハードウェアおよびソフトウェアの初期構成後に各種ラック・コンポーネントのパスワードを変更することをお薦めします。

関連項目:

各種リカバリ・アプライアンス・コンポーネントのデフォルトのユーザーおよびパスワードのリストは、Oracle Zero Data Loss Recovery Applianceのデフォルトのユーザー・アカウントを参照してください。

計算サーバーのパスワードの変更

計算サーバーでユーザー・アカウントおよびGRUBパスワードを変更できます。計算サーバーのデフォルト・ユーザー・アカウントはrootおよびソフトウェア所有者アカウントです。通常、ソフトウェア所有者のアカウントはoracleです。

ユーザー・アカウントのパスワードの変更

計算サーバーには、rootおよびソフトウェア所有者(通常はoracle)の2つのデフォルトのユーザー・アカウントがあります。

計算サーバーでユーザー・アカウントのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. rootとして、計算サーバーにログインします。
  2. Linux passwdコマンドを使用します。この例では、oracleアカウントのパスワードが変更されます。
    # passwd oracle
    Changing password for user oracle.
    Changing password for oracle
    (current) UNIX password: old_password
    New UNIX password: new_password
    Retype new UNIX password: new_password
GRUBアカウントのパスワードの変更

計算サーバーでGRUBアカウントのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. rootとして、計算サーバーにログインします。
  2. 次のコマンドを使用します。
    # grub-md5-crypt 
    

    新しいパスワードの入力を2回求められます。

  3. grub-md5-cryptで生成された文字列をコピー・バッファにコピーします。
  4. テキスト・エディタで/boot/grub/grub.confファイルを開き、パスワード設定を探します。その行は次のようなものです。
    password --md5 hashed_string
    
  5. 既存のハッシュ文字列をgrub-md5-cryptコマンドの出力からコピーした文字列に置き換えます。
  6. ファイルを保存します。

ストレージ・サーバーのパスワードの変更

ストレージ・サーバーのデフォルトのユーザー・アカウントはrootcelladminおよびcellmonitorです。

ストレージ・サーバーでユーザー・アカウントのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. rootとして、計算サーバーにログインします。
  2. Linux passwdコマンドを使用します。この例では、celladminアカウントのパスワードが変更されます。
    # passwd celladmin
    Changing password for user celladmin.
    Changing password for celladmin
    (current) UNIX password: old_password
    New UNIX password: new_password
    Retype new UNIX password: new_password

PDUでの新規ユーザーの作成とパスワードの変更

配電ユニット(PDU)のデフォルトのユーザー・アカウントはadminです。最大で5つまでユーザーを作成し、そのパスワードを設定できます。

PDUでユーザーおよびパスワードを作成するには、次のようにします。

  1. Webブラウザを開き、アドレス・フィールドにPDUのIPアドレスを入力します。

    現在の測定ページが表示されます。

  2. ページの左上の「ネットワーク構成」をクリックします。
  3. PDUメーター・ユニットにadminユーザーとしてログインします。
  4. 管理/ユーザー・フィールドを探します。ユーザー名とパスワードには、アルファベットと数字のみを使用できます。
  5. 管理/ユーザー・フィールドにユーザー名とパスワードを最大で5つまで入力します。
  6. 各ユーザーを管理者またはユーザーとして指定します。
  7. 「送信」をクリックして、ユーザー名とパスワードを設定します。

Oracle ILOMパスワードの変更

Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)のデフォルトのユーザー・アカウントはrootです。

Oracle ILOMユーザーのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. SSHを使用してOracle ILOMに接続し、rootとしてログインします。
  2. パスワードを変更するには、次のコマンドを使用します。
    set /SP/users/user_name password
    

この例では、user1のパスワードが変更されます。

set /SP/users/user1 password

Changing password for user /SP/users/user1/password...
Enter new password:********
Enter new password again:********
New password was successfully set for user /SP/users/user1

InfiniBandスイッチのパスワードの変更

InfiniBandスイッチのデフォルトのユーザー・アカウントはrootilom-adminilom-userilom-operatorおよびnm2userです。

InfiniBandスイッチでユーザーのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. SSHを使用してInfiniBandスイッチに接続し、ログインします。
    ssh user_name@switch_name
    

    前述のコマンドのuser_nameはユーザーの名前、switch_nameはInfiniBandスイッチの名前です。

  2. スイッチのファームウェアのバージョンをチェックします。
  3. Oracle ILOMを使用してパスワードを変更します。
    ssh -l ilom-admin switch_name
    
    set /SP/users/user_name password
    

関連項目:

次のWebサイトの『Sun Datacenter InfiniBand Switch 36 User's Guide』を参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E36265_01/index.html

Ciscoイーサネット・スイッチのパスワードの変更

Ciscoイーサネット・スイッチにはユーザー・アカウントがありません。パスワードはいわゆる有効化パスワードであり、ユーザー・アカウントに固有ではありません。

Ciscoイーサネット・スイッチのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. enableモードに変更します。
    Switch> enable
    
  2. 次のように、パスワードを設定します。
    rasw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    rasw-ip(config)# enable password password
    rasw-ip(config)# enable secret password
    rasw-ip(config)# end
    rasw-ip# write memory 
    *Sep 15 14:25:05.893:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2502 bytes to 1085 bytes [OK ]
    
  3. 現在の構成を保存します。
    rasw-ip# copy running-config startup-config
    
  4. セッションを終了します。
    rasw-ip# exit

リカバリ・アプライアンス・データベース・ユーザーのパスワード変更

リカバリ・アプライアンスのデフォルトのデータベース・ユーザー・アカウントのパスワードを変更することをお薦めします。

リカバリ・アプライアンス・データベース・ユーザーのパスワードを変更するには:

  1. rasysとして、計算サーバーにログインします。

  2. 次のRACLIコマンドを発行します。

    racli alter rasys_user --password
  3. 要求された場合は、新しいパスワードを入力して確認します。

    Enter rasys Password:
    Confirm new rasys Password:
    

    リカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントに対して指定するパスワードは、8文字以上にする必要があります。強力なパスワード認証が使用されているため、単純なパスワードは使用できません。

関連項目:

リカバリ・アプライアンスのデフォルトのデータベース・ユーザーおよびパスワードの詳細は、Oracle Zero Data Loss Recovery Applianceのデフォルトのユーザー・アカウントを参照してください。

OSBテープ・バックアップ・パスワードの変更

OSBテープ・バックアップのデフォルトのアカウントには、アプリケーション・ユーザーのadminoracleおよび暗号化キーウォレットのアカウントがあります。

OSBテープ・バックアップ・アプリケーション・ユーザーのパスワードを変更するには:

  1. rootとして、計算サーバーにログインします。

  2. obtool chuserコマンドを使用します。

    この例では、adminアカウントのパスワードが変更されます。

    # obtool chuser -q admin
    Password:********
    Password (again):********
    #

OSBテープ・バックアップの暗号化キーウォレットのパスワードを変更します。

  1. rootとして、計算サーバーにログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。

    # export OBCONFIG=/osbcat/etc/obconfig
    # obcm chpass --keywallet
    Old wallet password:********
    New wallet password:********
    New wallet password (again):********
    Wallet password has been reset
    #

関連項目:

リカバリ・アプライアンスのデフォルトのOSBテープ・バックアップ・アカウントおよびパスワードの詳細は、Oracle Zero Data Loss Recovery Applianceのデフォルトのユーザー・アカウントを参照してください。

DNSサーバーの変更

ドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバーの構成設定は、初期設定後に変更できます。リカバリ・アプライアンスのすべてのサーバーおよびスイッチは、同じDNSサーバーを参照する必要があります。この項では、サーバーおよびスイッチを同じDNSサーバーに設定する方法について説明します。サーバーは1回に1つずつ変更することをお薦めします。

InfiniBandスイッチでのDNSサーバー・アドレスの変更

InfiniBandスイッチでDNSサーバー・アドレスを変更するには、Oracle ILOMに接続し、ilom-adminユーザーとしてログインします。次のいずれかの方法を選択できます。

  • Oracle ILOM Webインタフェース

    「構成」タブをクリックして、DNSサーバー・アドレスを設定します。

  • Oracle ILOM CLI

    次のコマンドを使用して、DNSを設定します。

    set /SP/clients/dns nameserver=dns_ip
    

    前述のコマンドで、dns_ipはDNSサーバーのIPアドレスです。複数のサーバーの場合は、カンマ区切りのリストを入力します。次に例を示します。

    set /SP/clients/dns nameserver=dns_ip1,dns_ip2,dns_ip3

Ciscoイーサネット・スイッチでのDNSサーバー・アドレスの変更

Ciscoイーサネット・スイッチでDNSサーバー・アドレスを変更するには、次のようにします。

  1. SSHを使用してイーサネット・スイッチにアクセスし、管理者のパスワードを使用してadminユーザーとしてログインします。

    SSHが構成されていない場合は、Telnetを使用してスイッチにアクセスします。

  2. enableモードに変更します。
    Switch> enable
    
  3. 現在使用中のDNS IPアドレスをリストします。
    Switch# show running-config
    
  4. 現在のDNSサーバー・アドレスと、無効なIPアドレスを消去します。この例では3つのIPアドレスが消去されます。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# no ip name-server 10.7.7.2
    Switch(config)# no ip name-server 129.148.5.4
    Switch(config)# no ip name-server 10.8.160.2
    Switch(config)# end
    Switch# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2603 bytes to 1158 bytes [OK ]
    
  5. 最大3つのDNSサーバーを構成します。次に、3つの新規DNSサーバーが構成される例を示します。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# ip name-server 10.7.7.3
    Switch(config)# ip name-server 129.148.5.5
    Switch(config)# ip name-server 10.8.160.1
    Switch(config)# write memory 
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2603 bytes to 1158 bytes [OK ]
    
  6. 変更を確認します。
    Switch# show running-config
    Building configuration...
    ...
    ip domain-name example.com
    ip name-server 192.168.10.2
    ip name-server 192.168.10.3
    ip name-server 192.168.10.4
    ...
    
  7. 稼働中の構成を、起動構成として保存します。
    Switch# copy running-config startup-config
    Destination filename [startup-config]? 
    Building configuration...
    Compressed configuration from 14343 bytes to 3986 bytes[OK]
    
  8. セッションを終了します。
    Switch# exit

計算サーバーでのDNSサーバー・アドレスの変更

計算サーバーでDNSサーバー・アドレスを変更するには、次のようにします。

  1. rootユーザーとしてログインします。
  2. テキスト・エディタで/etc/resolv.confファイルを開きます。
  3. DNSサーバーのname server設定を探して、新しい値に変更します。次に例を示します。
    search        example.com
    nameserver    10.7.7.3
    
  4. ファイルを保存してエディタを閉じます。
  5. サーバーILOMでDNSサーバーを設定します。
    ipmitool sunoem cli 'set /SP/clients/dns nameserver=dns_ip'
    

    前述のコマンドで、dns_ipはDNSサーバーのIPアドレスです。複数のDNSサーバーの場合は、カンマ区切りのリストを入力します。次に例を示します。

    set /SP/clients/dns nameserver=dns_ip1,dns_ip2,dns_ip3
    
  6. 計算サーバーごとに、この手順を繰り返します。

ストレージ・サーバーでのDNSサーバーの変更

ストレージ・サーバーでDNSサーバーまたはNTP設定を変更するには、次のようにします。

  1. rootユーザーとして、ストレージ・サーバーにログインします。
  2. My Oracle Support Doc ID 1188080.1のステップ1から5に従って、サーバーをオフラインにします。
  3. セル・サービスおよびocrvottargetdサービスを停止します。
    # cellcli -e alter cell shutdown services all
    # service ocrvottargetd stop
    
  4. ipconfユーティリティを使用して、DNS設定を変更します。
    # /usr/local/bin/ipconf
    
  5. サーバーを再起動します。
    # shutdown -r now
    
  6. My Oracle Support note 1188080.1のステップ7から9に従って、サーバーをオンラインに戻します。
  7. ストレージ・サーバーごとに、この手順を繰り返します。

NTPサーバーの変更

ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)サーバーの構成設定は、初期設定後に変更できます。同じ時刻に同期されるように、リカバリ・アプライアンスのすべてのサーバーおよびスイッチは、同じNTPサーバーを参照する必要があります。この項では、リカバリ・アプライアンスのサーバーおよびスイッチを同じNTPサーバー・アドレスに設定する方法について説明します。各サーバーは1つずつ変更することをお薦めします。

この項の内容は次のタスクを含みます:

ノート:

  • このタスクが完了したら、リカバリ・アプライアンスを再起動する必要があります。

  • リカバリ・アプライアンスで使用する1つまたは2つのNTPサーバーを構成できます。

計算サーバーでのNTPサーバー・アドレスの設定

計算サーバーでNTPサーバー・アドレスを設定するには、次のようにします。

  1. rootとして、計算サーバーにログインします。
  2. サーバーのNTPサービスを停止します。
    service ntpd stop
    
  3. テキスト・エディタで/etc/ntp.confを開いて、新しいNTPサーバーのIPアドレスを入力します。
  4. 計算サーバーでNTPサービスを再起動します。
    service ntpd start
    
  5. 2番目の計算サーバーで、このタスクを繰り返します。

InfiniBandスイッチでのNTPサーバー・アドレスの設定

ノート:

InfiniBandスイッチのファイルは手動で編集しないでください。

Sun Datacenter InfiniBand Switch 36でNTPサーバー・アドレスを設定するには、次のようにします。

  1. ilom-adminユーザーとしてスイッチにログインします。
  2. 次のいずれかの方法を使用して、日付、タイムゾーン、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)を設定します。
    • ILOMグラフィカル・インタフェースの「構成」ページ。

    • 次のCLIコマンド:

      set /SP/clock timezone=preferred_tz
      set /SP/clients/ntp/server/1 address=ntp_ip1
      set /SP/clients/ntp/server/2 address=ntp_ip2
      set /SP/clock usentpserver=enabled 
      

      前述のコマンドで、preferred_tzは優先されるタイムゾーン、ntp_ip1およびntp_ip2はNTPサーバーのIPアドレスです。少なくとも1つのNTPサーバーを構成する必要があります。2番目のサーバーはオプションです。

  3. 他のInfiniBandスイッチで、このタスクを繰り返します。

Ciscoイーサネット・スイッチでのNTPサーバー・アドレスの設定

Ciscoイーサネット・スイッチでNTPサーバーを設定するには、次のようにします。

  1. SSHを使用してイーサネット・スイッチへの接続を開き、adminとしてログインします。SSHが構成されていない場合は、Telnetを使用します。
  2. enableモードに変更します。
    Switch> enable
    
  3. 現在の構成を確認します。
    Switch# show running-config
    
  4. 現在のNTPサーバー構成と、無効なNTPアドレスを消去します。次の例で、現在のIPアドレスは10.10.10.1と10.8.8.1です。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# no ntp server 10.10.10.1
    Switch(config)# no ntp server 10.8.8.1
    Switch(config)# end
    Switch# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2603 bytes to 1158 bytes [OK ]
    
  5. 最大2台のNTPサーバーを構成します。次に、10.7.7.1および10.9.9.1が新規IPアドレスとして使用される例を示します。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# ntp server 10.7.7.1 prefer
    Switch(config)# ntp server 10.9.9.1
    Switch(config)# end
    Switch# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2603 bytes to 1158 bytes [OK ]
    
  6. 変更を確認します。
    Switch# show running-config
    
    Building configuration...
    ...
    ntp server 192.168.10.10 prefer
    ...
    
  7. 構成を保存します。
    Switch# copy running-config startup-config
    Destination filename [startup-config]? 
    Building configuration...
    Compressed configuration from 14343 bytes to 3986 bytes[OK]
    
  8. セッションを終了します。
    Switch# exit

ストレージ・サーバーでのNTPサーバーの設定

ストレージ・サーバーでNTPサーバーを設定するには、次のようにします。

  1. rootユーザーとして、ストレージ・サーバーにログインします。
  2. My Oracle Support note 1188080.1のステップ1から5に従って、サーバーをオフラインにします。
  3. セル・サービスおよびocrvottargetdサービスを停止します。
    # cellcli -e alter cell shutdown services all
    # service ocrvottargetd stop
    
  4. ipconfユーティリティを使用して、NTP設定を変更します。
    # /usr/local/bin/ipconf
    
  5. サーバーを再起動します。
    # shutdown -r now
    
  6. My Oracle Support note 1188080.1のステップ7から9に従って、サーバーをオンラインに戻します。

リカバリ・アプライアンスの再起動

サーバーおよびスイッチを変更したら、リカバリ・アプライアンスを再起動します。

タイムゾーン設定の変更

この項では、初期の構成およびデプロイメント後に、リカバリ・アプライアンスでタイムゾーンを変更する場合の詳細を示します。タイムゾーン設定を変更する場合は、次のコンポーネントを変更する必要があります。

  • ストレージ・サーバー

  • 計算サーバー

  • Sun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチ

  • Ciscoスイッチ

ノート:

タイムゾーン設定を変更する前に、ストレージ・サーバー上のセル・サービスとOracle Clusterwareサービスを停止する必要があります。

次のタスクでは、コンポーネントでタイムゾーン設定を変更する方法について説明します:

ストレージ・サーバーでのタイムゾーン設定の変更

すべてのストレージ・サーバーに対する設定変更を完了してから、計算サーバーの設定を変更してください。

ストレージ・サーバーでタイムゾーン設定を変更するには、次のようにします。

  1. ストレージ・サーバーにrootユーザーとしてログインします。
  2. セルでプロセスを停止します。
    # cellcli -e alter cell shutdown services all
    
  3. ipconfスクリプトを実行します。
    # /opt/oracle.cellos/ipconf
    
  4. タイムゾーン・プロンプトが表示されるまで、スクリプト・プロンプトに従います。その他の設定は変更しないでください。

    次に、タイムゾーンを南極大陸のマクマードから米国のニューヨーク市に変更する場合の例を示します。米国の番号は230です。

    The current timezone: Antarctica/McMurdo
    Do you want to change it (y/n) [n]: y
     
    Setting up local time...
     
    1) Andorra
    2) United Arab Emirates
    3) Afghanistan
    .
    .
    .
    15) Aruba
    16) Aaland Islands
    Select country by number, [n]ext, [l]ast: 230
    
    Selected country: United States (US). Now choose a zone
     
    1) America/New_York
    2) America/Detroit
    3) America/Kentucky/Louisville
    .
    .
    .
    15) America/North_Dakota/New_Salem
    16) America/Denver
    Select zone by number, [n]ext: 1
    
    Selected timezone: America/New_York
    Is this correct (y/n) [y]:
    
  5. 残りのプロンプトに従いますが、他の値は変更しないでください。
  6. 次のファイルでタイムゾーンの変更が表示されることを確認します。これらのファイルの変更を例を示します。
    • /opt/oracle.cellos/cell.conf

      $VAR1 = {
                'Hostname' => 'xdserver.us.example.com',
                'Ntp servers' => [
                                   '10.141.138.1'
                                 ],
                'Timezone' => 'America/New_York',
      
    • /etc/sysconfig/clock

      ZONE="America/New_York"
      UTC=false
      ARC=false
      #ZONE="Antarctica/McMurdo"
      #ZONE="America/New_York"
      #ZONE="America/Los_Angeles"
      

      コメント化されていない値(先頭に#が付いていない値)が現在の設定です。

    • /etc/localtime

      strings /etc/localtimeコマンドを使用して、ファイルの表示可能な文字を参照します。最後の行にはタイムゾーン設定が含まれます。

      EST5EDT,M3.2.0,M11.1.0
      
  7. サーバーを再起動します。
  8. dateコマンドを使用して、現在のタイムゾーンを表示します。次に、コマンドの出力例を示します。
    # date
    Thu Jun 12 16:43:47 EDT 2014
    
  9. $ADR_BASE/diag/asm/cell/host_name/alert.logファイルを確認します。プロセスを再起動した時刻が現在の正しい時刻と一致していることを確認します。

計算サーバーでのタイムゾーン設定の変更

計算サーバーでタイムゾーン設定を変更するには、次のようにします。

  1. 計算サーバーでrootユーザーとしてログインします。
  2. Oracle Clusterwareサービスを停止します。
    # GI/bin/crsctl stop crs
    
  3. clockファイルを、ストレージ・サーバーの1つからコピーします。
    # scp root@storage_cell:/etc/sysconfig/clock /etc/sysconfig/clock
    
  4. クラスタ・レディ・サービス(CRS)を無効にします。
    # GI/bin/crsctl disable crs
    

    このステップによって、サーバーの再起動時にクラスタ・レディ・サービス(CRS)が自動的に再起動することが防止されます。

  5. 計算サーバーを再起動します。
  6. dateコマンドを使用して、タイムゾーンの変更を検証します。
  7. CRSを有効化します。
    # GI/bin/crsctl enable crs
    

    このステップによって、CRSがその前の構成設定にリストアされます。

  8. CRSを起動します。
    # GI/bin/crsctl start crs

InfiniBandスイッチでのタイムゾーン設定の変更

次の手順では、Sun Datacenter InfiniBand Switch 36でタイムゾーン設定を変更する方法について説明します。

  1. SSHを使用してスイッチに接続し、rootユーザーとしてログインします。
  2. Webアドレスを使用して、Oracle ILOMにログインします。
    http://switch_alias
    
  3. 「構成」タブを選択します。
  4. クロック・タブを選択します。
  5. NTPを使用して時刻を同期フィールドが有効になっていることを確認します。
  6. サーバーの正しいIPアドレスを入力します。
  7. 「保存」をクリックします。

Ciscoスイッチでのタイムゾーン設定の変更

Ciscoスイッチでタイムゾーン設定を変更するには、次のようにします。

  1. Telnetを使用してrootユーザーとしてCiscoスイッチに接続します。
  2. enableコマンドを使用して、特権モードを開始します。
  3. configure terminalコマンドを使用して、構成を開始します。
  4. 次のコマンドを使用して、クロックを設定します。
    clock timezone zone hours_offset [minutes_offset]
    

    前述のコマンドのzoneは標準時が有効の場合に表示するタイムゾーンの名前、hours_offsetはUTCからの時間オフセット、minutes_offsetはUTCからの分オフセットです。デフォルトのタイムゾーンはUTCです。

    サマータイム(Daylight Savings Time)を設定するには、次のコマンドを使用します。

    clock summer-time zone recurring [week day month hh:mm week day month   \
          hh:mm [offset]]
    

    前述のコマンドのweekは月単位の週(1から5の数値)、dayは曜日(Sunday、Mondayなど)、monthは月(January、Juneなど)、hh:mmは24時間形式の時間、offsetはサマータイム中に追加される分数です。hh:mmのデフォルト値は60です。サマータイムはデフォルトでは無効になっています。

    次に、タイムゾーンをアメリカ東部に設定し、サマータイムを有効にする場合の例を示します。

    $ telnet raeth-ip
    Connected to raeth-ip
    Escape Character is 'CTRL+]'
    
    User Access Verification
    
    Password: password
    raeth-ip> enable
    Password: password
    raeth-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    raeth-ip(config)# clock timezone EST -5
    raeth-ip(config)# clock summer-time EDT recurring
    raeth-ip(config)# end
    raeth-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 6421 bytes to 2041 bytes[OK]
    raeth-ip# show clock
    12:03:43.516 EDT Wed May 12 2012