31 DBMS_AUTO_REPORT
DBMS_AUTO_REPORT
パッケージは、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)で取得されたSQL監視データおよびリアルタイムの自動データベース診断モニター(ADDM)データを表示するためのインタフェースを提供します。また、これらのデータのAWRでの取得方法を制御するサブプログラムも提供します。
参照:
データベース操作のレポート作成の詳細は、『Oracle Database SQLチューニング・ガイド』を参照してください。
この章のトピックは、次のとおりです:
31.1 DBMS_AUTO_REPORTの概要
このパッケージは、AWRで取得されたSQL監視データおよびリアルタイムADDMデータを表示するためのインタフェースを提供します。また、これらのデータのAWRでの取得方法の動作を制御するサブプログラムも提供し、DBA_HIST_REPORTS
およびDBA_HIST_REPORTS_DETAILS
という2つのビューで公開します。
31.3 DBMS_AUTO_REPORTサブプログラムの要約
この表は、DBMS_AUTO_REPORT
パッケージのサブプログラムのパラメータについて説明しています。
表31-1 DBMS_AUTO_REPORTパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
---|---|
START_REPORT_CAPTUREプロシージャで開始されたSQL監視データ全体の取得を終了します。 |
|
指定したレポートIDの格納済レポートを取得します。 |
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指定したレポートIDの格納済XMLレポートを取得します。 |
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AWRで取得されたSQL監視データおよびリアルタイムADDMデータを一覧表示する、XMLレポートを取得します。 |
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取得サイクルを前回実行した後に新たに監視されるようになったSQLのSQL監視データを毎分取得し、AWRに格納します。 |
31.3.1 FINISH_REPORT_CAPTUREプロシージャ
このプロシージャは、START_REPORT_CAPTURE
プロシージャで開始されたSQL監視データ全体の取得を終了します。
このサブプログラムがコールされた後も、すべてのアクティブなSQLではなく、監視が完了したSQLのうち重要だと思われるトップ5のSQL(経過時間、あるいはPQの場合は経過時間*DOPに応じる)に対しては、1分毎にデータが取得されます。
構文
DBMS_AUTO_REPORT.FINISH_REPORT_CAPTURE;
31.3.2 REPORT_REPOSITORY_DETAILファンクション
このプロシージャは、指定されたレポートIDの格納済レポートを、XMLやHTMLなどの指定された形式で取得します。
構文
DBMS_AUTO_REPORT.REPORT_REPOSITORY_DETAIL ( rid IN NUMBER DEFAULT NULL, type IN VARCHAR2 DEFAULT 'XML', base_path IN VARCHAR2 DEFAULT NULL) RETURNS CLOB
パラメータ
表31-2 REPORT_REPOSITORY_DETAILファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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ファンクションによって戻される格納済レポートのID。 |
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レポートの目的の形式。値は |
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未使用/操作不能 |
戻り値
指定したレコードIDの永続化されたレポート。
31.3.3 REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XMLファンクション
このプロシージャは、指定したレポートIDの格納済XMLレポートを取得します。
構文
DBMS_AUTO_REPORT.REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XML ( rid IN NUMBER DEFAULT NULL, base_path IN VARCHAR2 DEFAULT NULL) RETURNS XMLTYPE
パラメータ
表31-3 REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XMLファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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ファンクションによって戻される格納済レポートのID。 |
|
未使用/操作不能 |
戻り値
指定したレコードIDの永続化されたXMLレポート。
31.3.4 REPORT_REPOSITORY_LIST_XMLファンクション
このプロシージャは、AWRで取得されたSQL監視データおよびリアルタイムADDMデータを一覧表示する、XMLレポートを取得します。
入力パラメータを使用すると、このリスト・レポートに組み込む取得データを選択したり、制限することができます。すべてのパラメータはオプションです。
構文
DBMS_AUTO_REPORT.REPORT_REPOSITORY_LIST_XML ( active_since IN DATE DEFAULT NULL, active_upto IN DATE DEFAULT NULL, snapshot_id IN NUMBER DEFAULT NULL, dbid IN NUMBER DEFAULT NULL, inst_id IN NUMBER DEFAULT NULL, con_dbid IN NUMBER DEFAULT NULL, session_id IN NUMBER DEFAULT NULL, session_serial IN NUMBER DEFAULT NULL, component_name IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, key1 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, key2 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, key3 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, report_level IN VARCHAR2 DEFAULT 'TYPICAL', base_path IN VARCHAR2 DEFAULT NULL) RETURNS XMLTYPE
パラメータ
表31-4 REPORT_REPOSITORY_LIST_XMLファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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データ選択に使用する時間範囲の開始時点。時間範囲を指定すると、その時間範囲内にアクティブであったデータのみがリストに含められます。値が指定されていない場合は、この時間範囲として、現在のシステム時間で終了する過去24時間が選択されます。 |
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時間範囲の終わりであること以外は、 |
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値を指定すると、指定したスナップショットIDの期間内に取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、スナップショットIDによるフィルタリングは実行されません。 |
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値を指定すると、指定したデータベースIDで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、データベースIDによるフィルタリングは実行されません。 |
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値を指定すると、指定したインスタンス番号で取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、インスタンスIDによるフィルタリングは実行されません。 |
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値を指定すると、指定したコンテナDBIDで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、コンテナDBIDによるフィルタリングは実行されません。 |
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値を指定すると、指定したセッションIDで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、セッションIDによるフィルタリングは実行されません。 |
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値を指定すると、指定したセッションで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、セッション・シリアル番号によるフィルタリングは実行されません。このパラメータは、 |
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SQL監視データでは |
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コンポーネント関連のキー値。SQL監視の場合、 |
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コンポーネント関連のキー値。SQL監視の場合、 |
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コンポーネント関連のキー値。SQL監視の場合、 |
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現時点では、 |
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未使用/操作不能 |
31.3.5 START_REPORT_CAPTUREプロシージャ
このプロシージャは、取得サイクルを前回実行した後に新たに監視されるようになったSQLのSQL監視データを毎分取得し、AWRに格納します。
各取得サイクルでは、現在実行もキューイングもされていないSQLのデータの取得が試みられます。これは、データ全体の取得です。新たに監視されるすべてのSQLのデータが取得されるからです。FINISH_REPORT_CAPTUREプロシージャで明示的に終了されるまで、毎分実行されます。RACシステムの場合は、クラスタ内の各ノードで取得が開始されます。
構文
DBMS_AUTO_REPORT.START_REPORT_CAPTURE;