99 DBMS_LOGMNR
LogMinerパッケージの1つであるDBMS_LOGMNR
パッケージには、LogMinerツールを初期化し、LogMinerセッションを開始および終了するために使用するサブプログラムが格納されています。
LogMinerパッケージのCONTINUOUS_MINE
機能は廃止されました。これは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で非推奨になりました。かわりとなる機能はありません。
この章のトピックは、次のとおりです:
参照:
LogMinerの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。
99.1 DBMS_LOGMNRの概要
Oracle Databaseの一部であるOracle LogMinerを使用すると、SQLインタフェースを介してオンラインおよびアーカイブのREDOログ・ファイルを問い合せることができます。DBMS_LOGMNR
パッケージは、LogMinerを開始および停止し、対象となるREDOログ・ファイルを指定するための大部分のツールを提供します。
ユーザー・データやデータベース・ディクショナリに対するすべての変更は、Oracle REDOログ・ファイルに記録されます。これによってデータベース・リカバリ操作が実行できます。REDOログ・ファイルに記録されたデータを使用して、次のタスクも実行できます。
-
アプリケーション・レベルで発生したエラーなど、データベースの論理的な破損の開始時点を特定します。
-
トランザクション・レベルでファイングレインなリカバリを行うために必要な処置を特定します。
-
傾向分析により、パフォーマンス・チューニングとキャパシティ・プランニングを実行します。
-
データベースで実行したすべてのデータ操作言語(DML)文およびデータ定義言語(DDL)文、これらを実行した順序、および実行したユーザーの追跡。
参照:
LogMinerディクショナリを抽出し、代替の表領域にLogMiner表を再作成するパッケージ・サブプログラムの詳細は、「DBMS_LOGMNR_D」を参照してください。
99.3 DBMS_LOGMNRの定数
DBMS_LOGMNR
パッケージは、パラメータ値の指定に使用するいくつかの列挙定数を定義します。列挙定数にはパッケージ名を接頭辞として付加する必要があります(DBMS_LOGMNR.NEW
など)。
ノート:
dbms_logmnr.start_logmnr
パッケージのcontinuous_mine
オプションは、Oracle Database19c (19.1)ではサポートが終了されていて使用できなくなっています。
次の表に、DBMS_LOGMNR
パッケージのADD_LOGFILE
オプション
・フラグの定数を示します。
表99-1 ADD_LOGFILEオプション・フラグの定数
定数 | 説明 |
---|---|
|
|
|
指定のREDOログ・ファイルを分析対象のREDOログ・ファイルのリストに追加します。重複するファイルを追加しようとすると、例外( |
表99-2に、DBMS_LOGMNR
パッケージのSTART_LOGMNR
オプション・フラグの定数を示します。
表99-2 START_LOGMNRオプション・フラグの定数
定数 | 説明 |
---|---|
|
このオプションを設定すると、コミットされたトランザクションに対応するDML文が戻されます。コミットされたトランザクションに対応するDML文は、グループ化されます。トランザクションは、コミットされた順序で戻されます。ロールバックまたは処理中のトランザクションは、内部REDOレコード(索引操作、管理などに関連するもの)であるため、除外されます。 このオプションを設定しない場合、すべてのトランザクション(コミット、ロールバック、処理中)の行がREDOログで見つかった順序(SCN値の順序)で戻されます。 |
|
|
|
使用中のLogMinerディクショナリがフラット・ファイルであるか、REDOログに格納されている場合、LogMinerは、DDLイベントが発生すると内部ディクショナリを更新します。これにより、LogMinerの内部ディクショナリが作成された後に変更されたオブジェクトに対し、 このオプションは、 |
|
フラット・ファイルまたは分析対象のREDOログ・ファイルに含まれたLogMinerディクショナリではなく、現行のオンライン・データベース・ディクショナリを使用するようにLogMinerに指示します。 このオプションは、 データベースの表定義がREDOログ・ファイルの表定義と一致しない場合、 |
|
このオプションを設定すると、LogMinerは指定したREDOログ・ファイルにLogMinerディクショナリが見つかるものと予想します。REDOログ・ファイルは、 |
|
このオプションを設定すると、再構築されたSQL文の終わりにSQLデリミタ(セミコロン)が付加されません。この指定は、カーソルでオープンしてから、再構築された文を実行するアプリケーションに有効です。 |
|
このオプションを設定すると、再構築されたSQL文に このオプションを使用する場合、ソース・データベースで、サプリメンタル・ロギングが適切なレベルで有効で、対象となる表に重複した行が存在しないことを確認する必要があります。LogMinerには論理行識別子の一意性に関する保証がありません。 |
|
このオプションを設定すると、LogMinerは再構築されたSQL文を読み易いようにフォーマットします。これらの再構築されたSQL文は実行できません。 |
|
設定する場合、SQL_REDOおよびSQL_UNDOは、数値、日時および時間隔の列のタイプにリテラルを使用します。 |
複数のオプションを指定するには、オプション間にプラス記号(+)を使用します。次に例を示します。
EXECUTE DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR(OPTIONS => - DBMS_LOGMNR.DDL_DICT_TRACKING + DBMS_LOGMNR.DICT_FROM_REDO_LOGS);
99.4 DBMS_LOGMNRのビュー
DBMS_LOGMNR
パッケージで使用するビューについては、『Oracle Databaseユーティリティ』のビューでのLogMiner操作情報へのアクセスに関する項を参照してください。
99.5 DBMS_LOGMNRの操作上のノート
LogMinerセッションは、DBMS_LOGMNR.ADD_LOGFILE
またはDBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
(前者はログ・ファイルを明示的に指定する場合、後者は調査を継続する場合)へのコールで開始します。セッションはDBMS_LOGMNR.END_LOGMNR
へのコールで終了します。
LogMinerセッション内で、分析対象のREDOログ・ファイル、対象となるSCNまたは時間範囲を指定し、V$LOGMNR_CONTENTS
ビューに対して、SQL SELECT
文を発行して、関連するデータを取得できます。
ADD_LOGFILE
プロシージャは、START_LOGMNR
プロシージャより前に呼び出す必要があります。
ノート:
フィルタを適用する前にログ・ファイルを追加する必要があります。連続ロギングはサポートされなくなりました。指定した時間またはSCNに一致するログ・ファイルが追加されていない場合、DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
はエラーORA-01291: missing logfile
で失敗します。
99.6 DBMS_LOGMNRサブプログラムの要約
この表は、DBMS_LOGMNR
サブプログラムを示し、簡単に説明しています。
マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)では、一部のサブプログラムはルートからコールする必要があります。それ以外にも、違いがある可能性があります。詳細は、個々のサブプログラムの説明を参照してください。
表99-3 DBMS_LOGMNRパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
---|---|
REDOログ・ファイルを既存または新規作成したLogMinerの処理対象のREDOログ・ファイルのリストに追加します。これによって、新しいリストの作成時に、LogMinerセッションの開始位置がマークされます。 |
|
このファンクションに対する |
|
LogMinerセッションを終了します。 |
|
このファンクションに対する |
|
LogMinerの処理対象のREDOログ・ファイルのリストからREDOログ・ファイルを削除します。 |
|
LogMinerユーティリティを初期化し、LogMinerを起動します( |
99.6.1 ADD_LOGFILEプロシージャ
このプロシージャは、ファイルを既存または新規作成したLogMinerの処理対象のログ・ファイルのリストに追加します。
ノート:
dbms_logmnr.start_logmnr
パッケージのcontinuous_mine
オプションは、Oracle Database19c (19.1)ではサポートが終了されていて使用できなくなっています。
CDBでは、ADD_LOGFILE
プロシージャはルート・データベースからコールする必要があります。このプロシージャを使用するには、LOGMINING
管理者権限が必要です。
構文
DBMS_LOGMNR.ADD_LOGFILE ( LogFileName IN VARCHAR2, options IN BINARY_INTEGER default ADDFILE );
パラメータ
表99-4 ADD_LOGFILEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このセッションで分析対象のREDOログ・ファイルのリストに追加するREDOログ・ファイルの名前を指定します。 |
|
次のいずれかを実行します。
表99-1を参照してください。 |
例外
表99-5 ADD_LOGFILEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
---|---|
|
指定したファイルをオープンできません。 |
|
指定したファイルは別のデータベース・インカネーションのファイルです。 |
|
指定したファイルはすでにリストに追加されています。REDOログ・ファイルは重複して追加できません。 |
|
指定したファイルは現在のリストには存在しないため、そのリストからは削除できません。 |
|
DB_IDが一致しないため、指定したファイルを追加できません。 |
使用上のノート
-
V$LOGMNR_CONTENTS
ビューに問い合せる前に、(現在のLogMinerセッション内で)DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
プロシージャのコールに成功する必要があります。 -
LogMinerセッションは、分析するREDOログ・ファイルのリストを使用して設定する必要があります。
ADD_LOGFILE
プロシージャを使用して、分析するREDOログ・ファイルのリストを指定してください。 -
複数のREDOログ・ファイルを分析する場合は、REDOログ・ファイルごとに
ADD_LOGFILE
プロシージャを個別にコールする必要があります。REDOログ・ファイルを特定の順序で登録する必要はありません。 -
アーカイブとオンラインの両方のREDOログ・ファイルを調査できます。
-
最初のREDOログ・ファイルをリストに追加したら、リストに追加した各REDOログ・ファイルを、最初のREDOログ・ファイルと同じデータベースおよびデータベース
RESETLOGS
SCN
に関連付ける必要があります。(データベースRESETLOGS
SCN
はALTER
DATABASE
OPEN
RESETLOGS
文の各実行を一意に識別します。オンラインREDOログのリセット時に、Oracleはデータベースの新しい一意のインカネーションを作成します。) -
現在のREDOログ・ファイルのリストが関連付けられているデータベースと異なるデータベース(またはデータベース
RESETLOGS SCN
が異なるデータベース・インカネーション)からのREDOログ・ファイルを分析するには、END_LOGMNR
プロシージャを使用して、現在のLogMinerセッションを終了し、ADD_LOGFILE
プロシージャを使用して、新しいリストを作成します。 -
LogMinerはログ順序番号によってREDOログ・ファイルを照合します。そのため、名前は異なるがログ順序番号が同じ2つのREDOログ・ファイルがあると、ORA-01289例外が戻されます。たとえば、アーカイブREDOログ・ファイルの対応するオンラインREDOログ・ファイルは、アーカイブREDOログ・ファイルと名前は異なりますが、アーカイブREDOログ・ファイルの登録後に、オンラインREDOログ・ファイルをLogMinerに登録しようとすると、ORA-01289例外が返されます。
99.6.2 COLUMN_PRESENTファンクション
このファンクションは、MINE_VALUE
ファンクションと一緒に使用することになっています。
MINE_VALUE
ファンクションがNULL
値を戻した場合は、次のいずれかの可能性があります。
-
指定した列がデータのREDO部分またはUNDO部分に存在していない。
-
指定列は存在しますが、
NULL
値です。
この2つの場合を区別するには、COLUMN_PRESENT
ファンクションを使用しますが、データのREDOまたはUNDO部分に列が存在する場合は、1
が戻されます。存在していない場合には、0
が返されます。
構文
DBMS_LOGMNR.COLUMN_PRESENT ( sql_redo_undo IN RAW, column_name IN VARCHAR2 default '') RETURN NUMBER;
パラメータ
表99-6 COLUMN_PRESENTファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
データ値を抽出する |
|
このファンクションが情報を戻す対象となる列の完全修飾名( CDBでは、列名は次のように指定します。
|
戻り値
表99-7に、COLUMN_PRESENT
ファンクションの戻り値を示します。自己記述型のレコード(最初のパラメータ)が2番目のパラメータで指定した列を含んでいる場合、COLUMN_PRESENT
ファンクションは1を戻します。これは、DBMS_LOGMNR.MINE_VALUE
ファンクションによって戻されたNULL
値の意味を判断する場合に使用できます。
表99-7 COLUMN_PRESENTファンクションの戻り値
戻り値 | 説明 |
---|---|
|
指定された列が |
|
列が |
例外
表99-8 COLUMN_PRESENTファンクションの例外
例外 | 説明 |
---|---|
|
現在、LogMinerディクショナリはLogMinerセッションに関連付けられていません。LogMinerセッションのLogMinerディクショナリを指定する必要があります。 |
|
|
使用上のノート
-
COLUMN_PRESENT
ファンクションを使用するには、LogMinerが正常に開始されている必要があります。 -
COLUMN_PRESENT
ファンクションは、V$LOGMNR_CONTENTS
ビューの選択操作のコンテキストで起動する必要があります。 -
COLUMN_PRESENT
ファンクションは、LONG
、LOB、ADT
またはCOLLECTION
データ・タイプをサポートしていません。 -
sql_redo_undo
パラメータの値は、実行した操作および対象となるデータによって異なります。-
更新操作を実行して、更新操作前の値を知る必要がある場合は、
UNDO_VALUE
を指定します。 -
更新操作を実行して、更新操作後の値を知る必要がある場合は、
REDO_VALUE
を指定します。 -
挿入操作を実行した場合は、一般に
REDO_VALUE
を指定します(挿入操作前の列の値は常にNULL
であるため)。 -
削除操作を実行した場合は、一般に
UNDO_VALUE
を指定します(削除操作後の列の値は常にNULL
であるため)。
-
99.6.3 END_LOGMNRプロシージャ
このプロシージャは、LogMinerセッションを終了します。このプロシージャは他の方法で実行できないクリーンアップ操作を実行するため、このプロシージャによりLogMinerセッションを適切に終了する必要があります。このプロシージャは、データベース・セッションからログアウトするか、DBMS_LOGMNR.ADD_LOGFILE
をコールし、NEW
オプションを指定した場合に自動的にコールされます。
構文
DBMS_LOGMNR.END_LOGMNR;
例外
表99-9 END_LOGMNRプロシージャの例外
例外 | 説明 |
---|---|
|
LogMinerセッションは現在アクティブではありません。ログ・ファイルを追加していないか、または |
99.6.4 MINE_VALUEファンクション
このファンクションは、列のデータ値に基づいた問合せを簡単にします。
このファンクションでは2つの引数を指定します。最初の引数は、データのREDO部分(REDO_VALUE
)またはUNDO部分(UNDO_VALUE
)のいずれをマイニングするかを指定します。2番目の引数は、取り出す列の完全修飾名を指定する文字列です。MINE_VALUE
関数からは、常に、元のデータ型に戻すことができる文字列を返します。
構文
DBMS_LOGMNR.MINE_VALUE ( sql_redo_undo IN RAW, column_name IN VARCHAR2 default '') RETURN VARCHAR2;
パラメータ
表99-10 MINE_VALUEファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
データ値を抽出する |
|
このファンクションが情報を戻す対象となる列の完全修飾名( CDBでは、列名は次のように指定します。
|
戻り値
表99-11 MINE_VALUEファンクションの戻り値
戻り値 | 説明 |
---|---|
|
列は自己記述型のレコードに含まれていないか、列値が |
|
列は自己記述型のレコードに含まれています。値は文字列形式で戻されます。 |
例外
表99-12 MINE_VALUEファンクションの例外
例外 | 説明 |
---|---|
|
状態が無効です。現在、LogMinerディクショナリはLogMinerセッションに関連付けられていません。LogMinerセッションのLogMinerディクショナリを指定する必要があります。 |
|
識別子が無効です。 |
使用上のノート
-
MINE_VALUE
ファンクションを使用するには、LogMinerが正常に開始されている必要があります。 -
MINE_VALUE
ファンクションは、V$LOGMNR_CONTENTS
ビューの選択操作のコンテキストで起動する必要があります。 -
MINE_VALUE
ファンクションは、LONG
、LOB、ADT
またはCOLLECTION
データ・タイプをサポートしていません。 -
sql_redo_undo
パラメータの値は、実行した操作および対象となるデータによって異なります。-
更新操作を実行して、更新操作前の値を知る必要がある場合は、
UNDO_VALUE
を指定します。 -
更新操作を実行して、更新操作後の値を知る必要がある場合は、
REDO_VALUE
を指定します。 -
挿入操作を実行した場合は、一般に
REDO_VALUE
を指定します(挿入操作前の列の値は常にNULLであるため)。 -
削除操作を実行した場合は、一般に
UNDO_VALUE
を指定します(削除操作後の列の値は常にNULLであるため)。
-
-
DBMS_LOGMNR.MINE_VALUE
ファンクションを使用してデータベース文字セットに存在しない文字を含むNCHAR
値を取得する場合、それらの文字は、データベース文字セットの置換文字(逆向きの疑問符など)として返されます。
99.6.5 REMOVE_LOGFILEプロシージャ
このプロシージャは、LogMinerが処理する既存のREDOログ・ファイルのリストからREDOログ・ファイルを削除します。
CDBでは、REMOVE_LOGFILE
プロシージャはルート・データベースからコールする必要があります。このプロシージャを使用するには、LOGMINING
管理者権限が必要です。
構文
DBMS_LOGMNR.REMOVE_LOGFILE ( LogFileName IN VARCHAR2);
パラメータ
表99-13 REMOVE_LOGFILEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このセッションで分析するREDOログ・ファイルのリストから削除するREDOログ・ファイルの名前を指定します。 |
例外
表99-14 REMOVE_LOGFILEプロシージャのパラメータ
例外 | 説明 |
---|---|
|
リストにないログ・ファイルを削除できません。 |
使用上のノート
-
V$LOGMNR_CONTENTS
ビューに問い合せる前に、(現在のLogMinerセッション内で)DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
プロシージャのコールに成功する必要があります。 -
このプロシージャを使用して、REDOログ・ファイルに、対象となるデータが含まれていないとわかっている場合、LogMinerが処理するREDOログ・ファイルのリストからREDOログ・ファイルを削除できます。
-
このプロシージャを繰り返しコールすることで、複数のREDOログ・ファイルを削除できます。
-
REDOログ・ファイルは特定の順序で削除する必要はありません。
-
分析対象のREDOログ・ファイルの新しいリストを開始するには、
END_LOGMNR
プロシージャを使用して、現在のLogMinerセッションを終了してから、ADD_LOGFILE
プロシージャを使用して、新しいリストを作成します。 -
リストからすべてのREDOログ・ファイルを削除する場合でも、後続の
ADD_LOGFILE
プロシージャのコールでは、データベースIDと削除するREDOログ・ファイルのRESETLOGS
SCN
が一致している必要があります。そのため、現在のREDOログ・ファイルのリストが関連付けられているデータベースと異なるデータベース(またはデータベースRESETLOGS
SCN
が異なるデータベース・インカネーション)からのREDOログ・ファイルを分析するには、END_LOGMNR
プロシージャを使用して、現在のLogMinerセッションを終了し、ADD_LOGFILE
プロシージャを使用して、新しいリストを作成します。
99.6.6 START_LOGMNRプロシージャ
このプロシージャは、LogMinerが内部スキーマ・オブジェクト識別子を名前に変換するために使用するディクショナリをロードして、LogMinerを始動します。
CDBでは、START_LOGMNR
プロシージャはルート・データベースからコールする必要があります。このプロシージャを使用するには、LOGMINING
管理者権限が必要です。
構文
DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR ( startScn IN NUMBER default 0, endScn IN NUMBER default 0, startTime IN DATE default '01-jan-1988', endTime IN DATE default '31-dec-2110', DictFileName IN VARCHAR2 default '', Options IN BINARY_INTEGER default 0 );
パラメータ
表99-15 START_LOGMNRプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
指定した |
|
指定した |
|
指定した
|
|
指定した
|
|
LogMinerディクショナリを格納するフラット・ファイルを指定します。
|
|
表99-2を参照してください。 |
例外
表99-16 START_LOGMNRプロシージャの例外
例外 | 説明 |
---|---|
|
内部エラーが発生しました。 |
|
|
|
|
|
指定したオプションは無効です。 |
|
|
|
指定したファイルの読取り中にエラーが発生しました。 |
|
ユーザーが要求したSCNまたは時間範囲を満たすために必要なREDOログ・ファイルがありません。 |
|
現行のLogMinerセッションにログ・ファイルが指定されていません。 |
|
指定したLogMinerオプションには、マウントされたデータベースが必要です。 |
|
指定したディクショナリ・ファイルで情報を処理中にエラーが発生しました。破損の可能性があります。 |
|
指定したLogMinerディクショナリが、分析対象のログ・ファイルを生成したデータベースに対応していません。 |
|
指定したLogMinerディクショナリとログ・ファイルで文字セットが一致しません。 |
|
LogMinerディクショナリとログ・ファイルでREDOバージョンが一致しません。 |
|
指定したLogMinerディクショナリは別のデータベース・インカネーションに対応しています。 |
|
指定したLogMinerオプションには、書込み可能なデータベースが必要です。 |
使用上のノート
ノート:
dbms_logmnr.start_logmnr
パッケージのcontinuous_mine
オプションは、Oracle Database19c (19.1)ではサポートが終了されていて使用できなくなっています。
-
LogMinerでは、以前にREDOログ・ファイルまたはフラット・ファイルに抽出されたディクショナリを使用でき、または、LogMinerがソース・システムからデータを調査している場合、LogMinerにオンライン・カタログを使用するように指定できます。
-
START_LOGMNR
プロシージャを実行すると、次のビューに問い合せできるようになります。-
V$LOGMNR_CONTENTS
- REDOログ・ファイルの情報の履歴を含みます。 -
V$LOGMNR_DICTIONARY
- フラット・ファイルに抽出されたLogMinerディクショナリ・ファイルに関する現在の情報を含みます。 -
V$LOGMNR_PARAMETERS
- LogMinerセッションに関する情報を含みます。
(LogMinerが調査するファイルのリストにREDOログ・ファイル・リストを追加すると、
V$LOGMNR_LOGS
ビューに問い合せできるようになります。) -
-
パラメータとオプションは
DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
のコール間で維持されません。DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
をコールするたびに、目的のすべてのパラメータとオプション(SCNおよび時間範囲を含む)を指定する必要があります。 -
タイムスタンプを使用すると、REDOログ・ファイルを正確に指定できないので注意してください。
-
開始時間および終了時間、またはSCNの範囲に関して次のことに注意してください。
-
startTime
パラメータ、startScn
パラメータのいずれも指定しない場合、LogMinerは、startScn
パラメータが最も古い変更を含むREDOログ・ファイルの最小のSCN値を使用するように設定します。 -
時間とSCN値の両方を指定した場合、LogMinerではSCN値が使用され、時間値は無視されます。
-
開始時間および終了時間、またはSCN値を指定して、それらがLogMiner REDOログ・ファイル・リストに見つかった場合、LogMinerではそれらの値によって指示されたログが調査されます。
-
LogMiner REDOログ・ファイル・リストに存在しない開始時間および終了時間またはSCN値を指定して、
DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
を指定し、さらに、-
startTime
またはstartScn
値に0
を指定した場合、startScn
として、LogMiner REDOログ・ファイル・リストの最小のSCNが使用されます。 -
startTime
またはstartScn
値が0(ゼロ)以外の場合、エラーが戻されます。 -
endTime
またはendScn
値に0
(ゼロ)または0(ゼロ)以外の数を指定した場合、endScn
として、LogMiner REDOログ・ファイル・リストの最大のSCNが使用されます。
-
-
指定した開始時間および終了時間またはSCN値がLogMiner REDOログ・ファイル・リストに見つからず、
DBMS_LOGMNR.START_LOGMNR
を指定して、さらに、-
startTime
またはstartScn
値に0
(ゼロ)を指定した場合、エラーが戻されます。 -
startTime
またはstartScn
値がデータベースのアーカイブREDOログ・ファイルの値より大きい場合、LogMinerはオンラインREDOログ・ファイルの調査を開始します。LogMinerはV$LOGMNR_CONTENTS
ビューから複数の行を戻す前に、要求された開始ポイント以降の変更を見つけるまで、オンラインREDOログ・ファイルの処理を続行します。 -
endTime
またはendScn
パラメータの値が将来の時間やSCNを示す場合、LogMinerは調査の際にオンラインREDOログ・ファイルも対象にします。V$LOGMNR_CONTENTS
ビューに問い合せると、データベースが変更されたときに、このビューから複数の行が戻され、LogMinerが、要求された終了ポイントを超える位置での変更と確認するまで停止しません。 -
endTime
またはendScn
パラメータの値が0
(ゼロ)場合、調査の際にオンラインREDOログ・ファイルも対象にします。V$LOGMNR_CONTENTS
ビューに問い合せると、データベースが変更されたときに、このビューから複数の行が戻され、CTL+Cを押すかPL/SQLカーソルを終了するまで停止しません。
-
-