13.1 診断の自動収集

この項では、診断の自動収集の概念について説明します。

Oracle Trace File Analyzerは問題を検出すると、次のアクションを実行します。

  • 必要な診断を実行し、問題の発生時の関連ログ・データをすべて収集します。

  • ログ・ファイルを切り捨て、診断に必要なデータのみを収集します

  • クラスタ内のすべてのノードから、切捨て済のすべての診断を収集してパッケージ化し、単一ノード上にすべてを統合します。

  • Oracle Trace File Analyzerリポジトリに診断収集を格納します。

  • 問題と、Oracleサポートにアップロード可能な診断収集の詳細に関する電子メール通知が送信されます。

Oracle Trace File Analyzerには、過剰な自動収集によってシステムが繰り返しエラーに圧倒されるのを防ぐメカニズムがあります。

イベントが識別されると収集の開始点がトリガーされ、5分間後に、Oracle Trace File Analyzerによって診断データの収集が開始されます。5分後に開始すると、Oracle Trace File Analyzerは1回の操作で他の関連イベントを取得できます。イベントが5分後にまだ発生している場合、診断収集は引き続き待機します。Oracle Trace File Analyzerはイベントが発生しない状態で30秒間待機し、さらに最大5分間待機します。

10分後にイベントが継続する場合、Oracle Trace File Analyzerは引き続き診断収集を実行します。

診断収集が完了すると、Oracle Trace File Analyzerは指定された受信者に、収集場所を含む電子メール通知を送信します。

ご使用の環境でoracleに接続できる場合、Oracle Trace File Analyzerを使用して、サービス・リクエストに収集をアップロードできます。

$ tfactl set autodiagcollect=ON|OFF

デフォルトでは、自動収集はONです。

表13-1 自動収集をトリガーするログ・エントリ

文字列パターン 監視対象ログ

ORA-297(01|02|03|08|09|10|40)

ORA-00600

ORA-07445

ORA-04(69|([7-8][0-9]|9([0-3]|[5-8])))

ORA-32701

ORA-00494

System State dumped

アラート・ログ: Oracle Database

アラート・ログ: Oracle ASM

アラート・ログ: Oracle ASMプロキシ

アラート・ログ: Oracle ASM IOサーバー

CRS-016(07|10|11|12)

アラート・ログ - Oracle Clusterware

また、Oracle Cluster Health Advisorが問題イベントを検出すると、Oracle Trace File Analyzerによって関連する診断収集が自動的にトリガーされます。