E 埋込みSQL文およびプリコンパイラ・ディレクティブ

この付録では、Oracleの埋込みSQL文およびディレクティブについて説明します。これらの文およびディレクティブをソース・コードで使用するときは、キーワードEXEC SQLを前に付けます。

注意: この付録では、非埋込みSQLと構文が異なる文のみ説明します。非埋込みSQL文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

この付録の内容は次のとおりです。

E.1 プリコンパイラ・ディレクティブおよび埋込みSQL文の概要

埋込みSQL文は、DDL、DMLおよびトランザクション制御文を手続き型言語プログラムに挿入します。Oracleプリコンパイラでは、埋込みSQLをサポートしています。表E-2は、埋込みSQL文およびディレクティブの機能の概要です。

表E-2「ソース/型」列は、ソース/型の形式で、次のように記載されています。

表E-1 「ソース/型」列の意味

SQL文 ディレクティブ

ソース

標準SQL (S)またはOracleの拡張機能(O)。

実行文(E)またはディレクティブ(D)。

表E-2 プリコンパイラ・ディレクティブおよび埋込みSQL文および句

EXEC SQL文 ソース/型 用途

ALLOCATE

O/E

カーソル変数、LOBロケータまたはROWIDにメモリーを割り当てます。

ALLOCATE DESCRIPTOR

S/E

記述子をANSI動的SQLに割り当てます。

CALL

S/E

ストアド・プロシージャをコールします。

CLOSE

S/E

カーソルを使用禁止にします。

COMMIT

S/E

データベースの変更をすべて確定します。

CONNECT

O/E

データベースのインスタンスにログインします。

CONTEXT ALLOCATE

O/E

メモリーをSQLLIBランタイム・コンテキストに割り当てます。

CONTEXT FREE

O/E

メモリーをSQLLIBランタイム・コンテキストから解放します。

CONTEXT USE

O/E

SQLLIBランタイム・コンテキストを指定します。

DEALLOCATE DESCRIPTOR

S/E

記述子領域の割当てを解除し、メモリーを解放します。

DECLARE CURSOR

S/D

問合せに対応付けてカーソルを宣言します。

DECLARE DATABASE

O/D

後続の埋込みSQL文でアクセスされるデフォルト以外のデータベースの識別子を宣言します。

DECLARE STATEMENT

S/D

SQL文にSQL変数名を割り当てます。

DECLARE TABLE

O/D

Oracleプリコンパイラで埋込みSQL文の意味検査に使用される表構造を宣言します。

DELETE

S/E

表またはビューの実表から行を削除します。

DESCRIBE

S/E

記述子(ホスト変数の説明を保持している構造体)を初期化します。

DESCRIBE DECRIPTOR

S/E

ANSI SQL文の情報を取得し、記述子に格納します。

ENABLE THREADS

O/E

複数のスレッドをサポートするプロセスを初期化します。

EXECUTE...END-EXEC

O/E

無名PL/SQLブロックを実行します。

EXECUTE

S/E

準備済の動的SQL文を実行します。

EXECUTE DESCRIPTOR

S/E

ANSI動的SQLを使用して準備済の文を実行します。

EXECUTE IMMEDIATE

S/E

ホスト変数を持たないSQL文を準備して実行します。

FETCH

S/E

問合せで選択した行を取り出します。

FETCH DESCRIPTOR

S/E

ANSI動的SQLを使用する問合せにより、選択された行を取り出します。

FREE

S/E

カーソル変数、LOBロケータまたはROWIDが使用するメモリーを解放します。

GET DESCRIPTOR

S/E

ANSI SQLの記述子領域の情報をホスト変数に移動します。

INSERT

S/E

表またはビューの実表に行を追加します。

LOB APPEND

O/E

LOBを別のLOBの最後に追加します。

LOB ASSIGN

O/E

LOBまたはBFILEロケータを別のロケータに割り当てます。

LOB CLOSE

O/E

オープンされているLOBまたはBFILEをクローズします。

LOB COPY

O/E

LOB値の全部または一部を別のLOBにコピーします。

LOB CREATE TEMPORARY

O/E

一時LOBを作成します。

LOB DESCRIBE

O/E

LOBから属性を取り出します。

LOB DISABLE BUFFERING

O/E

LOBバッファリングを使用禁止にします。

LOB ENABLE BUFFERING

O/E

LOBバッファリングを有効にします。

LOB ERASE

O/E

指定されたオフセットから始まる指定された量のLOBデータを消去します。

LOB FILE CLOSE ALL

O/E

オープンしているBFILEをすべてクローズします。

LOB FILE SET

O/E

BFILEロケータのDIRECTORYおよびFILENAMEを設定します。

LOB FLUSH BUFFER

O/E

LOBのバッファをデータベース・サーバーに書き込みます。

LOB FREE TEMPORARY

O/E

LOBロケータ用に一時領域を解放します。

LOB LOAD

O/E

BFILEの全部または一部を、内部LOBにコピーします。

LOB OPEN

O/E

読取りまたは読取り/書込みアクセスするために、LOBまたはBFILEをオープンします。

LOB READ

O/E

LOBまたはBFILEの一部をバッファに読み込みます。

LOB TRIM

O/E

LOB値を切り捨てます。

LOB WRITE

O/E

バッファの内容をLOBに書き込みます。

OPEN

S/E

カーソルに対応付けられた問合せを実行します。

OPEN DESCRIPTOR

S/E

ANSI動的SQLのカーソルに対応付けられた問合せを実行します。

PREPARE

S/E

動的SQL文を解析します。

ROLLBACK

S/E

カレント・トランザクションを終了し、すべての変更を破棄します。

SAVEPOINT

S/E

後でロールバックする位置をトランザクション内に指定します。

SELECT

S/E

選択した値をホスト変数に割り当てて、1つ以上の表、ビューまたはスナップショットからデータを取り出します。

SET DESCRIPTOR

S/E

ホスト変数からANSI SQL記述子領域に情報を設定します。

UPDATE

S/E

表またはビューの実表の既存の値を変更します。

VAR

O/D

デフォルトのデータ型をオーバーライドして、特定のOracleの外部データ型をホスト変数に割り当てます。

WHENEVER

S/D

エラー状態および警告状態の処置を指定します。

E.2 文の説明

ディレクティブおよび文はアルファベット順で示します。各コマンドの説明には、次の項目があります。

ディレクティブ 説明

用途

コマンドの基本的な用途を示します。

前提条件

必要な権限、および文を使用する前に実行する必要のあるステップを示します。特記していないかぎり、ほとんどの文では、データベースがユーザーのインスタンスによってオープンされている必要があります。

構文

文のキーワードおよびパラメータの構文図を示します。

キーワードおよびパラメータ

各キーワードおよびパラメータの用途を示します。

使用上の注意

文の使用方法および条件を示します。

前提条件

必要な権限、および文を使用する前に実行する必要のあるステップを示します。特記していないかぎり、ほとんどの文では、データベースがユーザーのインスタンスによってオープンされている必要があります。

構文

文のキーワードおよびパラメータの構文図を示します。

E.3 構文図の読み方

埋込みSQLの構文は、わかりやすいように構文図を使用して説明します。構文図とは、有効な構文を示す図です。

構文図は、左から右に矢印が指す方向にたどってください。

文のキーワードは、四角形の中に大文字で表記されています。これらの文字は、四角形の中に表示されているとおり正確に入力してください。パラメータは、楕円形の中に小文字で表記されています。パラメータには変数が使用されます。演算子、デリミタおよび終了記号は、円の中に表示されています。

構文図に複数のパスがある場合は、任意のパスを選択できます。

キーワード、演算子またはパラメータの選択肢が複数ある場合は、オプションを縦に並べて示します。次の例では、まず縦方向を選択した後、横方向に進めます。

この図は、次の文がすべて有効であることを示しています。

EXEC SQL WHENEVER NOT FOUND ... 
EXEC SQL WHENEVER SQLERROR ... 
EXEC SQL WHENEVER SQLWARNING ... 

E.3.1 文の終了記号

Pro*COBOL EXEC SQLの構文図はすべて、文がトークンEND-EXECで終了するものと解釈してください。

E.3.2 必須のキーワードおよびパラメータ

必須のキーワードおよびパラメータは、単一または代替の選択肢を縦に並べた状態で示します。必須のキーワードまたはパラメータが1つしかない場合は、メイン・パス、つまり現在たどっている横線上に示します。次の例では、cursorは必須パラメータです。

したがって、EMPCURSORの名前のカーソルがある場合、前述の構文図によると次の文は有効です。

EXEC SQL CLOSE EMPCURSOR END-EXEC. 

複数のキーワードまたはパラメータがメイン・パス上に縦に並んでいる場合は、その中のいずれかが必須になります。つまり、キーワードやパラメータを1つ選択する必要がありますが、それはメイン・パス上にあるものでなくてもかまいません。次の例では、4つのアクションのうち1つを選択する必要があります。

E.3.3 オプションのキーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータがメイン・パスの上に並べられている場合は、オプションです。次の例では、上方向にたどらずに、メイン・パスを続けることができます。

この図では、oracle2の名前のデータベースが存在する場合、次の文はすべて有効です。

     EXEC SQL ROLLBACK END-EXEC. 
     EXEC SQL ROLLBACK WORK END-EXEC. 
     EXEC SQL AT ORACLE2 ROLLBACK END-EXEC. 

E.3.4 構文ループ

ループは、その中の構文を何回でも繰り返せることを示します。次の例では、column_nameがループの中にあります。このため、列名を1つ選択した後で、繰り返し戻って別の列名を選択できます。

DEBIT、CREDITおよびBALANCEが列名の場合、この図では次の文がすべて有効です。

EXEC SQL SELECT DEBIT INTO ... 
EXEC SQL SELECT CREDIT, BALANCE INTO ... 
EXEC SQL SELECT DEBIT, CREDIT, BALANCE INTO ... 

E.3.5 複数パーツの図

複数パーツの図では、メイン・パスがすべて端から端まで続いていると考えます。次の例は2パーツの図です。

この図は、次の文が有効であることを示しています。

     EXEC SQL PREPARE statement_name FROM :host_string END-EXEC. 

E.3.6 Oracleの名前

表および列などのOracle Databaseオブジェクトの名前は、30文字以内であることが必要です。先頭文字は英文字であることが必要ですが、残りの文字には、英文字、数字、ドル記号($)、ポンド記号(#)およびアンダースコア(_)を任意に組み合せて使用できます。

ただし、名前を二重引用符(")で囲むと、有効な文字を任意に組み合せて使用できます。この場合、空白は有効な文字ですが、引用符は無効です。

Oracleの名前は、引用符で囲んだ場合を除いて大/小文字の区別がありません。

E.4 ALLOCATE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

PL/SQLブロックで参照するカーソル変数、LOBロケータまたはROWIDを割り当てます。

前提条件

SQL-CURSOR型のカーソル変数(「埋込みPL/SQL」を参照)は、カーソル変数のメモリーを割り当てる前に宣言する必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

cursor_variable

SQL_CURSOR型のカーソル変数

host_ptr

ROWIDの場合はSQL-ROWID型、LOBの場合はSQL-BLOB、SQL-CLOBまたはSQL-NCLOB型の変数

使用上の注意

カーソルが静的であるのに対して、カーソル変数は特定の問合せに結び付けられていないため、動的です。カーソル変数は、型の互換性のある任意の問合せに対してオープンできます。

この例では、ALLOCATE文の使用方法を示します。

       ...
 01  EMP-CUR       SQL-CURSOR.
 01  EMP-REC.
     ...
     EXEC SQL ALLOCATE :EMP-CUR END-EXEC.
     ...

関連項目

E.5 ALLOCATE DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

記述子を割り当てるANSI動的SQL文です。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

array_size

integer

処理される行数を格納するホスト変数。

処理される行数。

descriptor_name

descriptor name

処理される行数を格納するホスト変数。

処理される行数。

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

WITH MAX integer

ホスト変数の最大数。デフォルトは、100です。

使用上の注意

DYNAMIC=ANSIプリコンパイラ・オプションを使用してください。この文の使用の詳細は、ALLOCATE DESCRIPTORを参照してください。

     EXEC SQL 
       FOR :batch ALLOCATE DESCRIPTOR GLOBAL :binddes WITH MAX 25 
     END-EXEC.

関連項目

E.6 CALL (実行可能埋込みSQL)

用途

ストアド・プロシージャをコールします。

前提条件

アクティブなデータベース接続が存在している必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

schema

プロシージャを格納するスキーマ。省略した場合、Oracleはプロシージャが固有のスキーマ内にあるとみなします。

pkg

プロシージャが格納されているパッケージ。

st_proc

コールするストアド・プロシージャ。

db_link

プロシージャが格納されているリモート・データベースへのデータベース・リンクの、完全または一部の名前。データベース・リンク参照の詳細は、「リモート・データベース内のオブジェクトの参照」を参照してください。

expr

プロシージャのパラメータ式のリスト。

ret_var

関数からの戻り値を受け取るホスト変数。

ret_ind

ret_var用の標識変数。

使用上の注意

この文の詳細は、「ストアドPL/SQLまたはJavaサブプログラムのコール」を参照してください。

ストアド・プロシージャの完全な説明は、「複数のプログラミング言語を使用したアプリケーションの開発」を参照してください。

 ...
     05  EMP-NAME      PIC X(10) VARYING.
     05  EMP-NUMBER    PIC S9(4) COMP VALUE ZERO.
     05  SALARY        PIC S9(5)V99 COMP-3 VALUE ZERO.
...
      05  D-EMP-NUMBER  PIC 9(4).
...
      ACCEPT D-EMP-NUMBER.
      EXEC SQL 
        CALL mypkge.getsal(:EMP-NUMBER, :D-EMP-NUMBER, :EMP-NAME) INTO :SALARY 
      END-EXEC.
...

関連項目

なし。

E.7 CLOSE (実行可能埋込みSQL)

用途

カーソルのオープン時に取得したリソースを解放し、解析ロックを解除して、カーソルを使用禁止にします。

前提条件

カーソルまたはカーソル変数をオープンしている必要があります。またMODE=ANSIであることが必要です。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

cursor

クローズするカーソル。

cursor_variable

クローズするカーソル変数。

使用上の注意

クローズしたカーソルからは行をフェッチできません。カーソルを再オープンするには、そのカーソルがクローズされている必要はありません。HOLD_CURSORおよびRELEASE_CURSORのプリコンパイラ・オプションによって、CLOSE文の結果は異なります。これらのオプションの詳細は、プリコンパイラのオプションを参照してください。

この例では、CLOSE文の使用方法を示します。

     EXEC SQL CLOSE EMP-CUR END-EXEC.

関連項目

E.8 COMMIT (実行可能埋込みSQL)

用途

データベースの変更内容をすべて確定し、オプションですべてのリソースを解放してデータベース・サーバーから切断し、カレント・トランザクションを終了します。

前提条件

カレント・トランザクションをコミットするために必要な権限はありません。

ユーザーがコミットしたインダウトの分散トランザクションを手動でコミットするには、FORCE TRANSACTIONのシステム権限が必要です。他のユーザーがコミットしたインダウトの分散トランザクションを手動でコミットするには、FORCE ANY TRANSACTIONのシステム権限が必要です。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

どのデータベースに対してCOMMIT文を発行するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子、またはCONNECT文で使用されているデータベース識別子。

host_variable

この句を省略した場合、Oracleはデフォルトのデータベースに対して文を発行します。

WORK

標準SQLへの準拠のためにのみサポートされています。COMMIT文とCOMMIT WORK文は同等です。

COMMENT

カレント・トランザクションに対応付けるコメントを指定します。text'は、50文字以内の引用リテラルで、トランザクションがインダウトになると、Oracleではデータ・ディクショナリ・ビューDBA_2PC_PENDINGに、トランザクションIDとともに格納されます。

RELEASE

リソースをすべて解放し、アプリケーションをOracleサーバーから切断します。

FORCE

インダウトの分散トランザクションを手動でコミットできます。トランザクションは、ローカルまたはグローバル・トランザクションIDを格納する'text'によって識別されます。このようなトランザクションのIDを検索するには、データ・ディクショナリ・ビューDBA_2PC_PENDINGに問合せをします。また、オプションのintegerを使用してトランザクションにシステム変更番号(SCN)を明示的に割り当てることができます。integerを省略した場合、トランザクションはカレントSCNを使用してコミットされます。

使用上の注意

プログラムの最後のトランザクションは、COMMITコマンドまたはROLLBACK文およびRELEASEオプションを使用して、必ず明示的にコミットまたはロールバックしてください。プログラムが異常終了すると、Oracleは自動的に変更をロールバックします。

COMMIT文は、ホスト変数やプログラムの制御の流れには影響しません。この文の詳細は、「COMMIT文の使用」を参照してください。

この例では、埋込みSQL COMMIT文の使用方法を示します。

     EXEC SQL AT SALESDB COMMIT RELEASE END-EXEC.

関連項目

E.9 CONNECT (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

Oracle Databaseにログインします。

前提条件

指定するデータベースに対してCREATE SESSIONのシステム権限が必要です。

構文

EXEC SQL
 CONNECT { :user IDENTIFIED BY :oldpswd | :usr_psw }
 [[AT { dbname | :host_variable }] USING :connect_string ]
 [ {ALTER AUTHORIZATION :newpswd | IN {SYSDBA | SYSOPER} MODE} ]
 END-EXEC.

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

user

password

ユーザー名およびパスワードを個別に指定します。

user_password

接続文字列username/password[@dbname]を含む1つのホスト変数。

Oracleで、使用しているオペレーティング・システムとの接続を検証するには、「/」をuser_password値として指定します。

AT

接続先のデータベースを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。

USING

デフォルト以外のデータベースへの接続に使用するOracle Net Servicesデータベース指定を指定します。この句を省略した場合は、デフォルトのデータベースに接続します。

ALTER AUTHORIZATION

パスワードを次の文字列に変更します。

new_password

新パスワードの文字列です。

IN SYSDBA MODE

IN SYSOPER MODE

IN SYSBACKUP MODE

SYSDBA、SYSOPERまたはSYSBACKUPシステム権限で接続します。ALTER AUTHORIZATIONが使用されているとき、またはプリコンパイラ・オプションのAUTO_CONNECTがYESに設定されているときは、接続が許可されません。

使用上の注意

プログラムは複数の接続を持つことができますが、デフォルト・データベースには1度しか接続できません。この文の詳細は、「同時ログイン」を参照してください。

次の例では、CONNECTの使用方法を示します。

     EXEC SQL CONNECT :USERNAME 
          IDENTIFIED BY :PASSWORD 
     END-EXEC.

さらにこの文を使用して、useridの値をusernameの値にしたり、SCOTT/TIGERのようにpasswordを「/」で区切ったものを設定できます。

     EXEC SQL CONNECT :USERID END-EXEC.

関連項目

E.10 CONTEXT ALLOCATE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

EXEC SQL CONTEXT USE文で参照されているSQLLIBランタイム・コンテキストを初期化します。

前提条件

ランタイム・コンテキストは、SQL-CONTEXT型で宣言されている必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

context

メモリーが割り当てられるSQLLIBランタイム・コンテキスト。

使用上の注意

この例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラムでCONTEXT ALLOCATE文を使用する方法を示します。

     EXEC SQL CONTEXT ALLOCATE :ctx1 END-EXEC.

関連項目

E.11 CONTEXT FREE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

ランタイム・コンテキストに関連付けられたすべてのメモリーを解放し、NULLポインタをホスト・プログラム変数に代入します。

前提条件

CONTEXT FREE文を使用してランタイム・コンテキストに割り当てられたメモリーを解放する前に、CONTEXT ALLOCATE文を使用して、指定されているランタイム・コンテキストにメモリーを割り当てる必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

context

メモリーの割当てを解除する、割当て済ランタイム・コンテキスト。

使用上の注意

この例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラムでCONTEXT FREE文を使用する方法を示します。

     EXEC SQL CONTEXT FREE :ctx1 END-EXEC.

関連項目

E.12 CONTEXT USE (Oracle埋込みSQLディレクティブ)

用途

後続の実行SQL文の前提条件で指定されたSQLLIBランタイム・コンテキストを使用するように、プリコンパイラに指示します。

前提条件

CONTEXT USEディレクティブによって指定されたランタイム・コンテキストは、事前に宣言されている必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

context

後続の実行SQL文によって使用される、割当て済ランタイム・コンテキストです。たとえば、使用するコンテキストをソース・コードに指定した後(複数のコンテキストを割り当てることができます)、Oracleサーバーに接続し、コンテキストのスコープ内でデータベースを操作できます。

DEFAULT

グローバル・コンテキストが使用されることを示します。

使用上の注意

この文はEXEC SQL INCLUDEやEXEC ORACLE OPTIONなどの宣言文では無効です。この文は、EXEC SQL WHENEVERディレクティブと同様に、指定したソース・ファイル内でこのディレクティブの後に続くすべての実行SQL文に影響し、C言語の標準のスコープ規則には従いません。

この文の詳細は、「ランタイム・コンテキストの埋込みSQL文およびディレクティブ」を参照してください。

この例では、Pro*COBOLプログラムでCONTEXT USEディレクティブを使用する方法を示します。

     EXEC SQL CONTEXT USE :ctx1 END-EXEC. 

関連項目

E.13 DEALLOCATE DESCRIPTOR (埋込みSQL文)

用途

記述子領域の割当てを解除し、メモリーを解放するANSI動的SQL文です。

前提条件

DEALLOCATE DESCRIPTOR文で指定されている記述子は、ALLOCATE DESCRIPTOR文を使用して事前に割り当てる必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

descriptor_name

'descriptor name'

割り当てられたANSI記述子名を格納するホスト変数。

割り当てられたANSI記述子の名前。

使用上の注意

DYNAMIC=ANSIプリコンパイラ・オプションを使用してください。

この文の詳細は、DEALLOCATE DESCRIPTORを参照してください。

     EXEC SQL DEALLOCATE DESCRIPTOR GLOBAL 'SELDES'  END-EXEC. 

関連項目

E.14 DECLARE CURSOR (埋込みSQLディレクティブ)

用途

カーソルを宣言するためにカーソルに名前を付け、それをSQL文またはPL/SQLブロックに対応付けます。

前提条件

SQL文またはPL/SQLブロックの識別子を使用してカーソルを対応付けるには、DECLARE STATEMENT文を使用してこの識別子を事前に宣言する必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

カーソルを宣言するデータベースを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

DECLARE DATABASE文を使用してすでに宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。

この句を省略した場合、Oracleはデフォルトのデータベースに対してこのカーソルを宣言します。

cursor

宣言するカーソルの名前。

WITH HOLD

カーソルはCOMMITの実行後もオープン状態のままです。UPDATEの場合は、カーソルを宣言しないでください。

SELECT statement

カーソルに対応付けるSELECT文。直後の文にINTO句を含めないでください。

statement_name

カーソルに対応付けるSQL文またはPL/SQLブロックを指定します。statement_nameまたはblock_nameは、DECLARE STATEMENT文を使用して事前に宣言する必要があります。

使用上の注意

カーソルは、他の埋込みSQL文で参照する前に、宣言する必要があります。カーソル宣言のスコープはプリコンパイル・ユニット内全体になるため、各カーソルの名前はスコープ内で一意であることが必要です。1つのプリコンパイル・ユニット内で同じ名前のカーソルを複数宣言することはできません。

カーソルは、UPDATE文またはDELETE文のWHERE句内でCURRENT OF構文を使用して参照できます。このとき、カーソルはOPEN文を使用してオープンし、FETCH文を使用して行に位置付けられている必要があります。この文の詳細は、「DECLARE CURSOR文でのWITH HOLD句の使用」を参照してください。

標準SQLの動作に適合するように、デフォルトでは使用中のカーソルはROLLBACKの後でクローズされます。下位互換性を維持するため、ロールバック後も使用中のカーソルをオープン状態のままにするには、コマンドライン・オプションCWH_SQL99をNOに設定します。

機能25546-1に追加された新規パラメータ

この例では、DECLARE CURSOR文の使用方法を示します。

     EXEC SQL DECLARE EMPCURSOR CURSOR 
         FOR SELECT ENAME, EMPNO, JOB, SAL 
         FROM EMP 
         WHERE DEPTNO = :DEPTNO 
     END-EXEC.

関連項目

E.15 DECLARE DATABASE (Oracle埋込みSQLディレクティブ)

用途

後続の埋込みSQL文でアクセスされるデフォルト以外のデータベースの識別子を宣言します。

前提条件

デフォルト以外のデータベースのユーザー名にアクセスできる必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

db_name

デフォルト以外のデータベースに対して設定する識別子。

使用上の注意

デフォルト以外のデータベースに対してdb_nameを宣言するのは、他の埋込みSQL文がAT句を使用してそのデータベースを参照できるようにするためです。AT句を指定してCONNECT文を発行する前に、DECLARE DATABASE文を使用してデフォルト以外のデータベースに対してdb_nameを宣言する必要があります。

この文の詳細は、「ユーザー名/パスワードの使用方法」を参照してください。

この例では、DECLARE DATABASEディレクティブの使用方法を示します。

     EXEC SQL DECLARE ORACLE3 DATABASE END-EXEC.

関連項目

E.16 DECLARE STATEMENT (埋込みSQLディレクティブ)

用途

SQL文またはPL/SQLブロックの識別子を宣言し、他の埋込みSQL文で使用できるようにします。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

SQL文またはPL/SQLブロックをどのデータベースに対して宣言するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

DECLARE DATABASE文を使用してすでに宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。この句を省略した場合、Oracle Databaseはデフォルトのデータベースに対してSQL文またはPL/SQLブロックを宣言します。

statement_name

文またはPL/SQLブロックに対して宣言されている識別子。

使用上の注意

DECLARE STATEMENT文を使用してSQL文またはPL/SQLブロックの識別子を宣言する必要があるのは、その識別子を参照するDECLARE CURSOR文の埋込みSQLプログラム内での位置が、文またはブロックを解析して識別子と対応付けるPREPARE文よりも物理的に(論理的ではなく)前になっているときのみです。

文の宣言のスコープは、カーソルの宣言と同様に、プリコンパイル・ユニット内全体です。この文の詳細は、「DECLARE」を参照してください。

例I

この例では、DECLARE STATEMENT文の使用方法を示します。

     EXEC SQL AT REMOTEDB 
         DECLARE MYSTATEMENT STATEMENT 
     END-EXEC.
     EXEC SQL PREPARE MYSTATEMENT FROM :MY-STRING
     END-EXEC.
     EXEC SQL EXECUTE MYSTATEMENT END-EXEC.

例II

この例では、DECLARE CURSOR文がPREPARE文の前にあるため、DECLARE STATEMENT文が必要です。

     EXEC SQL DECLARE MYSTATEMENT STATEMENT END-EXEC. 
     ...
     EXEC SQL DECLARE EMPCURSOR CURSOR FOR MYSTATEMENT END-EXEC. 
     ...
     EXEC SQL PREPARE MYSTATEMENT FROM :MY-STRING END-EXEC. 
     ...

関連項目

E.17 DECLARE TABLE (Oracle埋込みSQLディレクティブ)

用途

オプションがSQLCHECK=SEMANTICS (またはFULL)の場合に、プリコンパイラによって、それぞれの列のデータ型、デフォルト値および意味検査のためのNULLかNOT NULL指定など、表またはビューの構造を定義します。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

table

宣言した表の名前。

column

tableの列。

datatype

columnのデータ型。Oracleデータ型の詳細は、「Oracle Databaseのデータ型」を参照してください。

NOT NULL

columnにはNULLを入れることができません。

使用上の注意

データ型の場合、長さ、精度および位取りに使用できるのは(式ではなく)整数のみです。この文の使用方法の詳細は、「SQLCHECK=SEMANTICSの指定」を参照してください。

次の文では、PARTNO、BINおよびQTYの列を含むPARTSという表を宣言しています。

     EXEC SQL DECLARE PARTS TABLE 
         (PARTNO  NUMBER  NOT NULL, 
          BIN     NUMBER, 
          QTY     NUMBER) 
     END-EXEC.

関連項目

なし。

E.18 DELETE (実行可能埋込みSQL)

用途

表またはビューの実表から行を削除します。

前提条件

表から行を削除するには、表がユーザーのスキーマ内にあるか、表に対してDELETEの権限を持っている必要があります。

ビューの実表から行を削除するには、ビューが属するスキーマの所有者が、実表に対してDELETEの権限を持っている必要があります。また、ビューがユーザー所有のスキーマ以外のスキーマにある場合は、ビューに対するDELETEの権限を付与されている必要があります。

DELETE ANY TABLEシステム権限を持っていれば、すべての表またはビューの実表から行を削除できます。

構文

DML RETURNING句の構文を示します。

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

どのデータベースに対してDELETE文を発行するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name: DECLARE DATABASE文を使用して事前に宣言したデータベース識別子。

host_variable: 事前に宣言したdb_name の値を持つホスト変数。

この句を省略した場合、DELETE文はデフォルトのデータベースに対して発行されます。

host_integer

integer

WHERE句に配列ホスト変数が含まれる場合に、文を実行する回数を制限します。この句を省略した場合、データベースは最小の配列の各コンポーネントにつき1回ずつ文が実行されます。

schema

表またはビューを含むスキーマ。schemaを省略した場合、データベースでは表またはビューが自分のスキーマ内にあるとみなされます。

table view

行を削除する表の名前。viewを指定すると、データベースはビューの実表から行を削除します。

dblink

表またはビューがあるリモート・データベースへのデータベース・リンクの完全または部分的な名前。データベース・リンクの参照の詳細は、Oracle SQLの基本要素を参照してください。分散オプションのあるデータベースを使用している場合、リモート表またはビューの行の削除のみを行えます。

dblinkを省略した場合、表またはビューがローカル・データベース上にあるとみなされます。

part_name

表内のパーティションの名前。

alias

表に割り当てられている別名。別名は一般に、DELETE文で相関問合せのために使用します。

WHERE

削除する行を指定します。この句を完全に省略した場合、すべての行がは表またはビューから削除されます。

条件は、1つ以上の式および論理(ブール)演算子の組合せを指定し、TRUE、FALSEまたはUNKNOWNの値を戻します。

CURRENT OFは、カーソルによって最後にフェッチされたレコードの削除を指定します。

DML RETURNING句

詳細は、「DML RETURNING句」を参照してください。

使用上の注意

WHERE句のホスト変数は、すべてスカラーか、すべて配列であることが必要です。変数がスカラーの場合、データベースはDELETE文を1回のみ実行します。変数が配列の場合は、データベースでは配列のコンポーネントのセットごとに文が1回実行されます。1回の実行で0行、1行または複数行を削除できます。

WHERE句の配列ホスト変数は、サイズが異なっていてもかまいません。この場合、データベースで文が実行される回数は、次の値のうち小さい方によって決まります。

  • 最小の配列のサイズ

  • オプションのFOR句のhost_integerの値

この条件を満たす行が存在しない場合、行は削除されず、SQLCODEはNOT_FOUND条件を戻します。

削除された行の累積数はSQLCAを介して戻されます。WHERE句に配列ホスト変数が指定されていると、DELETE文によって処理された配列のすべてのコンポーネントにおよぶ削除行数の合計がこの値に設定されます。

条件を満たす行がない場合、データベースはSQLCAのSQLCODEを介してエラーを戻します。WHERE句を省略した場合、データベースはSQLCAのSQLWARNの第5コンポーネントに警告フラグを設定します。この文およびSQLCAの詳細は、「SQLコミュニケーション領域の使用」を参照してください。

DELETE文ではコメントを使用して、指示またはヒントOracle Databaseのオプティマイザに渡すことができます。オプティマイザは、これらのヒントを使用して文の実行計画を選択します。ヒントの詳細は、Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

この例では、DELETE文の使用方法を示します。

     EXEC SQL DELETE FROM EMP
        WHERE DEPTNO = :DEPTNO
        AND JOB = :JOB
    END-EXEC.
    EXEC SQL DECLARE EMPCURSOR CURSOR
        FOR SELECT EMPNO, COMM
        FROM EMP
    END-EXEC.
    EXEC SQL OPEN EMPCURSOR END-EXEC.
    EXEC SQL FETCH EMPCURSOR
        INTO :EMP-NUMBER, :COMMISSION
    END-EXEC.
    EXEC SQL DELETE FROM EMP
        WHERE CURRENT OF EMPCURSOR
    END-EXEC. 

関連項目

E.19 DESCRIBE (実行可能埋込みSQL)

用途

Oracle動的SQL文またはPL/SQLブロックのホスト変数の記述を保持する記述子を初期化します。

前提条件

埋込みSQLのPREPARE文を使用して、SQL文またはPL/SQLブロックを事前に準備しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

BIND VARIABLES FOR

SQL文またはPL/SQLブロックの入力変数に関する情報を保持する記述子を初期化します。

SELECT LIST FOR

SELECT文の選択リストに関する情報を保持する記述子を初期化します。

-

デフォルトはSELECT LIST FORです。

statement_name

PREPARE文を使用して事前に準備したSQL文またはPL/SQLブロックを指定します。

descriptor

初期化する記述子の名前です。

使用上の注意

埋込みSQLプログラム内のバインド記述子または選択記述子を操作するには、その前にDESCRIBE文を発行する必要があります。

入力変数と出力変数の両方を同じ記述子に記述することはできません。

DESCRIBE文で検出される変数の数は、一意に名前が指定されたプレースホルダの合計数ではなく、準備するSQL文またはPL/SQLブロックのプレースホルダの合計数です。この文の詳細は、「DESCRIBE文」を参照してください。

この例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラムでDESCRIBE文を使用する方法を示します。

     EXEC SQL PREPARE MYSTATEMENT FROM :MY-STRING END-EXEC. 
     EXEC SQL DECLARE EMPCURSOR 
         FOR SELECT EMPNO, ENAME, SAL, COMM 
         FROM EMP 
         WHERE DEPTNO = :DEPT-NUMBER 
     END-EXEC.
     EXEC SQL DESCRIBE BIND VARIABLES FOR MYSTATEMENT 
         INTO BINDDESCRIPTOR
     END-EXEC. 
     EXEC SQL OPEN EMPCURSOR 
         USING BINDDESCRIPTOR
     END-EXEC. 
     EXEC SQL DESCRIBE SELECT LIST FOR MY-STATEMENT 
         INTO SELECTDESCRIPTOR
     END-EXEC. 
     EXEC SQL FETCH EMPCURSOR 
         INTO SELECTDESCRIPTOR
     END-EXEC. 

関連項目

E.20 DESCRIBE DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

ANSI SQL文の情報を取得し、記述子に格納します。

前提条件

埋込みSQLのPREPARE文を使用して、SQL文を事前に準備しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

statement_id

事前に準備されているSQL文またはPL/SQLブロックの名前。OUTPUTはデフォルトです。

desc_name

SQL文の情報を保持する記述子名を格納するホスト変数。

'descriptor name'

記述子の名前。

GLOBAL | LOCAL

LOCALがデフォルトです。これはファイルのスコープであり、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

使用上の注意

DYNAMIC=ANSIプリコンパイラ・オプションを使用してください。INPUT記述子では、COUNTおよびNAMEのみインプリメントされます。

DESCRIBE文で検出される変数の数は、一意に名前が指定されたプレースホルダの合計数ではなく、準備するSQL文またはPL/SQLブロックのプレースホルダの合計数です。この文の詳細は、ANSI動的SQLを参照してください。

     EXEC SQL PREPARE s FROM :my_stament END-EXEC. 
     EXEC SQL DESCRIBE INPUT s USING DESCRIPTOR 'in' END-EXEC. 

関連項目

E.21 ENABLE THREADS (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

複数のスレッドをサポートするプロセスを初期化します。

前提条件

マルチスレッド・アプリケーションをサポートするプラットフォーム用にプリコンパイラ・アプリケーションを開発し、このプラットフォームでコンパイルを実行して、コマンドラインにTHREADS=YESを指定する必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

なし。

使用上の注意

ENABLE THREADS文を実行するのは一度、それも他の実行SQL文の前やスレッドの起動前にしてください。この文にはホスト変数を指定する必要はありません。

この例では、Pro*COBOLプログラムでENABLE THREADS文を使用する方法を示します。

EXEC SQL ENABLE THREADS END-EXEC.

関連項目

E.22 EXECUTE ... END-EXEC (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

Oracle Pro*COBOLプログラムに無名PL/SQLブロックを埋め込みます。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

PL/SQLブロックをどのデータベースに対して実行するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。この句を省略した場合、PL/SQLブロックはデフォルトのデータベースに対して実行されます。

pl/sql_block

PL/SQLブロックの作成方法など、PL/SQLの詳細は『Oracle Database PL/SQL言語リファレンス』を参照してください。

END-EXEC

埋込みPL/SQLブロックの後に配置する必要があります。

使用上の注意

Oracleプリコンパイラは埋込みPL/SQLブロックを1つの埋込みSQL文のように扱うため、PL/SQLブロックはOracleプリコンパイラ・プログラムでSQL文を埋め込める場所であればどこにでも埋め込めます。Oracleプリコンパイラ・プログラムへのPL/SQLブロックの埋込みに関する詳細は、埋込みPL/SQLを参照してください

Oracleプリコンパイラ・プログラムにこのEXECUTE文を挿入すると、プログラムにPL/SQLブロックが埋め込まれます。

     EXEC SQL EXECUTE 
     BEGIN 
        SELECT ENAME, JOB, SAL 
            INTO :EMP-NAME:IND-NAME, :JOB-TITLE, :SALARY 
            FROM EMP 
            WHERE EMPNO = :EMP-NUMBER; 
        IF :EMP-NAME:IND-NAME IS NULL 
            THEN RAISE NAME-MISSING; 
        END IF; 
     END; 
     END-EXEC.

関連項目

E.23 EXECUTE (実行可能埋込みSQL)

用途

Oracle動的SQLでは、埋込みSQLのPREPARE文によって準備済のDELETE文、INSERT文またはUPDATE文、あるいはPL/SQLブロックを実行します。

前提条件

埋込みSQLのPREPARE文を使用して、SQL文またはPL/SQLブロックを先に準備しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

FOR :array_size

FOR integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

USING句が配列ホスト変数を含む場合に、文の実行回数を制限します。この句を省略した場合、Oracleは最小の配列の各コンポーネントに対してこの文を1回ずつ実行します。

statement_id

実行するSQL文またはPL/SQLブロックに対応付けられているプリコンパイラ識別子。プリコンパイラ識別子を文またはPL/SQLブロックに対応付けるには、埋込みSQLのPREPARE文を使用します。

USING DESCRIPTOR SQLDA_descriptor

Oracle記述子を使用します。

ANSI記述子(INTO句)と一緒には使用できません。

USING

オプションの標識変数を使用してホスト変数のリストを指定します(Oracleは実行する文にこれらの変数を入力変数として代入します)。ホスト変数および標識変数は、すべてスカラーか、すべて配列であることが必要です。

host_variable

ホスト変数。

indicator_variable

標識変数。

使用上の注意

この文の詳細は、Oracle動的SQLを参照してください。

この例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラムでEXECUTE文を使用する方法を示します。

     EXEC SQL PREPARE MY-STATEMENT FROM MY-STRING END-EXEC. 
     EXEC SQL EXECUTE MY-STATEMENT USING :MY-VAR END-EXEC. 

関連項目

E.24 EXECUTE DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

ANSI SQL方法4では、埋込みSQLのPREPARE文によって準備済のDELETE文、INSERT文またはUPDATE文、あるいはPL/SQLブロックを実行します。

前提条件

埋込みSQLのPREPARE文を使用して、SQL文またはPL/SQLブロックを先に準備しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

FOR :array_size

FOR integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

文の実行回数を制限します。Oracleは最小の配列の各コンポーネントに対してこの文を1回ずつ実行します。

statement_id

実行するSQL文またはPL/SQLブロックに対応付けられているプリコンパイラ識別子。プリコンパイラ識別子を文またはPL/SQLブロックに対応付けるには、埋込みSQLのPREPARE文を使用します。

USING

descriptor_name

descriptor name

ANSI入力記述子。

入力記述子名を格納するホスト変数。

入力記述子の名前。

INTO

descriptor_name

descriptor name

ANSI出力記述子。

出力記述子名を格納するホスト変数。

出力記述子の名前。

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

使用上の注意

この文の詳細は、「EXECUTE」を参照してください。

ANSI動的SQL方法4では、EXECUTEのINTO句によりSELECTのDML RETURNINGを使用することができます。

EXEC SQL EXECUTE S2 USING DESCRIPTOR :bv1 INTO DESCRIPTOR 'SELDES' END-EXEC.

関連項目

E.25 EXECUTE IMMEDIATE (実行可能埋込みSQL)

用途

ホスト変数を含まないDELETE文、INSERT文またはUPDATE文、あるいはPL/SQLブロックを準備し、実行します。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

SQL文またはPL/SQLブロックをどのデータベースに対して宣言するかを指定します。データベースは、db_nameまたはhost_variableによって識別できます。

この句を省略した場合、文またはブロックはデフォルトのデータベースに対して実行されます。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。

host_string

実行するSQL文またはPL/SQLブロックを値とするホスト変数。

text

実行するSQL文またはPL/SQLブロックを含むテキスト・リテラル。引用符は省略できます。

SQL文は、DELETE文、INSERT文またはUPDATE文のいずれかであることが必要です。

使用上の注意

EXECUTE IMMEDIATE文を発行すると、データベースは指定したSQL文またはPL/SQLブロックを解析してエラーをチェックし、実行します。見つかったエラーは、SQLCAのSQLCODEコンポーネントに戻されます。

この文の詳細は、「EXECUTE IMMEDIATE文」を参照してください。

この例では、EXECUTE IMMEDIATE文の使用方法を示します。

     EXEC SQL
         EXECUTE IMMEDIATE 'DELETE FROM EMP WHERE EMPNO = 9460'
     END-EXEC. 

関連項目

E.26 FETCH (実行可能埋込みSQL)

用途

選択リストの値をホスト変数に割り当てて、問合せが戻した1つまたは複数の行を取り出します。ANSI動的SQL方法4については、FETCH DESCRIPTOR(実行可能埋込みSQL)を参照してください。

前提条件

OPEN文を使用してカーソルを先にオープンしておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

FOR :array_size

FOR integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

配列ホスト変数を使用する場合にフェッチする行数を制限します。この句を省略した場合、Oracleは最小の配列を満たすのに十分な数の行をフェッチします。

cursor

DECLARE CURSOR文を使用して宣言したカーソル。FETCH文は、カーソルに対応付けられた問合せが選択した行のうちの1行を戻します。

cursor_variable

ALLOCATE文を使用して割り当てたカーソル変数。FETCH文は、カーソル変数に対応付けられた問合せが選択した行のうちの1行を戻します。

INTO

データをフェッチするホスト変数およびオプションの標識変数のリストを指定します。これらのホスト変数および標識変数は、プログラム内で宣言されている必要があります。

USING SQLDA_variable

DESCRIBE文を使用して事前に参照しているOracle記述子を指定します。この句は、動的埋込みSQL方法4以外では使用しないでください。カーソル変数を使用している場合は、USING句は適用されません。

host_variable

データが戻されるホスト変数。

indicator_variable

ホスト標識変数。

使用上の注意

FETCH文はアクティブ・セットの行を読み取り、結果が含まれる出力変数の名前を示します。対応付けられたホスト変数がNULLの場合、インディケータ変数の値は-1に設定されます。

出力ホスト変数のサイズは取り出された行数を示し、FOR句は値を示します。データを受け取るホスト変数は、すべてスカラーか、すべて配列であることが必要です。スカラーの場合は、Oracleは1行のみフェッチします。配列の場合、Oracleは配列を満たすのに十分な数の行をフェッチします。

配列ホスト変数は、サイズが異なってもかまいません。この場合、Oracleがフェッチする行数は、次の値のうち小さい方です。

  • 最小の配列のサイズ

  • オプションのFOR句のhost_integerの値

フェッチする行数は、実際に問合せを満たす行数によってさらに限定できます。

FETCH文が、問合せで戻された行すべてを取得しなかった場合、カーソルは戻された次の行に配置されます。問合せで戻された最後の行を取得すると、次のFETCH文を実行すると、SQLCAのSQLCODE要素に警告コードが戻されることになります。

配列が完全に満たされない場合には警告が発行されます。その場合は、実際にフェッチされた行数をSQLERRD(3)で確認してください。

FETCH文にはAT句がないので注意してください。カーソルによってアクセスされるデータベースは、DECLARE CURSOR文で指定する必要があります。

FETCH文では、アクティブ・セット内を前方向にのみ進めます。すでにフェッチした行に戻る場合は、カーソルを再オープンして各行を順番に取り出す必要があります。アクティブ・セットを変更するには、新しい値をカーソルの問合せの入力ホスト変数に割り当て、カーソルを再オープンします。

この例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラム内のFETCH文を示します。

     EXEC SQL DECLARE EMPCURSOR CURSOR FOR 
         SELECT JOB, SAL FROM EMP WHERE DEPTNO = 30
     END-EXEC. 
     ... 
     EXEC SQL WHENEVER NOT FOUND GOTO ... 
 LOOP. 
     EXEC SQL FETCH EMPCURSOR INTO :JOB-TITLE1, :SALARY1 END-EXEC. 
     EXEC SQL FETCH EMPCURSOR INTO :JOB-TITLE2, :SALARY2 END-EXEC. 
     ... 
     GO TO LOOP. 
     ... 

関連項目

E.27 FETCH DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

選択リストの値をホスト変数に割り当てて、問合せが戻した1つまたは複数の行を取り出します。ANSI動的SQL方法4で使用します。

前提条件

OPEN文を使用してカーソルを先にオープンしておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

FOR :array_size

FOR integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

配列ホスト変数を使用する場合にフェッチする行数を制限します。この句を省略した場合、Oracleは最小の配列を満たすのに十分な数の行をフェッチします。

cursor

DECLARE CURSOR文を使用して宣言したカーソル。FETCH文は、カーソルに対応付けられた問合せが選択した行のうちの1行を戻します。

cursor_variable

ALLOCATE文を使用して割り当てたカーソル変数。FETCH文は、カーソル変数に対応付けられた問合せが選択した行のうちの1行を戻します。

INTO

データをフェッチするホスト変数およびオプションの標識変数のリストを指定します。これらのホスト変数および標識変数は、プログラム内で宣言されている必要があります。

INTO 'descriptor name'

INTO :descriptor_name

出力ANSI記述子の名前。

出力記述子名を格納するホスト変数。

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

使用上の注意

出力ホスト変数のサイズは取り出された行数を示し、FOR句は値を示します。データを受け取るホスト変数は、すべてスカラーか、すべて配列であることが必要です。スカラーの場合は、Oracleは1行のみフェッチします。配列の場合、Oracleは配列を満たすのに十分な数の行をフェッチします。

配列ホスト変数は、サイズが異なってもかまいません。この場合、Oracleがフェッチする行数は、次の値のうち小さい方です。

  • 最小の配列のサイズ

  • オプションのFOR句のarray_sizeの値

  • フェッチする行数は、実際に問合せを満たす行数によってさらに限定できます。

FETCH文が、問合せで戻された行すべてを取得しなかった場合、カーソルは戻された次の行に配置されます。問合せで戻された最後の行を取得すると、次のFETCH文を実行すると、SQLCAのSQLCODE要素に警告コードが戻されることになります。

配列が完全に満たされない場合には警告が発行されます。その場合は、実際にフェッチされた行数をSQLERRD(3)で確認してください。

FETCH文にはAT句がないので注意してください。カーソルによってアクセスされるデータベースは、DECLARE CURSOR文で指定する必要があります。

FETCH文では、アクティブ・セット内を前方向にのみ進めます。すでにフェッチした行に戻る場合は、カーソルを再オープンして各行を順番に取り出す必要があります。アクティブ・セットを変更するには、新しい値をカーソルの問合せの入力ホスト変数に割り当て、カーソルを再オープンします。

ANSI SQL方法4アプリケーション用にDYNAMIC=ANSIプリコンパイラ・オプションを使用してください。ANSI SQL方法4アプリケーションの詳細は、FETCHを参照してください。

...
EXEC SQL ALLOCATE DESCRIPTOR 'output_descriptor' END-EXEC.
...
EXEC SQL PREPARE S FROM :dyn_statement END-EXEC.
EXEC SQL DECLARE mycursor CURSOR FOR S END-EXEC.
...
EXEC SQL FETCH mycursor INTO DESCRIPTOR 'output_descriptor' END-EXEC.
...

関連項目

PREPARE文。

E.28 FREE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

カーソル変数、LOBロケータまたはROWIDが使用するメモリーを解放します。

前提条件

メモリーがすでに割り当てられている必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

cursor_variable

ALLOCATE文に割当て済のカーソル変数。SQL-CURSOR型です。

FETCH文は、カーソル変数に対応付けられた問合せが選択した行のうちの1行を戻します。

host_ptr

LOB用のROWID、SQL-BLOB、SQL-CLOBまたはSQL-NCLOBのSQL-ROWID型の変数。

使用上の注意

「カーソル」および「カーソル変数」を参照してください。

* CURSOR VARIABLE EXAMPLE
...
 01  CUR      SQL-CURSOR.
...
     EXEC SQL ALLOCATE :CUR END-EXEC.
...
     EXEC SQL CLOSE :CUR END-EXEC.
     EXEC SQL FREE  :CUR END-EXEC.
...

関連項目

E.29 GET DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

SQL記述子領域のホスト変数の情報を取得します。

前提条件

値構文およびANSI動的SQL方法4以外では使用しないでください。

構文

item_nameのみ次の中から選択できます。

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

array_size

integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

:descriptor_name

割り当てられたANSI記述子名を格納するホスト変数。

'descriptor name'

割り当てられたANSI記述子の名前。

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

host_var=COUNT

入力および出力変数の合計数を格納するホスト変数。

integer

入力および出力変数の合計数。

VALUE :host_integer

参照される入力または出力変数の位置を格納するホスト変数。

VALUE integer

参照される入力または出力変数の位置。

host_var

項目の値を受け取るホスト変数。

item_name

item_nameに関しては、表10-4および表10-5の「記述子項目名」列を参照してください。

使用上の注意

DYNAMIC=ANSIプリコンパイラ・オプションを使用してください。配列サイズ句は、DATA、RETURNED_LENGTHおよびINDICATORの項目名で使用できます。GET DESCRIPTORを参照してください。

     EXEC SQL GET DESCRIPTOR GLOBAL 'mydesc' :mydesc_num_vars = COUNT END-EXEC.

関連項目

E.30 INSERT (実行可能埋込みSQL)

用途

表またはビューの実表に行を追加します。

前提条件

表に行を挿入するには、その表が自分のスキーマ内にあるか、またはその表に対してINSERTの権限を持っている必要があります。

ビューの実表に行を挿入するには、ビューが属するスキーマの所有者が、その実表に対してINSERTの権限を持っている必要があります。また、ビューがユーザーのスキーマ以外のスキーマ内にある場合は、ビューに対してINSERTの権限を持っている必要があります。

INSERT ANY TABLEシステム権限を使用すると、表またはビューの実表ならどれにでも行を入力できます。

構文

DML RETURNING句の構文を示します。

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

INSERT文をどのデータベースについて実行するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。この句を省略した場合、INSERT文はデフォルトのデータベースに対して実行されます。

FOR :host_integer

VALUES句に配列ホスト変数が含まれる場合に、文を実行する回数を制限します。この句を省略した場合、Oracleは最小の配列の各コンポーネントにつき1回ずつ文が実行されます。

schema

表またはビューを含むスキーマ。schemaを省略した場合、Oracleは表またはビューがユーザーのスキーマ内にあるとみなします。

table

view

行を挿入する表の名前。viewを指定する場合、Oracleはビューの実表に行を挿入します。

db_link

表またはビューがあるリモート・データベースへのデータベース・リンクの完全名または部分名。データベース・リンクの参照の詳細は、「SQL文のスキーマ・オブジェクトおよび部分の構文」を参照してください。分散オプションのあるOracleを使用している場合、リモート表またはビューへの行の挿入のみを行えます。

db_linkを省略した場合、Oracleは表またはビューがローカル・データベース内にあるとみなします。

part_name

表内のパーティションの名前。

column

表またはビューの列。挿入した行では、このリストの各列にVALUES句または問合せから値が割り当てられます。

このリストから表の列を削除する場合、挿入された行の列値は、表の作成時に指定した列のデフォルト値となります。列のリストを完全に省略した場合は、VALUES句または問合せによって、表のすべての列の値を指定する必要があります。

VALUES

表またはビューに挿入される値の行を指定します。ホスト変数には、オプションのインディケータ変数と合せて式も使用できます。VALUES句では、列のリストの各列に式を指定する必要があります。

subquery

表に挿入される行を戻す副問合せ。この副問合せの選択リストの列数は、INSERT文の列のリストの列数と同じであることが必要です。副問合せの構文記述については、SELECTを参照してください。

DML RETURNING句

詳細は、「DML RETURNING句」を参照してください。

使用上の注意

WHERE句内のホスト変数は、すべてスカラーか、すべて配列であることが必要です。変数がスカラーの場合、OracleはINSERT文を1回実行します。変数が配列の場合、OracleはINSERT文を各配列コンポーネント・セットについて1回ずつ実行して、1行ずつ挿入します。

WHERE句の配列ホスト変数は、サイズが異なっていてもかまいません。この場合、Oracleが文を実行する回数は、次のうちの小さい方の値によって決定します。

  • 最小の配列のサイズ

  • オプションのFOR句のhost_integerの値。

この文の詳細は、「基本的なSQL文」を参照してください。

例I

この例では、埋込みSQL INSERT文の使用方法を示します。

     EXEC SQL 
         INSERT INTO EMP (ENAME, EMPNO, SAL) 
         VALUES (:ENAME, :EMPNO, :SAL)
     END-EXEC. 

例II

この例では、副問合せを使用した埋込みSQLのINSERT文を示します。

     EXEC SQL 
         INSERT INTO NEWEMP (ENAME, EMPNO, SAL) 
         SELECT ENAME, EMPNO, SAL FROM EMP
         WHERE DEPTNO = :DEPTNO
     END-EXEC. 

関連項目

E.31 LOB APPEND (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBを別のLOBの最後に追加します。

前提条件

LOBバッファリングは使用可能にしないでください。宛先LOBが初期化されている必要があります。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、APPENDを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.32 LOB ASSIGN (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBまたはBFILEロケータを別のロケータに割り当てます。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、ASSIGNを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.33 LOB CLOSE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

オープンされているLOBまたはBFILEをクローズします。

構文

使用上の注意

使用上の注意、キーワード、パラメータおよび例は、「CLOSE」を参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.34 LOB COPY (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOB値の全部または一部を別のLOBにコピーします。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、COPYを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.35 LOB CREATE TEMPORARY (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

一時LOBを作成します。

構文

使用上の注意

使用上の注意、キーワード、パラメータおよび例は、CREATE TEMPORARYを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.36 LOB DESCRIBE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBから属性を取り出します。

構文

attribは次のとおりです。

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、DESCRIBEを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.37 LOB DISABLE BUFFERING (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBバッファリングを使用禁止にします。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、DISABLE BUFFERINGを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.38 LOB ENABLE BUFFERING (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBバッファリングを有効にします。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、「ENABLE BUFFERING」を参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.39 LOB ERASE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

指定されたオフセットから始まる指定された量のLOBデータを消去します。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、ERASEを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.40 LOB FILE CLOSE ALL (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

カレント・セッションでオープンしているすべてのBFILEをクローズします。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、FILE CLOSE ALLを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.41 LOB FILE SET (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

BFILEロケータのDIRECTORYおよびFILENAMEを設定します。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、FILE SETを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.42 LOB FLUSH BUFFER (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBのバッファをデータベース・サーバーに書き込みます。

構文

使用上の注意

使用上の注意、キーワード、パラメータおよび例は、FLUSH BUFFERを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.43 LOB FREE TEMPORARY (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBロケータ用に一時領域を解放します。

構文

使用上の注意

使用上の注意、キーワード、パラメータおよび例は、FREE TEMPORARYを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.44 LOB LOAD (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

BFILEの全部または一部を、内部LOBにコピーします。

構文

使用上の注意

使用上の注意、キーワード、パラメータおよび例は、LOAD FROM FILEを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.45 LOB OPEN (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

読取りまたは読取り/書込みを行うLOBまたはBFILEをオープンします。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、「OPEN」を参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.46 LOB READ (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOBまたはBFILEの一部をバッファに読み込みます。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、READを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.47 LOB TRIM (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

LOB値を切り捨てます。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、TRIMを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.48 LOB WRITE (実行可能埋込みSQL拡張機能)

用途

バッファの内容をLOBに書き込みます。

構文

使用上の注意

使用方法、キーワード、パラメータおよび例は、WRITEを参照してください。

関連項目

他のLOB文を参照してください。

E.49 OPEN (実行可能埋込みSQL)

用途

対応付けられた問合せを評価し、USING句が示すホスト変数名を問合せのWHERE句に代入して、カーソルをオープンします。動的SQL文でEXECUTEのかわりに使用できます。ANSI動的SQL構文は、「OPEN DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)」を参照してください。

前提条件

カーソルは、オープンする前に埋込みSQLのDECLARE CURSOR文を使用して宣言しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

array_size

integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

OPENがEXECUTEと同等の場合にのみ使用できます。

cursor

オープンする(すでに宣言されている)カーソル。

host_variable

カーソルに対応付けられた文に代入するホスト変数を指定します。

ANSI記述子(INTO句)と一緒には使用できません。

DESCRIPTOR SQLDA_descriptor

対応付けられた問合せのWHERE句に代入するホスト変数を表すOracle記述子を指定します。記述子は、DESCRIBE文を使用して事前に初期化されている必要があります。代入は、位置に基づきます。この文で指定するホスト変数名は、対応付けられた問合せの変数名と異なってもかまいません。

ANSI記述子(INTO句)と一緒には使用できません。

使用上の注意

OPEN文は、行のアクティブ・セットを定義し、アクティブ・セットの最初の行の直前でカーソルを初期化します。OPEN時のホスト変数の値が文に代入されます。この文は、実際には行を取り出しません。行はFETCH文を使用して取り出されます。

カーソルを一度オープンすると、入力ホスト変数はカーソルを再オープンするまで再テストされません。入力ホスト変数およびアクティブ・セットを変更するには、カーソルを再オープンする必要があります。

プログラム内のすべてのカーソルは、プログラムを開始する場合またはCLOSE文を使用してカーソルを明示的にクローズした後にクローズ状態になります。

カーソルは事前にクローズしなくても、再オープンできます。この文の詳細は、「カーソルのオープン」を参照してください。

この例では、Pro*COBOLプログラムでOPEN文を使用する方法を示します。

     EXEC SQL DECLARE EMPCURSOR CURSOR FOR 
         SELECT ENAME, EMPNO, JOB, SAL 
         FROM EMP 
         WHERE DEPTNO = :DEPTNO
     END-EXEC. 
     EXEC SQL OPEN EMPCURSOR END-EXEC. 

関連項目

E.50 OPEN DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

対応付けられた問合せを評価し、USING句が示す入力ホスト変数名を問合せのWHERE句に代入して、カーソル(ANSI動的SQL方法4用)をオープンします。INTO句は、出力記述子を示します。動的SQL文でEXECUTEのかわりに使用できます。

前提条件

カーソルは、オープンする前に埋込みSQLのDECLARE CURSOR文を使用して宣言しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

array_size

integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

EXECUTEと同等の場合のみ、動的SQLに使用できます。

cursor

オープンする(すでに宣言されている)カーソル。

USING DESCRIPTOR

descriptor_name 'descriptor name'

ANSI記述子の名前を格納するホスト変数またはANSI記述子の名前でANSI入力記述子を指定します。

INTO DESCRIPTOR descriptor_name 'descriptor name'

ANSI記述子の名前を格納するホスト変数もしくはANSI記述子の名前でANSI出力記述子を指定します。

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

使用上の注意

プリコンパイラのオプションDYNAMICにANSIを設定します。

OPEN文は、行のアクティブ・セットを定義し、アクティブ・セットの最初の行の直前でカーソルを初期化します。OPEN時のホスト変数の値が文に代入されます。この文は、実際には行を取り出しません。行はFETCH文を使用して取り出されます。

カーソルを一度オープンすると、入力ホスト変数はカーソルを再オープンするまで再テストされません。入力ホスト変数およびアクティブ・セットを変更するには、カーソルを再オープンする必要があります。

プログラム内のすべてのカーソルは、プログラムを開始する場合またはCLOSE文を使用してカーソルを明示的にクローズした後にクローズ状態になります。

カーソルは事前にクローズしなくても、再オープンできます。この文の詳細は、「行の挿入」を参照してください。

 01 DYN-STATEMENT PIC X(58) VALUE "SELECT ENAME, EMPNO FROM EMP WHERE
       DEPTNO =:DEPTNO-DAT".
 01 DEPTNO-DAT PIC S9(9) COMP VALUE 10.
 ...
     EXEC SQL ALLOCATE DESCRIPTOR 'input-descriptor' END-EXEC.
     EXEC SQL ALLOCATE DESCRIPTOR 'output-descriptor'
     ...
     EXEC SQL PREPARE S FROM :DYN-STATEMENT END-EXEC.
     EXEC SQL DECLARE C CURSOR FOR S END-EXEC.
     ...
     EXEC SQL OPEN C USING DESCRIPTOR 'input-descriptor' END-EXEC.
     ...

関連項目

E.51 PREPARE (実行可能埋込みSQL)

用途

ホスト変数で指定するSQL文またはPL/SQLブロックを解析し、識別子に対応付けます。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

db_name

CONNECT文で先に設定されるデータベース接続名を含むNULL終了文字列。省略した場合または空文字の場合は、デフォルトのデータベース接続とみなされます。

host_variable

データベース接続名を格納するホスト変数。

array_size

integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。

statement_id

準備済のSQL文またはPL/SQLブロックに対応付ける識別子。この識別子がすでに別の文またはブロックに割り当てられている場合は、以前の割当てが置き換えられます。

host_string

準備するSQL文またはPL/SQLブロックのテキストが値であるホスト変数。

text

実行するSQL文またはPL/SQLブロックを含むテキスト・リテラル。引用符は省略できます。

select_command

SELECT文。

使用上の注意

host_stringまたはtextの変数はすべてプレースホルダです。実際のホスト変数名は、OPEN文のUSING句(入力ホスト変数)またはFETCH文のINTO句(出力ホスト変数)で割り当てます。

SQL文は一度準備すると、何回でも実行できます。

この例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラムでPREPARE文を使用する方法を示します。

     EXEC SQL PREPARE MYSTATEMENT FROM :MY-STRING END-EXEC. 
     EXEC SQL EXECUTE MYSTATEMENT END-EXEC.

関連項目

E.52 ROLLBACK (実行可能埋込みSQL)

用途

カレント・トランザクションで実行した作業を取り消します。この文は、インダウトの分散トランザクションの処理を手動で取り消すときにも使用できます。

前提条件

現行のトランザクションをロールバックする場合、権限は不要です。

ユーザーがコミットしたインダウトの分散トランザクションを手動でロールバックするには、FORCE TRANSACTIONのシステム権限が必要です。他のユーザーがコミットしたインダウトの分散トランザクションを手動でロールバックするには、FORCE ANY TRANSACTIONのシステム権限が必要です。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

db_name

CONNECT文で先に設定されるデータベース接続名を含むNULL終了文字列。省略した場合または空文字の場合は、デフォルトのデータベース接続とみなされます。

host_variable

データベース接続名を格納するホスト変数。この句を省略した場合、セーブポイントはデフォルトのデータベースに対して作成されます。

WORK

オプションで、ANSIとの互換性のために用意されています。

TO

指定したセーブポイントまでカレント・トランザクションをロールバックします。この句を省略した場合、ROLLBACK文はトランザクション全体をロールバックします。

FORCE

インダウトの分散トランザクションを手動でロールバックします。ローカルまたはグローバル・トランザクションIDを格納するtextによりトランザクションを指定します。このようなトランザクションのIDを検索するには、データ・ディクショナリ・ビューDBA_2PC_PENDINGに問合せをします。

ROLLBACK文でのFORCE句の使用はPL/SQLではサポートされていません。

RELEASE

リソースをすべて解放し、アプリケーションをデータベース・サーバーから切断します。RELEASE句は、SAVEPOINT句およびFORCE句とは併用できません。

savepoint

ロールバックするためのセーブポイントの名前。

使用上の注意

トランザクション(または論理作業単位)は、Oracleが1つの単位として扱う一連のSQL文です。トランザクションは、COMMIT文、ROLLBACK文またはデータベースへの接続後の、最初の実行SQL文から始まります。トランザクションは、COMMIT文、ROLLBACK文またはデータベースからの切断(意図的かどうかに関係なく)で終了します。Oracleは、データ定義言語文の処理前および処理後に暗黙的COMMIT文を発行します。

TO SAVEPOINT句を指定せずにROLLBACK文を使用すると、次の処理が実行されます。

  • トランザクションを終了します

  • カレント・トランザクションの変更内容がすべて取り消されます。

  • トランザクションのセーブポイントがすべて消去されます。

  • トランザクションのロックを解除します。

TO SAVEPOINT句を指定してROLLBACK文を使用すると、次の処理が実行されます。

  • トランザクションのセーブポイント後の部分のみロールバックされます。

  • 指定したセーブポイントの後に作成したセーブポイントがすべて消去されます。指定したセーブポイントは保持されるため、そのセーブポイントに複数回ロールバックできます。指定したセーブポイントより前に作成されたセーブポイントも残ります。

  • 指定したセーブポイント後に取得した表および行のロックがすべて解除されます。セーブポイント後にロックされた行へのアクセスを要求した他のトランザクションは、コミットまたはロールバックされるまで待機する必要があります。行を要求していない他のトランザクションは、すぐに行の要求およびアクセスができます。

アプリケーション・プログラムでは、COMMIT文またはROLLBACK文を使用してトランザクションを明示的に終了することをお薦めします。トランザクションを明示的にコミットしなかった場合にプログラムが異常終了すると、Oracleはコミットされていない最後のトランザクションをロールバックします。

例I

次の文はカレント・トランザクション全体をロールバックします。

     EXEC SQL ROLLBACK END-EXEC. 

例II

次の文はカレント・トランザクションをセーブポイントSP5までロールバックします。

      EXEC SQL ROLLBACK TO SAVEPOINT SP5 END-EXEC.

分散トランザクション

Oracleで分散オプションを使用すると、分散トランザクション、つまり複数のデータベースのデータを変更するトランザクションを実行できます。分散トランザクションをコミットまたはロールバックするには、他のトランザクションと同じようにCOMMIT文またはROLLBACK文を発行するだけで済みます。

分散トランザクションのコミット・プロセス中にネットワーク障害が発生すると、トランザクションの状態が不明、つまりインダウトになる可能性があります。そのトランザクションに関連する他のデータベースの管理者に問い合せて、ローカル・データベースのトランザクションを手動でコミットするか、ロールバックするかを決定できます。ローカル・データベースのトランザクションを手動でロールバックするには、FORCE句を指定してROLLBACK文を発行します。

インダウトのトランザクションを手動でセーブポイントまでロールバックすることはできません。

FORCE句を指定したROLLBACK文は、指定したトランザクションのみロールバックします。この文は、現行のトランザクションには影響しません。

例III

次の文は、インダウト分散トランザクションを手動でロールバックします。

     EXEC SQL ROLLBACK WORK FORCE '25.32.87' END-EXEC.

関連項目

E.53 SAVEPOINT (実行可能埋込みSQL)

用途

後でロールバックする位置をトランザクション内に指定します。

前提条件

なし。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

セーブポイントをどのデータベースに対して作成するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。この句を省略した場合、セーブポイントはデフォルトのデータベースに対して作成されます。

savepoint

作成するセーブポイントの名前。

使用上の注意

この文の詳細は、「SAVEPOINT文の使用」を参照してください。

この例では、埋込みSQLのSAVEPOINT文の使用方法を示します。

     EXEC SQL SAVEPOINT SAVE3 END-EXEC.

関連項目

E.54 SELECT (実行可能埋込みSQL)

用途

選択した値をホスト変数に割り当てて、1つ以上の表、ビューまたはスナップショットからデータを取り出します。

前提条件

表またはスナップショットからデータを選択するには、表またはスナップショットがユーザーのスキーマ内にあるか、あるいは表またはスナップショットに対してSELECTの権限を持っている必要があります。

ビューの実表から行を選択するには、ビューが属するスキーマの所有者が、実表に対してSELECTの権限を持っている必要があります。また、ビューが自分のスキーマ以外のスキーマ内にある場合は、ビューに対してSELECTの権限を持つ必要があります。

SELECT ANY TABLEシステム権限を使用すると、すべての表、スナップショットまたはビューの実表からデータを選択できます。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

どのデータベースに対してSELECT文を発行するかを指定します。次のいずれかを使用してデータベースを指定します。

db_name

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdb_name値のホスト変数。この句を省略した場合、SELECT文はデフォルトのデータベースに対して発行されます。

select_list

非埋込みSELECT文と同じですが、リテラルのかわりにホスト変数を使用できます。

INTO

SELECT文が戻すデータを受け取る出力ホスト変数とオプションの標識変数を指定します。これらの変数は、すべてスカラーか、すべて配列である必要があります。ただし、配列は同じサイズでなくてもかまいません。

WHERE

戻される行を、条件がTRUEの行のみに制限します。詳細は、「SQL条件について」を参照してください。conditionには、ホスト変数を使用できますが、インジケータ変数は使用できません。これらのホスト変数はスカラーである必要があり、配列は使用できません。

その他のキーワードおよびパラメータは、非埋込みSQLのSELECT文と同じです。

使用上の注意

WHERE句の条件を満たす行が存在しない場合、行は取り出されず、OracleはSQLCAのSQLCODEコンポーネントを使用してエラー・コードを戻します。

SELECT文ではコメントを使用して指示またはヒントをOracleのオプティマイザに渡すことができます。オプティマイザは、これらのヒントを使用して文の実行計画を選択します。

この例では、埋込みSQLのSELECT文の使用方法を示します。

     EXEC SQL SELECT ENAME, SAL + 100, JOB 
         INTO :ENAME, :SAL, :JOB 
         FROM EMP 
         WHERE EMPNO = :EMPNO
     END-EXEC. 

関連項目

E.55 SET DESCRIPTOR (実行可能埋込みSQL)

用途

ANSI動的SQL文を使用して、ホスト変数の記述子領域内の情報を設定します。

前提条件

DESCRIBE DESCRIPTORの後で使用します。

構文

item_nameのみ次の中から選択できます。

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

array_size

integer

処理される行の数を格納するホスト変数。

処理される行数。配列サイズの句は、DATA、RETURNED_LENGTHおよびINDICATORの項目名でのみ使用できます。

GLOBAL | LOCAL

LOCAL (デフォルト)はファイルのスコープで、GLOBALはアプリケーションのスコープです。

descriptor_name

'descriptor name'

割り当てられたANSI記述子名を格納するホスト変数。

割り当てられたANSI記述子の名前。

COUNT

入力および出力変数の合計数です。

VALUE

文中で参照されるホスト変数の位置です。

item_name

item_namesのリストおよび説明は、表10-6および表10-7を参照してください。

host_var

入力および出力変数の合計数を格納するホスト変数。

integer

入力および出力変数の合計数。

host_var

項目の設定に使用するホスト変数。

REF

参照セマンティクスが使用されます。RETURNED_LENGTH、DATAおよびINDICATORの項目名以外では使用できません。

RETURNED_LENGTHを設定するときに使用する必要があります。

使用上の注意

DYNAMIC=ANSIプリコンパイラ・オプションを使用してください。クライアント側でUnicodeをサポートするには、CHARACTER_SET_NAMEにUTF16を設定します。記述子項目名の表などの詳細は、SET DESCRIPTORを参照してください。

     EXEC SQL SET DESCRIPTOR GLOBAL :mydescr COUNT = 3 END-EXEC.

関連項目

E.56 UPDATE (実行可能埋込みSQL)

用途

表またはビューの実表の既存の値を変更します。

前提条件

表またはスナップショットの値を更新するには、表がユーザーのスキーマ内にあるか、または表に対してUPDATEの権限を持っている必要があります。

ビューの実表の値を更新するには、ビューが属するスキーマの所有者が、実表に対してUPDATEの権限を持っている必要があります。また、ビューがユーザーのスキーマ以外のスキーマ内にある場合は、ビューに対してUPDATEの権限を持っている必要があります。

UPDATE ANY TABLEシステム権限を使用すると、すべての表またはビューの実表の値を更新できます。

構文

DML RETURNING句の構文を示します。

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

AT

どのデータベースに対してUPDATE文を発行するかを指定します。データベースは、dbnameまたはhost_variableによって識別できます。

この句を省略した場合、UPDATE文はデフォルトのデータベースに対して発行されます。

dbname

すでにDECLARE DATABASE文で宣言されているデータベース識別子。

host_variable

すでに宣言されているdbname値のホスト変数。

FOR :host_integer

SET句およびWHERE句が配列ホスト変数を含む場合に、UPDATE文を実行する回数を制限します。この句を省略した場合、Oracleは最小の配列の各コンポーネントにつき1回ずつ文が実行されます。

schema

表またはビューを含むスキーマ。schemaを省略した場合、Oracleは表またはビューがユーザーのスキーマ内にあるとみなします。

table view

更新する表の名前。viewを指定する場合、Oracleではビューのベース表を更新します。

dblink

表またはビューがあるリモート・データベースへのデータベース・リンクの完全名または部分名。データベース・リンク参照の詳細は、「リモート・データベース内のオブジェクトの参照」を参照してください。Oracleを分散オプションで使用している場合にのみ、リモートの表またはビューを更新するためにデータベース・リンクを使用できます。

part_name

表内のパーティションの名前。

alias

文の他の場所にある表、ビューまたは副問合せを参照するのに使用する名前です。

column

表またはビューで更新する列の名前。SET句から表の列を削除する場合、その列の値は変更されません。

expr

対応する列に割り当てる新しい値。この式には、ホスト変数およびオプションの標識変数を含めることができます。

subquery_1

対応する列に割り当てられた新しい値を戻す副問合せ。副問合せの構文は、SELECTを参照してください。

subquery_2

対応する列に割り当てられた新しい値を戻す副問合せ。副問合せの構文は、SELECTを参照してください。

WHERE

表またはビューで更新する行を指定します。

この句を完全に省略した場合、データベースは表またはビューのすべての行を更新します。

条件は、1つ以上の式および論理(ブール)演算子の組合せを指定し、TRUE、FALSEまたはUNKNOWNの値を戻します。

CURRENT OFは、カーソルによって最後にフェッチされたレコードの削除を指定します。

DML RETURNING句

詳細は、「DML RETURNING句」を参照してください。

使用上の注意

SET句およびWHERE句に含まれるホスト変数は、すべてスカラーか、またはすべて配列であることが必要です。変数がスカラーの場合、OracleはUPDATE文を1回のみ実行します。変数が配列の場合、Oracleは配列のコンポーネント・セットごとに1回ずつこの文を実行します。1回の実行で、0行または1行、複数行を更新できます。

配列ホスト変数は、サイズが異なってもかまいません。この場合、Oracleが文を実行する回数は、値の小さい方によって決定します。

次の値を比較します。

  • 最小の配列のサイズ

  • オプションのFOR句のhost_integerの値

更新された行の累積数は、SQLCAのSQLERRDコンポーネントの第3要素に設定されて戻されます。入力ホスト変数として配列を使用した場合、この数値はUPDATE文で処理された配列のすべてのコンポーネントにおよぶ更新数の合計を示します。この条件を満たす行が存在しない場合、行は更新されず、OracleはSQLCAのSQLCODE要素を通じてエラー・メッセージを戻します。WHERE句を省略した場合は、すべての行が更新され、OracleはSQLCAのSQLWARN要素の第5コンポーネントに警告フラグを設定します。

UPDATE文ではコメントを使用して指示またはヒントをOracleのオプティマイザに渡すことができます。オプティマイザは、これらのヒントを使用して文の実行計画を選択します。

この文の詳細は、「基本的なSQL文」および「データベースの概念」を参照してください。

次の例では、埋込みSQLのUPDATE文の使用方法を示します。

     EXEC SQL UPDATE EMP 
         SET SAL = :SAL, COMM = :COMM INDICATOR :COMM-IND 
         WHERE ENAME = :ENAME
     END-EXEC. 
 
     EXEC SQL UPDATE EMP 
         SET (SAL, COMM) = 
             (SELECT AVG(SAL)*1.1, AVG(COMM)*1.1 
             FROM EMP) 
         WHERE ENAME = 'JONES'
     END-EXEC. 

関連項目

E.57 VAR (Oracle埋込みSQLディレクティブ)

用途

ホスト変数の同値化を実行するか、特定のOracle外部データ型をこのホスト変数に割り当て、デフォルトのデータ型割当てをオーバーライドします。また、オプションのCONVBUFSZ句を使用して、キャラクタ・セット変換用のバッファ・サイズを指定します。

前提条件

ホスト変数は、埋込みSQLプログラム内であらかじめ宣言しておく必要があります。

構文

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

host_variable

Oracleの外部データ型を割り当てるホスト変数。

dtyp

Pro*COBOLによって認識されるOracleの外部データ型(Oracleの内部データ型ではありません)。データ型には、長さ、精度または位取りを含めることができます。この外部データ型がhost_variableに割り当てられます。外部データ型のリストは、外部データ型を参照してください。

size

Oracleランタイム・ライブラリ内のバッファのサイズ(バイト単位)です。これを使用して、host_variableのキャラクタ・セットを変換します。

使用上の注意

データ型の同値化は次の目的に有効です。

  • プログラム・データをバイナリ・データとしてデータベースに格納します。

  • デフォルトのデータ型のかわりに使用します。

Oracleデータ型の詳細は、「サンプル・プログラム4: データ型の同値化」を参照してください。

この例では、ホスト変数DEPT_NAMEをデータ型VARCHAR2に、ホスト変数BUFFERをデータ型RAW(200)に同値化しています。

     EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION END-EXEC. 
     ... 
     01 DEPT-NAME  PIC X(15).
* -- default datatype is CHAR 
     EXEC SQL VAR DEPT-NAME IS VARCHAR2 END-EXEC.
* -- reset to STRING 
     ...
     01 BUFFER-VAR.
          05 BUFFER  PIC X(200).     
* -- default datatype is CHAR 
     EXEC SQL VAR BUFFER IS RAW(200) END-EXEC.
* -- refer to RAW 
     ...
     EXEC SQL END DECLARE SECTION END-EXEC. 

関連項目

なし。

E.58 WHENEVER (埋込みSQLディレクティブ)

用途

埋込みSQLプログラムの実行時に、エラーまたは警告が発生した場合の処置を指定します。

前提条件

なし。

構文

DO.CALL.CLAUSEの構文を次に示します。

キーワードおよびパラメータ

キーワードおよびパラメータ 説明

NOT FOUND | NOTFOUND

エラー・コード+1403 (または、MODE=ANSIのときは+100コード)をSQLCODEに戻す例外状態を示します。

SQLERROR

負のリターン・コードを戻す状態を示します。

SQLWARNING

致命的でない警告状態を示します。

CONTINUE

プログラムが次の文に進む必要があることを指示します。

GOTO | GO TO

プログラムにlabelで指定した文に分岐するように指示します。

STOP

プログラムの実行を停止します。

DO PERFORM

プログラムがlabelで指定した段落または項を実行する必要があることを示します。

DO CALL

プログラムがサブプログラムを実行する必要があることを示します。

subprogram_name

実行するサブプログラムです。二重引用符(")で囲む必要があります。

USING

サブプログラムのパラメータです。

param

空白で区切られたサブプログラム・パラメータのリストです。

WHENEVERディレクティブを使用すると、埋込みSQL文でエラーまたは警告が発生したときに、プログラムから指定したアクションの1つを実行できます。

WHENEVER文のスコープは論理的にではなく、位置的に適用されます。WHENEVER文は、プログラム論理の流れではなく、ソース・ファイル内で物理的に後続するすべての埋込みSQL文に適用されます。WHENEVER文は、同じ条件をチェックする別のWHENEVER文に置換されるまで有効です。

このディレクティブの条件およびアクションの例は、「WHENEVERディレクティブ」を参照してください

埋込みSQLのWHENEVERディレクティブとSQL*PlusコマンドのWHENEVERディレクティブを混同しないでください。

次の例では、Pro*COBOL埋込みSQLプログラムでWHENEVERディレクティブを使用する方法を示します。

     EXEC SQL WHENEVER NOT FOUND CONTINUE END-EXEC.
     ... 
     EXEC SQL WHENEVER SQLERROR GOTO SQL-ERROR END-EXEC. 
     ... 
 SQL-ERROR. 
     EXEC SQL WHENEVER SQLERROR CONTINUE END-EXEC. 
     DISPLAY "ORACLE ERROR DETECTED.".
     EXEC SQL ROLLBACK RELEASE END-EXEC.
     STOP RUN. 

関連項目

なし。