13 Oracle Label Securityでの監査
統合監査を使用するようにデータベースを構成していない場合、Oracle Label Security監査を使用できます。
- Oracle Label Securityの監査について
Oracle Label Securityの監査は、標準Oracle Database監査を補完するために、独自の管理操作とポリシー権限の使用を追跡します。 - システム単位の監査: AUDIT_TRAIL初期化パラメータ
統合監査を有効にしていない場合、Oracle Label Securityで監査レコードが生成されるように、まずシステム単位の監査を有効にする必要があります。 - Oracle Label Securityの監査を有効または無効にする方法
システム単位の監査を有効にした後に、Oracle Label Securityの監査を有効または無効にできます。 - Oracle Label Securityと統合監査
Oracle Databaseは、統合監査証跡を使用して、Oracle Label Securityなどの様々な監査ソースから情報を取得します。 - Oracle Label Securityの監査のヒント
Oracleでは、Oracle Label Securityの監査に関する一連のヒントが提供されています。
Oracle Label Securityの監査について
Oracle Label Securityの監査は標準Oracle Database監査を補完するために、独自の管理操作とポリシー権限の使用を追跡します。
SA_AUDIT_ADMIN
パッケージまたはOracle Enterprise Managerを使用して、Oracle Label Securityポリシーの監査オプションを設定および変更できます。
新規ポリシーを作成すると、そのポリシーのラベル列がデータベースの監査証跡に追加されます。ラベル列は、監査機能が有効か無効か、およびデータベースの監査とオペレーティング・システムの監査のどちらを使用するかに関係なく作成されます。監査表にレコードが書き込まれるたびに、各ポリシーはそのレコードについてセッション・ラベルを示すラベルを提供します。管理者は監査ビューを作成し、これらのラベルを表示できます。監査表では、ラベルは行へのアクセスを制御するのではなく、行の機密性を記録するのみであることに注意してください。
指定した監査オプションは、現行セッションではなく後続のセッションにのみ適用されます。監査オプションは、監査が無効化されている場合にも指定できます。このように指定するのみではオーバーヘッドは発生しません。Oracle Label Security監査を有効にすると、オプションが有効になり、標準Oracle Database監査によって作成されたオーバーヘッド以外のオーバーヘッドが生成されます。
Oracle Label Securityでは、オペレーティング・システムの監査証跡に書き込まれる監査データ用のラベルは提供されないことに注意してください。Oracle Label Securityのすべての監査レコードは、オペレーティング・システムの監査が有効化されている場合にも、データベースの監査証跡に直接書き込まれます。監査が無効化されている場合、Oracle Label Securityの監査レコードは生成されません。
(統合監査ではなく)従来の監査を使用している場合は、従来の監査証跡にアクション番号のみがリストされます。対応する監査アクション名を見つけるには、LABACSYS.OLS$AUDIT_ACTIONS
システム表を問い合せます。この表を問い合せるには、AUDIT_VIEWER
、AUDIT_ADMIN
またはpolicy_DBA
ロールが必要です。
親トピック: Oracle Label Securityでの監査
システム単位の監査: AUDIT_TRAIL初期化パラメータ
統合監査を有効にしていない場合、Oracle Label Securityで監査レコードが生成されるように、まずシステム単位の監査を有効にする必要があります。
システム単位の監査を有効にするには、データベースのパラメータ・ファイル内にOracle Database AUDIT_TRAIL
初期化パラメータを設定できます。
AUDIT_TRAIL
パラメータを次のいずれかの値に設定できます。
表13-1 AUDIT_TRAILパラメータの設定
設定 | 説明 |
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データベース監査を有効化し、すべての監査レコードをデータベースの監査証跡に送ります。このアプローチを選択するようにお薦めします。
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オペレーティング・システムの監査を有効化します。これにより、ほとんどのOracle Database監査レコードがデータベースではなくオペレーティング・システムに送られます。レコードには、Oracle Label Securityラベルは含まれません。これに対して、Oracle Label Securityの監査はすべてラベルとともにデータベースに送られます。
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監査を無効にします。これはデフォルトです。 |
パラメータ・ファイルの編集後に、データベース・インスタンスを再起動して、指定したデータベースの監査を有効化または無効化します。
監査オプションを設定する前に、AUDIT_TRAIL
パラメータを設定してください。このパラメータを設定しなくても、監査オプションは設定できます。ただし、このパラメータを設定してデータベース・インスタンスを再起動するまで、監査レコードはデータベースに書き込まれません。
関連項目:
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システム単位の監査の有効化と無効化、監査オプションの設定、および監査証跡の管理の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください
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初期化パラメータの編集の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください
-
システム単位の
AUDIT
およびNOAUDIT
の機能の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください
親トピック: Oracle Label Securityでの監査
Oracle Label Securityの監査を有効または無効にする方法
システム単位の監査を有効化した後に、Oracle Label Securityの監査を有効化または無効化できます。
Oracle Label Securityの監査を使用するには、policy
_DBA
ロールが必要で、SA_AUDIT_ADMIN
PL/SQLパッケージ・プロシージャを使用する必要があります。
Oracle Label Securityと統合監査
Oracle Databaseは、統合監査証跡を使用して、Oracle Label Securityなどの様々な監査ソースから情報を取得します。
監査ポリシーを使用してOLSの監査を構成できます。Oracle Database 12cリリース1 (12.1)のOracle Label Security監査により、OLSポリシーの有効化や無効化などの追加のイベントを監査できます。
データベースをOracle Database 12cリリース1 (12.1)にアップグレードしても、統合監査を使用するように構成していない場合は、この章で説明する12cより前のOLS監査を使用する必要があります。
Oracle Database監査機能では、実行する操作に責任を持つデータベース・ユーザーを保持できます。特定のデータベース・オブジェクト、操作、ユーザーおよび権限を追跡できます。Oracle Label Securityはこの機能を補完するために、独自の管理操作とポリシー権限の使用を追跡します。また、ポリシー監査オプションを設定および変更するためのSA_AUDIT_ADMIN
パッケージも用意されています。
関連項目:
統合監査を使用するようにアップグレード後のデータベースを構成する手順は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。移行後は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』でOLS統合監査の情報を参照してください
親トピック: Oracle Label Securityでの監査
Oracle Label Securityの監査のヒント
Oracleでは、Oracle Label Securityの監査に関する一連のヒントが提供されています。
- SA_AUDIT_ADMINオプションの設定方針
監査オプションを設定する前に、必要以上のイベントを記録せずに問題のイベントを監視するように、監査方針を検討する必要があります。 - 権限付き操作の監査
Oracle Label Securityの権限を必要とする操作を監査する場合を考えます。
親トピック: Oracle Label Securityでの監査
SA_AUDIT_ADMINオプションの設定方針
監査オプションを設定する前に、必要以上のイベントを記録せずに問題のイベントを監視するように、監査方針を検討する必要があります。
アプリケーション、ユーザー・ベース、構成および他の外部要因が変化することがあるため、この方針は定期的に見直してください。
Oracle Label Securityオプション、およびOracle Database監査機能によって提供されたオプションは、特定の監査要件またはアプリケーションに依存する監査要件のすべてに直接には対処しないことがあります。ただし、データベース・トリガーを使用すると、より汎用的な監査機能では監査したり記録できない特定のイベントを監査し、特定の情報を記録できます。
関連項目:
監査でのトリガーの使用の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください
親トピック: Oracle Label Securityの監査のヒント
権限付き操作の監査
Oracle Label Securityの権限を必要とする操作を監査する場合を考えます。
これらの権限では機密性の高い操作が実行され、適正に使用されなければセキュリティを侵害する可能性があるため、表示と使用を厳密に監視する必要があります。
親トピック: Oracle Label Securityの監査のヒント