ALTER DISKGROUP

ノート:

このSQL文は、Oracle ASMを使用しており、Oracle ASMインスタンスを起動している場合にのみ有効です。この文の発行は、通常のデータベース・インスタンスからではなく、Oracle ASMインスタンスから行う必要があります。Oracle ASMインスタンスの起動の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

目的

ALTER DISKGROUP文を使用すると、ディスク・グループまたはディスク・グループ内のディスクに対して多数の操作を実行できます。

関連項目:

前提条件

この文を発行するOracle ASMインスタンスが起動されている必要があります。変更するディスク・グループはマウントされている必要があります。

ALTER DISKGROUPの句はすべて、発行するにはSYSASMシステム権限が必要です。個々の句の発行については、次のようになります。

  • SYSOPER権限で実行可能なALTER DISKGROUP操作は、diskgroup_availabilityrebalance_diskgroup_clausecheck_diskgroup_clause(REPAIRオプションの指定なし)です。

  • SYSDBAとして接続している場合は、この文を使用するための限定的な権限が与えられます。次の操作は常に、SYSDBAとして接続しているユーザーに許可されます。

    • ALTER DISKGROUP ... ADD DIRECTORY

    • ALTER DISKGROUP ... ADD/ALTER/DROP TEMPLATE(システム・テンプレート以外の場合のみ)

    • ALTER DISKGROUP ... ADD USERGROUP

    • SELECT

    • SHOW PARAMETER

表10-1に、SYSDBAとして接続しているユーザーに特定の条件下で付与されるその他の権限を示します。

表10-1 SYSDBAへの条件付きディスク・グループ権限

ALTER DISKGROUP操作 条件

DROP FILE

ユーザーはファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。

ADD ALIAS

ユーザーは関連のファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。

RENAME ALIAS

ユーザーは関連のファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。

DROP ALIAS

ユーザーは関連のファイルへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。

RENAME DIRECTORY

ディレクトリにファイルが存在せず、別名のみが存在している必要があります。ユーザーはそのディレクトリ内のすべての別名へのDROP ALIAS権限を持っている必要があります。

DROP DIRECTORY

ディレクトリにファイルが存在せず、別名のみが存在している必要があります。ユーザーはそのディレクトリ内のすべての別名へのDROP ALIAS権限を持っている必要があります。

DROP USERGROUP

ユーザーはユーザー・グループの所有者である必要があります。

MODIFY USERGROUP ADD MEMBER

ユーザーはユーザー・グループの所有者である必要があります。

MODIFY USERGROUP DROP MEMBER

ユーザーはユーザー・グループの所有者である必要があります。

SET PERMISSION

ユーザーはファイルの所有者である必要があります。

SET OWNER GROUP

ユーザーはファイルの所有者でユーザー・グループのメンバーである必要があります。

構文

drop_disk_clause::=

replace_disk_clause::=

rename_disk_clause::=

disk_online_clause::=

disk_offline_clause::=

timeout_clause::=

rebalance_diskgroup_clause::=

check_diskgroup_clause::=

qualified_template_clause::=

redundancy_clause::=

striping_clause::=

diskgroup_directory_clauses::=

diskgroup_alias_clauses::=

modify_volume_clause::=

diskgroup_attributes::=

modify_diskgroup_file::=

drop_diskgroup_file_clause::=

convert_redundancy_clause::=

usergroup_clauses::=

file_permissions_clause::=

file_owner_clause::=

quotagroup_clauses::=

add_filegroup_clause::=

modify_filegroup_clause::=

move_to_filegroup_clause::=

drop_filegroup_clause::=

undrop_disk_clause::=

diskgroup_availability::=

enable_disable_volume::=

セマンティクス

diskgroup_name

変更するディスク・グループの名前を指定します。既存のディスク・グループの名前を特定するには、V$ASM_DISKGROUP動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。

add_disk_clause

この句を使用すると、ディスク・グループに1つ以上のディスクを追加し、新しく追加したディスクの属性を指定できます。この操作を実行すると、Oracle ASMによって、自動的にディスク・グループの均衡が再調整されます。

この句を使用して、ディスクの障害グループを変更することはできません。これを行うには、ディスク・グループからディスクを削除した後で、新しい障害グループの一部として、ディスク・グループにディスクを再度追加します。

ディスク・グループ内の既存のディスク名を特定するには、V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。

QUORUM | REGULAR

これらのキーワードのセマンティクスは、CREATE DISKGROUP文内のセマンティクスと同じです。これらのキーワードの詳細は、「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

既存のディスクまたはディスク・グループで、この修飾子を変更することはできません。したがって、ディスク・グループの作成時に指定されているキーワードと異なるキーワードをこの句内で指定することはできません。

関連項目:

これらのキーワードの使用方法の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

FAILGROUP句

この句を使用すると、新しく追加したディスクを障害グループに割り当てることができます。この句を省略して、標準または高冗長性ディスク・グループにディスクを追加すると、Oracle Databaseは、新しく追加されたディスクを自動的に障害グループに追加します。障害グループの暗黙的な名前は、オペレーティング・システムに依存しないディスク名と同じです(「NAME句」を参照)。

外部冗長性ディスク・グループを作成している場合、この句は指定できません。

qualified_disk_clause

この句のセマンティクスは、CREATE DISKGROUP文およびALTER DISKGROUP文で同じです。この句の詳細は、CREATE DISKGROUPqualified_disk_clause」を参照してください。

drop_disk_clause

この句を使用すると、ディスク・グループから1つ以上のディスクを削除できます。

DROP DISK

DROP DISK句を使用すると、ディスク・グループから1つ以上のディスクを削除し、自動的にディスク・グループの均衡を再調整できます。ディスクを削除すると、Oracle ASMによって、ディスクのすべてのデータが再配置され、ディスクをディスク・グループから除外するためにディスク・ヘッダーがクリアされます。FORCEキーワードを指定すると、ディスク・ヘッダーは消去されません。

V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME列のように、disk_nameを指定します。

削除するディスクがクォーラム・ディスクであるか、またはクォーラム障害グループに属している場合は、ディスクを削除するためにQUORUMを指定する必要があります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

DROP DISKS IN FAILGROUP

DROP DISKS IN FAILGROUP句を使用すると、指定した障害グループからすべてのディスクを削除できます。他の動作は、DROP DISK句と同じです。

指定した障害グループがクォーラム障害グループである場合は、ディスクを削除するためにQUORUMキーワードを指定する必要があります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

FORCE | NOFORCE

これらのキーワードを使用すると、ディスクがディスク・グループから除外されたとみなされるタイミングを指定できます。デフォルト設定であるNOFORCEを使用することをお薦めします。

  • NOFORCEを指定すると、Oracle ASMによって、ディスクのすべてのエクステントが他のディスクに再配置された後で、ディスク・グループからそのディスクが除外され、ディスク・グループの均衡が再調整されます。

    ノート:

    DROP DISK ... NOFORCEを指定すると、ディスクの再利用やシステムからの削除を行っても問題ない状態になる前に制御がユーザーに戻ります。ディスクの除外操作が完了したことを確認するには、V$ASM_DISKビューを問い合せて、HEADER_STATUSの値がFORMERであることを確認します。STATEの値がDROPPINGの場合は、ディスクの削除や再利用はしないでください。V$ASM_OPERATIONビューを問い合せると、ディスク除外によって実行される均衡再調整に必要な時間の概算がわかります。REBALANCE ... WAIT (「rebalance_diskgroup_clause」を参照)も指定した場合は、この文から制御が戻るのは均衡再調整操作が完了してディスクがクリアされたときとなります。ただし、均衡の再調整が失敗することもあるため、V$ASM_DISKHEADER_STATUS列がFORMERになっていることを必ず確認してください。

  • FORCEを指定すると、ディスクは、ディスク・グループからすぐに除外されます。次に、他のディスク上の冗長コピーからデータが再構築され、そのデータが他のディスクに再配置されて、ディスク・グループの均衡が再調整されます。

    FORCE句は、削除するディスクをOracle ASMで読み取れなくなった場合などに役立ちます。ただし、NOFORCEによる削除より長い時間がかかり、ファイルの一部の保護が低下することがあります。外部冗長性ディスク・グループに対してFORCEを指定することはできません(そのディスクの冗長データが存在しない場合は、Oracle ASMがそのディスクからデータを読み取ってからでなければそのディスクを除外できないため)。

FORCENOFORCEを指定したかどうかにかかわらず、ディスクを削除する際の均衡の再調整操作には時間がかかります。進捗を監視するには、V$ASM_OPERATION動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。均衡の再調整操作の詳細は、rebalance_diskgroup_clause」を参照してください。

resize_disk_clause

この句を使用して、ディスク・グループ内のそれぞれのディスクに新しいサイズを指定できます。この句は、オペレーティング・システムによって戻されるサイズや、以前にディスクに指定したサイズを上書きします。

SIZE

新しいサイズをKB、MB、GBまたはTB単位で指定します。ディスク容量を超えるサイズは指定できません。ディスク容量よりも小さいサイズを指定した場合、Oracle ASMで使用されるディスク容量が制限されます。この句を指定しない場合、Oracle ASMはプログラム的にディスクのサイズを決定します。

replace_disk_clause

この句を使用すると、ディスク・グループ内の1つ以上のディスクを置換できます。この句により、1回の操作でディスクが置換されます。これは各ディスクを削除して追加するより効率的です。

disk_nameには、置換するディスクの名前を指定します。この名前は置換用のディスクに割り当てられます。ディスク名は、V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME列を問合せれば表示されます。

path_nameには、置換用ディスクのフルパス名を指定します。

FORCE

FORCEを指定すると、Oracle ASMで、ディスク・グループのメンバーである置換用ディスクをディスク・グループに追加できます。

ノート:

この方法でFORCEを使用すると、既存のディスク・グループが破棄される可能性があります。

NOFORCE

NOFORCEを指定すると、Oracle ASMで、置換用ディスクがディスク・グループのメンバーである場合にエラーを戻すことができます。デフォルトはNOFORCEです。

POWER

POWER句のセマンティクスは、POWER値を0に設定できないことを除き、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「POWER」を参照してください。

WAIT | NOWAIT

WAITおよびNOWAITキーワードのセマンティクスは、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「WAIT | NOWAIT」を参照してください。

rename_disk_clause

この句を使用すると、ディスク・グループ内の1つ以上のディスクの名前を変更できます。ディスク・グループはMOUNT RESTRICTED状態にあり、このディスク・グループ内のすべてのディスクがオンラインになっている必要があります。

RENAME DISK

この句を指定すると、1つ以上のディスクの名前を変更できます。ディスクごとに、old_disk_namenew_disk_nameを指定します。new_disk_nameがすでに存在する場合、この操作は失敗します。

RENAME DISKS ALL

この句を指定すると、ディスク・グループ内のすべてのディスクの名前を、diskgroupname_#### (####はディスク番号)という書式の名前に変更できます。すでにdiskgroupname_####書式になっているディスク名は変更されません。

disk_online_clause

この句を使用すると、1つ以上のディスクをオンラインにして、ディスク・グループの均衡を再調整できます。

ONLINE DISK

ONLINE DISK句を使用すると、指定した1つ以上のディスクをオンラインにして、ディスク・グループの均衡を再調整できます。

V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME列のように、disk_nameを指定します。

ここでのQUORUMおよびREGULARキーワードのセマンティクスは、ディスク・グループへのディスクの追加時と同じセマンティクスとなります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

ONLINE DISKS IN FAILGROUP

ONLINE DISKS IN FAILGROUP句を使用すると、指定した障害グループのすべてのディスクをオンラインにして、ディスク・グループの均衡を再調整できます。

指定した障害グループがクォーラム障害グループである場合は、ディスクをオンラインにするためにQUORUMキーワードを指定する必要があります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

ALL

ALL句を使用すると、ディスク・グループのすべてのディスクをオンラインにして、ディスク・グループの均衡を再調整できます。

POWER

POWER句のセマンティクスは、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「POWER」を参照してください。

WAIT | NOWAIT

WAITおよびNOWAITキーワードのセマンティクスは、ディスク・グループの均衡の手動再調整と同じです。「WAIT | NOWAIT」を参照してください。

disk_offline_clause

disk_offline_clauseを使用すると、1つ以上のディスクをオフラインに切り替えることができます。指定したディスクをオフラインに切り替えることによってディスク・グループの冗長性レベルに違反する場合、この句は失敗します。

OFFLINE DISK

OFFLINE DISK句を使用すると、指定した1つ以上のディスクをオフラインにできます。

V$ASM_DISK動的パフォーマンス・ビューのNAME列のように、disk_nameを指定します。

ここでのQUORUMおよびREGULARキーワードのセマンティクスは、ディスク・グループへのディスクの追加時と同じセマンティクスとなります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

OFFLINE DISKS IN FAILGROUP

OFFLINE DISKS IN FAILGROUP句を使用すると、指定した障害グループのすべてのディスクをオフラインにできます。

指定した障害グループがクォーラム障害グループである場合は、ディスクをオフラインにするためにQUORUMキーワードを指定する必要があります。「QUORUM | REGULAR」を参照してください。

timeout_clause

デフォルトでは、オフラインに切り替えられるとすぐに、ディスクはOracle ASMによって削除されます。timeout_clauseを指定してこの操作を遅らせることにより、ディスクを修復してオンラインに戻すことができます。分単位または時間単位でタイムアウト値を指定できます。単位を指定しない場合、デフォルトは時間です。

この句を複数回指定することによって、タイムアウトの期間を変更できます。指定するたびに、Oracle ASMによって、ディスク・グループがマウントされている間、直近のdisk_offline_clauseからの時間が測定されます。Oracle ASMによってオフライン・ディスクが削除されるまでの残り時間を知るには、V$ASM_DISKREPAIR_TIMER列を問い合せます。

この句によって、disk_repair_time属性の以前の設定が上書きされます。ディスク・グループの属性の詳細は、表13-2を参照してください。

関連項目:

Oracle ASMディスクのオンラインおよびオフラインへの切替えの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

rebalance_diskgroup_clause

この句を使用すると、ディスク・グループの均衡を手動で再調整できます。均衡の再調整操作中に、Oracle ASMによって、すべてのドライブ間で均等にデータファイルが再分散されます。記憶域構成が変化すると、Oracle ASMによって、ファイルが均等に配置され、ディスク・グループの均衡が自動的に再調整されるため、この句が必要なことはほとんどありません。ただし、制御された均衡の再調整操作を実行する必要がある場合は、これが役立ちます。これにより、均衡の再調整操作の特定のフェーズを含めるか除外したり、再調整操作を停止および再開したり、再調整操作の能力を調整することができます。

WITH | WITHOUT

均衡の再調整操作は、RESTORE (RESYNCRESILVERまたはREBUILDフェーズを含む)、BALANCEPREPAREおよびCOMPACTの各フェーズで構成されます。

均衡の再調整操作の特定のフェーズを含めたり除外することをOracle ASMに指示するために、WITHまたはWITHOUT句を使用できます。たとえば、時間制約がある場合に、RESTOREフェーズのみを含めることができます。または、フラッシュ・ストレージ・ディスク・グループまたはフラッシュ・キャッシュを持つディスク・グループを使用している場合、そのようなディスク・グループにはメリットがないCOMPACTフェーズを除外できます。

  • WITH句を使用すると、均衡の再調整操作の指定したフェーズのみを含めることができます。RESTOREBALANCEPREPAREおよびCOMPACTのうち、任意のフェーズを指定できます。RESTOREフェーズは常に発生するため、RESTOREを指定することは許容されますが、必要ではありません。

  • WITHOUT句を使用すると、均衡の再調整操作の指定したフェーズを除外できます。BALANCEPREPAREおよびCOMPACTのうち、任意のフェーズを指定できます。RESTOREフェーズは常に発生する必要があるため、RESTOREは指定できません。

WITHまたはWITHOUT句で複数のフェーズを指定する場合、指定順序は関係ありません。Oracle ASMによって、均衡の再調整操作のフェーズが適切な順序で実行されます。RESYNCRESILVERまたはREBUILDフェーズはRESTOREフェーズに含まれるため、これらは指定できません。

WITHおよびWITHOUT句を指定しない場合、均衡の再調整操作のすべてのフェーズが実行されます。

均衡の再調整操作の進捗を監視するには、V$ASM_OPERATION動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。

均衡の再調整操作のフェーズの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

POWER

この句を使用すると、均衡の再調整操作の能力、つまり速度を指定できます。また、均衡の再調整操作を停止することもできます。

integerには、0から1024の値を指定します。
  • 1から1024までの値で、Oracle ASMが均衡の再調整操作を実行する能力を示します。1が可能な最も低い能力を表し、1024が可能な最も高い能力を表します。

  • 0の値を指定すると、アクティブな均衡の再調整操作が停止します。ディスク・グループで手動または自動の均衡の再調整操作が新たに開始されるまで、それ以上の均衡の再調整は発生せず、新たに開始された均衡の再調整操作は最初から実行されます。均衡の再調整操作を停止した時点から後で再開できるようにするには、かわりにMODIFY POWER 0を指定することによって、均衡の再調整操作を停止します。詳細は、「MODIFY POWER」句を参照してください。

POWER句を指定しない場合、デフォルトの能力は次のように決定されます。

  • フレックス・ディスク・グループの場合は、そのPOWER_LIMITプロパティの値に従って、各ファイル・グループの均衡が再調整されます。ファイル・グループにPOWER_LIMITプロパティが設定されていない場合は、ファイル・グループのASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの値が使用されます。

  • その他すべてのタイプのディスク・グループでは、POWER句を指定しない場合、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの値に従ってディスク・グループの均衡が再調整されます。

WAIT | NOWAIT

この句を使用すると、制御を、均衡の再調整操作のどの段階でユーザーに戻すか指定できます。

  • 均衡の再調整操作が終了した後、ユーザーに制御を戻す場合は、WAITを指定します。WAITモードで実行されている均衡の再調整操作を明示的に終了させることができますが、操作を終了させても、同じ文の中ですでに完了したディスクの追加、削除またはサイズ変更の操作が元に戻ることはありません。

  • NOWAITは、文の発行後すぐに制御をユーザーに戻す場合に指定します。これはデフォルトです。

MODIFY POWER

この句を使用すると、アクティブな均衡の再調整操作を停止または再開したり、操作の能力を変更することができます。

integerは次のように指定できます。

  • 0を指定すると、均衡の再調整操作を停止できます。この方法で均衡の再調整操作を停止した場合は、ALTER DISKGROUP ... MODIFY POWER ...文を発行することで、停止したフェーズから操作を再開できます。POWER句を使用してディスク・グループで手動で均衡の再調整操作を開始した場合、またはディスク・グループで自動で均衡の再調整操作が発生した場合は、均衡の再調整操作は最初から開始されます。

  • 1から1024を指定すると、均衡の再調整操作の能力を指定できます。1が可能な最も低い能力を表し、1024が可能な最も高い能力を表します。均衡の再調整操作が実行中の場合は、操作を中断することなく能力が変更されます。均衡の再調整操作がMODIFY POWER 0句を使用して停止された場合は、指定された能力で均衡の再調整操作が再開されます。

  • integerを省略すると、デフォルトの能力を指定できます。均衡の再調整操作が実行中の場合は、操作を中断することなく能力がデフォルトの能力に変更されます。均衡の再調整操作がMODIFY POWER 0句を使用して停止された場合は、デフォルトの能力で均衡の再調整操作が再開されます。デフォルトの能力を決定する方法の詳細は、「POWER」句を参照してください。

関連項目:

check_diskgroup_clause

check_diskgroup_clauseを使用すると、Oracle ASMディスク・グループのメタデータの内部一貫性を検証できます。ディスク・グループは、マウントされている必要があります。Oracle ASMによってサマリー・エラーが表示され、検出されたエラーの詳細がアラート・ログに書き込まれます。

CHECKキーワードによって、次の処理が実行されます。

  • ディスクの一貫性をチェックします。

  • すべてのファイル・エクステント・マップおよび割当て表の一貫性をクロスチェックします。

  • 別名メタデータ・ディレクトリおよびファイル・ディレクトリが正しくリンクされていることをチェックします。

  • 別名ディレクトリ・ツリーが正しくリンクされていることをチェックします。

  • Oracle ASMメタデータ・ディレクトリに、到達不可能なブロックが割り当てられていないことをチェックします。

REPAIR | NOREPAIR

この句を使用すると、一貫性チェックで検出されたエラーを修正するかどうかをOracle ASMに指示できます。デフォルトはNOREPAIRです。NOREPAIR設定は、非一貫性が検出された場合には警告を受け取るが、Oracle ASMによる修正処理を自動的に行わない場合に便利です。

非推奨となった句

以前のリリースでは、ALLDISKDISKS IN FAILGROUPまたはFILEに対してCHECKを指定できました。これらの句は不要になったため、非推奨になる予定です。指定すると、動作は以前のリリースと同じで、アラート・ログにメッセージが追加されます。ただし、これらの句はサポートされなくなる予定であるため、新しいコードには使用しないことをお薦めします。非推奨になる予定の句は、次のとおりです。

  • ALL: ディスク・グループ内のすべてのディスクとファイルをチェックします。

  • DISK: ディスク・グループ内の1つ以上の指定したディスクをチェックします。

  • DISKS IN FAILGROUP: 指定した障害グループ内のすべてのディスクをチェックします。

  • FILE: ディスク・グループ内の1つ以上の指定したファイルをチェックします。ファイル名の参照書式のいずれかを使用する必要があります。Oracle ASMのファイル名の参照書式の詳細は、ASM_filename」を参照してください。

diskgroup_template_clauses

テンプレートは、属性の名前付きコレクションです。ディスク・グループを作成すると、Oracle ASMによって、システムの一連の初期デフォルト・テンプレートがそのディスク・グループに関連付けられます。テンプレートで定義される属性は、そのディスク・グループ内のすべてのファイルに適用されます。表10-2に、システムのデフォルト・テンプレートと、様々な種類のファイルに適用される属性を示します。表の後に説明するdiskgroup_template_clausesを使用すると、テンプレートの属性を変更して、新しいテンプレートを作成できます。

ディスク・グループ・ファイルを作成した後は、この句を使用して属性を変更することはできません。これを行うには、Recovery Manager(RMAN)を使用して、新しい属性を持つ新しいファイルにそのファイルをコピーする必要があります。

表10-2 Oracle Automatic Storage Managementシステムのファイル・グループのデフォルト・テンプレート

テンプレート名 ファイル・タイプ 外部冗長性のディスク・グループでのミラー化レベル 標準冗長性のディスク・グループでのミラー化レベル 高冗長性のディスク・グループでのミラー化レベル ストライプ化

CONTROLFILE

制御ファイル

非保護

3方向ミラー

3方向ミラー

FINE

DATAFILE

データファイルとコピー

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

ONLINELOG

オンライン・ログ

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

ARCHIVELOG

アーカイブ・ログ

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

TEMPFILE

一時ファイル

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

BACKUPSET

データファイルのバックアップ・ピース、データファイルの増分バックアップ・ピース、およびアーカイブ・ログのバックアップ・ピース

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

PARAMETERFILE

SPFILE

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

DATAGUARDCONFIG

障害回復構成(スタンバイ・データベースで使用)

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

FLASHBACK

フラッシュバック・ログ

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

CHANGETRACKING

ブロック・チェンジ・トラッキング・データ(増分バックアップで使用)

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

DUMPSET

データ・ポンプ・ダンプセット

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

XTRANSPORT

クロス・プラットフォーム変換データファイル

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

AUTOBACKUP

自動バックアップ・ファイル

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

ASMPARAMETERFILE

SPFILE

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

OCRFILE

Oracle Cluster Registryファイル

非保護

双方向ミラー

3方向ミラー

COARSE

ADD TEMPLATE

この句を使用すると、ディスク・グループに1つ以上の名前付きテンプレートを追加できます。既存のテンプレートの名前を特定するには、V$ASM_TEMPLATE動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。

MODIFY TEMPLATE

この句を使用すると、システムのデフォルト・ディスク・グループ・テンプレートまたはユーザー定義のディスク・グループ・テンプレートの属性を変更できます。指定した属性のみが変更されます。指定していないプロパティは、現在の値のまま変更されません。

ノート:

以前のリリースでは、キーワードALTER TEMPLATEMODIFY TEMPLATEのかわりに使用されました。ALTERキーワードは、下位互換性のためにまだサポートされていますが、他のOracle SQLとの一貫性のためにMODIFYに置き換えられました。

template_name

追加または変更するテンプレートの名前を指定します。テンプレート名の長さは、最大30文字です。名前は、「データベース・オブジェクトのネーミング規則」に指定されている要件を満たしている必要があります。

redundancy_clause

アーカイブ・ログのようなライトワンス・ファイル形式で単一のパリティを保護するために、PARITYを指定します。パリティ保護が指定されない場合、ライトワンス・ファイル・タイプのデフォルトの冗長性は引き続きシステム・テンプレートから導出されます。

アーカイブ・ログやバックアップ・セットのようなライトワンス・ファイル形式の二重パリティには、DOUBLEを指定します。パリティ保護が指定されない場合、ライトワンス・ファイル・タイプのデフォルトの冗長性は引き続きシステム・テンプレートから導出されます。

例:

ALTER DISKGROUP <diskgroup_name> MODIFY TEMPLATE <archivelog> ATTRIBUTE (DOUBLE) 

ライトワンス・ファイル・タイプの冗長性を変更して、必要に応じて後からパリティ保護をサポートできます。

新しく追加したテンプレートまたは変更したテンプレートの冗長性レベルを指定します。

  • MIRROR: このテンプレートが適用されるファイルは、データ・ブロックのミラー化によって保護されます。標準冗長性ディスク・グループでは、プライマリ・エクステントごとに1つのミラー・エクステントが存在します(双方向ミラー化)。高冗長性ディスク・グループでは、プライマリ・エクステントごとに2つのミラー・エクステントが存在します(3方向ミラー化)。外部冗長性ディスク・グループのテンプレートには、MIRRORを指定することはできません。

  • HIGH: このテンプレートが適用されるファイルは、データ・ブロックのミラー化によって保護されます。標準冗長性および高冗長性ディスク・グループでは、プライマリ・エクステントごとに2つのミラー・エクステントが存在します(3方向ミラー化)。外部冗長性ディスク・グループのテンプレートには、HIGHを指定することはできません。

  • UNPROTECTED: このテンプレートが適用されるファイルは、自動ストレージ管理によってメディア障害から保護されません。システムのアクションまたはユーザー・コマンドによってディスクがオフラインになると、保護されていないファイルが失われる可能性があります。外部冗長性ディスク・グループには、UNPROTECTEDのみが有効な設定です。高冗長性ディスク・グループのテンプレートには、UNPROTECTEDを指定することはできません。標準または高冗長性ディスク・グループでは、保護されていないファイルを使用しないことをお薦めします。

  • PARITY: ライトワンス・ファイル形式の単一パリティに、プロパティPARITYを指定します。

REDUNDANCY句を省略した場合、デフォルト値は、標準冗長性ディスク・グループではMIRROR、高冗長性ディスク・グループではHIGH、外部冗長性ディスク・グループではUNPROTECTEDになります。

striping_clause

このテンプレートが適用されるファイルがどのようにストライプ化されるかを指定します。

  • FINE: このテンプレートが適用されるファイルは、128KB単位でストライプ化されます。このストライプ化モードはOracle ASM spfileでは無効です。

  • COARSE: このテンプレートが適用されるファイルは、1MB単位でストライプ化されます。これがデフォルト値です。

DROP TEMPLATE

この句を使用すると、ディスク・グループから1つ以上のテンプレートを削除できます。この句で削除できるのはユーザー定義テンプレートのみであり、システム・デフォルト・テンプレートは削除できません。

diskgroup_directory_clauses

Oracle ASMファイル名の別名(diskgroup_alias_clauses」を参照)を作成する前に、別名が存在する場所の完全なディレクトリ構造を指定する必要があります。diskgroup_directory_clausesを使用すると、そのようなディレクトリ構造を作成および操作できます。

ADD DIRECTORY

この句を使用すると、階層的に名付けられた別名の新しいディレクトリ・パスを作成できます。ディレクトリの各コンポーネントを区切るには、スラッシュ(/)を使用します。各ディレクトリ・コンポーネントの最大長は48バイトであり、スラッシュ文字を含むことはできません。コンポーネントの最初または最後の文字に空白を使用することはできません。ディレクトリ・パス全体の長さは、256バイトから、このディレクトリに作成する別名(diskgroup_alias_clauses」を参照)の長さを引いた長さを超えることはできません。

DROP DIRECTORY

この句を使用すると、階層的に名付けられた別名のディレクトリを削除できます。FORCEが指定されていないかぎり、Oracle ASMでは、別名の定義を含むディレクトリは削除されません。この句は、システム別名の一部として作成されたディレクトリの削除には無効です。そのようなディレクトリは、V$ASM_ALIAS動的パフォーマンス・ビューのSYSTEM_CREATED列の値がYとなっています。

RENAME DIRECTORY

この句を使用すると、階層的に名付けられた別名のディレクトリ名を変更できます。この句は、システム別名の一部として作成されたディレクトリ名の変更には無効です。そのようなディレクトリは、V$ASM_ALIAS動的パフォーマンス・ビューのSYSTEM_CREATED列の値がYとなっています。

diskgroup_alias_clauses

Oracle ASMファイルが作成されると(暗黙的かユーザー指定によるかにかかわらず)、そのファイルには、ドット付きの数値の組で終わる完全修飾名が割り当てられます(file_specification」を参照)。diskgroup_alias_clausesを使用すると、Oracle ASMファイル名のわかりやすい別名を作成できます。ドット付きの数値の組で終わる別名は指定できません(このような書式を使用すると、Oracle ASMファイル名と区別できないため)。

この句を指定する前に、まずネーミング規則に従ってディレクトリ構造を作成する必要があります(diskgroup_directory_clauses」を参照)。別名全体の長さは最大256バイトです(ディレクトリの接頭辞を含む)。別名では大/小文字は区別されませんが、大/小文字の区別は保持されます。

ADD ALIAS

この句を使用すると、Oracle ASMファイル名の別名を作成できます。alias_nameには、ディレクトリのフルパスと別名を指定します。既存のOracle ASM別名の名前を特定するには、V$ASM_ALIAS動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。Oracle ASMファイル名の詳細は、ASM_filename」を参照してください。

DROP ALIAS

この句を使用すると、ディスク・グループ・ディレクトリから別名を削除できます。各別名には、ディレクトリのフルパスと別名を指定します。別名が参照する元のファイルは変更されません。

RENAME ALIAS

この句を使用すると、既存の別名を変更できます。alias_nameには、ディレクトリのフルパスと別名を指定します。

別名の削除および名前変更の制限事項

システム生成の別名を削除したり、名前を変更することはできません。別名がシステム生成されたものかどうかを確認するには、V$ASM_ALIAS動的パフォーマンス・ビューのSYSTEM_CREATED列を問い合せます。

diskgroup_volume_clauses

これらの句を使用して、物理ボリューム・デバイスに対応する論理Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)のボリュームを操作できます。これらの句を使用するには、Oracle ASMが開始されていて、変更するディスク・グループがマウントされている必要があります。

関連項目:

例を含むディスク・グループ・ボリュームの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

add_volume_clause

この句を使用すると、ディスク・グループにボリュームを追加できます。

asm_volumeでは、ボリュームの名前を指定します。名前に使用できるのは英数字のみで、先頭の文字は英字にする必要があります。名前の最大長はプラットフォームによって異なります。詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

size_clauseには、Oracle ADVMボリュームのサイズを指定します。Oracle ASMインスタンスによって、ボリュームを作成するために十分な領域が存在するかどうかが確認されます。十分な領域が存在しない場合は、Oracle ASMによりエラーが戻されます。十分な領域が存在する場合は、Oracle ASMインスタンスが実行されディスク・グループがマウントされているすべてのクラスタ内ノードに対し、追加が通知されます。Oracle ASMは、ファイル・システムの作成およびマウントに使用可能なボリューム・デバイスをそれらのノード上に作成して使用できるようにします。

次のオプションの設定も使用できます。

  • redundancy_clauseで、Oracle ADVMボリュームの冗長性レベルを指定します。標準冗長ディスク・グループでボリュームを作成する場合のみ、この句を指定できます。次のボリューム冗長レベルを指定できます。

    • MIRROR: ボリュームの双方向ミラー化。これはデフォルトです。

    • HIGH: ボリュームの3方向ミラー化。

    • UNPROTECTED: ボリュームのミラー化なし。

    高冗長ディスク・グループまたは外部冗長ディスク・グループでボリュームを作成する場合は、redundancy_clauseを指定できません。その場合には、エラーが発生します。高冗長ディスク・グループでは、Oracle Databaseによりボリューム冗長が自動的にHIGH (3方向ミラー化)に設定されます。外部冗長ディスク・グループでは、Oracle Databaseによりボリューム冗長が自動的にUNPROTECTED (ミラー化なし)に設定されます。

  • STRIPE_WIDTH句では、Oracle ADVMボリュームのストライプ幅を指定します。有効な値は、4KBから1MBまでの範囲の2の累乗です。デフォルト値は128Kです。

  • STRIPE_COLUMNS句では、Oracle ADVMボリュームのストライプ・セット1つ当たりのストライプの数を指定します。有効範囲は1から8です。デフォルトは4です。STRIPE_COLUMNSを1に設定すると、ストライプ化は無効になります。この場合、ストライプ幅はボリュームのエクステント・サイズになります。このボリュームのエクステント・サイズは、ディスク・グループの割当て単位(AU)の64倍です。

modify_volume_clause

:この句を使用すると、既存のOracle ADVMボリュームの特性を変更できます。次の句を1つ以上指定する必要があります。

  • MOUNTPATH句では、ボリュームに関連付けられたマウントパスの名前を指定します。mountpath_nameは、最大1024文字まで指定可能です。

  • USAGE句では、ボリュームに関連付けられた使用状況の名前を指定します。usage_nameは、最大30文字まで指定可能です。

RESIZE VOLUME句

この句を使用すると、既存のOracle ADVMボリュームのサイズを変更できます。Oracle ASMクラスタ内のすべてのノードに新しいサイズが伝播されます。ボリューム上にOracle Automatic Storage Managementファイル・システム(ACFS)が存在する場合は、ALTER DISKGROUP文のかわりにacfsutil sizeコマンドを使用する必要があります。

関連項目:

acfsutil sizeコマンドの使用方法の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

DROP VOLUME句

この句を使用すると、既存のOracle ADVMボリュームの記憶域コンテナであるOracle ASMファイルを削除できます。Oracle ASMクラスタ内では、Oracle ASMインスタンスが実行されディスク・グループがオープンしているすべてのノードに対する削除操作が通知され、これにより、ボリューム・デバイスが削除されます。ボリューム・ファイルがオープンしている場合は、この句によりエラーが戻されます。

diskgroup_attributes

この句を使用すると、ディスク・グループの属性を指定できます。表13-2に、この句で設定できる属性を示します。この句の動作の詳細は、「CREATE DISKGROUP」の「ATTRIBUTE句」を参照してください。

drop_diskgroup_file_clause

この句を使用すると、ディスク・グループからファイルを削除できます。Oracle ASMによって、削除するファイルに関連付けられたすべての別名も削除されます。ファイル名の参照書式のいずれかを使用する必要があります。ほとんどのOracle ASMファイルはOracle Managed Filesであり、不要になると自動的に削除されるため、手動で削除する必要はありません。Oracle ASMのファイル名の参照書式の詳細は、ASM_filename」を参照してください。

ディスク・グループ・ファイルが現在のインスタンスまたはOracle ASMクラスタ内のインスタンスの起動に使用されたspfileである場合は、そのディスク・グループ・ファイルを削除できません。

convert_redundancy_clause

この句を使用して、NORMAL REDUNDANCYまたはHIGH REDUNDANCYディスク・グループをFLEX REDUNDANCYディスク・グループに変換できます。変換を開始する前にディスク・グループには少なくとも3人の障害グループが必要です。

usergroup_clauses

これらの句を使用して、ディスク・グループにユーザー・グループを追加したり、ディスク・グループからユーザー・グループを削除したり、または既存のユーザー・グループにメンバーを追加したり、そこからメンバーを削除することができます。

関連項目:

例を含むユーザー・グループとメンバーの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

ADD USERGROUP

この句を使用すると、ディスク・グループにユーザー・グループを追加できます。ユーザー・グループを作成するには、SYSASMまたはSYSDBA権限が必要です。ユーザー・グループ名の最大長は63バイトです。ユーザー名を指定する場合は、それがOSパスワード・ファイル内に含まれている必要があり、32文字を超えることはできません。

MODIFY USERGROUP

これらの句を使用すると、既存のユーザー・グループにメンバーを追加したり、そこからメンバーを削除できます。これらの句を使用するには、ユーザー・グループのOracle ASM管理者(SYSASM権限を所持)またはOracle ASM作成者(SYSDBA権限を所持)である必要があります。ユーザー名は、OSパスワード・ファイル内の既存のユーザーである必要があります。

DROP USERGROUP

この句を使用すると、ディスク・グループから既存のユーザー・グループを削除できます。この句を使用するには、ユーザー・グループのOracle ASM管理者(SYSASM権限を所持)またはOracle ASM作成者(SYSDBA権限を所持)である必要があります。ユーザー・グループを削除すると、有効なユーザー・グループを含まないディスク・グループ・ファイルが残る場合があります。この場合は、file_permissions_clause」を使用して手動でディスク・グループ・ファイルを更新し、新しい有効なグループを追加できます。

user_clauses

これらの句を使用すると、ディスク・グループにユーザーを追加したり、このグループからユーザーを削除したり、このグループ内のユーザーを置換したりできます。

ノート:

SQL*Plusでユーザーを管理する場合、ユーザーは既存のオペレーティング・システム・ユーザーで、そのユーザー名には対応するオペレーティング・システム・ユーザーIDが含まれている必要があります。ただし、Oracle ASMインスタンスと同じクラスタ内のユーザーのみを検証できます。

ADD USER

この句を使用すると、Oracle ASMディスク・グループに1人以上のオペレーティング・システム(OS)ユーザーを追加して、それらのユーザーにディスク・グループに対するアクセス権限を付与できます。ユーザー名はOSパスワード・ファイル内の既存のユーザーである必要があり、32文字を超えることはできません。指定したユーザーがすでにディスク・グループ内に存在する場合(V$ASM_USERで表示)は、コマンドによってエラーが記録され、他にもユーザーを指定している場合は、続けて他のユーザーの追加が行われます。データベース・インスタンスを実行しているOSユーザーは、インスタンスがディスク・グループにアクセスする際にディスク・グループに自動的に追加されるため、このコマンドを使用する必要はほとんどありません。ただし、この句は特定のデータベース・インスタンスに関連付けられていないユーザーを追加する場合に有効です。

DROP USER

この句を使用すると、ディスク・グループから1人以上のユーザーを削除できます。この句で指定したユーザーがディスク・グループに存在しない場合は、エラーが記録され、他にもユーザーを指定した場合は続けて他のユーザーの削除が行われます。そのユーザーが所有するファイルがある場合は、CASCADEキーワードを指定する必要があります(指定すると、ユーザーとそのユーザーのすべてのファイルが削除されます)。そのユーザーが所有しているファイルがオープンされている場合は、DROP USER CASCADEは失敗し、エラーが戻されます。

ユーザーが所有するファイルを削除せずにユーザーを削除するには、各ファイルの所有者を他のユーザーに変更し、そのユーザーに対してALTER DISKGROUP ... DROP USER文を発行します。また、ALTER DISKGROUP ... REPLACE USER文を発行して、ディスク・グループに存在していないユーザーで、削除するユーザーを置換することもできます。この操作には、それまで削除したユーザーが所有していたファイルを、新しいユーザーが所有するようになるという副作用があります。

REPLACE USER

この句を使用すると、ディスク・グループ内のold_usernew_userに置換できます。現時点でold_userが所有しているすべてのファイルは、new_userが所有するようになり、old_userはディスク・グループから削除されます。old_userはディスク・グループに存在している必要があり、new_userはディスク・グループに存在していてはいけません。

file_permissions_clause

この句を使用して、ディスク・グループ・ファイルの権限の設定を変更できます。権限の3つのクラスは、所有者、ユーザー・グループおよびその他です。この句を使用するには、ファイルの所有者またはOracle ASM管理者である必要があります。

オープン・ファイルの権限設定を変更すると、その時点でファイルに対して実行している操作は、変更前の権限設定を使用して完了することになります。新しい権限設定は、再認証の要求時に反映されます。

file_owner_clause

この句を使用すると、指定したファイルに対して所有者またはユーザー・グループを設定できます。ファイルの所有者を変更するには、Oracle ASM管理者である必要があります。ファイルのユーザー・グループを変更するには、ファイルの所有者またはOracle ASM管理者である必要があります。さらに、ファイルに関連するユーザー・グループを変更する場合は、指定したユーザー・グループがディスク・グループ内にすでに存在し、ファイルの所有者がそのユーザー・グループのメンバーである必要があります。

オープン・ファイルに対してこの句を使用すると、次の条件が適用されます。

  • オープン・ファイルの所有者またはユーザー・グループを変更すると、その時点でファイルに対して実行している操作は、変更前の所有者またはユーザー・グループを使用して完了することになります。新しい所有者またはユーザー・グループは、再認証の要求時に反映されます。

  • オープン・ファイルの所有者を変更すると、そのファイルの新しい所有者は、インスタンスを再起動するまでディスク・グループから削除できなくなります。Oracle ASMクラスタでは、そのファイルの新しい所有者は、クラスタ内のすべてのインスタンスを再起動するまで削除できなくなります。

  • オープン・ファイルの所有者を変更すると、ファイルの所有権が変更された後でも、そのファイルがオープンしている間は元の所有者を削除できません。

scrub_clause

この句を使用すると、ディスク・グループをスクラブできます。スクラブ操作は、論理データの破損を検査して、標準冗長性および高冗長性のディスク・グループ内で破損を自動的に修復します。

  • FILE句を使用すると、ディスク・グループ内の指定したOracle ASMファイルをスクラブできます。ASM_filenameの参照書式のいずれか1つを使用する必要があります。Oracle ASMのファイル名の参照書式の詳細は、ASM_filename」を参照してください。

  • DISK句を使用すると、ディスク・グループ内の指定したディスクをスクラブできます。

  • FILEまたはDISKを省略すると、ディスク・グループ内のすべてのファイルとディスクがスクラブされます。

REPAIR | NOREPAIR

REPAIRを指定すると、論理データの破損検査中に検出したエラーの修復を試行するようになります。NOREPAIRを指定すると、破損についての警告が通知されますが、Oracle ASMは修正処理を実行しません。デフォルトはNOREPAIRです。

POWER

POWER句を使用すると、スクラブ操作の機能レベルを指定できます。有効な値は、AUTOLOWHIGH、およびMAXです。この句を省略すると、機能レベルのデフォルトはAUTOになり、POWERはシステムの最適レベルに調整されます。

WAIT | NOWAIT

WAITを指定すると、スクラブ操作を完了してからユーザーに制御を戻します。NOWAITを指定すると、操作をスクラブ・キューに追加し、制御をただちにユーザーに戻します。デフォルトは、NOWAITです。

FORCE | NOFORCE

FORCEを指定すると、システムのI/O負荷が高い場合や、スクラブ処理がシステム・レベルで無効にされている場合でも、このコマンドが処理されます。NOFORCEを指定すると、コマンドは通常通りに処理されます。デフォルトは、NOFORCEです。

STOP

進行中のスクラブ操作を停止する場合は、STOPを指定します。

スクラブ操作の進行状況は、V$ASM_ OPERATION動的パフォーマンス・ビューを問い合せることで監視できます。

関連項目:

ディスク・グループのスクラブ処理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』、および「ディスク・グループのスクラブ処理例:」を参照してください。

quotagroup_clauses

これらの句を使用すると、ディスク・グループへの割当て制限グループの追加、割当て制限グループの変更、割当て制限グループへのファイル・グループの移動、割当て制限グループの削除を行うことができます。

割当て制限グループはファイル・グループのコレクションです。ファイル・グループは、1つのディスク・グループ内のデータベースのすべてのファイルのコンテナです。割当て制限グループには指定された割当て制限があり、これはファイル・グループが共同で使用できる記憶域の最大容量です。このため、割当て制限グループによって、ディスク・グループ内のデータベース・グループの割当て制限を指定できます。ディスク・グループ内のすべての割当て制限グループの割当て制限の合計は、ディスク・グループの記憶域容量を上回ることができます。

各ディスク・グループには、GENERICというデフォルトの割当て制限グループが含まれます。ファイル・グループを作成して、その割当て制限グループを指定しない場合、ファイル・グループはGENERIC割当て制限グループに属します。compatible.asm属性を12.2以上に設定してディスク・グループを作成すると、または既存のディスク・グループのcompatible.asm12.2以上に設定すると、Oracle ASMでGENERIC割当て制限グループが自動的に作成されます。初期的には、GENERICの割当て制限はUNLIMITEDです。その後、MODIFY QUOTAGROUP句を使用して、この割当て制限を変更できます。

ADD QUOTAGROUP

この句を使用して割当て制限グループを作成し、ディスク・グループに追加します。quotagroup_nameに、新規割当て制限グループの名前を指定します。

SET句を使用すると、割当て制限グループの割当て制限を設定できます。

  • property_nameQUOTAを指定します。

  • property_valueには、次のいずれかの句を指定します。

    • size_clauseを指定すると、割当て制限のバイト数を設定できます。指定可能な最小値は1バイトです。ディスク・グループの記憶域サイズよりも大きい値を指定できます。この場合、記憶域の使用量はディスク・グループの現在のサイズに制限されます。ただし、その後、ディスク・グループの記憶域容量を、割当て制限を超えるサイズに増やした場合、割当て制限が実施されます。この句の構文およびセマンティクスは、「size_clause」を参照してください。0バイトを指定することは、UNLIMITEDを指定することに相当することに注意してください。

    • 割当て制限を設定しない場合は、UNLIMITEDを指定します。この場合、記憶域の使用量はディスク・グループの記憶域サイズに制限されます。

SET句を指定しない場合、デフォルトはSET QUOTA=UNLIMITEDになります。

MODIFY QUOTAGROUP

この句を使用して、割当て制限グループの割当て制限を変更します。quotagroup_nameに、変更する割当て制限グループの名前を指定します。GENERIC割当て制限グループを含め、任意の割当て制限グループの割当て制限を変更できます。SET句のセマンティクスは、ADD QUOTAGROUP句と同じです。割当て制限には、割当て制限グループによって現在使用されている領域の量よりも小さい値を設定できます。このアクションによって、この割当て制限グループに関連付けられているファイル・グループによって記述されたファイルに、追加領域が割り当てられなくなります。

MOVE FILEGROUP

この句を使用して、割当て制限グループ間でファイル・グループを移動させることができます。filegroup_nameに、移動させるファイル・グループの名前を指定します。quotagroup_nameに、宛先割当て制限グループの名前を指定します。移動操作によって、宛先割当て制限グループの使用済記憶領域の容量が割当て制限を超える場合、操作は成功しますが、割当て制限グループ内のファイル・グループで新しい記憶域割当てを実行できない可能性があります。この機能を使用すると、特定のファイル・グループによって記述されたすべてのファイルによる、追加領域の割当てを停止できます。

DROP QUOTAGROUP

この句を使用して、ディスク・グループから割当て制限グループを削除します。quotagroup_nameに、削除する割当て制限グループの名前を指定します。割当て制限グループにファイル・グループを含めることはできません。割当て制限グループGENERICは削除できません。

関連項目:

割当て制限グループの詳細は、『Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

filegroup_clauses

filegroup_clausesは、フレックス・ディスク・グループでのみ有効です。これらの句を使用すると、ファイル・グループの作成、ファイル・グループの変更、ファイル・グループへのファイルの移動、ファイル・グループの削除を行うことができます。ファイル・グループは、1つのディスク・グループ内のデータベースのすべてのファイルのコンテナです。ファイル・グループは、割当て制限グループに属する必要があります。

各ディスク・グループには、FILEGROUP_NUMBER = 0のデフォルトのファイル・グループがあります。

add_filegroup_clause

この句を使用すると、ファイル・グループを作成できます。

filegroup_nameには、新規ファイル・グループの名前を指定します。ファイル・グループ名の最大長は127文字です。名前は、「データベース・オブジェクトのネーミング規則」に指定されている要件を満たしている必要があります。また、引用符で囲んだ場合も、大/小文字は区別されません。それらは常に内部的には大文字で格納されます。ファイル・グループ名は、ディスク・グループ内において一意である必要があります。

  • DATABASE句を使用して、ファイル・グループが関連付けられるデータベース(非CDB、CDBまたはPDB)を指定します。

  • CLUSTER句を使用して、ファイル・グループが関連付けられるクラスタを指定します。

  • VOLUME句を使用して、ファイル・グループが関連付けられるボリュームを指定します。

  • TEMPLATE句を使用して、ファイル・グループが関連付けられるファイル・グループ・テンプレートを作成します。テンプレートを使用して、ファイル・グループのプロパティのセットをカスタマイズし、このセットを1つ以上のデータベースに継承できます。

同じディスク・グループ内の複数のファイル・グループに、同じデータベース、クラスタ、ボリュームまたはテンプレートを関連付けることはできません。ファイル・グループの作成時にデータベース、クラスタ、ボリュームまたはテンプレートが存在しない場合、その後それらが作成されるときに、自動的にファイル・グループに関連付けられます。データベース、クラスタ、ボリュームおよびテンプレートの名前は、「データベース・オブジェクトのネーミング規則」に指定されている要件を満たしている必要があります。

SET句を使用すると、ファイル・グループのプロパティを設定できます。プロパティにSET句を指定しない場合、デフォルト値が割り当てられます。ファイル・タイプを適用する任意のプロパティにfile_typeを指定できます。こうしたプロパティにfile_typeを指定しない場合、プロパティはすべてのファイル・タイプに適用されます。ファイル・グループ・プロパティおよびそのデフォルト値の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

例1: ファイル・グループ・テンプレートからファイル・グループを作成し、テンプレートからプロパティを継承する

ALTER DISKGROUP hmdg ADD FILEGROUP fgtem TEMPLATE SET 'datafile.redundancy'='unprotected'
    ALTER DISKGROUP hmdg ADD FILEGROUP fgdb DATABASE NONE FROM TEMPLATE fgtem

例2: ファイル・グループ・テンプレートからファイル・グループまたは表領域を作成し、テンプレートからプロパティを継承する

ALTER DISKGROUP hmdg ADD FILEGROUP fgtem2 TEMPLATE 
    CREATE TABLESPACE tbs1 datafile '+hmdg(fg$fgtem2)/dbs/tbs1.f' size 1M

modify_filegroup_clause

この句を使用して、ファイル・グループ・プロパティを変更できます。filegroup_nameに、変更するファイル・グループの名前を指定します。デフォルトのファイル・グループを含め、任意のファイル・グループのプロパティを変更できます。この句で指定しないものは変更されません。SET句のセマンティクスは、add_filegroup_clauseと同じです。

move_to_filegroup_clause

この句を使用して、ファイル・グループにファイルを移動できます。ファイルが現在異なるファイル・グループに関連付けられている場合は、ファイルはそのファイル・グループからの関連付けを解除されます。ターゲット・ファイル・グループでは、ファイルを含めるのに十分な領域が使用可能である必要があります。ユーザーは、ファイルおよびターゲット・ファイル・グループの所有者である必要があります。

drop_filegroup_clause

この句を使用すると、空のファイル・グループを削除します。filegroup_nameに、削除するファイル・グループの名前を指定します。

CASCADE

キーワードCASCADEを使用して、空ではないファイル・グループを削除します。ファイル・グループは、キーワードCASCADEが削除されると、ファイル・グループに関連付けられたすべてのファイルが自動的に削除されます。

関連項目:

ファイル・グループの詳細は、『Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

undrop_disk_clause

この句を使用すると、ディスク・グループからのディスクの削除を取り消すことができます。1つ以上のディスク・グループ内のすべてのディスク(diskgroup_nameを指定)、またはすべてのディスク・グループ内のすべてのディスク(ALLを指定)の保留中の削除を取り消すことができます。

ディスク・グループから完全に削除されたディスクや、完全に削除されたディスク・グループに対しては、この句は無効です。この句を指定すると、実行時間が長い操作が行われます。操作の状態を確認するには、V$ASM_OPERATION動的パフォーマンス・ビューを問い合せます。

関連項目:

実行時間が長いOracle ASM操作の詳細は、V$ASM_OPERATIONを参照してください。

diskgroup_availability

この句を使用すると、Oracle ASMインスタンスと同じノードで実行されているデータベース・インスタンスに対して、1つ以上のディスク・グループを使用可能または使用禁止にできます。この句は、クラスタ内の他のノードのディスク・グループの状態には影響しません。

MOUNT

MOUNTを指定すると、ローカルOracle ASMインスタンスのディスク・グループをマウントできます。ALL MOUNTを指定すると、ASM_DISKGROUPS初期化パラメータで指定されたすべてのディスク・グループがマウントされます。ファイル操作は、ディスク・グループがマウントされている場合のみ可能です。Oracle ASMがクラスタ内またはスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureで管理されたスタンドアロン・サーバー内で実行されている場合、MOUNT句は対応するリソースを自動的にオンラインにします。

RESTRICTED | NORMAL

これらの句を使用すると、ディスク・グループがマウントされる方式を決定できます。

  • RESTRICTEDモードでは、ディスク・グループは単一インスタンス排他モードでマウントされます。同じクラスタ内の他のOracle ASMインスタンスは、そのディスク・グループをマウントできません。このモードでは、Oracle ASMクライアントはディスク・グループを使用できません。

  • NORMALモードでは、ディスク・グループは共有モードでマウントされるので、他のOracle ASMインスタンスおよびクライアントがディスク・グループにアクセスできます。これはデフォルトです。

FORCE | NOFORCE

これらの句を使用すると、ディスク・グループがマウントされる環境を決定できます。

  • FORCEモードでは、Oracle ASMは、ディスク・グループに属するすべてのデバイスを検出できない場合でも、そのディスク・グループをマウントしようとします。この設定は、標準冗長性または高冗長性ディスク・グループのディスマウント中に、そのディスクの一部が使用不可になった場合に役立ちます。MOUNT FORCEが成功した場合、Oracle ASMは欠落しているディスクをオフラインにします。

    Oracle ASMがディスク・グループ内のすべてのディスクを検出した場合、MOUNT FORCEは失敗します。そのため、MOUNT FORCE設定は、一部のディスクが使用不可の場合にのみ使用します。それ以外の場合は、NOFORCEを使用します。

    標準冗長性および高冗長性ディスク・グループでは、1つの障害グループのディスクが使用不可になる場合があり、MOUNT FORCEは正常に実行されます。また、高冗長性ディスク・グループでは、2つの異なる障害グループの2つのディスクが使用不可になる場合があり、MOUNT FORCEは正常に実行されます。使用不可のディスクのその他の組合せでは、Oracle ASMはすべてのユーザー・データまたはメタデータの有効なコピーが使用可能なディスク上にあることを保証できないため、操作は失敗します。

  • NOFORCEモードでは、Oracle ASMは、すべてのメンバー・ディスクが検出されないかぎり、ディスク・グループをマウントしようとしません。これはデフォルトです。

関連項目:

初期化パラメータ・ファイルへのディスク・グループ名の追加の詳細は、ASM_DISKGROUPSを参照してください。

DISMOUNT

DISMOUNTを指定すると、指定したディスク・グループをディスマウントできます。FORCEが指定されていないかぎり、ディスク・グループのいずれかのファイルがオープンされていると、Oracle ASMによりエラーが戻されます。ALL DISMOUNTを指定すると、現在マウントされているすべてのディスク・グループがディスマウントされます。ファイル操作は、ディスク・グループがマウントされている場合のみ可能です。Oracle ASMがクラスタ内またはスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureで管理されたスタンドアロン・サーバー内で実行されている場合、DISMOUNT句は対応するリソースを自動的にオフラインにします。

FORCE

FORCEを指定すると、ディスク・グループのいずれかのファイルが開いていてもディスク・グループをディスマウントするように、Oracle ASMに指示できます。

enable_disable_volume

この句を使用すると、ディスク・グループ内の1つ以上のボリュームを有効または無効にできます。

  • 有効化したボリュームごとに、Oracle ASMは、ファイル・システムの作成またはマウントに使用可能なボリューム・デバイス・ファイルをローカル・ノード上に作成します。

  • 無効化したボリュームごとに、Oracle ASMは、ローカル・ノード上のデバイス・ファイルを削除します。ボリューム・ファイルがローカル・ノード上でオープンしている場合は、DISABLE句によりエラーが戻されます。

ALLキーワードを使用すると、ディスク・グループ内のすべてのボリュームを有効または無効にできます。ALTER DISKGROUP ALL ...を指定する場合は、この句内でALLキーワードも使用する必要があります。

関連項目:

ディスク・グループ・ボリュームの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

次の例では、dgroup_01というディスク・グループが必要です。ASM_DISKSTRING/devices/disks/*に設定されていることが前提となります。またOracleユーザーが/devices/disks/d100への読取り/書込み権限を持っていると想定しています。dgroup_01を作成する方法は、「ディスク・グループの作成: 例」を参照してください。

ディスク・グループへのディスクの追加: 例

ディスクd100をディスク・グループdgroup_01に追加するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  ADD DISK '/devices/disks/d100';

ディスク・グループからのディスクの削除: 例

ディスクdgroup_01_0000をディスク・グループdgroup_01から削除するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  DROP DISK dgroup_01_0000;

ディスク・グループからのディスクの削除解除: 例

ディスク・グループdgroup_01からのディスクの削除を取り消すには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  UNDROP DISKS;

ディスク・グループのサイズ変更: 例

ディスク・グループdgroup_01のすべてのディスクのサイズを変更するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  RESIZE ALL
  SIZE 36G;

ディスク・グループの均衡の再調整: 例

ディスク・グループdgroup_01の均衡を手動で再調整し、Oracle ASMに対して均衡の再調整を最高速度で実行することを許可するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  REBALANCE POWER 11 WAIT;

WAITキーワードを指定すると、データベースでは、ディスク・グループの均衡が再調整されるのを待機してからユーザーに制御を戻します。

ディスク・グループ・メタデータの内部整合性の検証: 例

Oracle ASMディスク・グループ・メタデータの内部整合性を検証し、検出されたエラーを修復するようOracle ASMに指示するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  CHECK ALL
  REPAIR;

ディスク・グループへの名前付きテンプレートの追加: 例

名前付きテンプレートtemplate_01をディスク・グループdgroup_01に追加するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  ADD TEMPLATE template_01
    ATTRIBUTES (UNPROTECTED COARSE);

ディスク・グループ・テンプレートの属性の変更: 例

システム・デフォルトまたはユーザー定義のディスク・グループ・テンプレートtemplate_01の属性を変更するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  MODIFY TEMPLATE template_01
    ATTRIBUTES (FINE);

ディスク・グループからのユーザー定義のテンプレートの削除: 例

ユーザー定義のテンプレートtemplate_01をディスク・グループdgroup_01から削除するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  DROP TEMPLATE template_01;

階層的に名付けられた別名のディレクトリ・パスの作成: 例

別名が配置されるディレクトリ構造を指定するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  ADD DIRECTORY '+dgroup_01/alias_dir';

Oracle ASMファイル名の別名の作成: 例

Oracle ASMの数値ファイル名を指定してユーザーの別名を作成するには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  ADD ALIAS '+dgroup_01/alias_dir/datafile.dbf'
    FOR '+dgroup_01.261.1';

ディスク・グループのスクラブ処理例:

ディスク・グループdgroup_01をスクラブするには、次の文を発行します。この文では、論理データの破損検査中に検出したエラーの修復を試行して、スクラブ操作が完了してからユーザーに制御を返します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  SCRUB REPAIR WAIT;

ディスク・グループのディスマウント: 例

ディスク・グループdgroup_01をディスマウントするには、次の文を発行します。この文は、アクティブなファイルが1つ以上ある場合でも、ディスク・グループをディスマウントします。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  DISMOUNT FORCE;

ディスク・グループのマウント: 例

ディスク・グループdgroup_01をマウントするには、次の文を発行します。

ALTER DISKGROUP dgroup_01
  MOUNT;