STATS_MW_TEST

構文

目的

Mann-Whitney検定では、2つの独立した標本を比較して、2つの母集団が同じ分布ファンクションを持つという帰無仮説を、2つの分布ファンクションは異なるという対立仮説に対してテストします。

STATS_MW_TESTでは、STATS_T_TEST_*ファンクションとは異なり、標本間の差が正規分布するとは仮定されません。このファンクションは2つの必須の引数を取ります。expr1には、データをグループに分類する値を指定し、expr2には各グループの値を指定します。オプションの3つ目の引数を使用すると、表7-7に示すように、このファンクションによって戻されるNUMBER値の意味を指定できます。この引数には、テキスト・リテラル、バインド変数または定数の文字値に評価される式を指定できます。3つ目の引数を指定しない場合、デフォルトは'TWO_SIDED_SIG'です。

関連項目:

STATS_MW_TESTの照合決定ルールは、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』の付録Cを参照してください。

表7-7 STATS_MW_TESTの戻り値

引数 戻り値の意味

'STATISTIC'

Zの観測値

'U_STATISTIC'

Uの観測値

'ONE_SIDED_SIG'

Zの片側有意

'TWO_SIDED_SIG'

Zの両側有意

ZまたはUの観測値の有意性は、2つの分散が偶然に異なる確率で、0(ゼロ)から1の数値です。この有意性の値が小さい場合、2つの分散に有意差があることを示しています。各分散の自由度は、標本における観測数から1を引いた値です。

片側有意は常に上側確率に関連します。最後の引数expr3は、expr1で指定した2つのグループのうち、大きい値(棄却域が上側確率の値)のグループを示します。

STATS_MW_TESTは、値の順位の合計における差を確認して、標本が同じ分布からのものである確率を計算します。標本が同じ分布に属している場合、各標本の合計値は近くなります。

STATS_MW_TESTの例

次の例では、Mann-Whitney検定を使用して、男性と女性に対する売上の分布が偶然であるかどうかを判断します。

SELECT STATS_MW_TEST
         (cust_gender, amount_sold, 'STATISTIC') z_statistic,
       STATS_MW_TEST
         (cust_gender, amount_sold, 'ONE_SIDED_SIG', 'F') one_sided_p_value
  FROM sh.customers c, sh.sales s
  WHERE c.cust_id = s.cust_id;

Z_STATISTIC ONE_SIDED_P_VALUE
----------- -----------------
 -1.4011509        .080584471