4 アプリケーション開発の開始

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)に接続するJavaアプリケーションを開発するには、必要に応じていくつかのコンポーネントをインストールしておく必要があります。この章の構成は、次のとおりです。

4.1 インストールする必要があるもの

サンプル・アプリケーションを開発するには、次の製品およびコンポーネントをインストールする必要があります。

  • Oracle Databaseリリース20c

  • J2SEまたはJDK

  • Apache Maven

  • JDeveloper IDE

  • Web Server (Tomcat)

  • Java Webアプリケーションを作成するには、データベースに通常付属しているHRスキーマで動作するOracle Database 20cリリースのサーバーをインストールする必要があります。Oracle Database20cリリースをインストールするには、2つの方法があります。

    オプション 1。Oracle Database Services on Cloud

    Oracle Database Services on Cloudは、オラクル社が提供する計算処理能力、物理記憶域およびメンテナンス操作と管理操作のためのツールを利用することで単一のOracle Databaseへのアクセスを提供します。わずか数分で動作可能なデータベースにアクセスできます。Oracleクラウドにデータベースのインスタンスを作成すると、その機能と、EECSオプションを除くOracle Databaseで使用可能な操作への完全なアクセスが可能になります。

    Oracle Cloudでは、ニーズに適したコストとレベルで開始する柔軟性が提供されます。後で、変化する要件にあわせて適応できます。

    データベース・クラウド・サービス・ページにログインして、使用可能な様々なオプションを確認し、サインアップできます。簡単に参照できるように、いくつかのオプションを次に示します。

    Oracle Database Cloud Service (DBCS)

    Oracle Database Cloud Service on Oracle Cloud Infrastructure (CS)

    Oracle Database Exadata Express Cloud Service (EECS) - 完全管理

    Oracle Database Exadata Cloud Service (ExaCS)

    Oracle Database Exadata Cloud Machine (ExaCM)

    Oracle Database Cloud Service (DBCS)にアカウントを作成します。これにより、HRスキーマにもアクセスできます。

    注意:

    OTNページOracle Database Cloud Service (DBCS)でのJavaアプリケーションおよびIDEの使用に、データベース・インスタンスを作成し、このガイドの最初で提供されるJDBCおよびUCPコード・サンプルを使用して接続を試行する手順が説明されています。

    オプション2: OTNで使用可能なOracle Databaseのインストール

    代替オプションとして、Oracle Database 20cリリースをオンプレミスにインストールすることもできます。

4.1.1 Oracle Database 12c リリース2 (12.2)

Javaアプリケーションを作成するには、HRスキーマ(データベースに付属)で動作するOracle Database 12c リリース2 (12.2) Serverのインストールが必要です。インストールにより、Oracle Database 12c リリース2 (12.2)インスタンスが作成され、このデータベースを管理するためのツールが提供されます。

Oracle Database Services on Cloud

Oracle Database Services on Cloudは、オラクル社が提供する計算処理能力、物理記憶域およびメンテナンス操作と管理操作のためのツールを利用することで単一のOracle Databaseへのアクセスを提供します。わずか数分で動作可能なデータベースにアクセスできます。Oracleクラウドにデータベースのインスタンスを作成すると、その機能と、EECSオプションを除くOracle Databaseで使用可能な操作への完全なアクセスが可能になります。

Oracle Cloudでは、ニーズに適したコストとレベルで開始する柔軟性が提供されます。後で、変化する要件にあわせて適応できます。

データベース・クラウド・サービス・ページにログインして、使用可能な様々なオプションを確認し、サインアップできます。簡単に参照できるように、いくつかのオプションを次に示します。

Oracle Database Cloud Service (DBCS)

Oracle Database Cloud Service on Oracle Cloud Infrastructure (CS)

Oracle Database Exadata Express Cloud Service (EECS) - 完全管理

Oracle Database Exadata Cloud Service (ExaCS)

Oracle Database Exadata Cloud Machine(ExaCM)

Oracle Database Cloud Service (DBCS)にアカウントを作成します。これにより、HRスキーマにもアクセスできます。

OTNページOracle Database Cloud Service (DBCS)でのJavaアプリケーションおよびIDEの使用の順を追った説明に従ってデータベース・インスタンスを作成し、このガイドの最初で提供されるJDBCおよびUCPコード・サンプルを使用して、そのインスタンスに接続することもできます。

ステップ1:

OTNで使用可能なOracle Databaseのインストール

代替オプションとして、Oracle Database 12cリリース2をオンプレミスにインストールすることもできます。リンクに従ってOracle Databaseをインストールし、リリース・ノートを確認します。

詳細は、次に示すOracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストレーション・ガイドおよびリリース・ノートを参照してください。

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイド for Linux』

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』

4.1.1.1 JDBCアプリケーションのHRスキーマのロック解除

HRユーザー・アカウント(このマニュアルのJavaアプリケーションで使用するサンプルHRスキーマの所有者)は、最初はロックされています。HRとしてログインするには、まず管理権限を持つユーザー(SYS)としてログインし、アカウントのロックを解除する必要があります。

データベースがローカルにインストールされている場合は、SQLコマンドラインの実行を使用して、次のようにアカウントのロックを解除します。

  1. 「SQLコマンドラインの実行」にアクセスするには、「スタート」メニューから「プログラム」(または「すべてのプログラム」)→「Oracle Database 12c Release 2 (12.2)」を選択し、「SQLコマンドラインの実行」をクリックします。DBA権限を持つユーザーとしてログインします。次に例を示します。
    > CONNECT SYS AS SYSDBA;
    Enter password: password
    
  2. 次のコマンドを実行します。
    > ALTER USER HR ACCOUNT UNLOCK;
    

    または、

    > ALTER USER HR IDENTIFIED BY HR;
    
  3. 次のように接続をテストします。
    > CONNECT HR
    Enter password: password
    

データベースに接続したことを示すメッセージが表示されます。

注意:

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)でのセキュアなパスワードの作成および使用の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

また、HRスキーマにある制約およびトリガーの一部は、このマニュアルで作成するJavaアプリケーションの目的に合っていません。次のSQL文を使用して、これらの制約およびトリガーを削除する必要があります。

DROP TRIGGER HR.UPDATE_JOB_HISTORY;
DROP TRIGGER HR.SECURE_EMPLOYEES;
DELETE FROM JOB_HISTORY;

4.1.2 JDK 8

Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、JDK8 (Java Development Kit)が必要になります。

注意:

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)のJDBCドライバはJDK8をサポートしています。Javaのインストールの詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.htmlを参照してください。

4.1.3 JDeveloper IDE

このガイドでは、Oracle JDeveloperリリース12cが、サンプルJava Webアプリケーションの作成に使用される統合開発環境(IDE)です。JDeveloperは、ソース・コードの編集、アプリケーションのコンパイル、WARファイルの作成、およびwarファイルを統合WebLogic Server (WLS)にデプロイするために使用します。

4.1.4 J2SEまたはJDK

Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、Java 2 Platform, Standard Edition, Software Development Kit(J2SE SDK)(以前のJava Development Kit(JDK))がすべて必要です。

4.1.5 統合開発環境

アプリケーションの開発を簡単にするため、統合開発環境(IDE)でアプリケーションを開発することができます。このマニュアルでは、Oracle JDeveloperを使用して、このアプリケーションのファイルを作成します。

4.1.6 Webサーバー

このマニュアルで開発するサンプル・アプリケーションは、JavaServer Pages (JSP)テクノロジを使用して情報を表示し、ユーザーからの入力を受け入れます。これらのページをデプロイするには、サーブレットおよびJSPコンテナを使用するWebサーバー(Apache Tomcatアプリケーション・サーバーなど)が必要です。

このマニュアルでは、JSPページのデプロイに、JDeveloperの Oracle WebLogicサーバーという埋込みサーバーを使用します。Oracle JDeveloperをインストールしない場合でも、任意のWebサーバーを使用してJSPページをデプロイできます。

これらのサーバーの詳細は、ベンダー固有のドキュメントを参照してください。

4.2 Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールの検証

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールはプラットフォーム固有です。サンプル・アプリケーションの作成に進む前に、インストールが成功したことを検証する必要があります。この項では、Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールを検証するステップについて説明します。

インストールの検証には、次の作業があります。

4.3 Githubリポジトリの詳細

表4-1 Githubリポジトリの詳細

名前と場所 詳細
2DaysJavaGuide-ワークスペース このzipには、HR Webアプリケーションを構築するためのJavaクラスの概要が含まれています。zipをダウンロードし、任意の場所に解凍して指示に従います。
HRWebApp このリポジトリには、アプリケーションの完全なコード・サンプルが含まれています。これは、問題または例外が発生した場合に参照してください。

4.4 JDeveloperでのアプリケーションのインポート

JDeveloperにアプリケーションをインポートするには、次のステップを実行します。

1. HRWebApp_Workspaceが抽出された場所に移動します。

2. アプリケーションの名前を選択します。

3. HR Webアプリケーションの構築に必要なすべてのファイルを含むプロジェクトが作成されます。これで、編集を開始できます。

4.5 JDeveloperでのアプリケーションのコンパイル

JDeveloperでmavenコマンドを使用して.warファイルをコンパイルまたは作成できます。

1. プロジェクトを右クリックします。

2. Mavenを実行します

3. compile/package/cleanに移動します

4.6 Mavenを使用したコンパイルと、任意のJava EEコンテナでのアプリケーションの実行

a.Mavenを使用したコンパイル:

HR Webアプリケーションは、Mavenのコマンドを使用して簡単にコンパイルすることもできます。Oracle mavenリポジトリを使用している場合は、必要なすべての詳細が簡単にアクセスできるようにsettings.xmlファイルを用意します。HRWebApp_workspaceをダウンロードして必要なコードを追加した後、次のコマンドを使用してソース・コードを消去、コンパイルおよびパッケージ化します。

次のコマンドを実行します。

mvn –s settings.xml clean

mvn –s settings.xml compile

mvn –s settings.xml package

b.任意のJava EEコンテナへの.warファイルのデプロイ

mavenコマンド"mvn-s settings.xml package"を使用してソース・コードがパッケージ化されると、warファイルはフォルダ"target/JdbcWebSamples.war"の下に配置されます。このwarファイルをTOMCAT_HOME/webapps/に配置し、tomcatサーバーを起動します。tomcatが起動したら、URL http://localhost:8080/JdbcWebSamples/を使用してHR Webアプリケーションにアクセスします。

ログイン/ログアウト・モジュールが追加された場合は、hradminまたはhrstaffユーザーのいずれかでログインします。

JDeveloperでのアプリケーションの実行

JDeveloperは、統合されたWebLogic Serverを使用してWebアプリケーションを実行します。

全従業員をリスト

HR Webアプリケーションにはいくつかの機能があります。「すべてリスト」は、Employee_id、First_name、Last_Name、Email、Phone_number、Job_id、Salaryなどの従業員の詳細がEmployees表から取得され、Webページに表示される機能です。「すべてリスト」機能が表示されているスクリーンショットを参照してください。