AutoUpgradeのための完全なデプロイの有効化
保証付きリストア・ポイント(GRP)を有効にしてアップグレードをフラッシュバックできるようにするには、アーカイブ・ロギングを設定し、AutoUpgradeを有効にしてアップグレードを完了できるように他のタスクを完了する必要があります。
AutoUpgradeで新しいリリースのOracle Databaseの完全なデプロイを実行できるようにするには、次の条件を満たす必要があります。
- データベースには、高速リカバリ領域(FRA)の適切な構成が必要です。具体的には、
DB_RECOVERY_FILE_DEST
およびDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE
を設定し、適切なサイズにする必要があります。 - ソースOracle Databaseは、
ARCHIVELOG
モードで実行する必要があります。
注意:
AutoUpgradeでは、デプロイ処理モードで保証付きリストア・ポイント(GRP)を作成します。以前に定義された保証付きリストア・ポイントは必要ありません。
例3-8 AutoUpgradeを使用する前のアーカイブ・ロギングおよび高速リカバリ領域(FRA)の設定
sqlplus / as sysdba
shutdown immediate;
startup mount;
alter system set db_recovery_file_dest_size = 50g scope=both sid='*';
alter system set db_recovery_file_dest =' /tmp/db-home/fast_recovery_area' scope=both sid='*';
alter database archivelog;
alter database open;
alter pluggable database all open;
例3-9 パスワード・ファイルとセキュリティ・パスワード・ファイルの更新
アップグレード中に、AutoUpgradeユーティリティはソースOracleデータベースのOracleホームからターゲットのOracleデータベースのOracleホームにパスワード・ファイルをコピーします。ただし、コピーされたパスワード・ファイルは以前のリリースのパスワード・ファイル・バージョンを保持します。パスワード・ファイルを再生成して、新しいリリース・パスワード・ファイル・バージョンに更新することをお薦めします。
例3-10 透過的データ暗号化およびAutoUpgrade
AutoUpgradeユーティリティで透過的データ暗号化ウォレットのコピーに必要な権限を取得できるようにするには、AutoUpgradeがターゲット・リリースのOracleホームにコピーできるように、これらのウォレットに対する自動ログインを有効にする必要があります。自動ログインを有効にしない場合、AutoUpgradeはアップグレードを完了できません。
Oracle Wallet Managerを起動するには、次のようにします。
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(Windows)「スタート」、「プログラム」、「Oracle-Oracle-home」(Oracle-homeはソースOracleホーム)、「Integrated Management Tools」、「Wallet Manager」の順に選択します。
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(Unix)コマンドラインで、次のコマンドを入力します
owm
自動ログインを有効化するには、次の手順を実行します。
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メニュー・バーから「ウォレット」を選択します。
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「自動ログイン」を選択します。自動ログインが有効化されたことを示すメッセージが、ウィンドウの下部に表示されます。
注意:
AutoUpgradeが透過的データ暗号化ウォレットのコピーを完了した後、自動ログインを無効にして、以前のリリースのセキュリティがリストアされるようにします。