8 WebLogic Serverデータ・ソース
WebLogic Serverでは、Java Database Connectivity (JDBC)データ・ソースを構成して、WebLogicドメイン内のサーバーまたはクラスタにそのリソースをターゲット指定またはデプロイすることにより、データベース接続を構成できます。
この章の内容は次のとおりです。
JDBCデータ・ソースの理解
データ・ソースは、データ・ソース・インスタンスの作成時に作成されるデータベース接続のプールで、データ・ソース・インスタンスの作成は、データ・ソースのデプロイ時、ターゲット指定時、またはホストのWebLogic Serverインスタンスの起動時に発生する可能性があります。
Oracle WebLogic Serverでは、次の5種類のデータ・ソースが提供されています。
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汎用データ・ソース - 汎用データ・ソースとその接続プールによって、効率的なシステム運用の維持を円滑にする接続管理プロセスが提供されます。アプリケーションや環境に適合するオプションをデータ・ソースで設定できます。
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Active GridLinkデータ・ソース - Oracle RACインスタンス内の状態変更に適応的に応答するイベント・ベースのデータ・ソース。
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マルチ・データ・ソース - ロード・バランシングやフェイルオーバー処理を提供する汎用データ・ソースのグループを抽象化したもの。
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プロキシ・データ・ソース - WebLogic Serverマルチテナント環境のデータベース間で切替えを実行できるデータ・ソース。
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ユニバーサル接続プール(UCP)データ・ソース - Oracle Universal Connection Pooling (UCP)を使用してOracle Databaseに接続するユーザー用のオプションとして提供されるデータ・ソース。UCPは、Oracle WebLogic Server接続プーリングに対する代替接続プーリング・テクノロジを提供します。
WebLogic Serverでは、データベース接続の柔軟性と移植性を向上するようにプログラミングで定義できるJava EE DataSource
オブジェクトもサポートされています。Java EE DataSource
オブジェクトの詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCアプリケーションの開発』の「DataSourceリソース定義の使用」を参照してください。
汎用データ・ソースの理解
getConnection()
を呼び出すことで、データ・ソースからのデータベース接続を予約します。接続の使用が終わったら、アプリケーションはできるだけ早くconnection.close()
を呼び出して、データベース接続をプールに戻し、他のアプリケーションが使用できるようにする必要があります。
Active GridLinkデータ・ソースの理解
AGLデータ・ソースには、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』に説明されているように、汎用データ・ソースの機能が搭載されている他、Oracle RACの次のサポートも行われます。
JDBCマルチ・データ・ソースの理解
java:comp/env
),内のマルチ・データ・ソースをルックアップし、その後データベース接続をリクエストします。マルチ・データ・ソースでは、そのマルチ・データ・ソース構成で選択されているアルゴリズム(ロード・バランシングまたはフェイルオーバー)に応じて、リクエストに対応できるように、使用するデータ・ソースが決定されます。
ユニバーサル接続プール・データ・ソースの理解
ノート:
通常、Oracle Databaseとの接続の確立には、Active GridLinkデータ・ソース、マルチ・データ・ソースまたは汎用データ・ソースと、これらのデータ・ソース実装に含まれるOracle WebLogic Server接続プールを使用することをお薦めします。
UCPデータ・ソースの実装は、疎結合されており、アプリケーションによる新しいUCP機能の使用をサポートするためにucp.jar
ファイルを切り替えることができます。UCPデータ・ソースは、アプリケーション・スコープ、アプリケーション・パッケージ、またはスタンドアロン・モジュール環境ではサポートされません。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』の「ユニバーサル接続プール・データ・ソースの使用」を参照してください。
WebLogic Serverデータ・ソースのためのロードマップ
WebLogic Serverのドキュメント・セットには、WebLogic Serverデータ・ソースの構成および使用方法の理解に役立つ、いくつかの入門的なトピック、手順的なトピック、リファレンス的なトピックがサンプルとともに含まれています。
表8-1 WebLogic Serverデータ・ソースのためのロードマップ
主要なタスク | サブタスクと追加情報 |
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WebLogic Serverデータ・ソースについてもっとよく知る |
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JDBCの構成 |
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Java EEデータ・ソース |
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JDBCの管理 |
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パフォーマンスおよびチューニング |
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WebLogic ServerでのOracle RACの使用 |
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JDBCドライバ |
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