2 Oracle WebLogic Serverの新機能 14.1.1.0.0

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)には、Java EE 8フル・プラットフォーム・サポート、KubernetesおよびDockerでWebLogic Serverを管理するためのいくつかのオープン・ソース・ツール(「管理性の向上」を参照)などが含まれています。このドキュメントでは、Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0の、次の新規および変更された機能について説明します。

ノート:

WebLogic Server 14.1.1.0.0は、スタンドアロンのWebLogic ServerおよびCoherenceのみのリリースです。他のFusion Middleware (FMW)製品への参照は、その製品がこのリリースにも含まれていることを示していません

この章の内容は次のとおりです。

WebLogic Server更新概要

更新サマリーには、初期リリース後にWebLogic Server 14.1.1.0.0に導入された変更がリストされています。

機能 説明
セキュリティ
  • 2023年10月のパッチ・セット更新(PSU)には、次の変更が含まれています:
    • WebLogic Serverがサービス・プロバイダとして機能する場合、SAMLシングル・ログアウト(SLO)のサポートを追加します。SAML SLOは、現在のSAMLシングル・サインオン・セッションのすべてのアプリケーションからユーザーを一度にログアウトします。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』SAMLシングル・ログアウトの構成に関する項を参照してください。
    • WLSTオフラインを使用してSAMLシングル・サインオンを構成するためのサポートを追加します。『WebLogic Scripting Toolの理解』SAMLシングル・サインオンの構成に関する項を参照してください。
  • 2022年4月のパッチ・セット更新(PSU)には、次の変更が含まれています:
    • KernelMBean属性RMIDeserializationMaxTimeLimitおよびweblogic.rmi.stream.deserialization.timelimitmillisシステム・プロパティを追加して、Javaオブジェクトのデシリアライズ時に時間制限を設定できます。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』デシリアライズのタイムアウト間隔の設定に関する項を参照してください。
  • 2021年10月のパッチ・セット更新(PSU)には、次の変更が含まれています:
  • 2021年7月のパッチ・セット更新(PSU)には、次の変更が含まれています:
    • JEP 290フィルタリングで許可リストのサポートを追加します。許可リスト・モデルを使用する場合、WebLogic Serverおよび顧客は、デシリアライズを許可されている受入れ可能なクラスおよびパッケージのリストを定義し、他のすべてのクラスをブロックします。ブロックリスト・モデルでは、WebLogic Serverは、脆弱な既知のクラスおよびパッケージのセットを定義し、それらをデシリアライズからブロックし、他のすべてのクラスはデシリアライズできるようにします。どちらのアプローチも利点がありますが、許可リスト・モデルは、WebLogic Serverおよび顧客アプリケーションで必要とされることがわかっているクラスのデシリアライズのみを許可するため、よりセキュアです。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』Oracle WebLogic ServerでのJEP 290の使用に関する項を参照してください。
    • ORACLE_HOME/oracle_common/common/jep290ディレクトリにあるJEP 290動的ブロックリスト構成ファイルの存在を検出し、ファイル内で指定されたクラスおよびパッケージのデシリアライズをブロックするためのWebLogic Serverのサポートが追加されました。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』動的ブロックリスト構成ファイルの使用に関する項を参照してください。
    • ドメインがOracle推奨のセキュリティ・ガイドラインを満たしているかどうかを判断するための新しいセキュリティ検証チェックが追加されました。検証の失敗に関する警告は、管理コンソールに記録されます。『Oracle WebLogic Server本番環境の保護』潜在的なセキュリティの問題の確認に関する項を参照してください。
  • 2021年4月のパッチ・セット更新(PSU)には、次の変更が含まれています:
    • 動的ブロックリストのサポート。サーバーの実行中に更新または置換できる構成ファイルを作成することで、JEP 290ブロックリスト・フィルタを更新できます。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』動的ブロックリスト構成ファイルの使用に関する項を参照してください。

    • 匿名RMI T3およびIIOPリクエストを無効にする機能。WebLogic Serverリリース14.1.1.0以前では、クライアントはデフォルトで匿名RMIリクエストを実行できます。リモートの匿名T3およびIIOP RMIリクエストを無効にした場合、クライアントは、WebLogic Serverでの呼出しの前に認証を受ける必要があります。未認証のクライアントは拒否されます。『Oracle WebLogic Server本番環境の保護』リモートの匿名RMI T3およびIIOPリクエストの無効化に関する項を参照してください。

    • RSA Crypto-J V6.2.5、RSA SSL-J V6.2.6およびRSA Cert-J V6.2.4.0.1のサポート。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』サポートされるFIPS標準および暗号スイートに関する項を参照してください。

    • ServerTemplateMBeanClasspathServletSecureModeEnabled属性のデフォルト設定がfalseからtrueに変更されました。ClasspathServletSecureModeEnabled属性をtrueに設定すると、デフォルトでセキュア・モードが有効になり、bea_wls_internal Webアプリケーションの使用時に複数のファイル・タイプへのアクセスが制限されます。『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』ClasspathServletによるCLASSPATHからのリソースの提供に関する項を参照してください。

  • ドキュメント『Oracle WebLogic Server本番環境の保護』は、WebLogic Server本番環境のロック・ダウンに必要なステップをより明確に強調するため、完全に再編成されました。システムが十分に保護されていることを確認するために、WebLogic Serverのすべてのお客様がこのドキュメントの内容、特に、WebLogic Serverのロック・ダウンに関する重要なタスクに関する項を確認することを強くお薦めします。

  • HTTP Strict Transport Security (HSTS)のドキュメント・サポートが追加されました。HSTSは、Webブラウザまたは他のユーザー・エージェントがHTTPSなどのセキュアな接続のみを使用してサーバーにアクセスできるようにWebサーバーを構成できるWebセキュリティ・ポリシー・メカニズムです。『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』HTTP Strict Transport Securityの使用に関する項を参照してください。

  • JDK 8 Update 261 (JDK 8u261)以降でのTLS v1.3のサポートが追加され、TLS v1.0およびv1.1のサポートが非推奨になりました。「デフォルトの最小TLSプロトコル・バージョン」を参照してください。

Oracle GraalVM Enterprise Editionでの動作保証 Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceは、Oracle GraalVM Enterprise Editionでの動作が保証されるようになりました。「Oracle GraalVM Enterprise Editionの動作保証」を参照してください。
JTA通信用のネットワーク・チャネル Oracle WebLogic Serverには、JTA通信用のカスタム・ネットワーク・チャネルを構成するオプションが用意されています。「JTA通信用のネットワーク・チャネル」を参照してください。
エディションベースの再定義を使用したアプリケーションの更新 Oracle WebLogic Serverのエディションベースの再定義(EBR)機能を使用すると、アプリケーションのデータベース・コンポーネントのオンライン更新を実行して、アプリケーションの停止時間を最小化または排除することができます。「エディションベースの再定義を使用したアプリケーションの更新」を参照してください。
WebLogic Serverスリム・インストーラ スリム・インストーラは、汎用インストーラまたはFusion Middleware Infrastructureインストーラよりもはるかに小さい軽量インストーラです。このインストーラにはグラフィカル・ユーザー・インタフェースがなく、コマンドラインからのみ実行できます。「WebLogic Serverスリム・インストーラ」を参照してください。
WebLogic Serverプロキシ・プラグインでのHTTP/2およびTLSv1.3プロトコルのサポート Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0プロキシ・プラグインは、Linux上のApache HTTP Serverで使用可能であり、HTTP/2およびTLSv1.3プロトコルをサポートしています。「Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインでのHTTP/2およびTLSv1.3プロトコルのサポート」を参照してください。

Java EE 8のサポート

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)は、Java Platform Enterprise Edition (Java EE)バージョン8.0の完全互換の実装です。

Java EE 8プラットフォームの主な目的は、クラウドおよびマイクロサービス環境用のエンタープライズJavaのインフラストラクチャを最新化し、HTML5およびHTTP/2のサポートを強調し、新しいコンテキストおよび依存関係インジェクション機能により開発を簡略化し、プラットフォームのセキュリティおよび信頼性をさらに強化することです。Java EE 8仕様はhttps://www.oracle.com/technetwork/java/javaee/overview/index-jsp-135147.htmlにあります。

WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)で提供されるJava EE 8サポートについては、次の各項で説明します。

Java API for JSON Binding 1.0 (JSR 367)

JSON Binding (JSON-B)は、JSONメッセージに、またはJSONメッセージからJavaオブジェクトを変換するための標準バインディング・レイヤーです。

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、JSR-367リファレンス実装を含めることにより、Java API for JSON Binding 1.0 (JSR 367)の仕様をサポートし、これをWebLogic Serverインスタンスにデプロイされるアプリケーションで使用できるようにしています。

JSON-Bは、既存のJavaクラスをJSONに変換するためのデフォルトのマッピング・アルゴリズムを定義する一方で、開発者はJavaアノテーションを使用してマッピング・プロセスをカスタマイズできます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』Java API for JSON Bindingに関する項を参照してください。

Java API for JSON Processing 1.1 (JSR 374)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、JSON P 1.1仕様(https://www.jcp.org/en/jsr/detail?id=374)をサポートしています。JSON Processing 1.1仕様は、JSON Pointer、JSON Patch、JSON Merge Patchなどの新機能をサポートするjavax.json APIに基づいています。これらの機能は、オブジェクト・モデルの値の取得、変換または操作に使用されます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』JSON Processingの新機能に関する項を参照してください。

Java API for RESTful Web Services 2.1 (JSR 370)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0は、Java API for RESTful Web Services (JAX-RS) 2.1およびJersey 2.29 Reference Implementation (RI)をサポートしています。

WebLogic Serverでは、Jersey 2.29 RIの統合によってサーバー送信イベントをサポートします。

  • サーバー送信イベントは、標準のHTTPプロトコルを介してクライアントに非同期で通知をプッシュする場合に使用されます。
  • サーバー送信イベントAPIは、javax.ws.rs.sseパッケージで定義されています。このパッケージには、サーバー送信イベントのSseSseEventSinkSseEventSseBroadcasterSseEventSourceなどのインタフェースが含まれます。

詳細は、『Oracle WebLogic Server RESTful Webサービスの開発と保護』サーバー送信イベントの使用に関する項、およびJSR 370 JAX-RS 2.1仕様を参照してください。

JavaServer Faces 2.3 (JSR 372)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、JSF 2.3仕様(https://jcp.org/en/jsr/detail?id=372)をサポートしています。このリリースのテーマは、他のAPIとの統合と、Java SE 8機能の活用です。WebLogic Serverのサポートには、優れたCDI統合、優れたWebSocket統合、Ajaxメソッド呼出しおよびクラス・レベルのBean検証が含まれています。詳細は、『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』JavaServer Faces (JSF)に関する項を参照してください。

Java Servlet 4.0 (JSR 369)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0は、Servlet 4.0仕様(https://jcp.org/en/jsr/detail?id=369を参照)をサポートしています。この仕様では、HTTP/2のサポート、サーバー・プッシュ、HTTPトレーラ・サポート、マッピング検出などの複数の新機能が導入されています。詳細は、『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』Servlet 4.0での新機能と変更された機能に関する項を参照してください。

Bean Validation 2.0 (JSR 380)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0は、JavaBeansコンポーネントでデータを検証するためのメタデータ・モデルとAPIを定義するBean Validation 2.0をサポートしています。

2.0では、検証のために新しいデータ型と組込み制約が追加されています。詳細は、https://jcp.org/en/jsr/detail?id=380を参照してください。

Contexts and Dependency Injection 2.0 (JSR 365)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0は、Contexts and Dependency Injection (CDI) for Java 2.0仕様の実装を提供します。

Java EEプラットフォームのCDI仕様には、インジェクションを使用してアプリケーション内の依存関係を指定するための一連のサービスが定義されています。CDIは、次の仕様を使用します。

CDI 2.0には次の機能があります。

Java EE Security API 1.0 (JSR 375)

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0は、Java EE Security API 1.0仕様(https://www.jcp.org/en/jsr/detail?id=375を参照)をサポートします。この仕様では、ポータブルな認証メカニズム(HttpAuthenticationMechanismおよびIdentityStoreなど)と、SecurityContextインタフェースを使用した、プログラムによるセキュリティのためのアクセス・ポイントを定義します。これらのAPIの組込み実装を使用するか、またはカスタム実装を定義できます。詳細は、『WebLogicセキュリティ・サービスによるアプリケーションの開発』Java EE Security APIの使用に関する項を参照してください。

サンプル・アプリケーション

WebLogic Serverとともにオプションでインストールできるサンプル・アプリケーションは、次の各項で説明するように、Java EE 8に合せて更新されました。

Avitek Medical Records — MedRec

Avitek Medical Record (MedRec)は、WebLogic ServerおよびJava EEの機能とベスト・プラクティスを例示する総合的な学習用サンプル・アプリケーションです。

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)では、次のJava EE 8機能を示すためにMedRecがアップグレードされました。

  • JSF 2.3
  • JSFアーティファクトのインジェクション
  • JSF検証
  • Bean Validation 2.0
  • Servlet 4.0
  • その他の機能(オプション、ストリームAPI、日付と時刻の新しいAPIなど)

詳細は、Avitek Medical Recordsに関する項を参照してください。

新しいJava EE 8の例

次のJava EE 8機能を示すために、新しいコード例が追加されました。

  • CDI 2.0 - 非同期イベント、オブザーバ順序付けおよびInterceptionFactory。

  • JavaServer Faces 2.3 - WebSocketの直接サポート、クラス・レベルのBean検証、CDI互換の@ManagedPropertyアノテーション機能、および新しいJava EE 8の日付と時刻。

  • Java Persistence 2.2 - @AttributeConverterアノテーションのインジェクション、Java EE 8の日付と時刻のAPI、およびQueryTypedQueryの結果をストリームとして取得。

  • Java EE Security API 1.0 - バックエンド・データベースを指すようにDatabaseIdentityStoreを構成し、それをIdentityStoreとして使用。

  • JAX-RS 2.1 - 新しいサーバー送信イベント(SSE)およびReactive Client API。

  • JSON Binding 1.0 - Java API for JSON Binding (JSON-B)をJAX-RSとともに使用。

  • JSON Processing 1.1 - JSON Patch、JSON Merge PatchおよびJSON Pointerを使用したJSONドキュメントの更新。

  • Servlet 4.0 - サーブレット・マッピングAPI、HTTP/2サーバー・プッシュおよびHTTPトレーラ・ヘッダー。

詳細は、Java EE 8の例に関する項を参照してください。

JDK 11の動作要件

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)では、JDK 8に加えて、JDK 11の使用が認定されています。サポートされたOracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)クライアントでは、JDK 11.0.6の使用が認定されています。WebLogic Serverインストール・プログラムを実行するには、認定されたJDKが必要です。

次のトピックを参照してください。

WebLogic Serverスリム・インストーラ

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、汎用インストーラおよびFusion Middleware Infrastructureインストーラに加えて、スリム・インストーラを使用してOracle WebLogic ServerおよびCoherenceをインストールして構成できます。

スリム・インストーラにはサンプルや、WebLogic Server管理コンソール、WebLogicクライアント、Mavenプラグイン、Java DBが含まれていないため、イメージ・サイズが小さくなります。

このWebLogic Serverインストーラは、オンプレミス(物理サーバーおよび仮想マシン)やコンテナなどの任意のインフラストラクチャで、開発、テスト、本番用に使用できます。生成されるWebLogic Server DockerまたはCRI-Oイメージが小さいため、このインストーラは特にコンテナに適しています。

スリム・インストーラのファイル名は、fmw_14.1.1.0.0_wls_lite_quick_slim_generic.jarです。

『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』Oracle WebLogic ServerとCoherenceのディストリビューションの入手に関する項を参照してください。

Oracle GraalVM Enterprise Editionの動作保証

Oracle WebLogic ServerおよびCoherence 14.1.1.0.0は、Oracle GraalVM Enterprise Editionでの動作が保証されています。

Oracle GraalVM Enterprise Editionは、Oracleのエンタープライズ・クラスJava SEに基づいて構築された高パフォーマンスのランタイム・プラットフォームです。その最適化コンパイラは、コンパイル済コード、アグレッシブなメソッドのインライン化、エスケープ分析、拡張ベクトル化などを再調整することによって、WebLogicアプリケーションをスピードアップします。内部テストによると、パフォーマンスが5-10%まで向上します。

詳細は、『GraalVM Enterprise EditionでのOracle WebLogic ServerおよびCoherenceの実行』を参照してください。

実行時の改善点

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)は、WebLogic Serverの以前のバージョンからのサポートに基づき、クラスタ環境、Oracleデータベースの機能およびマルチ・データ・センター・アーキテクチャの使用時に、WebLogic Serverアプリケーションの信頼性、可用性、スケーラビリティおよびパフォーマンスを向上させます。

これらの改善点については、次のトピックで説明します。

セキュリティ

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)で提供される新しいセキュリティ機能について、次の各項で説明します。

デフォルトの最小TLSプロトコル・バージョン

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、構成されるトランスポート層セキュリティ(TLS)プロトコルのデフォルトの最小バージョンは、バージョン1.2です。本番環境ではTLS v1.2以降を使用することをお薦めします。TLSのバージョンが1.2未満に設定されている場合、WebLogic Serverによって警告がログに記録されます。

ノート:

  • WebLogic Serverは、JDK 11、およびJDK 8 Update 261 (JDK 8u261)以降でTLS v1.3をサポートしています。それ以前のJDKバージョンを実行している場合は、TLS v1.3を使用できないことがあります。

  • TLS v1.0およびv1.1のサポートは非推奨です。TLS v1.0およびv1.1を使用しないことを強くお薦めします。また、基礎となるJSSEプロバイダによる特定のJDK更新で、これらのバージョンがデフォルトで無効になっている可能性があります。

  • WebLogic Server Webサーバー・プラグインは、現在、WebサーバーとWebLogic Serverバックエンドの間のTLS v1.2通信をサポートしています。ロード・バランサ経由でWebLogic ServerバックエンドへのTLS v1.3サポートを有効にするには、ハードウェア・ロード・バランサやNGINXのようなソフトウェア・ロード・バランサなど、ロード・バランサの代替を評価する必要があります。

  • FIPSサポートが有効になっている場合、RSAライブラリはTLS v1.2をサポートします。

『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』SSL/TLSプロトコル・バージョンの指定に関する項を参照してください。

デフォルトのWebLogic Serverホスト名検証

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)では、デフォルトのホスト名検証が、BEAホスト名検証からワイルドカード・ホスト名検証に変更されました。

『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』ワイルドカード・ホスト名検証の使用に関する項を参照してください。

アイデンティティ・アサーション・キャッシュ・サービスの新しいRealmMBean属性

アイデンティティ・アサーション・プロバイダが使用するキャッシュ・サービスのパフォーマンスを向上させるために、次の新しい構成属性がRealmMBeanに追加されました。

  • IdentityAssertionCacheEnabled
  • IdentityAssertionCacheTTL
  • IdentityAssertionDoNotCacheContextElements

『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』サーバー・キャッシュでのアイデンティティ・アサーションのパフォーマンスの構成に関する項を参照してください。

JDK 11でのPKCS12のデフォルトのキーストア・タイプ

PKCS12は、暗号キーを格納するための、拡張性のある標準的な幅広くサポートされている形式です。JDK 11では、JDKのデフォルトのキーストア・タイプがJKSからPKCS12に変更されました。

JDKのデフォルトのキーストア・タイプは、JDKインストールのjava.securityファイルのkeystore.typeプロパティで定義されているデフォルトによって決まります。JDK 8では、デフォルトはJKSです。JDK 11では、デフォルトはPKCS12です。ただし、必要なキーストアのタイプは明示的に指定できます。既存のキーストアは変更されません。

キーストアを使用するほとんどのWebLogic Serverの機能では、コマンドライン・オプションまたは構成設定を使用してキーストア・タイプを指定できます。WebLogic Server構成でキーストア・タイプを明示的に設定しておらず、JDKのデフォルトに依存している場合は、JDK 11にアップグレードするときに、JDKのデフォルトのキーストア・タイプの更新が必要になる場合があります。この場合、JKSをキーストア・タイプとして引き続き使用するには、java.securityファイルのstoretypeプロパティをJKSに設定します。PKCS12を使用する場合は、keytoolユーティリティの-importkeystoreオプションを使用してJKSキーストアを変換できます。keytoolユーティリティのヘルプ(https://docs.oracle.com/en/java/javase/11/tools/keytool.html)を参照してください。

さらに、一部の機能はJKSをデフォルトとして引き続き使用します。詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』JDK 11を使用したWebLogic ServerでのPKCS12キーストアの使用に関する項を参照してください。

PKCS12信頼キーストアの新しいSSLシステム・パスフレーズ・プロパティ

-Dweblogic.security.SSL.trustedCAkeystoreコマンドライン引数を使用して信頼キーストアを指定し、キーストア・タイプがPKCS12の場合は、パスワードが必要です。-Dweblogic.security.SSL.trustedCAkeystorePassPhraseシステム・プロパティを使用してパスワードを指定できます。JKSキーストアにはパスワードは不要です。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』SSLに関する項を参照してください。

JDKのデフォルトのキーストア・タイプを使用するImportPrivateKeyユーティリティ

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0以降では、ImportPrivateKeyユーティリティのstoretype引数のデフォルト値は、JDKのデフォルトのキーストア・タイプによって決まります。

JDKのデフォルトのキーストア・タイプは、java.securityファイルのkeystore.typeプロパティで定義されます。JDK 8の場合、デフォルトはJKSです。JDK 11の場合、デフォルトはPKCS12です。デフォルトは、storetypeプロパティを指定することで変更できます。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』ImportPrivateKeyに関する項を参照してください。

デフォルトでSAN拡張が含まれているデモ証明書

WebLogic Server 14.1.1.0.0での拡張の結果、CertGenユーティリティによってデフォルトで生成されるデモ証明書には、サブジェクト代替名(SAN)拡張値に完全修飾DNS名、および共通名(CN)の値としてホスト名が含まれています。ただし、コマンドラインで-nosandnshostオプションを使用して、SAN拡張なしで証明書を作成し、完全修飾DNS名を無効にすることができます。必要に応じて、-a DNS:<hostname>,IP:<ip address>オプションを使用して、SAN拡張値に追加のホスト名またはIPアドレス、あるいはその両方を指定できます。

『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』CertGenを使用したデモ証明書の作成に関する項を参照してください。

非推奨のTLS暗号スイート

Oracleのセキュリティ・ガイドラインに従って、TLS_RSA_の接頭辞が付いているか _CBC_を含むTLS暗号スイートは、非推奨であり、デフォルトで無効になっています。これらの無効化された暗号スイートは脆弱で、システムのセキュリティを十分に確保できません。ただし、環境に必要な場合は、これらのTLS暗号スイートを有効にできます。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』非推奨の暗号スイートに関する項を参照してください。

RESTful Webサービス

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)には、RESTful Webサービス用の、次の新規および変更された機能が含まれます。

  • WebLogic Server REST APIのCross-Origin Resource Sharing (CORS)のサポート。RESTful管理サービスAPIには、CORSコントロール専用に使用される新しいヘッダーが含まれています。『RESTful管理サービスによるOracle WebLogic Serverの管理』WebLogic Server REST APIのCross-Origin Resource Sharingに関する項を参照してください。

  • Java EE 8のサポートが追加されました。
  • WebLogic Serverマルチテナント機能およびリソース消費管理のサポートが削除されました。

自動データベース・リース表の作成

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)には、WebLogicクラスタ・データベース・リース表を自動的に作成するオプションが用意されています。データベース・リースに関連するクラスタ構成オプションについては、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』高可用性データベース・リースに関する項を参照してください。

JTA通信用のネットワーク・チャネル

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)には、JTA通信用のカスタム・ネットワーク・チャネルを構成するオプションが用意されています。ネットワーク・チャネルは、JTAインターサーバー通信に使用されます。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』JTA通信用のネットワーク・チャネルの構成に関する項を参照してください。

エディションベースの再定義を使用したアプリケーションの更新

エディション・ベースの再定義(EBR)を使用すると、アプリケーションの使用中にそのデータベース・コンポーネントを更新できるため、アプリケーションの停止時間を最小化あるいは排除することができます。

EBRを使用すると、同期ローリング更新により、構成データを新しいソフトウェア・バージョンと同時に更新できるため、構成とサーバー上のソフトウェア・バージョンが完全に同期されます。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』「エディションベースの再定義(EBR)を使用した本番環境でのアプリケーションの更新」を参照してください。

管理性の向上

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)では、WebLogic Serverのドメインおよびアプリケーションの構成、監視および実行中の管理を簡素化する新しい管理機能を引き続き提供しています。

これらの機能については次の項で説明します。

DockerでのOracle WebLogic Serverの実行

DockerはLinuxベースのコンテナ・テクノロジで、これを使用すると、開発環境または本番環境のどちらでも、軽量化されたクラスタ化および非クラスタ化のWebLogic Serverドメイン構成を単一または複数のホストOSまたは仮想マシン上にすばやく作成できます。Oracle WebLogic ServerのイメージをビルドするためのDockerファイルとサポート・スクリプトが用意されています。これらのイメージは、既存のOracle LinuxおよびServer JREイメージの拡張としてビルドされます。これらのスクリプトおよびDockerファイルは、GitHubのhttps://github.com/oracle/docker-images/tree/master/OracleWebLogicにあります。

DockerとWebLogic Serverの使用と、Dockerイメージの構築に認証された、Oracle WebLogic Server、JDK、LinuxおよびDockerバージョンの組合せの詳細は、Oracle Fusion Middlewareでサポートされている仮想化およびパーティション化技術に関する項を参照してください。

WebLogic Deploy Tooling

Oracle WebLogic Deploy Tooling (WDT)は、WebLogic Serverドメインのプロビジョニングおよびアプリケーションのデプロイメントの自動化を簡略化します。

WDTは、アプリケーションで使用されるドメイン、アプリケーションおよびリソースを記述する宣言的なメタデータ・モデルを作成します。このメタデータ・モデルにより、ドメインのライフサイクル操作を繰返し可能な方法で簡単にプロビジョニング、デプロイおよび実行できます。WDTを使用して、オンプレミスのドメイン構成およびアプリケーションをDockerイメージまたはKubernetesの永続ボリュームに移行できます。完全なドキュメントおよびサンプルは、GitHubのオープン・ソースのWebLogic Deploy Toolingプロジェクトを参照してください。

WebLogic Image Tool

Oracle WebLogic Image Toolを使用すると、独自にカスタマイズしたイメージを含む、WebLogic Server Dockerイメージの作成、パッチ適用および更新を自動化できます。

WebLogic Image Toolを使用すると、次の操作を実行できます。

  • カスタマイズされたWebLogic ServerおよびFMW InfrastructureのDockerイメージを作成する。

  • WebLogic ServerまたはFMW Infrastructureのベース・インストール・イメージにパッチを適用する。

  • WebLogic Deploy Tool (WDT)モデルを使用して、WebLogic ServerまたはFMW Infrastructureのドメイン・イメージにパッチを適用してビルドする。

  • アプリケーションをデプロイし、ドメイン構成を更新する。

また、これらのユースケースを、DockerおよびKubernetesで稼働しているWebLogic Serverインフラストラクチャおよびアプリケーションにパッチを適用して更新する自動化プロセスに組み込むことができます。オープン・ソースのWebLogic Image Tool GitHubプロジェクト(https://github.com/oracle/weblogic-image-tool)を確認します。

WebLogic Server Kubernetes Operator

Oracle WebLogic Server Kubernetes Operatorは、複雑なアプリケーションのインスタンスを作成、構成および管理するためにKubernetesを拡張するアプリケーション固有のコントローラです。オペレータは、Kubernetesの標準的な演算子パターンに従って、WebLogicドメインおよびデプロイメントの管理と操作を単純化します。オペレータは、一般的なKubernetes APIセットを使用することにより、プロビジョニング、ライフサイクル管理、アプリケーションのバージョニング、製品のパッチ適用、スケーリングおよびセキュリティなどの操作を自動化する際のユーザー・エクスペリエンスを改善します。

オペレータは、Oracleで完全にサポートされているオープン・ソース・プロジェクトとして開発されています。Operatorを最も速く体験するには、クイック・スタート・ガイドに従います。または、ドキュメントを熟読し、ブログを読み、サンプルを試すこともできます。プロジェクトのスクリプト、追加のサンプルおよびソース・ファイルについては、Oracle WebLogic Server Kubernetes Operator GitHubリポジトリを参照してください。

WebLogic Monitoring Exporter

Oracle WebLogic Monitoring Exporterは、監視するWebLogic ServerインスタンスにデプロイできるWebアプリケーションです。

Exporterでは、WebLogic Server RESTful管理インタフェースを使用してランタイム状態およびメトリックにアクセスし、Prometheus互換メトリックをエクスポートします。これは、Grafanaのダッシュボードに表示して監視できます。実際の例については、WebLogic Serverからのメトリックのエクスポート、およびPrometheusとGrafanaを使用したKubernetes上のWebLogic Serverの監視に関するブログ投稿を参照してください。Oracle WebLogic Monitoring Exporterの詳細な説明は、GitHubのWebLogic Monitoring Exporterプロジェクトを参照してください。

WebLogic Logging Exporter

Oracle WebLogic Logging Exporterは、Elasticsearchを介してKibanaダッシュボードに表示されるWebLogic Serverのログ情報にアクセスするための、構成が簡単で、堅牢で、本番対応可能なソリューションを提供します。

オープン・ソースのWebLogic Logging ExporterプロジェクトのREADME (https://github.com/oracle/weblogic-logging-exporter)で、ビルドおよびインストールの手順を確認します。

Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインでのHTTP/2およびTLSv1.3プロトコルのサポート

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0プロキシ・プラグインは、Linux上のApache HTTP Serverで使用可能であり、HTTP/2およびTLSv1.3プロトコルをサポートしています。

The Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0プロキシ・プラグインには、サーバー・プッシュ機能、TLSv1.3暗号化スイートのサポート、RSASSA-PSS署名アルゴリズムで署名された証明書のサポート、セキュリティの改善といった新機能が含まれています。

『Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインの使用』「14.1.1.0.0プラグインの機能」を参照してください。

ドキュメント更新履歴

Oracle WebLogic Serverドキュメント・ライブラリの更新履歴は、バージョン14cの初期リリース(14.1.1.0.0)の、様々なユーザー・ガイド、リファレンス・ガイドおよびオンライン・ヘルプに行われた更新をまとめたものです。

次の表は、Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0ドキュメント・ライブラリに対して行われた更新をまとめたものです。

日付 更新の説明
2023年10月

2023年10月のパッチ・セット更新(PSU)で導入された変更について、次のドキュメントが更新されました:

  • 『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』に、新しいSAMLシングル・ログアウト拡張機能について説明する新しいトピック「SAMLシングル・ログアウトの構成」を追加しました。
  • 『WebLogic Scripting Toolの理解』に、WLSTオフラインを使用してSAMLシングル・サインオンを構成するプロセスについて説明する新しいトピック「SAMLシングル・サインオンの構成」を追加しました。
2023年7月

新しいガイド『HelidonとOracle WebLogic Serverの統合』が追加されました。

2022年10月

新しいガイド『Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインの使用』を追加しました。

2022年4月

『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』に新しいトピックデシリアライズのタイムアウト間隔の設定に関する項を追加しました。

2021年11月

『Oracle WebLogic ServerメッセージドリブンBeanの開発』非永続MDBでのローカルRDTの使用についての警告に関する新しいトピックが追加されました。

2021年10月 『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』の次のトピックが更新されました
  • 2021年10月パッチ・セット更新(PSU) - JEP 290フィルタリングの許可リストの使用に関する項が更新され、WebLogic Server管理コンソールで許可リストの使用がサポートされるようになりました。
  • RDBMSセキュリティ・ストアの構成に関する項のトピックが更新され、ドメインの作成手順およびWLSTオフラインの使用手順が明確になり、RDBMSセキュリティ・ストアが作成されました。

『Oracle WebLogic Server本番環境の保護』の次のトピックが更新されました

  • 2021年10月のパッチ・セット更新(PSU) - 潜在的なセキュリティ問題の確認に関する項が更新され、WebLogic Server管理コンソールのセキュリティ警告に関するより詳細な解決情報にアクセスする方法の詳細が記述されました。
2021年7月 2021年7月のパッチ・セット更新(PSU)で導入された変更について、次のドキュメントが更新されました:
2021年4月 2021年4月のパッチ・セット更新(PSU)で導入された変更について、次のドキュメントが更新されました。
2021年3月 次のトピックが更新されて、JDK 8でのTLS v1.3のサポートが追加され、TLS v1.0およびv1.1のサポートが非推奨になりました:
2020年12月
  • HTTP Strict Transport Security (HSTS)をサポートするために次のトピックが追加されました:
  • トピック「HTTPプロキシ・サーブレット・パラメータ」『Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインの使用』から『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』に再配置されました。
  • 次のトピックが『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』から削除されました。
    • 8.1のWebLogic WebサービスのWebLogic JAX-WSスタックへのアップグレード
    • 評価版データベースを使用するドメインのアップグレード
  • 10.3.6より前のバージョンからのWebLogic Serverのアップグレードのための互換性の考慮事項に関する次のトピックを『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』から削除しました。
    • SSLMBeanへの変更
    • 新しいWebサービス機能
    • JSSEの導入
    • セキュリティ・ポリシー・デプロイメントのパフォーマンス向上
    • ActiveCache
    • クラス・キャッシュ
    • 非推奨となったJDBCドライバ
    • weblogic.jms.extension APIの変更
    • 永続ストアの更新
    • Oracle Internet Directory認証プロバイダとOracle Virtual Directory認証プロバイダ
    • CapacityIncrement属性
    • Middlewareホーム・ディレクトリ
    • リソース登録名
    • サーブレット・パス・マッピング
    • PointBaseからDerbyに変更された評価版データベース
2020年9月
2020年7月 『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』に新しいJTA通信用のネットワーク・チャネルの構成に関する項を追加しました。
2020年6月

WebLogic Server 14.1.1.0.0でJythonバージョンのアップグレードをサポートするために、次のトピックを追加しました:

2020年5月

『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』に新しくデフォルト・ユーザーに関する項が追加されました。

2020年4月

新しいガイド『GraalVM Enterprise EditionでのOracle WebLogic ServerおよびCoherenceの実行』が追加されました。

2020年3月

初期リリース。ライブラリの変更点は次のとおりです。

  • 「WebLogic Serverマルチテナント機能およびリソース消費管理」で説明されているように、WebLogic Serverマルチテナント機能が削除されたため、WebLogic Server 14.1.1.0.0ドキュメントから次が削除されました。
    • 『Oracle WebLogic Server Multitenantの使用』はライブラリから削除されました。
    • リソース・グループおよびテンプレートへのアプリケーションのデプロイに関する項は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』から削除されました。
    • マルチテナントのチューニングの推奨事項に関する項は、『Oracle WebLogic Serverのパフォーマンスのチューニング』から削除されました。
    • パーティション固有のREST APIの例に関する項は、『RESTful管理サービスによるOracle WebLogic Serverの管理』から削除されました。
    • プロキシ・データ・ソースの使用に関する項は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』から削除されました。
  • WebLogic Server 14.1.1.0.0より前は、管理対象サーバーのJMX通知はデフォルトで有効になっていました。WebLogic Server 14.1.1.0.0以降、管理対象サーバーのJMX通知はデフォルトで無効になるよう変更されています。『Oracle WebLogic Server JMXによるカスタム管理ユーティリティの開発』ベスト・プラクティス: WebLogic Serverイベントのリスニングに関する項を参照してください。

  • SAML資格証明マッピング・プロバイダ・バージョン1およびSAMLアイデンティティ・アサーション・プロバイダ・バージョン1は、WebLogic Server 9.1で非推奨になりました。次の関連トピックは、WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプから削除されました。
    • SAML資格証明マッピング・プロバイダV1: 共通
    • SAML資格証明マッピング・プロバイダV1: プロバイダ固有
    • SAMLアイデンティティ・アサーション・プロバイダV1: 共通
    • SAMLアイデンティティ・アサーション・プロバイダV1: プロバイダ固有
  • 「WebLogicフルおよびIIOPベースのクライアント」で説明されているように、WebLogicフル・クライアント、IIOPベースのクライアント、およびWebLogic JarBuilderツールが削除されたため、WebLogic Server 14.1.1.0.0ドキュメントの『Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発』から次の章が削除されました。
    • WebLogicフル・クライアントの開発に関する項
    • シン・クライアントの開発に関する項
    • WebLogic JMSシン・クライアントに関する項
    • Java SEクライアントの開発に関する項
    • WLS-IIOPクライアントの開発に関する項
    • "WebLogic JarBuilderツールの使用に関する項
  • ガイド『Oracle WebLogic Serverのための継続的可用性』は、新しいガイドOracle WebLogic ServerおよびCoherence高可用性およびディザスタ・リカバリ・ガイドに置き換えられました。このガイドでは、Oracle WebLogic ServerおよびCoherence 14cで提供される高可用性および障害回復機能について説明し、これらの機能をOracle Databaseと連携して使用して、サポートされている3つのWebLogic ServerおよびCoherence MAAアーキテクチャの高可用性および障害回復を提供する方法について説明します。

  • 『Oracle WebLogic Server JMSアプリケーションの開発』に、トピッククロスドメイン・セキュリティの理解に関する項が追加されました。クロスドメイン・セキュリティ構成を使用して、WebLogic Serverはクロスドメイン・ユーザーのセキュリティ・ロールを確立します。

  • WebLogic jCOMが削除されたため、『Oracle WebLogic Server JCOMアプリケーションの開発』はWebLogic Server 14.1.1.0.0ドキュメント・ライブラリから削除されました。

  • アクティブ・アクティブXAトランザクション・リカバリ(自動クロスサイトXAトランザクション・リカバリ)は、『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』から削除されました。

標準のサポート、サポートされる構成、およびWebLogic Serverの互換性

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)は、Java EE 8フル・プラットフォーム・サポート、Java SE 11動作保証、Webサービス標準のサポート、複数オペレーティング・システムとJVMプラットフォームのサポート、いくつかのセキュリティ標準のサポートを提供します。

次の項では、WebLogic Server標準のサポート、サポート対象のシステム構成、WebLogic Serverの互換性、AIXおよびzLinux用のJava SE 11でのWebLogic Serverインストールのサポート、およびARMベースのOracle Cloud Infrastructure Ampere A1 (ARM OCI) ComputeインスタンスでのWebLogic Serverインストールのサポートについて説明します:

標準のサポート

WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)では、次の標準とバージョンをサポートしています。

Java標準

表2-1に、現在サポートされているJava標準を示します。

ノート:

JAAS、JASPIC、JACC、JCE、Java EE Security APIなどの現在サポートされているセキュリティ標準の詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』WebLogic Serverのセキュリティ標準に関する項を参照してください。

表2-1 Java標準のサポート

標準 バージョン

Java API for JSON Binding

1.0

Java EE Security API (JSR 375)

1.0

バッチ・アプリケーション処理(JSR 352)

1.0

Contexts and Dependency Injection for Java EE

2.0, 1.1

Dependency Injection for Java EE

1.0

同時管理対象オブジェクト(JSR 236)

1.0

Expression Language (EL)

3.0, 2.2, 2.1, 2.0

JSP 2.0以上のみExpression Language 2.x.をサポート

Java API for JSON Processing

1.1, 1.0

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS)

2.3, 2.2, 2.1, 2.0

Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)

2.1, 2.0

Java API for WebSocket

1.1

JavaBeans Activation Framework

1.1

Java EE

8.0

Java EE Application Deployment

1.2

Java EE Bean Validation

2.0, 1.1

Java EE Common Annotations

1.3, 1.2

Java EEコネクタ・アーキテクチャ

1.7

Java EE EJB

3.2, 3.1, 3.0, 2.1, 2.0,および1.1

Java EE Enterprise Web Services

1.3, 1.2, 1.1

Java EEインターセプタ

1.2

Java EE JDBC

4.3

Java EE JMS

2.0, 1.1, 1.0.2b

Java EE JNDI

1.2

Java EE JSF

2.3, 2.2, 2.1.*, 2.0, 1.2, 1.1

Java EE JSP

2.3, 2.2, 2.1, 2.0, 1.2,および1.1

JSP 1.2および1.1にはExpression Language (EL)が含まれますが、EL 2.x以上はサポートされません。

Java EEマネージドBean

1.0

Java EE Servlet

4.0, 3.1, 3.0, 2.5, 2.4, 2.3,および2.2

Java RMI

1.0

JavaMail

1.6, 1.5

Java Transaction API

1.2

JAX-B

2.3, 2.2, 2.1, 2.0

JAX-P

1.3, 1.2, 1.1

JAX-R

1.0

JAX-RPC

1.1

JDK

11.0および8.0

詳細は、「JDK 11の動作要件」を参照してください。

JMX

1.4

JPA

2.2, 2.1, 2.0., 1.0

JSR 77: Java EE Management

1.1

JSTL

1.2

マネージドBean

1.0

OTS/JTA

OTS 1.2およびJTA 1.2

RMI/IIOP

1.0

SOAP Attachments for Java (SAAJ)

1.3, 1.2

Streaming API for XML (StAX)

1.0

Web Services Metadata for the Java Platform

2.1, 2.0, 1.1

Webサービスの標準

WebLogic Webサービスで現在サポートされている標準のリストは、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』WebLogic Webサービスでサポートされる機能および標準に関する項を参照してください。

その他の標準

表2-2にWebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)でサポートされるその他の標準を示します。

ノート:

SSL、TLSおよびXACMLなどのセキュリティに関連する標準の詳細は、Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理WebLogic Serverのセキュリティ標準に関する項を参照してください。

表2-2 その他の標準

標準 バージョン

X.509

v3

LDAP

v3

TLS

v1.1、v1.2

HTTP

2.0, 1.1

SNMP

SNMPv1、SNMPv2、SNMPv3

xTensible Access Control Markup Language (XACML)

2.0

Partial implementation of Core and Hierarchical Role Based Access Control (RABC) Profile of XACML

2.0

Internet Protocol (IP)

バージョン:

  • v6

  • v4

Jythonバージョン

WLSTはJythonをサポートしています。Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、Jythonバージョンはバージョン2.2.1から最新バージョン2.7.1にアップグレードされました。関連項目:

  • Jythonバージョンのアップグレードの詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』Jythonのアップグレード・バージョンに関する項を参照してください。

  • Jythonバージョンのアップグレードが原因で発生した問題およびその回避策は、『Oracle WebLogic Serverリリース・ノート』Jythonバージョン2.7の動作の変更に関する項を参照してください。

サポートされる構成

サポート対象の構成に関する最新情報は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

ライセンス情報

最新のOracle Fusion Middlewareライセンス情報は、『ライセンス情報ユーザー・マニュアル』を参照してください。

WebLogic Serverの互換性

WebLogic Serverの現行バージョンと以前のリリースとの間の互換性に関する最新情報は、『Oracle WebLogic Serverの理解』WebLogic Serverの互換性に関する項を参照してください。

データベースの相互運用性

動作保証マトリックスおよびMy Oracle Support動作保証では、データベース・サポートのタイプを区別するために次の用語を定義します:

アプリケーション・データ・アクセス

アプリケーション・データ・アクセスは、データ・アクセスのためだけにデータベースを使用し、データベース依存のWebLogic Server機能を使用しないアプリケーションを指します。アプリケーション・データ・アクセスにだけ使用されるデータベースのWebLogic Serverサポートは、データベース依存機能よりも制限が緩和されています。

WebLogic Serverは、次の要件を満たすJDBCドライバを使用して、データベースへのアプリケーション・データ・アクセスのサポートを提供します。

  • ドライバはスレッド・セーフであることが必要です。

  • トランザクションをサポートする環境でドライバを使用する場合は、標準のJDBCトランザクション・コール(setAutoCommit()およびsetTransactionIsolation()など)を実装する必要があります。

以下の制限に注意してください。

  • シリアライズ可能なインタフェースまたはリモート・インタフェースを実装しない場合、JDBCドライバはRMIクライアント・アプリケーションにオブジェクトを渡すことができません。

  • 自動データベース接続フェイルオーバーおよびロード・バランシングと、高可用性(HA) DBMSアーキテクチャを備えたグローバル・トランザクション(XA)の同時使用は、Oracle DB RACでのみ、およびシステム・ワークシートに示されたOracle DB RACバージョンに対してのみサポートされます。これらのHA機能は、RAC対応Active GridLinkおよびRACでのマルチ・データ・ソースでのみサポートされます。これらのHA機能はその他のOracle DB RACバージョンや非Oracle DB製品でのその他のHA DBMS技術ではサポートされません。マルチ・データ・ソースはその他のOracle DBバージョンや非Oracle DB技術でもサポートされますが、自動フェイルオーバーおよびロード・バランシングならびにグローバル・トランザクションの同時使用ではサポートされません。

  • 動作保証マトリックスに記載されているものに加えて、上述の制限を満たすデータベースへのアプリケーション・データ・アクセスは、その他のOracle DBバージョンでサポートされます。

  • WebLogicタイプ4 JDBCドライバでは、次のデータベースもサポートされます。これらのデータベースに対し、WebLogic Serverではアプリケーション・データ・アクセスのみがサポートされ、WebLogic Serverデータベース依存機能はサポートされません。

    • z/OS上のDB2 10.1

    • Informix 11.7+

データベース依存機能

WebLogic Serverの機能によってデータベースが内部データ記憶に使用される場合は、アプリケーション・データ・アクセスに使用される場合よりもデータベースのサポートが制限されます。次のWebLogic Serverの機能では、内部データ記憶が必要です。

  • コンテナ管理の永続性(CMP)

  • 行セット

  • JMS/JDBC永続性、およびWebLogic JDBCストアの使用

  • JDBCセッション永続性

  • RDBMSセキュリティ・プロバイダ

  • (シングルトン・サービスおよびサーバーの移行用)データベース・リース

  • JTAロギング・ラスト・リソース最適化

  • JDBC TLog

AIXおよびzLinux用のJava SE 11でのWebLogic Serverインストールのサポート

WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)は、Java SE 8およびJava SE 11上のAIXおよびzLinuxシステムでサポートされています。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成に関するページを参照してください。

標準のWebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)汎用インストーラを使用して、Java SE 8上のAIXおよびzLinuxシステムにWebLogic Serverをインストールできます。Java SE 11上のAIXおよびzLinuxシステムにWebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)をインストールするには、特定のWebLogic Serverインストーラおよび次のパッチが必要です:
  • 2022年1月のPSU

  • パッチ33466518

開発用には、Oracle Fusion Middlewareソフトウェア・ダウンロード・ページ(https://www.oracle.com/middleware/technologies/weblogic-server-downloads.html)からfmw_14.1.1.0.0_wls_lite_generic_AIX_zLinux_JDK11.jarファイルをダウンロードしてインストールできます。

本番用には、Oracle Software Delivery Cloud (OSDC) (https://edelivery.oracle.com/osdc/faces/Home.jspx)から同じインストーラをダウンロードできます。

標準のWebLogic Serverのインストール手順の詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。

ARMベースのOracle Cloud Infrastructure Ampere A1 (ARM OCI) ComputeインスタンスでのWebLogic Serverインストールのサポート

WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)は、ARM OCI Computeインスタンスでサポートされています。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成に関するページを参照してください。

ARM OCI ComputeインスタンスにWebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)をインストールするには、特定のWebLogic Serverインストーラが必要です。

開発用には、Oracle Fusion Middlewareソフトウェア・ダウンロード・ページ(https://www.oracle.com/middleware/technologies/weblogic-server-downloads.html)からfmw_14.1.1.0.0_wls_lite_generic_ARM_OCI.jarまたは fmw_14.1.1.0.0_wls_lite_quick_slim_generic_ARM_OCI.jarファイルをダウンロードしてインストールできます。

本番用には、Oracle Software Delivery Cloud (OSDC) (https://edelivery.oracle.com/osdc/faces/Home.jspx)から同じインストーラをダウンロードできます。

標準のWebLogic Serverのインストール手順の詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。

WebLogic ServerとHelidonの統合

Oracle WebLogic ServerとHelidonマイクロサービス・フレームワークの統合機能は、WebLogicホスト・アプリケーションが様々なプロトコルでHelidonベースのマイクロサービスとの通信および相互運用を行えるようすることで、マイクロサービスを使用したアプリケーションの最新化を簡素化します。

この統合により、WebLogicベースのコンポーネントとHelidonベースのコンポーネントが次の方法で通信および相互運用を行えます:

  • WebLogic ServerとHelidonの間の双方向RESTコール。
  • WebLogicをJMSプロバイダとして使用した、HelidonによるJMSメッセージの消費および生成。
  • HelidonからWebLogic Server WebサービスへのSOAP Webサービス・コール。
  • Oracle Identity Cloud Service (IDCS)を使用した、WebLogic ServerとHelidonの間のシングル・サインオン(SSO)。
  • Oracle MicroTx Freeを使用した、WebLogic ServerとHelidon間の分散XAトランザクション調整。

この統合の詳細は、『HelidonとOracle WebLogic Serverの統合』を参照してください。

非推奨になった機能(Oracle WebLogic Server 14c 14.1.1.0.0)

いくつかの機能とコンポーネントがWebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)で非推奨になりました。

WebLogic認可プロバイダおよびWebLogicロール・マッピング・プロバイダ

WebLogic認可プロバイダ(DefaultAuthorizerと呼ばれる)、およびWebLogicロール・マッピング・プロバイダ(DefaultRoleMapperと呼ばれる)は、このリリースで非推奨になりました。WebLogic Server 9.1以降、XACML認可プロバイダとXACMLロール・マッピング・プロバイダがデフォルトのプロバイダになっています。詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』認可プロバイダおよびロール・マッピング・プロバイダの構成に関する項を参照してください。

WebLogic HTTPプロキシ・サーブレット

WebLogic HttpProxyServletは非推奨になりました。

Oracleでは、HTTPロード・バランシング機能などの外部ロード・バランサを使用することをお薦めします。Oracle HTTP Server、Apache Web Server、ハードウェア・ロード・バランサ、OCIロード・バランサ、Kubernetesで実行する際のネイティブKubernetesロード・バランサを使用するオプションがあります。

ServletServlet

ServletServletは非推奨になりました。

WebLogic JMSの再接続

WebLogic JMS自動再接続機能は非推奨になりました。JMS接続ファクトリ構成、javax.jms.extension.WLConnection APIおよびこの機能用のjavax.jms.extension.JMSContext APIは、将来のリリースでは削除または無視される予定です。『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』クライアント・レジリエンシのベスト・プラクティスに関する項に記載されているように、クライアント・アプリケーションが接続の例外を処理することをお薦めします。

削除された機能とコンポーネント

WebLogic Serverの以前のバージョンで非推奨になったいくつかのコンポーネントは、Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)より削除されました。

OPatchAuto

OPatchAutoFMWは、Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)で削除されました。ダウンタイムなしのパッチ適用は引き続きサポートされます。ダウンタイムなしのパッチ適用のドキュメントを参照してください。

WebLogic Serverマルチテナント機能およびリソース消費管理

WebLogic Server Multitenantドメイン・パーティション、リソース・グループ、リソース・グループ・テンプレート、仮想ターゲット、リソース・オーバーライド構成MBeans、リソース消費管理およびプロキシ・データ・ソースは、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

WebLogic Server Multitenantドメイン・パーティションを使用すると、実行中のアプリケーション・インスタンスおよび関連リソース専用のWebLogicドメインの一部を構成できました。Oracleでは、ドメイン・パーティションを特定のアプリケーションおよびリソース専用のコンテナとして使用した場合、代替コンテナベースのアーキテクチャ(Kubernetesクラスタで実行されるDockerコンテナでのWebLogicアプリケーションおよびサービスのデプロイメントなど)の使用を検討することをお薦めします。詳細は、「DockerでのOracle WebLogic Serverの実行」および「WebLogic Server Kubernetesオペレータ」を参照してください。

EJBGen

Enterprise JavaBeans 2.xコード・ジェネレータ・ユーティリティであるEJBGenは、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

WebLogicフルおよびIIOPベースのクライアント

次のWebLogicクライアントは、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

  • WebLogicフル・クライアント(wlfullclient.jar)およびそれに関連付けられたWebLogic JarBuilderツール(wljarbuilder.jar)。

  • wlclient.jarを含むIIOPベースのシン・クライアント、およびそれに依存する次のクライアント。

    • JMSクライアントwljmsclient.jar

    • JMS SAFクライアントwlsafclient.jar

    • JMXクライアントwljmxclient.jar

  • IIOPベースのJava SE JDKクライアント(クラスパスにWebLogic JARなしでIIOPを使用するJavaクライアント)。

wlfullclient.jarwlclient.jarまたはJava SEクライアント(WebLogic JARなし) IIOP機能のかわりに、シンT3クライアント(T3プロトコルを使用したwlthint3client.jar)またはインストール・クライアント(T3またはIIOPプロトコルを使用したweblogic.jar)を使用することをお薦めします。『Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発』クライアントおよび機能に関する項を参照してください。

WebLogic JMSリソース・アダプタ

WebLogic JMSリソース・アダプタは、Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0の時点で削除されました。

シンT3クライアントまたはメッセージ・ブリッジのいずれかを使用して、JMSを介して非WebLogicアプリケーション・サーバーで実行しているアプリケーションを統合することをお薦めします。次のトピックを参照してください。

ノート:

WebLogic JMSリソース・アダプタは、Oracle GlassFish Serverでのみサポートされたので、GlassFish Serverのユーザーのみが影響を受けます。

Oracle Traffic Director

Oracle Traffic Director (OTD)は、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

機能が同等の次のいずれかの使用をお薦めします: Oracle HTTP Server (HTTPベースのトラフィックのルーティングに適した選択肢)、Oracle Cloud Infrastructure (HTTPベースとTCPベース両方のトラフィックのルーティングに適した)、Microsoft IIS Web Server、Apache HTTP ServerプラグインまたはTraefik Kubernetes。

JTAセキュリティの相互運用モードの互換性設定

JTAセキュリティの相互運用モードの互換性設定は、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

JMS相互運用モジュール

JMS相互運用モジュールは、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。config.xmlinterop-jms.xmlという名前のモジュールがある場合は、標準のシステム・モジュールに変換してください。「JMSシステム・モジュールの構成」を参照してください

管理コンソール拡張

コンソール拡張は、WebLogic Server 14.1.1.0.0の時点で削除されました。

WebLogic jCOM

WebLogic jCOMは、WebLogic Server 14.1.1.0.0の時点で削除されました。

WebLogic jCOMは、JavaとCOMとの統合を必要とする中間ソリューションのための移行手段として提供されました。Oracleでは、Microsoftアプリケーションとの推奨される通信方法としてWebサービスおよびRESTを想定しています。このタイプの通信を使用するには、レガシーCOMアプリケーションを.NETに移行することをお薦めします。

自動クロスサイトXAトランザクション・リカバリ

アクティブ・アクティブXAトランザクション・リカバリ(自動クロスサイトXAトランザクション・リカバリ)は、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。XAトランザクション・リカバリ・ソリューションの詳細は、「障害回復でのXAトランザクションのリカバリについて」を参照してください。

DDInitおよびddcreateユーティリティ

アプリケーションのデプロイメント記述子を生成するためのユーティリティであるDDInitおよびddcreateは、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。