A WebLogic Server 14.1.1.0.0の旧リリースとの互換性

Oracle WebLogic Server 10.3.x、12.1.xまたは12.2.1.xリリースからOracle WebLogic Server 14.1.1.0.0にアップグレードする前に検討する必要がある、互換性に関する重要な情報について学習します。さらに、アップグレードされた環境で実行するアプリケーションに影響を及ぼす可能性がある様々なOracle WebLogic Serverバージョンにおける機能の変更についても学習します。

関連項目:

  • Oracle WebLogic Serverの理解WebLogic Serverの互換性に関する項。この項では、WebLogic Serverの互換性の目標に関する一般情報、およびこのリリースのWebLogic Serverへの適用方法について説明します。

  • このリリースおよび以前のリリースの『Oracle WebLogic Serverの新機能』 14.1.1.0.0。これらのドキュメントでは、使用可能な新機能に関する情報、およびアプリケーションに影響を及ぼす可能性がある動作の変更について説明します。

互換性に関する検討事項は、次のように分類されます。ユーザーの状況に該当する項は、WebLogic Server 14.1.1.0.0にアップグレードする前のWebLogic Serverのバージョンによって異なります。現在のWebLogic Serverのバージョンに基づいて参照する必要がある項のリストは、compat.html#GUID-B63B1939-281E-4EDF-A40D-BCA824465F42__BABJDDJB を参照してください。

表A-1 各バージョンのWebLogic Serverからのアップグレードに適用される項

このバージョンのWebLogic Serverからアップグレードする場合 これらの項を参照

12.2.1.4.0

Java EE 8のサポート

JDK 8からJDK 11に移行する際の互換性の変更

アップグレードされたバージョンのJython

削除されたWebLogic Server Multitenantの機能およびリソース消費管理

削除されたWebLogicフルおよびIIOPベースのクライアント

WebLogic Server 14.1.1.0.0で削除されたコンポーネントおよび機能

12.2.1.3.0

上記のすべての項、および次の項:

WebLogic Serverクラスタのメッセージングについて

12.2.1.0.0

上記のすべての項、および次の項:

Apache Antのバージョンのアップグレード

WebLogic Server起動時のランタイム使用量の制限のオプションの削除

12.1.3

上記のすべての項、および次の項:

乱数ジェネレータ

デフォルトのCommonJ Work Managerの自動バインディングが削除されました

パラレル・デプロイメント

12.1.2

上記のすべての項、および次の項:

サーバー・ロギング・ブリッジ

Oracleデータベース・ドライバ

OracleでJavaNet FastPathの有効化

12.1.1

上記のすべての項、および次の項:

最大POSTサイズ

WLDFスキーマのアップグレード

jdbc-connection-timeout-secs要素の削除

ローカル・トランザクションのコミット

10.3.6

上記のすべての項、および次の項:

JVMの設定

ノード・マネージャのstartScriptEnabledのデフォルト値

Enterprise Java Beans (EJB)

WebLogic Server 8.1 Webサービス・スタックの削除

Universal Description and Discover (UDDI)レジストリの削除

Certicom SSLの実装の削除

Oracle Coherenceのバージョン

非推奨および廃止済Webアプリケーションの機能

データ・ソース・プロファイル・ロギング

ONSのデバッグ

DataDirectのOracleタイプ4 JDBCドライバ

デフォルトのメッセージング・モードの変更

Java EE 8のサポート

Oracle WebLogic Server 14c (14.1.1.0.0)は、Java Platform Enterprise Edition (Java EE)バージョン8.0の完全互換の実装です。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』Java EE 8サポートに関する項を参照してください。

JDK 8からJDK 11に移行する際の互換性の変更

JDK8からJDK11に移行すると、多くの上位互換性の変更があるため、アプリケーションの変更が必要になる場合があります。

アプリケーションに影響する可能性がある次の変更を確認します。

  • 非推奨のAPI、sun.misc.*sun.reflect.*java.awt.peer、Javadoc API、xerces、リソース消費管理(RCM)およびSockets Direct Protocol (SDP)は、Java SE 11で削除されます。場合によっては、この変更により、これらの機能に応じたコードの大幅な再設計が必要な場合があります。
  • JDK11と互換性のある新しいサード・パーティjarファイルの採用があります。これらの変更の一部は上位互換性がありません。
  • rt.jartools.jarおよびJava Runtime Environment (JRE)は、すでに存在しません。
  • Javaフライト・レコーダ(JFR) APIは、Java SE 11で完全に再書込みされます。
  • setAccessibleは、JDKクラスのプライベート・メソッドまたはフィールドの取得には使用できません。JDKクラスへの侵入を継続するjarファイルがいくつかあり、次の警告がスローされます。
    WARNING: An illegal reflective access operation has occurred

    この警告は無視できます。

  • Java SE 11には、クラスのバージョンと形式の変更があります。したがって、クラスの読取りおよび書込みを行うコードの変更が必要になる場合があります。
  • Java SE 11には、新しいJavaバージョン文字列スキームがあります。
  • Java SEランタイムにあった次のJava EEクラスは、Java SE 11で削除されました。
    • JAXB
    • JAX-WS/JWS/SOAP
    • JTA
    • Activation Framework
    • JSR 250共通アノテーション
    • CORBA

    これにより、新しいjarファイルがclasspathに追加されました。

  • Java SE 11の主なセキュリティ変更は、次のとおりです。
    • デフォルトのキーストア・タイプはPKCS12に変更されます。
    • セキュリティ・ファイルは、JAVA_HOME/jre/lib/security/java.securityからJAVA_HOME/conf/security/java.securityに移動されます。
    • JDK8のセキュリティ・ポリシー・ファイルは、新しいjrtファイル・システムをサポートしていません。したがって、JDK8やJDK8+に1つのファイルを使用することは困難です。
  • -Xbootclasspath/pcommercial-d64などのコマンドライン・オプション、メモリー・オプション、ガベージ・コレクション・オプション、推奨規格、拡張ディレクトリおよび-source/targetは致命的です。
  • すべてのWebLogic Server jarファイルは、JDK11モジュール・システムと共存することを目的としています。ただし、jarファイルは、moduleパスではなく、引き続きclasspathにあります。つまり、すべてのjarファイルは名前のないモジュールの一部になります。
  • アプリケーションとプラットフォームのクラス・ローダーは、java.net.URLClassLoaderクラスのインスタンスではなくなります。クラス・ローダーを拡張するためにこれに依存するコードは機能しなくなります。

JDK 11における重要な変更および移行プロセスの詳細は、『Oracle JDK移行ガイド』を参照してください。

アップグレードされたバージョンのJython

Oracle WebLogic ServerのWebLogic Scripting Tool (WLST)ではJythonが使用されています。Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、Jythonバージョンが2.2.1から2.7.1にアップグレードされています。WLSTユーザーは、このバージョンのJythonの拡張機能を利用できます。

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0にアップグレードした後、WLSTスクリプトを使用して14.1.1.0.0ドメインを作成する前に、『Oracle WebLogic Serverリリース・ノート』Jythonバージョン2.7での動作の変更に関する項の説明に従って、Jythonバージョンのアップグレードに起因する問題およびそれぞれの回避策を確認してください。

削除されたWebLogic Server Multitenantの機能およびリソース消費管理

WebLogic Server Multitenantドメイン・パーティション、リソース・グループ、リソース・グループ・テンプレート、仮想ターゲット、リソース・オーバーライド構成MBeansおよびリソース消費管理は、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

WebLogic Server 14cにアップグレードする前に、パーティション、サーバー・グループ、サーバー・グループ・テンプレート、仮想ターゲットおよびリソース消費管理を使用するドメインで、これらのエンティティを削除する必要があります。DockerおよびKubernetesコンテナの使用をお薦めします。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』WebLogic Server Multitenantの機能およびリソース消費管理に関する項を参照してください。

削除されたWebLogicフルおよびIIOPベースのクライアント

次のWebLogicクライアントは、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

  • WebLogicフル・クライアント(wlfullclient.jar)およびそれに関連付けられたWebLogic JarBuilderツール(wljarbuilder.jar)。
  • wlclient.jarを含むIIOPベースのシン・クライアント、およびそれに依存するクライアント。
  • IIOPベースのJava SE JDKクライアント(クラス・パスにWebLogic JARなしのIIOPを使用するJavaクライアント)。

削除されたクライアントの完全なリストと、使用可能な代替クライアントの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』WebLogicフルおよびIIOPベースのクライアントに関する項を参照してください。

WebLogic Server 14.1.1.0.0で削除されたコンポーネントおよび機能

次のコンポーネントおよび機能は、バージョン14.1.1.0.0の時点でWebLogic Serverから削除されました。

  • EJBGen (Enterprise JavaBeans 2.xのコード・ジェネレータ・ユーティリティ)

    EJB 3.0を使用する場合、EJBGenにより提供されたすべてのコード生成が不要になります。

  • WebLogic JMSリソース・アダプタ
  • Oracle Traffic Director (OTD)
  • JTAセキュリティの相互運用モードの互換性設定
  • JMS相互運用モジュール
  • 管理コンソール拡張

これらのコンポーネントおよび機能が削除されたため、WebLogic Server 14.1.1.0.0にアップグレードする前に、アプリケーション・コードまたは構成に必要な変更を加えることが必要な場合があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』削除された機能およびコンポーネントに関する項を参照してください。

WebLogic Serverクラスタのメッセージングについて

12.2.1.4.0では、WebLogic Serverクラスタのメッセージングが強化されました。クラスタ内のすべてのサーバーで同じインストール・バージョンのWebLogic Serverが実行されている場合は、何も変更する必要はありません。

12.2.1.3.0から12.2.1.4.0へのローリング・アップグレード、または12.2.1.4.0から12.2.1.3.0へのダウングレードを実行する場合、古いプロトコルを一時的に許可するために、新しい12.2.1.4.0サーバーを明示的に設定する必要があります。これを行うには、システム・プロパティweblogic.upgradeExpirationDateに有効期限を設定します。これにより、12.2.1.4.0サーバーのクラスタ上での通信は有効期限に達するまで許可されます。例:

-Dweblogic.upgradeExpirationDate=2020-01-05T08:47

異なるバージョンのクラスタが必要な場合、長期間通信を継続するには、値を将来のアップグレード日付に設定する必要があります。

ノート:

システム・プロパティ-Dweblogic.upgradeExpirationDateは、各管理対象サーバーのサーバー起動引数で使用する必要があり、startWebLogic.shまたはstartWebLogic.cmdスクリプトのJAVA_OPTIONS環境変数では使用できません。

Apache Antのバージョンのアップグレード

Oracle WebLogic Server 12.2.1.3.0にはApache Ant 1.9.8が含まれており、これはclientgen Antタスクの使用に影響を与える可能性があります。clientgen Antタスクは、クライアント・アプリケーションがWebLogic Webサービスと非WebLogic Webサービスの両方の呼出しに使用できるクライアント・コンポーネント・ファイルを既存のWSDLファイルから生成します。このAntタスクの<binding>子要素を使用するときは、次のことに注意してください。
  • <binding>要素を、同じ属性を使用する、標準のAnt FileSetデータ・タイプと同じ方法で使用します。

  • Apache Ant 1.9.8では、Ant FileSetデータ・タイプは、1つのファイルまたは1つのディレクトリのいずれかを指定できるように変更されています。そのため、<binding>要素を使用して複数のファイルまたはディレクトリを指定すると、clientgen Antタスクが失敗する場合があります。

<binding>子要素の指定についての詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービス・リファレンス』bindingに関する項を参照してください。

WebLogic Server起動時のランタイム使用量の制限のオプションの削除

WebLogic Serverインスタンスの起動時には、EJB、JMS、コネクタ、クラスタリング、デプロイメント、管理などすべてのサービスが起動します。WebLogic Serverには、WebLogicドメインで軽量化ランタイム・インスタンスを実行するのに使用できる起動オプションがあります。

この起動モードを使用すると、WebLogic Serverの起動時間が短くなり、ホスト・マシンのリソース範囲が小さくなります。軽量化ランタイム・インスタンスを起動するには、次のweblogic.Serverコマンド・オプションを指定します。

java weblogic.Server -DserverType= {"wlx" | "wls"}

Oracle WebLogic Serverバージョン12.2.1.0.0で、この起動オプションは削除されています。

乱数ジェネレータ

Oracle WebLogic Server 14.1.1.0.0では、以前のリリースにおいて使用されたものよりセキュアな乱数ジェネレータ・アルゴリズムを使用しています。この結果、低エントロピ・システム上で管理対象サーバー、構成ウィザード、ノード・マネージャおよびWebLogic Javaユーティリティ(utils.ImportPrivateKeyなど)の起動が遅くなることがあります。このため、システム・エントロピを増加する手段を講じてください。

UNIXシステムでは、rng-toolsを使用して、システム・エントロピを置換します。構成するには、/etc/sysconfig/rngdを編集して、次の行を追加します。

EXTRAOPTIONS="-i -r /dev/urandom -o /dev/random -b"

-t 60および-W 2048パラメータを使用することもできます。これらのパラメータは、60秒ごとに、プールのサイズが2048に達するまでエントロピ・プールにビットを追加します。

次のコマンドを使用して、手動でエントロピを生成します。

rngd -r /dev/urandom -o /dev/random -b

次のコマンドを使用して、現在のエントロピを確認します。

cat /proc/sys/kernel/random/entropy_avail

デフォルトのCommonJ Work Managerの自動バインディングが削除されました

Work Manager API (commonj.work)は、アプリケーションがコンテナ内で複数の作業項目を同時に実行できるようにするインタフェースのセットを提供します。デフォルトCommonJ Work Managerのjava:comp/env/wm/defaultへの自動バインディングは、Java EE 7プラットフォーム仕様に準拠しないためWebLogic Server 12.2.1で削除されました。

デフォルトCommonJ Work Managerを使用するアプリケーションがある場合、次のいずれかのようにします。

  • デプロイメント記述子で、wm/defaultのためのresource-refエントリを追加します。例:

    <resource-ref> 
          <res-ref-name>wm/default</res-ref-name> 
          <res-type>commonj.work.WorkManager</res-type> 
          <res-auth>Container</res-auth> 
    </resource-ref>
    
  • CommonJワーク・マネージャを、アプリケーション・コンポーネントにインジェクトします。例:

    @Resource commonj.work.WorkManager myWorkManager;

パラレル・デプロイメント

WebLogic Server 12.2.1では、アプリケーションおよびモジュールのパラレル・デプロイメントに対するサポートが追加されて、起動および実行後デプロイメント時間が改善されました。

WebLogic Server 12.2.1 (または以降)で作成されたまたはアップグレードされたWebLogicドメインのデフォルトは、次のとおりです。

  • アプリケーションのパラレル・デプロイメントが有効です。

  • ドメイン内のすべてのアプリケーション用モジュールのパラレル・デプロイメントは、無効です。

WebLogic Server 12.1.3以前のバージョンでは、アプリケーションは常にシリアルでデプロイされました。デフォルトのデプロイメント順序は、ドメイン構成で定義される自然順序です(つまり、config.xmlファイルで確立されます)。ただし、以前のWebLogic Serverリリースで、デプロイメント順序を明示的に制御するには、WebLogic Server管理コンソールを使用してAppDeploymentMBeanDeploymentOrder属性を設定するか、Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイアプリケーションおよびスタンドアロン・モジュールのデプロイメント順序の変更に関する項で説明するようにプログラム的に制御します。アプリケーション間に固有の依存性がある場合、この機能を旧リリースで使用することが重要です。

WebLogic Server 14.1.1.0.0で新しいドメインを作成する、または既存のドメインを14.1.1.0.0にアップグレードする場合、WebLogic Server 12.1.3デプロイメント順序動作をリストアするには、DomainMBeanの次の属性を無効にします。

  • ParallelDeployApplications: アプリケーションをパラレルにデプロイするかどうか決定します。(この属性はデフォルトで有効になっています。)

  • ParallelDeployApplicationModules: アプリケーションのモジュールをパラレルにデプロイするかどうか決定します。(この属性は、デフォルトでは無効になっています。)

ただし、前述の属性を無効化すると、パラレル・デプロイメントによるパフォーマンス向上の利点を効果的に使用できない可能性があります。WebLogic Server 14.1.1.0.0にアップグレードするドメイン内のパラレル・デプロイメントをすべて無効化するのではなく、アプリケーションまたはモジュールのデプロイメント順序付けがカスタム化されているかどうか、その場合、それが必要かどうかを確認することをお薦めします。

参照:

サーバー・ロギング・ブリッジ

サーバー・ロギング・ブリッジは、現在JavaロギングまたはLog4Jロギングを使用してログ・メッセージをWebLogicロギング・サービスにリダイレクトさせているアプリケーションに対して軽量のメカニズムを提供します。WebLogic Server 12.1.3では、サーバー・ロギング・ブリッジがjava.util.loggingロガー・ツリーのルート・ロガーに追加されました。従って、サーバー・ロギング・ブリッジを明示的に構成する必要がありません。

『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』サーバー・ロギング・ブリッジに関する項の説明に従ってweblogic.logging.ServerLoggingHandlerを構成した場合:

  • weblogic.logging.ServerLoggingHandlerがルート・ロガーにアタッチされている場合、logging.propertiesファイルから削除することを強くお薦めします。

  • weblogic.logging.ServerLoggingHandlerがルート以外のロガーにアタッチされている場合、logging.properties構成から削除するか、useParentHandlers属性をfalse(たとえばcom.foo.barUseParentHandlers=falseなど)に設定することを強くお薦めします。

これらの状況はLog4Jにも適用されます。ただし、用語が異なります。

  • weblogic.logging.log4j.ServerLoggingAppenderは、Log4J用のブリッジです。

  • useParentHandlersは、Log4JではAdditivityと呼ばれます。これは、log4j.propertiesファイルではlog4j.additivity.com.foo.bar=falseとして構成されます。

Oracleデータベース・ドライバ

リリース12.1.2で、WebLogic ServerのインストールにはOracle Database 12cドライバが含まれるようになりました。

これは、アプリケーションに次の変更が必要です:

  • wlserver/server/lib/ojdbc6.jarへの参照を${MW_HOME}/oracle_common/modules/features/com.oracle.db.dbc7-no-dms.jarに置き換えます。これは、weblogic.jarの使用時に自動的にクラス・パスに含まれます。

  • wlserver/server/lib/aqapi.jarへの参照を${MW_HOME}/oracle_common/modules/oracle.jdbc_12.1.0/aqapi.jarに置き換えます。これはcom.oracle.db.jdbc7-no-dms.jarも使用する必要があります。

Oracle Database 11gドライバJARを使用して実行を続行する場合、次の操作が必要です。

  • クラスパスの最前部へのドライバJARの追加

  • MW_HOME/oracle_common/modules/oracle.jdbc_12.1.0ディレクトリの外部へのOracle Database 12cドライバJARの移動。

OracleでJavaNet FastPathの有効化

「OracleでJavaNet Fastpathの有効化」により、Oracle JDBC JavaNet Fastpathがデータ・コピーと断片化を削減できるようになりました。WebLogic Server 12.1.3で、この属性はWebLogic Server管理コンソールでサポートされなくなりました。

以前のバージョンのWebLogic Serverでは、WebLogic Server管理コンソールの「構成:Oracle」タブでOracle Enable JavaNet FastPath属性を構成できました。WebLogic Server管理コンソールの「構成:Oracle」タブに移動し、「ドメイン構造」「サービス」「データ・ソース」の順にクリックします。

最大POSTサイズ

新しいセッション記述子max-save-post-sizeがWebLogic Server 12.1.2に追加されました。これは既存のアプリケーションに影響を及ぼす可能性があります。この記述子は、FORM認証中にアプリケーション・コンテナによって保存またはバッファリングされるPOSTの最大サイズ(バイト単位)を設定します。

max-save-post-size記述子のデフォルト値は4096バイトです。

FORM認証中に、アプリケーションでサイズが4096バイトを超えるフォームをポストする場合は、max-save-post-sizeを適切な値に増やす必要があります。そうしない場合、ブラウザでMaxPostSizeExceededExceptionが発生します。

WLDFスキーマのアップグレード

WebLogic Diagnostics Framework (WLDF)イベントおよびハーベスタ・データにJDBCベースのストアを使用している場合は、データベースのWLDF表を更新または再作成する必要があります。

wls_events表で、THREADNAME列をvarchar(128)からvarchar(250)に変更します。wls_hvst表で、WLDFMODULE varchar(250) default NULL列を追加します。

このアップグレードはWebLogic Serverのスタンドアロンのインストールにのみ適用されます。Fusion Middleware製品を含むインストールの場合、スキーマ・アップグレード・プロセスはOracle Upgrade Assistantを介して行います。

『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』JDBCベースのストアの構成に関する項を参照してください。

jdbc-connection-timeout-secs要素の削除

WebLogic Server 12.1.2で、weblogic.xmlデプロイメント記述子のjdbc-connection-timeout-secs要素は削除されています。 アプリケーションでjdbc-connection-timeout-secs要素を構成する場合は、アプリケーションのデプロイメントが失敗しないように、weblogic.xmlデプロイメント記述子からそれを削除する必要があります。

ローカル・トランザクションのコミット

WebLogic Server 12.1.2以降、アプリーションによってコミットまたはロールバックされなかった非XA接続のローカル・トランザクションは、その接続がプールに戻されるときにデフォルトで明示的にコミットされるようになりました。 また、接続プールを閉じるときに非XA接続とXA接続のローカル・トランザクションをコミットするかどうかを設定するために、次の2つのパラメータが追加されました。
  • -Dweblogic.datasource.endLocalTxOnNonXAConWithCommit=falseを使用すると、アプリケーションでトランザクションの明示的な完了を保証できる際に、非XA接続でこれ以上のDBMSアクセスが不要になります。このパラメータをfalseに設定すると、setAutoCommit(true)の呼出し時に使用する特定のJDBCドライバの動作に応じて、接続プールを閉じるときに非XA接続のローカル・トランザクションが暗黙的にコミットまたはロールバックされます。JDBC仕様に準拠する場合、そのアクションはトランザクションをコミットしますが、ドライバごとに準拠の度合いは異なります。デフォルトでは、このプロパティをtrueに設定すると、これらのトランザクションはコミットされます。

  • -Dweblogic.datasource.endLocalTXOnXAConWithCommit=trueを使用すると、接続プールを閉じるときにXA接続のローカル・トランザクションをコミットできます。デフォルトでは、これらのトランザクションはロールバックされます。

JVMの設定

Java仮想マシン(JVM)は、マイクロプロセッサ上でJavaクラス・ファイルのバイト・コードを実行する仮想の実行エンジン・インスタンスです。JVMのチューニングは、WebLogic Serverとアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えます。

WebLogic Server 10.3.xドメインをWebLogic Server 14.1.1.0.0以上のドメインにアップグレードする際に、Java SE 8 (ただしJava SE 11以降ではない)で実行している場合は、WebLogic Server (JRE_HOME/lib/endorsed)のJava推奨ディレクトリの場所を手動で設定する必要がある場合があります。

WebLogic ServerのJava推奨ディレクトリの場所の設定

次の状況では、WebLogic ServerのJava推奨ディレクトリの場所を手動で設定する必要はありません

  • Java SE 8 (ただしJava SE 11以降ではない)での実行時にOracle WebLogic Server 14.1.1.0.0以上のドメインを使用しており、WebLogic Server 14.1.1.0.0以上の構成ウィザードによるドメイン作成で生成されたスクリプトを起動したり、起動スクリプトがWebLogic Server 14.1.1.0.0以上の構成ウィザードによるドメイン作成で生成されたsetDomainEnv.cmd/shを参照する場合。

この状況がいずれも当てはまらないとき、次のいずれかの状況が当てはまる場合は、管理対象サーバーの起動に使用するコマンドでWebLogic ServerのJava推奨ディレクトリの場所を手動設定する必要があります。

  • カスタム起動スクリプト、つまりOracleで提供されていない起動スクリプトを使用中の場合。

  • java.weblogic.Serverを使用して空のドメインを作成しようとしている場合。

このいずれのケースでも、管理対象サーバーの起動コマンドにjava.endorsed.dirsパラメータを含めてください。

startWeblogic.sh -Djava.endorsed.dirs=ORACLE_HOME/oracle_common/modules/endorsed

複数のJava承認ディレクトリを指定する場合は、各ディレクトリ・パスをコロン(:)で区切ります。

ノート:

この項に記述されているオプションではすべて、ORACLE_HOMEを自分のWebLogic Serverインストールの絶対パスに置き換える必要があります。

次のように、startServerを呼び出すときに値をjvmArgsとして渡すか、nmstartを呼び出すときに値をプロパティとして渡すことで、この値を指定することもできます。

wls:/nm/mydomain> prps = makePropertiesObject("Arguments=-Djava.endorsed.dirs=ORACLE_HOME/oracle_common/modules/endorsed")

wls:/nm/mydomain> nmStart("AdminServer",props=prps)

管理対象サーバーの起動にノード・マネージャを使用している場合は、WLSTまたはWebLogic Server管理コンソールを使用して、-Djava.endorsed.dirs=ORACLE_HOME/oracle_common/modules/endorsed")パラメータをServerStartMBeanのarguments属性に含めることができます。WebLogic Server管理コンソールを使用中の場合、サーバーの「構成」→「サーバーの起動」タブでこのパラメータを「引数」フィールドに入力します。管理サーバーに接続されているWLSTクライアントからstart(server_name 'Server')を呼び出す際、またはWebLogic Server管理コンソールでサーバーの「起動」をクリックした際にこの属性は適用されます。

permgen領域の設定

管理対象サーバーの起動時にOutOfMemory: PermGen Spaceエラーが発生した場合は、permgen領域を128MB以上に手動設定し、最大permgen領域を256MB以上に拡張する必要があります。

ノート:

ここで記述されているオプションではすべて、WL_HOMEを自分のWebLogic Serverインストールのフル・パスに置き換える必要があります。

これを実行するには、WLSTまたはWebLogic Server管理コンソールを使用して、ServerStartMBeanのarguments属性に次のように指定します。WebLogic Server管理コンソールを使用中の場合、サーバーの「構成」→「サーバーの起動」タブで「引数」フィールドに-XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256mを入力します。

ノート:

WebLogic Server管理コンソールを介してサーバーを起動することを計画している場合は、WebLogic Server管理コンソールからサーバーを起動する前にpermgen設定を適用する必要があります。そうしないと、サーバーがリカバリ不能な状態になる可能性があります。

管理サーバーに接続されているWLSTクライアントからstart(server_name 'Server')を呼び出す際、またはWebLogic Server管理コンソールでサーバーの「起動」ボタンをクリックした際にこの属性は適用されます。

使用可能な別の方法は、コマンド・ラインを介して管理対象サーバーを起動し、ここに示すように、正しい設定を指定する方法です。

  • UNIXの場合: startManagedWebLogic.sh server_name -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256m

  • Windowsの場合: startManagedWebLogic.cmd server_name -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256m

ノート:

-XX:MaxPermSize=256mは、JDK6またはJDK7上での実行時にのみ使用できます。

次のように、startServerを呼び出すときに値をjvmArgsとして渡すか、nmstartを呼び出すときに値をプロパティとして渡すことで、この値を指定することもできます。

wls:/nm/mydomain> prps = makePropertiesObject("Arguments= -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256m")

wls:/nm/mydomain> nmStart("AdminServer",props=prps)

ノード・マネージャのstartScriptEnabledのデフォルト値

WebLogic Server 12.1.1以降、startScriptEnabledのデフォルト値はtrueに変更されました。これまでの旧リリースでは、デフォルトはfalseでした。ノード・マネージャで起動スクリプトを使用しない場合は、アップグレード後にこの値をfalseに変更します。

Enterprise Java Beans (EJB)

Oracle Kodoは、WebLogic Server 10.3.1から非推奨とされています。WebLogic Server 12.1.1から、Kodoにかわって、EclipseLinkがデフォルトのJPAプロバイダとなっています。WebLogic Server 12.1.2でKodoを永続プロバイダとして使用するアプリケーションは、更新する必要があります。『Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansの開発』競合を解決するためのアプリケーションの更新に関する項を参照してください。

WebLogic Server 12.1.1から、JPA 2.0のサポートが組み込まれています。JPA 2.0では、ドメイン・モデリング、オブジェクト/リレーショナル・マッピング、EntityManagerインタフェース、問合せインタフェースおよびJava Persistence Query Language (JPQL)などの各機能が向上し、強化されています。『Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansの開発』ドメインのデフォルト・プロバイダの設定に関する項を参照してください。

WebLogic Server 8.1 Webサービス・スタックの削除

WebLogic Server 12.1.1リリースで、WebLogic Server 8.1 Webサービス・スタックは削除されています。したがって、WebLogic Server 8.1 Webサービス・アプリケーションは今後機能しません。

Universal Description and Discover (UDDI)レジストリの削除

WebLogic Server 12.1.1リリースで、UDDIは削除されています。

UDDIを引き続き使用中の場合にWebLogic Server 12.1.1にアップグレードする際は、Oracle Service Registry (OSR)に移行することをお薦めします。OSRはUDDI 3.0に準拠しています。

Certicom SSLの実装は削除されています

WebLogic Serverリリース12.1.1で、Certicom SSLの実装は削除されています。

この変更によって、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』SSLデバッグの有効化のためのコマンド・ライン・プロパティに関する項およびJSSE SSL実装とCerticom SSL実装のシステム・プロパティの相違に関する項の説明に従って、システム・プロパティの更新およびスイッチのデバッグが必要な場合があります。

Oracle Coherenceのバージョン

WebLogic Server 12.1.1インストーラにはCoherence 3.7.1が含まれています。クラスタ内のサーバーはすべて同じバージョンのCoherenceを使用する必要があります。したがって、クラスタ内のすべてのキャッシュ・サーバーをCoherence 3.7.1にアップグレードします。

非推奨および廃止済Webアプリケーションの機能

Oracle WebLogic Server 12.1.1で非推奨またはサポート対象外となったWebアプリケーション機能のリストについては、次を参照してください。

  • Oracle WebLogic Server 11gリリース1で非推奨になった機能に関する情報は、My Oracle Support (https://support.oracle.com/)で入手できます。

    「ナレッジ・ベースの検索」フィールドに、ドキュメントID888028.1を入力してください。

  • Oracle WebLogic Server 12.1.1で非推奨になった機能に関する情報は、My Oracle Support(https://support.oracle.com/)で入手できます。「Deprecated Features」で検索してください。

データ・ソース・プロファイル・ロギング

操作性とパフォーマンスを向上させるため、Oracle WebLogic Server 10.3.6以上ではデータ・ソース・プロファイル・ログを使用してイベントが格納されます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』WebLogic JDBCリソースの監視に関する項を参照してください。

ONSのデバッグ

Oracle WebLogic Serverリリース10.3.6以上では、UCPおよびONSのパッケージ名が再パッケージされなくなりました。 UCPとONSのデバッグの設定方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』UCP/ONSのデバッグの設定に関する項を参照してください。

DataDirectのOracleタイプ4 JDBCドライバ

Oracle WebLogic Server 10.3.6から、DataDirectのOracleタイプ4 JDBCドライバは、WebLogicブランドのDataDirectドライバと呼ばれるようになりました。オラクル社では『Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverタイプ4 JDBCドライバ』のドキュメントを削除するため、DataDirectドライバの詳細情報は今後提供されなくなります。WebLogic Server環境でWebLogicブランドのドライバを構成および使用する方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCアプリケーションの開発』WebLogicブランドのDataDirectドライバの使用に関する項で引き続き提供します。

ドライバの動作の詳細は、DataDirectドキュメントを確認することをお薦めします。http://www.datadirect.com/index.html『Progress DataDirect for JDBC User's Guide Release 5.1』および『Progress DataDirect for JDBC Reference Release 5.1』を参照してください。

デフォルトのメッセージング・モードの変更

WebLogic Server 12.1.1から、デフォルトのメッセージング・モードがマルチキャストからユニキャストに変更されました。 新しいクラスタを作成する際は、クラスタ内のメッセージングにユニキャストを使用することをお薦めします。以前のバージョンのWebLogic Serverとの下位互換性を保つには、クラスタ間の通信にマルチキャストを使用する必要があります。