SAP/BWデータソースのキャッシュの保存およびパージ

Microsoft Analysis ServicesとSAP/BWのデータソースではネーミング規則が異なるため、メンバーの一意の名前を格納するためのキャッシュ・サブシステムがあります。

Microsoft Analysis Servicesでは、メンバーのキャプション名は、メンバーの一意の名前と同じです。しかし、SAP/BWデータソースでは、メンバーのキャプション名とメンバーの一意の名前は異なります。したがって、Oracle BIサーバーでは、SAP/BWメンバーの一意の名前でキャッシュ・サブシステムを保持します。このサブシステムは、デフォルトでは無効です。構成情報については、「構成ファイル設定」のMDX Member Name Cacheセクションに関する項を参照してください。

メンバーの一意の名前で問合せを受信すると、サブシステムはキャッシュを確認して、この問合せに対するキャッシュの有無を判断します。キャッシュが存在する場合、キャッシュされている一意の名前のレコードが返されます。問合せに一致するキャッシュがない場合は、SAP/BWにプロービング問合せが送信されます。

プロービング問合せは、ログ・レベルが2以上の場合にロギングされます。サーバー・ログには、サブシステムが有効かどうかといったサブシステムの状態と、開始イベントや停止イベントなどのイベントも書き込まれます。

注意:

ログ・レベルが上がるごとに、パフォーマンスに影響が及びます。ユーザーのログ・レベルを上げる際は、注意してください。

キャッシュのパージに関して、次の点に留意してください。

  • 多次元キャッシュ・エントリのサイズは、非常に大きくなる可能性があります。したがって、NQSConfig.INIファイルのMDX_MEMBER_CACHEセクションで、各メンバー・セットのサイズの制限が設定されています。

  • アップグレードの後、保持されているキャッシュの形式が一貫しているとはかぎりません。このため、ソフトウェアのアップグレードの前に、すべてのキャッシュをパージします。

  • 問合せを初めて実行するときに、キャッシュが移入されます。パフォーマンスへの影響を最小限にするために、オフピーク時にキャッシュを移入するように調整してください。

    ノート:

    管理ツールでは、キューブ表を右クリックし、「メンバー・キャッシュのパージ」を選択することによって、個々のキューブ表のキャッシュをパージできます。これは、管理者権限を持つユーザーが実行する必要があります。

次のパージ・プロシージャは、SAP/BWデータソースに固有のものです。

  • SAPurgeALLMCNCache。すべてのSAP/BWキャッシュ・エントリをパージします。

    このプロシージャの構文を次に示します。

    SAPurgeALLIMCNCache ()
    
  • SAPurgeMCNCacheByCube。指定された物理キューブに関連するすべてのキャッシュ・エントリをパージします。データベース名とキューブ名は、リポジトリ・オブジェクトの外部名です。このプロシージャの構文を次に示します。

    SAPurgeMCNCacheByCube( 'DBName', 'CubeName')
    

次の表は、返されるメッセージを示しています。

リターン・コード 戻りメッセージ

1

SAPurgeALLMCNCacheが正常終了しました。

1

SAPurgeMCNCacheByCubeが正常終了しました。

59116

指定されたデータベースが存在しません。

データベースと物理キューブの両方が間違っている場合に、この結果コードが返されます。

85025

指定された物理キューブが存在しません。

管理権限を持つユーザーのみが、ODBCパージ・プロシージャを実行できます。