Oracle Analytics Serverの必要なスキーマの作成

アップグレード時、必要なスキーマを作成する必要があります。リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してカスタマイズされたスキーマを作成できます。または、オプションでUpgrade Assistantを使用して、デフォルトのスキーマ設定を使用してスキーマを作成できます。この手順では、RCUを使用してスキーマを作成する方法について説明します。Upgrade Assistantを使用してスキーマを作成する情報は、アップグレード手順に含まれます。

必要なスキーマを作成するには:
  1. (オプション) 11gまたは12cからアップグレードする場合、既存のドメインにスキーマが存在していることを確認するには、DBA権限を持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコードを実行します。
    SET LINE 120
    COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
    COLUMN COMP_ID FORMAT A20
    COLUMN VERSION FORMAT A12
    COLUMN STATUS FORMAT A9
    COLUMN UPGRADED FORMAT A8
    SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
    
  2. コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認します。
    JAVA_HOME環境変数が、動作保証済JDKの場所に設定されていることを確認します。次に例を示します。
    • (Linux) setenv JAVA_HOME=c:/home/Oracle/Java/jdk1.8.0_131
    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_131
    Add $JAVA_HOME/bin to $PATH.
  3. oracle_common/binディレクトリに移動します。
    • (Linux) NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/bin
    • (Windows) NEW_ORACLE_HOME\oracle_common\bin
  4. RCUを起動します。
    • (Linux) ./rcu
    • (Windows) rcu.bat
  5. ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  6. 「リポジトリの作成」画面で「リポジトリの作成」を選択し、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。
    DBA権限を持っていない場合は、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択します。これによって、RCUが選択されたコンポーネントに対してアクションを処理した場合にコールされるSQL文およびブロックと同じものをすべて含むSQLスクリプトが生成されます。このスクリプトが生成された後は、必要なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーが、このスクリプトを実行してシステム・ロード・フェーズを完了できます。

    「次」をクリックします。

  7. 「データベース接続の詳細」画面で、「データベース・タイプ」を選択し、12cスキーマをホストするデータベースの接続情報を入力します。次の該当する表を参照してください。

    表3-2 Oracle Databaseと、エディションベースで再定義されるOracle Databaseに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    ホスト名

    データベースが実行されるサーバーの名前を、次の書式で指定します。

    examplehost.exampledomain.com

    Oracle RACデータベースの場合は、このフィールドにVIP名またはいずれかのノード名を指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。Oracleデータベースのデフォルトのポート番号は、1521です。

    サービス名

    データベースのサービス名を指定します。通常、サービス名はグローバル・データベース名と同じです。

    Oracle RACデータベースの場合、このフィールドにいずれかのノードのサービス名を指定します。次に例を示します。

    examplehost.exampledomain.com

    ユーザー名 データベースのユーザー名を入力します。デフォルトのユーザー名はSYSです。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    ロール

    ドロップダウン・リストからデータベース・ユーザーのロールを選択します。

    「標準」または「SYSDBA」

    表3-3 MySQLデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    ホスト名

    データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表3-4 Microsoft SQL Serverデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    Unicodeのサポート

    ドロップダウン・リストから「はい」または「いいえ」を選択します。

    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    MSSQL名前付きインスタンス: 名前付きインスタンスは、コンピュータのネットワーク名およびインストール時に指定したインスタンス名によって識別されます。クライアントは、接続時に、サーバー名とインスタンス名を両方とも指定する必要があります。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表3-5 IBM DB2データベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。
    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 DB所有者の権限が付与されているユーザーの名前を指定します。IBM DB2データベースのデフォルトのユーザー名はdb2inst1です。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    前提条件のチェックに成功したら、「OK」をクリックして次の画面に進みます。チェックが失敗した場合は、入力した詳細を確認して再試行します。
  8. 「コンポーネントの選択」画面で、次の操作を実行します。
    1. Oracle Fusion Middlewareスキーマの識別に使用するカスタム接頭辞を指定します。
      カスタム接頭辞は、これらのスキーマをこのドメインで使用するために論理的にまとめてグループ化するために使用されます。このガイドでは、FMW12214という接頭辞を使用します。
      この画面で指定したカスタムの接頭辞をメモに記録します。これは、後でドメインを作成する際に必要となります。
    2. 「AS共通スキーマ」および「BIPLATFORM」を選択します。
      「AS共通スキーマ」および「BIPLATFORM」を選択すると、このセクション内のすべてのスキーマが自動的に選択されます。このセクションのスキーマが自動的に選択されない場合、必要なスキーマを選択してください。

      共通インフラストラクチャ・サービス・スキーマ(STBスキーマとも呼ばれる)が自動的に作成されます。STBスキーマは選択も選択解除もできません。STBスキーマを使用すると、ドメインの構成時にRCUから情報を取得できるようになります。

  9. 「前提条件チェック」ダイアログで、前提条件チェックが正常であることを確認し、「OK」をクリックします。
  10. 「スキーマ・パスワード」画面で、スキーマの所有者のパスワードを入力します。
    この画面で入力したパスワードをノートにとってください。製品インストールの構成中に必要となります。
  11. 「表領域のマップ」画面で、作成するスキーマに必要な表領域マッピングを構成します。
    「次へ」をクリックして、確認ダイアログで「OK」をクリックします。進行状況ダイアログに表領域の作成が完了したことが示されたら、「OK」をクリックします。
    RCUの起動時にTransparent Data Encryption (TDE)がデータベース(OracleまたはOracle EBR)内で有効化されている場合にのみ、「表領域の暗号化」チェック・ボックスが表示されます。RCUにより作成されるすべての新しい表領域を暗号化するために、「表領域のマップ」画面で「表領域の暗号化」チェック・ボックスを選択します。
  12. 「サマリー」画面で情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。
    この画面には、このRCU操作で作成されたログ・ファイルに関する情報が表示されます。特定のログ・ファイルの名前をクリックして、そのファイルの内容を表示します。
  13. 「完了サマリー」画面の情報を確認し、操作が正常に完了したことを確かめます。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了します。