Oracle Business Intelligence 11gからの移行

新しいサーバーにOracle Analytics Serverをインストールし、メタデータおよび構成をOracle Business Intelligence 11g環境からOracle Analytics Serverに移行します。

Oracle Analytics Serverコンソールまたはコマンドラインを使用して、メタデータおよび構成をOracle Business Intelligence 11.1.1.9システムからOracle Analytics Serverシステムに移行できます。

コンソールを使用した移行

Oracle Analytics Serverコンソールを使用して、Oracle BI EE 11gで作成したコンテンツをOracle Analytics Serverに移行します。開始する前に、移行ユーティリティをダウンロードします。

  1. 移行ユーティリティをダウンロードします。
    1. Oracle Analytics Serverのホーム・ページで、「ナビゲータ」をクリックし、「コンソール」を選択して、「スナップショット」をクリックします。
    2. 「ページ」メニュー「ページ」メニューをクリックし、「移行」を選択して「BI EE 11g移行ユーティリティのダウンロード」をクリックします。指示に従ってmigration-tool.jarファイルをローカルに保存します。
  2. 移行ユーティリティのJARファイルをOracle BI Enterprise Edition 11g環境にコピーします。
  3. Oracle BI Enterprise Edition 11g環境でmigration-tool.jarファイルを実行します。

    ノート:

    JDKバージョンは、JDK 1.8.0_131以上である必要があります。コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認する必要があります。

    使用方法:

    java -jar migration-tool.jar out oracle_home domain_home instance_home_optional export_jar_location

    次に例を示します。

    java -jar migration-tool.jar out /u01/app/oracle/bi /u01/app/instance/domains/example.com/myDomain /u01/app/instance/BIInstance /tmp/myBIEE11gContentBundle.jar
    ツールによってコンテンツがファイルにエクスポートされます。この例では、ファイル名はmyBIEE11gContentBundle.jarです。
  4. Oracle BI Enterprise Edition 11gバンドルをアップロードし、コンテンツをOracle Analytics Serverにリストアします。
    1. Oracle Analytics Serverで、「コンソール」「スナップショット」の順にクリックします。
    2. 「ページ」メニュー「ページ」メニューをクリックし、「移行」を選択してBI EE 11g移行バンドルのアップロードとリストアをクリックします。
    3. 「選択」をクリックして、移行するコンテンツが含まれる移行バンドル(JARファイル)に移動します。
    4. JARファイルに含まれているメタデータ・リポジトリ(RPDファイル)のパスワードを入力します。
      ここで正しいパスワードを入力することが重要です。入力したパスワードがメタデータ・リポジトリへのアクセスに必要なパスワードと一致しない場合、コンテンツの移行は失敗します。
    5. 「アップロードとリストア」をクリックします。

    コンテンツのアップロードとシステム全体でのリフレッシュには数分間かかります。所要時間は、コンテンツ・バンドルのサイズによって異なります。サインアウトしてから、約15または20分後にサインインしなおして新しいコンテンツを表示し、新しく復元されたアプリケーション・ロールを継承します。

  5. サブジェクト領域、分析およびダッシュボードが正常に使用できることを確認します。
  6. 移行バンドルに配信が含まれている場合は、リストアしてアクティブ化する必要があります。

コマンドラインを使用した移行

コマンドラインを使用して、Oracle BI Enterprise Edition 11gで作成したコンテンツをOracle Analyticsサーバーに移行できます。

BI移行ツール(bi-migration-tool.jar)の生成

BI移行ツール(bi-migration-tool.jar)は自動実行で自己包含です。BI移行スクリプト(migration-tool.sh|cmd)を使用して、BI移行ツールのjarファイルを生成する必要があります。Oracle Analytics Serverドメインを構成した後、BI移行スクリプトが使用できるようになります。このステップでは、11gシステムに容易に転送できるように、BI移行ツールのコンポーネントを単一の自動実行jarファイルにパッケージします。これを行うには、ドメインが構成されるOracle Analytics Serverにアクセスできる必要があります。BI移行ツールを実行し、それ自体を再パッケージできるように十分なインフラストラクチャを用意するために、Oracle Analytics Serverドメインを設定する必要があります。この段階では、Oracle Analytics Serverドメインは空でもかまいません。

BI移行ツールのjarを生成するには:
  1. BI移行スクリプト(migration-tool.sh|cmd)は次の場所にあります。
    • (Linux) DOMAIN_HOME/bitools/bin
    • (Windows) DOMAIN_HOME\bitools\bin
  2. 次のコマンドを実行してBI移行ツールを生成します。
    • (Linux) DOMAIN_HOME/bitools/bin/migration-tool.sh package bi-migration-tool.jar
    • (Windows) DOMAIN_HOME\bitools\bin\migration-tool.cmd package bi-migration-tool.jar
    ここで、

    表3-8 コマンドの説明

    オプション 説明
    DOMAIN_HOME/bitools/bin BI移行スクリプトの場所を指定します。
    package パッケージ操作を実行するためにBI移行スクリプトを指定します。
    bi-migration-tool.jar 出力の書込み先となる移行ツールjarファイルのファイル名を指定します。このドキュメントでは、bi-migration-tool.jarファイルは「BI移行ツール」と呼ばれ、migration-tool.shスクリプトは「BI移行スクリプト」と呼ばれます。
  3. データをエクスポートする場所からホスト・システムにBI移行ツールをコピーします。

エクスポート・バンドルの作成

エクスポート・バンドルは".jar "ファイルで、11g Oracleホームからのメタデータ情報で構成されます。

エクスポート・バンドルを作成するには:
  1. bi-migration-tool.jarファイルを作成したディレクトリに移動します。
  2. パラメータを指定せずにBI移行ツールを実行します。次のコマンドを入力します。
    • (Linux) JDK_HOME/bin/java -jar bi-migration-tool.jar
    • (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar bi-migration-tool.jar

    ノート:

    JDKバージョンは、JDK 1.8.0_131以上である必要があります。コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認する必要があります。

    このコマンドは、11gシステムの様々な部分を探すためにBI移行ツールに含めることができるパラメータのリストを表示します。
  3. ここでは、BI移行ツールを次のパラメータで実行し、エクスポート・バンドルを作成します。

    表3-9 パラメータの説明: エクスポート・バンドルの作成

    パラメータ 説明
    out BI移行ツールを「エクスポート」モードで実行するように指示します。
    <oracle 11g home> Oracleホーム・ディレクトリを指定します。これは通常、MiddlewareホームにあるディレクトリOracle_BIです。
    DOMAIN_HOME ドメイン・ホーム・ディレクトリを指定します。これは通常Middlewareホームにあるディレクトリuser_projects/domains/bi/です。
    <output export bundle path> 出力されるエクスポート・バンドルのファイル名を指定します。出力はBARファイルではありません。エクスポート・バンドルのファイル名には"jar"拡張子を含める必要があります。
    次に、エクスポート・バンドルを作成するサンプル・コマンドを示します。
    • (Linux) JDK_HOME/bin/java -jar bi-migration-tool.jar out ORACLE_HOME/Oracle_BI1 DOMAIN_HOME/tmp/migration-tool-test/test_export.jar
    • (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar bi-migration-tool.jar out ORACLE_HOME\Oracle_BI1 DOMAIN_HOME\tmp\migration-tool-test\test_export.jar
    ここで、

    表3-10 パラメータの値: エクスポート・バンドルの作成

    パラメータ 説明
    ORACLE_HOME/Oracle_BI1 Oracleホーム・ディレクトリのある場所。
    DOMAIN_HOME ドメイン・ホーム・ディレクトリのある場所。
    /tmp/migration-tool-test/test_export.jar エクスポート・バンドルが作成される場所。

    ノート:

    システムのそれぞれのパスでこれらのファイル・パスを置き換えるようにしてください。
    次のメッセージは正常なエクスポートを示します。

    エクスポートに成功しました

エクスポート・バンドルをOracle Analytics Serverシステムにコピーします。

BI移行スクリプト(migration-tool.sh|cmd)を使用したインポート

BI移行スクリプト(migration-tool.sh|cmd)を使用して、エクスポート・バンドルをインポートする必要があります。BI移行スクリプトは、Oracleホームおよびドメイン・ホームのディレクトリを自動的に決定します。

Oracle Analytics Serverシステムにエクスポート・バンドルをインポートするには、BI移行スクリプトを実行する際に次のパラメータを含めることができます。

表3-11 パラメータの説明: エクスポート・バンドルのインポート

パラメータ 説明
in BI移行スクリプトがバンドルをインポートすることを示します。
config インポート・プロセス中に構成ファイルを上書きするBI移行スクリプトを示します。このスクリプトを使用して、データとともに構成を移行することもできます。
<export bundle> エクスポート・バンドルのあるパスです。
<service instance name> サービス・インスタンスの名前(ssi)を指定します。

ノート:

デフォルトのサービス・インスタンス名はssiです。ただし、Oracle BIをサイレント・モードでレスポンス・ファイルを使用してインストールする場合は、製品のインストール時にサービス・インスタンス名を指定できます。その場合は、レスポンス・ファイルで指定したサービス・インスタンス名を指定する必要があります。
Oracle Analytics Serverシステムにメタデータと構成をインポートするには:
  1. 次のパラメータを使用してBI移行スクリプトを実行します。
    • (Linux) DOMAIN_HOME/bitools/bin/migration-tool.sh in config <export bundle> <service instance name>
    • (Windows) DOMAIN_HOME\bitools\bin\migration-tool.cmd in config <export bundle> <service instance name>
    次に例を示します。
    DOMAIN_HOME/bitools/bin/migration-tool.sh in config /tmp/migration-tool-test/test_export.jar ssi
    ここで、

    表3-12 パラメータの値: エクスポート・バンドルのインポート

    パラメータ 説明
    in BI移行スクリプトがバンドルをインポートすることを示します。
    config インポート・プロセス中に構成ファイルを上書きするBI移行スクリプトを示します。
    /tmp/migration-tool-test/test_export.jar エクスポート・バンドルのあるパスです。
    ssi サービス・インスタンスの名前を指定します。
  2. 移行に成功すると、次のような出力が表示されます。
    Import succeeded
    About to close down logging to: DOMAIN_HOME/bilogs/migration/migration-2016-05-05-06-13-05.log
    This is so that the log file can be archived into the diagnostics zip
    Any remaining log entries will go to '/tmp/migration.log', and will not appear in the diagnostics zip
    Migration action succeeded
これで、Oracle Analytics Serverシステムを起動できるようになりました。Oracle Analytics Serverシステムの起動の詳細は、Oracle Analytics Serverの管理を参照してください。

ノート:

移行プロセスの完了後、アプリケーションのロールおよびポリシーの移行には、10分ほどかかります。

インポート・プロセスの完了後、移行プロセスを開始する前に停止したOBIS1とOBIPS1を起動する必要があります。