5 Oracle Key Vaultマルチマスター・クラスタの管理

Oracle Key Vault管理コンソールを使用して、Oracle Key Vaultのマルチマスター・クラスタを作成、構成および管理できます。

5.1 Oracle Key Vaultマルチマスター・クラスタの管理について

クラスタからのノードの追加または削除、クラスタ・ノードの無効化または有効化、ノードの競合やレプリケーションなどのアクティビティの管理を実行できます。

5.2 クラスタの最初の(初期)ノードの作成

クラスタを作成するには、既存のスタンドアロンOracle Key Vaultサーバーをクラスタ内の最初のノードになるように変換する必要があります。

この最初のノードは初期ノードと呼ばれます。スタンドアロンOracle Key Vaultサーバーは、以前のリリースからOracle Key Vaultリリース18.1以降にアップグレードされたサーバーでも、プライマリ/スタンバイ構成からペアが解除されているサーバーでもかまいません。アンペア操作とアップグレードに関する既知の問題については、『Oracle Key Vaultリリース・ノート』を確認してください。

このノードを使用して、クラスタに1つ以上のノードを追加できます。ノードは、読取り/書込みペアの一部になるまで、読取り専用制限モードで動作します。

  1. サーバー・バックアップを実行します。
  2. システム管理者ロールを持っているユーザーとしてOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  3. Oracle Key VaultサーバーがOracle Key Vaultリリース12.2 (バンドル・パッチ8)より前のリリースからアップグレードされている場合は、ノードに対して新しい証明書を生成してアクティブ化(ローテーション)します。
  4. 「Cluster」タブを選択します。
    「Configure as Candidate Node」ページが表示され、「Current Server IP」フィールドに現在のサーバーのIPアドレスが表示されます。
  5. 「Configure as Candidate Node」ページで、次の情報を入力します。
    • First Node of Cluster: 「Yes」ボタンを選択します。

    • Node Name: このノードの一意の名前を入力します。名前解決プロセスで受け入れられると、この名前は変更できなくなります。

    • Cluster Name: ノードのこのクラスタの名前を入力します。名前解決プロセスで受け入れられると、この名前は変更できなくなります。

    • Cluster Subgroup: データ・センター名や論理グループ名など、ノードのこのサブグループの名前を入力します。名前解決プロセスで受け入れられると、この名前は変更できなくなります。

  6. 「Convert to Candidate Node」をクリックします。
変換が完了すると、「Cluster Management」ページが表示され、ノードが読取り専用制限モードで動作します。

5.3 クラスタへのノードの追加

ノードの読取り/書込みペアまたは読取り専用ノードを作成できます。

5.3.1 クラスタのノードの読取り/書込みペアの作成

初期ノードを作成した後、追加の読取り/書込みピアをクラスタに追加する必要があります。

任意の2つのノードを読取り/書込みペアとして構成できます。ただし、ノードは他の1つのノードとのみ読取り/書込みペアにできます。クラスタ内のノードの合計数が16を超えないかぎり、ノードは1つ以上の読取り専用ノードに接続できます。

クラスタ内の2つのノードを使用して読取り/書込みペアを作成するには、ノード(コントローラ・ノードと呼ばれます)を新しく構成したサーバー(候補ノードと呼ばれます)とペアにします。これにはある程度の時間を要することに注意してください。使用環境のサーバーの速度、ネットワークおよびクラスタ内のデータ量によっては1時間以上の時間がかかります。

  1. 続行する前にコントローラ・ノードのバックアップを実行します。
  2. 次のネットワーク要件を満たしていることを確認します。
    • コントローラ・ノードと候補ノードをホストするサーバー間に良好なネットワーク接続があること。
    • ネットワーク・ファイアウォールでOracle Key Vaultに必要なポートがオープンされていること。これらのポートは、ネットワーク・ポートの要件で説明されています。
  3. システム管理者ロールを持っているユーザーとしてコントローラ・ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
    この操作のコントローラには、最初のノードを含め、読取り/書込みピアのない既存のノードを使用できます。必要に応じて、最初に読取り専用ノードを追加します。
  4. 「Cluster」タブを選択します。
  5. 「Add」をクリックします。
  6. 「Recovery Passphrase of the Cluster」に、リカバリ・パスフレーズを入力します。
    この値は、後で候補ノードとペアにするときに使用されます。
  7. 「Add Node as Read-Write Peer」に対して「Yes」を選択します。
  8. 「Add Candidate Node Details」の下に、次の詳細を入力します。

    これらの詳細を入力しても、ステップ9に進むまで、この情報を保存したり、「Add Node」ボタンをクリックしないでください。

    • Candidate Node ID: 候補ノードの一意のIDを選択します。IDを作成した後、このIDは変更できません。

    • Candidate Node Name: 候補ノードの一意の名前を入力します。名前を作成した後、この名前は変更できません。

    • Cluster subgroup Name for Candidate Node: 候補ノードのサブグループ名を入力します。既存のサブグループ名を指定できます。存在しないサブグループ名を指定すると作成されます。ノードをクラスタに追加した後、このノードのサブグループは変更できません。

    • IP Address of Candidate Node: 候補ノードのIPアドレスを入力します。

  9. 新しいブラウザ・ウィンドウで、システム管理者ロールを持っているユーザーとして候補ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  10. 「Cluster」タブを選択します。
    「Configure as Cluster Candidate」ページが表示されます。
  11. 「First Node of Cluster」「No」を選択します。
  12. 「Recovery Passphrase of the Cluster」に、コントローラ・ノードに対して以前に作成したクラスタのリカバリ・パスフレーズを入力します。
  13. 「IP Address of the Controller Node」に、コントローラ・ノードのIPアドレスを入力します。
  14. コントローラ・ノードのブラウザ・ウィンドウで、画面の下部までスクロールします。ノード証明書全体を選択してコピーします。
  15. 候補ノードのブラウザ・ウィンドウで、コントローラ・ノードからコピーした証明書を「Certificate of the Controller Node」フィールドに貼り付けます。
    リカバリ・パスフレーズ、IPアドレスおよび貼り付けた証明書を慎重にチェックして、正しくコピーされていることを確認します。エラーがある場合は、「Convert to Candidate Node」をクリックした後、Oracle Key Vaultを再インストールする必要があります。
  16. 「Convert to Candidate Node」をクリックします。
    変換が完了すると、画面がリフレッシュされ、候補ノードの証明書が表示されます。「Adding Candidate Node to Cluster」ページが表示されます。これには、数分かかることがあります。
  17. 候補ノード証明書全体を選択してコピーします。
  18. コントローラ・ノードのブラウザ・ウィンドウで、候補ノードからコピーした証明書を「Certificate of Candidate Node」ボックスに貼り付けます。
  19. 「Add Node」をクリックします。
  20. 確認ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックして確認します。

    このプロセスは、使用環境のサーバーの速度、ネットワークおよびクラスタ内のデータ量によっては1時間以上の時間がかかります。この間にOracle Key Vaultのネットワーク管理インタフェースが再起動され、すぐにServer Error 500がコントローラ・ノードに表示されることがあります。また、候補ノードでは、Bad Gatewayなどのエラーが表示される場合があります。候補ノードは、インダクション・プロセスの一環として再起動されます。これは正常です。ペアリング・プロセスでは、候補ノードのステータスがすべてのクラスタ・ノードでPAIRINGと表示されます。

    サーバーのステータスを表示するには、管理コンソールで出力を表示します。

    候補ノードの再起動後、いずれかのクラスタ・ノードにログインし、「Cluster」タブを選択することでクラスタのステータスを表示できます。両方のノードがACTIVEと表示されます。候補ノードは、自動的に再起動した後、読取り専用制限モードになっていることが一時的に表示される場合があります。このノードは同期的にペア・クラスタ・ノードであり、すでに候補ノードではありません。ノードがクラスタの一部になると、コンソール・ヘッダーの右上の領域にノード名、サブグループ名およびクラスタ名が表示されます。

5.3.2 クラスタの読取り専用ノードの作成

新しい読取り専用クラスタ・ノードを追加するには、既存のクラスタ・ノードと新しく構成したサーバーをペアにします。

既存のクラスタ・ノードはコントローラ・ノードと呼ばれ、新たに構成されたサーバーは候補ノードと呼ばれます。このプロセスは、使用環境のサーバーの速度、ネットワークおよびクラスタ内のデータ量によっては1時間以上の時間がかかります。

  1. 続行する前にサーバー・バックアップを実行します。
  2. 次のネットワーク要件を満たしていることを確認します。
    • コントローラ・ノードと候補ノードをホストするサーバー間に良好なネットワーク接続があること。
    • ネットワーク・ファイアウォールでOracle Key Vaultに必要なポートがオープンされていること。これらのポートは、ネットワーク・ポートの要件で説明されています。
  3. システム管理者ロールを持っているユーザーとしてコントローラ・ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
    この操作のコントローラとして既存のノードを使用できます。
  4. 「Cluster」タブを選択します。
  5. 「Management」が選択されていることを確認します。
  6. 「Cluster Details」セクションで、「Add」をクリックします。
  7. 「Add Cluster Details」セクションで、「Recovery Passphrase of the Cluster」フィールドにクラスタのリカバリ・パスフレーズを入力します。
    この値は、後で候補ノードとペアにするときに使用されます。
  8. 「Add Candidate Node Details」で、次の情報を入力します。
    • Add Node as Read-Write Peer: 「No」を選択します。
    • Node ID: 候補ノードの一意のIDを選択します。IDを作成した後、このIDは変更できません。
    • Node Name: 候補ノードの一意の名前を入力します。名前を作成した後、この名前は変更できません。
    • Cluster Subgroup: 候補ノードのサブグループ名を入力します。既存のサブグループ名を指定できます。存在しないサブグループ名を指定すると作成されます。ノードをクラスタに追加した後、このノードのサブグループは変更できません。
    • Cluster Name: この名前は自動的に移入されます。
    • IP Address: 候補ノードのIPアドレスを入力します。
    このページを終了しないでください。
  9. 新しいブラウザ・ウィンドウで、システム管理者ロールを持っているユーザーとして候補ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  10. 「Cluster」タブを選択します。
    「Configure as Cluster Candidate」ページが表示されます。
  11. 「First Node of Cluster」「No」オプションを選択します。
  12. 「Recovery Passphrase of the Cluster」に、コントローラ・ノードに対して入力したクラスタのリカバリ・パスフレーズ値と同じパスフレーズを入力します。これは、コントローラ・ノードに入力された値と同じです。
  13. 「IP Address of the Controller Node」に、コントローラ・ノードのIPアドレスを入力します。
  14. コントローラ・ノードのブラウザ・ウィンドウで、画面の下部までスクロールします。ノード証明書全体を選択してコピーします。
  15. 候補ノードのブラウザ・ウィンドウで、コントローラ・ノードからコピーした証明書を「Certificate of the Controller Node」ボックスに貼り付けます。
    リカバリ・パスフレーズ、IPアドレスおよび貼り付けた証明書を慎重にチェックして、正しくコピーされていることを確認します。エラーがある場合は、「Convert to Candidate Node」をクリックした後、Oracle Key Vaultを再インストールする必要があります。
  16. 「Convert to Candidate」をクリックします。
    変換が完了すると、画面がリフレッシュされ、候補ノードの証明書が表示されます。「Adding Candidate Node to Cluster」ページが表示されます。これには、数分かかることがあります。
  17. 候補ノード証明書全体を選択してコピーします。
  18. コントローラ・ノードのブラウザ・ウィンドウで、候補ノードからコピーした証明書を「Certificate of Candidate Node」ボックスに貼り付けます。
  19. 「Add Node」をクリックします。
  20. 確認ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックして確認します。

    このプロセスは、使用環境のサーバーの速度、ネットワークおよびクラスタ内のデータ量によっては1時間以上の時間がかかります。この間に、コントローラ・ノードのOracle Key Vaultコンソールが反応せず、Server Error 500などのエラーが表示されることがあります。また、候補ノードでは、Bad Gatewayなどのエラーが表示される場合があります。候補ノードは、同期プロセスの一環として再起動されます。これは正常です。ペアリング・プロセスでは、このペアリング・プロセスに関係しない他のすべてのクラスタ・ノードで候補ノードのステータスがPAIRINGと表示されます。

    サーバーのステータスを表示するには、サーバー・コンソールで出力を表示します。

    候補ノードの再起動後、いずれかのクラスタ・ノードにログインし、「Cluster」タブを選択することでクラスタのステータスを表示できます。両方のノードがACTIVEと表示されます。候補ノードは、自動的に再起動した後、読取り専用制限モードになっていることが一時的に表示される場合があります。このノードは読取り専用のペア・クラスタ・ノードであり、すでに候補ノードではありません。ノードがクラスタの一部になると、コンソール・ヘッダーの右上の領域にノード名、サブグループ名およびクラスタ名が表示されます。

5.3.3 クラスタの追加の読取り/書込みペアの作成

どのノードも他の1つのノードのみとペアで読取り/書込みが可能で、クラスタ内では複数の読取り/書込みペアが使用できます。

  1. 新しい候補ノードとペアにするコントローラ・ノードとして読取り専用クラスタ・ノードを選択します。
  2. クラスタのノードの読取り/書込みペアを作成するには、次のステップに従います。

5.4 ノードのペアリングの終了

コントローラ・ノードで、新規ノードのペアリング・プロセスを終了できます。

  1. コントローラ・ノードの「Adding Candidate Node to Cluster」ページの「Status」で、「Abort」ボタンをクリックします。
  2. ダイアログに「Are you sure you want to ABORT the addition of the new node?」というメッセージが表示されます。「OK」を選択します。
    ペアリング・プロセスが終了すると、コントローラ・ノードの「Add Node to Cluster」ページに戻ります。
候補ノードのペアリングを終了すると、候補ノードは現在の状態では使用できなくなります。サーバーをノードとして使用する場合は、Oracle Key Vaultアプライアンス・ソフトウェアを使用してサーバーを再イメージ化する必要があります。ただし、終了プロセスで十分に早い段階(バンドル・パーツがコントローラ・ノードから候補ノードに到達する前)であれば、候補ノードのペアリングを終了できます。これにより、候補ノードはスタンドアロン状態に戻ります。この場合、候補ノードを再イメージ化する必要はありません。

5.5 クラスタ・ノードの無効化

クラスタ・ノードを一時的に無効にできます。これは、アップグレードとメンテナンスに必要です。

ただし、ノードは一定時間のみ無効化できることに注意してください。その時間を超えると、再度有効化できなくなります。デフォルトの最大無効化ノード期間は24時間ですが、最大99時間に設定できます。

  1. システム管理者ロールを持っているユーザーとして、任意のクラスタのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択します。
  3. 「Select Node」列で、無効にするノードのチェック・ボックスを選択します。
  4. 「Disable」をクリックします。
    無効化されているノードでは、無効化プロセス中のノードのステータスはDISABLINGと表示されます。他のノードには、このノードのステータスがDISABLEDとして表示されます。無効化プロセスが完了すると、無効化したノードにはDISABLEDステータスが表示されます。

5.6 無効なクラスタ・ノードの有効化

以前に無効化されたクラスタ・ノードを有効化できます。この操作は、無効化されたノードから実行する必要があります。

  1. システム管理者ロールを持っているユーザーとして、クラスタの任意のアクティブ・ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択します。
    デフォルトでは、「Management」ページが表示されます。
  3. 「Cluster Details」セクションで、ノードが無効になった日付に注意してください。
    無効化された逆順でノードを有効化することをお薦めします。そうしないと、有効化アクションを完了できない可能性があります。
  4. 「Cluster Details」セクションの「Node Name」で、最後に無効化されたノードの名前をクリックします。
    ノード名をクリックすると、このノードにログインできます。無効なノードは、無効なノード自体からのみ有効にできます。
  5. 無効化されたノードの「Management」ページで、「Enable」を選択します。
    「Cluster Details」表で、無効化されているノードのチェック・ボックスを選択する必要はありません。
  6. 無効化されたノードごとに、最後に無効化されたノードから最初に無効化されたノードまで、このステップを繰り返します。

5.7 クラスタ・ノードの削除

クラスタからノードを完全に削除できます。

削除したノードは、削除元の現在のクラスタのみでなく、どのクラスタにも戻すことはできません。ただし、このサーバーにOracle Key Vaultアプライアンス・ソフトウェアを再インストールして、削除したノードをクラスタに追加できます。すべてのデータは、ノードが削除される前にクラスタと同期されます。ノード自体は削除できません。

  1. システム管理者ロールを持っているユーザーとして、別のノードでOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
    ノード自体は削除できません。
  2. 「Cluster」タブを選択します。
  3. 「Select Node」列で、削除するノードのチェック・ボックスを選択します。
  4. 「Delete」をクリックします。
    ノードのステータスはDELETINGと表示されます。削除するとDELETEDと表示され、その後、クラスタ管理ページから削除されます。

    このアクションは即時です。ノードのステータスはDELETINGと表示されます。削除したサーバーがクラスタ・ステータスに表示されなくなるまで停止しないでください。ただし、クラスタ・ノードを削除してから、削除したノードのノードIDを再利用する前に、1時間待機することをお薦めします。

5.8 クラスタ・ノードの強制削除

使用不能なノード、応答していないノード、または無効化されているノードの最大時間制限を超えたノードを、クラスタから完全に削除できます。

クラスタの一部となっているノードを強制的に削除すると、クラスタ内で矛盾が生じる可能性があります。強制削除されたノードからクリティカル・データすべてが他のノードに到達したことを確認する前に、強制削除されたノードの読取り/書込みピアもクラスタから削除されると、データが消失する可能性があります。ノードを強制的に削除する場合は、削除するノードが最初に停止されていることを確認します。ノード自体の管理コンソールからそのノードを削除することはできません。ノードを強制的に削除する必要がある場合は、削除するノードが最初に停止されていることを確認します。削除されたノードをクラスタに戻すことはできません。ただし、サーバーにOracle Key Vaultアプライアンス・ソフトウェアを再インストールして、削除したノードをクラスタに追加できます。

  1. 別のノードで、システム管理者ロールを持っているユーザーとしてOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
    ノード自体は削除できません。削除するノードに読取り/書込みピアがある場合は、そのノードを読取り/書込みピアから強制的に削除することをお薦めします。
  2. 「Cluster」タブを選択します。
  3. 「Select Node」列で、強制削除するノードのチェック・ボックスを選択します。
  4. 「Force Delete」をクリックします。
    ノードのステータスはDELETINGと表示されます。削除するとDELETEDと表示され、その後、クラスタ管理ページから削除されます。クラスタ・ノードを強制削除してから、削除したノードのノードIDを再利用する前に、1時間待機することをお薦めします。

5.9 ノード間のレプリケーションの管理

Oracle Key Vault管理コンソールからノード・レプリケーションを有効化および無効化できます。

5.9.1 クラスタ・サービスの再起動

ノード間のレプリケーションの管理中に、ノードのクラスタ・サービスのステータスが「down」のときにノードのクラスタ・サービスを再起動できます。

  1. システム管理者ロールを持っているユーザーとして、任意のクラスタ・ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーから「Monitoring」を選択します。
  3. 「Node State」ペインで、「Restart Cluster Services」ボタンをクリックします。

5.9.2 ノード・レプリケーションの無効化

現在のノードとクラスタ内の他のノードとの間のレプリケーション・リンクを無効にできます。

  1. システム管理者ロールを持っているユーザーとして、任意のクラスタ・ノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーから「Monitoring」を選択します。
  3. レプリケーションを無効にするノードを選択します。
  4. 「Disable」をクリックします。
  5. ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックして確認します。

5.9.3 ノード・レプリケーションの有効化

現在のノードとクラスタ内の他のノードとの間のレプリケーション・リンクを有効にできます。

  1. システム管理者ロールを持っているユーザーとして、レプリケーションを管理するノードのOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーから「Monitoring」を選択します。
  3. 「Enable」をクリックします。
  4. ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックして確認します。

5.10 クラスタ管理情報

「 Cluster Management」ページには、クラスタの概要と各ノードのステータスが表示されます。 

クラスタの詳細セクションからクラスタを管理することもできます。ノードがクラスタ操作を実行している場合、そのノードはコントローラ・ノードになります。

クラスタ全体のレプリケーションには時間を要するため、「Cluster Management」ページが新しいクラスタ・ステータスでリフレッシュされるまでに時間がかかる場合があります。モニタリング・ページのレプリケーション・ラグは、遅延の推定に役立ちます。

「Cluster Management」ページを表示するには、「Cluster」タブをクリックし、左側のナビゲーション・バーから「Management」をクリックします。

cluster_management.pngの説明が続きます
図cluster_management.pngの説明

Current Node Information

  • Node Name: このノードの名前。

  • Node Type: ノードのタイプ(読取り専用、読取り/書込みなど)。

  • Cluster Subgroup: このノードが属するサブグループ。

Cluster Information

  • Cluster Name: クラスタの名前。

  • Cluster Subgroups: クラスタ内のすべてのサブグループ。

  • Maximum Disable Node Duration: ノードがクラスタから削除されるまでにノードを無効にできる最大時間(時間単位)。

  • Cluster Version: クラスタが動作しているOracle Key Vaultのバージョン。

Cluster Details

  • Select Node: 削除、強制削除、無効化など、特定の操作の対象ノードを選択する場合に使用します。

  • Node ID: ノードのID。

  • Node Name: ノードの名前。ノード名をクリックすると、そのノードの「Cluster Management」ページに移動します。

  • IP Address: ノードのIPアドレス。

  • Mode: ノードのタイプ(read-write、read-only、read-only restrictedなど)。

  • Status: ノードのステータス(active、pairing、disabling、disabled、enabling、deleting、deletedなど)。

  • Read-Write Peer: ノードの読取り/書込みピア。空白の場合、読取り/書込みピアはありません。

  • Cluster Subgroup: ノードが属するサブグループ。

  • Join Date: ノードがクラスタに追加された日時。

  • Disable Date: ノードを無効にした日時。

  • Node Version: Oracle Key Vaultノードの現在のバージョン。

5.11 クラスタ・モニタリング情報

「Cluster Monitoring」ページには、クラスタおよび現在のノードのレプリケーション状態が表示されます。

このページには、クラスタで有効になっている設定に関する簡潔な概要も表示されます。このページでは設定を更新できません。クラスタ全体のレプリケーションには時間を要するため、「Cluster Monitoring」ページが新しいクラスタ状態にリフレッシュされるまでに時間がかかる場合があります。レプリケーション・ラグは遅延の推定に役立ちます。

「cluster monitoring」ページを表示するには、「Cluster」タブをクリックし、左側のナビゲーション・バーから「Monitoring」をクリックします。

「Cluster Settings State」ペインのチェックマークまたはXにマウス・カーソルを合せます。状態に関する次のいずれかの説明が表示されます。
  • Enabled in Cluster
  • Enabled in Node
  • Disabled in Cluster
  • Disabled in Node

cluster-monitoring-information.pngの説明が続きます
図cluster-monitoring-information.pngの説明

Cluster Link State

  • Select Node: レプリケーションの有効化または無効化など、特定の操作の対象ノードを選択する場合に使用します。ラベル行のチェック・ボックスをクリックすると、すべてのノードを選択できます。

  • Node ID: ノードのID。

  • Node Name: ノードの名前。

  • State: ノードの現在の状態。サーバーは稼働中または停止中のいずれかになります。

  • Heartbeat Lag: ハートビートの平均時間。

  • Replication Lag: オブジェクトをレプリケートする平均時間。

  • Enable: 現在のノードと選択したノード間のレプリケーションを有効にします。

  • Disable: 現在のノードと選択したノード間のレプリケーションを無効にします。

Cluster Settings State

  • Node ID: ノードのID。

  • Node Name: ノードの名前。

  • Audit: 監査が有効か無効かを示します。

  • FIPS: FIPSモードが有効か無効かを示します。

  • HSM: HSM統合が有効か無効かを示します。

  • SNMP: SNMPが有効か無効かを示します。

  • SYSLOG: syslogが有効か無効かを示します。

  • DNS: DNSが有効か無効かを示します。

5.12 ネーミング競合および解決

Oracle Key Vaultでは、ユーザーがエンドポイント、エンドポイント・グループ、ユーザー・グループなどのオブジェクトを作成する際に発生する可能性があるネーミング競合を解決できます。

5.12.1 ネーミング競合および解決について

別のノードにある別のオブジェクトと同じ名前のオブジェクトを作成すると、Oracle Key Vaultがこの競合を解決します。

別のノードで作成された同じタイプのオブジェクトと競合する名前で新しいオブジェクトを作成する可能性があります。競合が発生した場合は、Oracle Key Vaultにより、ユーザー指定の名前の末尾に_OKVxx (xxはノード番号)が追加され、競合するオブジェクトの名前が一意になります。この新しい名前を受け入れるか、オブジェクト名を変更できます。

システム管理者は、次のネーミング競合を解決できます。

  • ユーザー名
  • エンドポイント名

キー管理者は、次のネーミング競合を解決できます。

  • エンドポイント・グループ
  • セキュリティ・オブジェクト
  • ユーザー・グループ
  • ウォレット

オブジェクトがPENDING状態のまま止まってACTIVEに遷移しない場合は、クラスタのレプリケーション・リンクが壊れていないかを確認します。Oracle Key Vault管理コンソールで「Cluster」タブを選択し、「Monitoring」を選択すると、クラスタ・リンクを検索できます。

5.12.2 ネーミング競合の解決情報

「Cluster Conflict Resolution」ページには、異なるノードで作成されたオブジェクトと名前が競合するオブジェクトのリストが表示されます。 

このページで、推奨される一意の名前を受け入れるか、オブジェクト名を編集できます。「Cluster Conflict Resolution」ページを表示するには、「Cluster」タブをクリックし、左側のナビゲーション・バーから「Conflict Resolution」をクリックします。または、ホーム・ページの「Alerts」表にある「Naming Conflict」アラートの「Click here for details」をクリックすることもできます。

Wallet Name Conflicts

  • Unique Name: システムによってオブジェクトに割り当てられた一意の名前。

  • Supplied Name: このタイプの別のオブジェクトと競合するオブジェクトの元の名前。

  • Name Status: オブジェクトのステータス。ステータスはPENDINGまたはACTIVEです。

  • Created By: 競合するオブジェクト名を作成したユーザー。

  • Creator Node: 競合するオブジェクトが作成されたノード。

  • Description: ユーザーが入力したオブジェクトの説明。

  • Rename: 名前を変更できるオブジェクト・ページにリンクするボタン。

  • Accept: 選択したオブジェクトに提示された名前を受諾できます。

5.12.3 提示された競合解決名の変更

同じタイプの別のオブジェクトと競合するオブジェクトに提示された名前を変更できます。

  1. 適切な管理者ロールを持っているユーザーとして、Oracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーから「Conflict Resolution」を選択します。
  3. 名前の変更が必要なオブジェクトを見つけます。
  4. オブジェクトの右側にある編集アイコンをクリックします。
  5. オブジェクトの概要ページで、オブジェクトの新しい名前を入力します。
  6. 「Save」をクリックします。

5.12.4 提示された競合解決名の受入

同じタイプの別のオブジェクトと競合するオブジェクトに提示された名前を受諾できます。

  1. 適切な管理者ロールを持っているユーザーとして、Oracle Key Vault管理コンソールにログインします。
  2. 「Cluster」タブを選択し、左側のナビゲーション・バーから「Conflict Resolution」を選択します。
  3. 提示された名前を受け入れるオブジェクトを選択します。
  4. 「Accept」をクリックします。

5.13 マルチマスター・クラスタ・デプロイメントの推奨事項

Oracleでは、2つ以上のノードを持つデプロイメントのデプロイメント推奨事項が提供されます。

2ノード・デプロイメントの推奨事項

次の状況では、2ノード・デプロイメントを使用します。

  • テストや開発などの非クリティカルな環境
  • 従来のプライマリ・スタンバイを置き換える、両方のノードがアクティブな読取り/書込みペアの単純なデプロイメント
  • 単一データ・センター環境

2ノード・デプロイメントの考慮事項:

  • 可用性は複数のノードによって提供されます。
  • メンテナンスには停止時間が必要です。
  • データ・センター間の良好なネットワーク接続が必要です。

3ノード・デプロイメントの推奨事項

次の状況では、3ノード・デプロイメントを使用します。

  • 最小停止時間要件がある単一データ・センター環境
  • 負荷に対処するために読取り専用ノードが追加された単一の読取り/書込みペア
  • メンテナンス時に1つの読取り専用ノードを停止時間ゼロで使用可能

3ノード・デプロイメントの考慮事項:

  • 定期的にバックアップを実行し、障害時リカバリ用の保存先を削除します。

4ノード以上のデプロイメントの推奨事項

次の状況では、4ノード以上のデプロイメントを使用します。

  • 地理的に分散している大規模なデータ・センター
  • ペア・メンバーが地理的に広がっている読取り/書込みペアのデプロイメント

大規模なデプロイメントの考慮事項:

  • 可用性は複数のノードによって提供されます。
  • 追加の読取り専用ノードを使用して負荷を処理できます。
  • データ・センター間の良好なネットワーク接続が必要です。