2 Enterprise Manager管理エージェントのインストール

この章では、Audit Vault ServerおよびDatabase Firewall ApplianceにEnterprise Manager (EM)管理エージェントをインストールする手順について説明します。

Enterprise Managerエージェントのインストールの前提条件

Enterprise Managerエージェントをインストールする前に、監査Vaultコンソールで実行する必要がある複数の前提条件があります。

ユーザーoracleへのSSHアクセスを許可する

  1. 端末ウィンドウを開き、ファイル/etc/ssh/sshd_configを編集して、ユーザーoracleへのSSHアクセスを許可します。
    vi /etc/ssh/sshd_config
  2. oracleをAllowUsers行に追加します。
    AllowUsers support oracle
  3. sshdを再起動します。
    service sshd restart

ユーザーoracleを構成する

  1. エージェントのホーム・ディレクトリを作成します。
    mkdir $ORACLE_BASE/agent13c
  2. .bashrc内でoraenvコマンドを編集します。
    1. vi $HOME/.bashrc
    2. -sをoraenvに追加します。
      ./usr/local/bin/oraenv -s

dbsnmpおよびasmsnmpアカウントのロックを解除する

  1. ユーザーをdvaccountmgrに変更します。
    su dvaccountmgr
  2. 次のコマンドを実行します。
    sqlplus /
    alter user dbsnmp identified by <password> account unlock;
  3. ユーザーをgridに変更します。
    su grid
  4. 次のコマンドを実行します。
    orapwd file=/var/lib/oracle/grid/dbs/orapw+ASM password=<password>
    sqlplus / as sysasm
    alter user asmsnmp identified by <password> account unlock;
    grant sysdba to asmsnmp;
    

    Oracleでは、sysdba権限を持つOracle Databaseユーザーasmsnmpを作成することをお薦めします。

ホスト名を割り当てる

  1. AV_ADMINロールを持つユーザーとしてAudit Vault Serverコンソールにログインするか、Firewallの管理権限を持つユーザーとしてDatabase Firewall Applianceコンソールにログインします。
  2. ホスト名を完全修飾ホスト名として設定します(たとえば、location.mycompany.com)。
    • Audit Vault Serverで「設定」をクリックしてから、「システム」グループ・ヘッダーの下の「ネットワーク」をクリックします。ネットワーク・ページでホスト名を変更します。
    • Database Firewall Applianceコンソールで、「システム」ヘッダーの下の「ネットワーク」をクリックしてから、ページの右下隅にある「変更」ボタンをクリックします。
  3. モニター対象の各アプライアンスで、OMSサーバーでのDNSと同じDNSを構成します。「システム」または「設定」をクリックしてから、「システム」グループ・ヘッダーの下の「サービス」をクリックします。「サービス」ページで、DNSを構成し、ホスト名を変更します。
    デフォルトでは、Audit Vault ServerおよびDatabase FirewallへのSSHアクセスは無効です。次のステップにはSSHが必要です。そのため、同じ「サービス」ページで、「SSH」ボックスの中の「無効」を接続元マシンのIPアドレスに置き換えるか、ネットワーク上のすべてのマシンからSSH接続ができるように「all」に置き換えます。

EMエージェント・ネットワーク・ポートのブロックを解除する

  1. Audit Vault ServerまたはDatabase Firewall Applianceのオペレーティング・システムにrootユーザーとしてログインします。
  2. EM管理エージェントおよびEnterprise Managerサーバーが通信を行うために使用するネットワーク・ポートをブロック解除します。
    1. /usr/local/dbfw/templates/template-iptablesファイルを編集します。デフォルトでは、このファイルの権限は読取り専用です。編集を許可するように権限を変更する必要があります。rootとして、権限を変更します。
      chmod 644 template-iptables
      下の説明に従って行を編集します。データベースのリスナー・ポートに類似したエントリが存在している場合があります。そのエントリの下にエントリを作成します。20.1より前のAVDFサーバー・バージョンの場合は、次のように行を追加します。
      -A RH-Firewall-1-INPUT -p tcp -m state --state NEW --dport <EM agent port number> -j ACCEPT
      AVDFサーバー・バージョン20.1以降の場合は、次のように行を追加します。
      -A INPUT -p tcp -m state --state NEW --dport <EM agent port number> -j ACCEPT
      説明:
      • --dportは、EMエージェントのポート番号です。通常、EMエージェントで使用されるデフォルトのポート番号は3872です。
      • オプションの"-s"オプションは、IP範囲を特定のOMSに制限します。ベスト・プラクティスは、追加のオプション・スイッチ"- s ip1,ip2"を追加し、IP範囲を制限することです。
      template-iptablesファイルを変更する際には、細心の注意を払ってください。編集に誤りがあった場合、システムが動作不能になる可能性があります。template-iptablesファイルの権限を読取り専用に戻します。
      chmod 444 template-iptables
    2. 次のコマンドをrootとして実行します。
      /usr/local/dbfw/bin/priv/configure-networking
    3. 変更内容をテストします。エージェントのポート番号がデフォルト値3872であり、oem-agentでOracleによってIANAに正式に登録されている場合は、次を使用します。
      iptables -L | grep oem
      別のポートを使用している場合は、次のコマンドを実行します。
      iptables -L n | grep <EM agent port number>
これで、管理エージェントに対してACCEPTルールが設定されています。

ノート:

ここでtemplate-iptablesファイルに対して行った変更は、次回のOracle Audit Vault and Database Firewallパッチまたはアップグレードによりロールバックできる場合があります。次回のパッチまたはアップグレードの適用後に、Enterprise ManagerがAV Serverに関する情報を正確には収集していないことが判明した場合は、前述のステップaおよびbを繰り返します。

次のステップでは、AVDFエージェントが常駐している各サーバーでEM管理エージェントをインストールおよび構成します。EM管理エージェントをインストールするには、Enterprise Managerグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用するか(プッシュ方式を使用)、エージェント・ソフトウェアをAudit Vault ServerまたはDatabase Firewall Applianceに手動でプルします。

UIを使用したEnterprise Managerエージェントのインストール

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cエージェントのインストールは、OEMコンソールからのプッシュ方式を介して実行されます。

Enterprise Managerエージェントのインストールの前提条件で説明されている前提条件を必ず実行してください。

  1. 「設定」ドロップダウンから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」を選択します。
  2. 「ホストにエージェントをインストール」をクリックします。
  3. 「+追加」ボタンをクリックし、「ホスト名」および「プラットフォーム」に入力して「次」をクリックします。
  4. 「インストールのベース・ディレクトリ」/var/lib/oracle/agent13cと入力します。
  5. ユーザーoracle名前付き資格証明を作成します。
  6. root資格証明は空白のままにします。
  7. 「エージェントのデプロイ」をクリックします。

    ノート:

    インストール・フェーズ中に、有効なパスワードで設定されていないsudoに関するメッセージが表示される場合があります。すべてのホストを続行をクリックします。
  8. 監査Vaultサーバーでrootとして端末ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。
    ./var/lib/oracle/agent13c/<agent_version>/root.sh

Audit Vault ServerまたはDatabase Firewall ApplianceのEM管理エージェントの手動インストール

次のステップに従って、エージェント・ファイルをプルし、Audit Vault ServerまたはDatabase Firewall Applianceでエージェントを構成して、EM管理エージェントを手動でインストールします。

Enterprise Managerエージェントのインストールの前提条件で説明されている前提条件を必ず実行してください。

  1. Audit Vault Serverにrootユーザーとしてログインし、次のコマンドを実行してoracleユーザーになります。

    su - oracle
  2. 次のようにして、AgentPull.shスクリプトをダウンロードします。

    cd /tmp
              curl
              "https://<OMS_HOST>:<OMS_PORT>/em/install/getAgentImage" -k -o AgentPull.sh
  3. AgentPull.shスクリプトに対して、実行権限を付与します。

    chmod +x AgentPull.sh
  4. 次の内容のレスポンスagent.rspファイルを作成します。

    LOGIN_USER=sysman
             PLATFORM="Linux x86-64"
  5. AgentPull.shスクリプトを実行し、管理エージェントをダウンロードしてインストールします。

    ./AgentPull.sh RSPFILE_LOC=/tmp/agent.rsp
              AGENT_BASE_DIR=/var/lib/oracle/emagent
              ORACLE_HOSTNAME=location.mycompany.com AGENT_PORT=3872

    ノート:

    ORACLE_HOSTNAMEは、EM管理エージェントがインストールされているAudit Vault Serverの完全修飾ホスト名です。

    このコマンドの実行直後に2つのパスワードを要求されます。

ダウンロードが終了すると同時に、EM管理エージェントのインストールが自動的に開始されます。インストールの最後で、スクリプトをrootとして実行するように要求されます。

スクリプトを実行したら、Oracle AVDFターゲットの検出に進みます。