2 Enterprise Manager管理エージェントのインストール
この章では、Audit Vault ServerおよびDatabase Firewall ApplianceにEnterprise Manager (EM)管理エージェントをインストールする手順について説明します。
Enterprise Managerエージェントのインストールの前提条件
Enterprise Managerエージェントをインストールする前に、監査Vaultコンソールで実行する必要がある複数の前提条件があります。
EMエージェント・ネットワーク・ポートのブロックを解除する
- Audit Vault ServerまたはDatabase Firewall Applianceのオペレーティング・システムにrootユーザーとしてログインします。
- EM管理エージェントおよびEnterprise Managerサーバーが通信を行うために使用するネットワーク・ポートをブロック解除します。
/usr/local/dbfw/templates/template-iptables
ファイルを編集します。デフォルトでは、このファイルの権限は読取り専用です。編集を許可するように権限を変更する必要があります。rootとして、権限を変更します。
下の説明に従って行を編集します。データベースのリスナー・ポートに類似したエントリが存在している場合があります。そのエントリの下にエントリを作成します。20.1より前のAVDFサーバー・バージョンの場合は、次のように行を追加します。chmod 644 template-iptables
AVDFサーバー・バージョン20.1以降の場合は、次のように行を追加します。-A RH-Firewall-1-INPUT -p tcp -m state --state NEW --dport <EM agent port number> -j ACCEPT
説明:-A INPUT -p tcp -m state --state NEW --dport <EM agent port number> -j ACCEPT
--dport
は、EMエージェントのポート番号です。通常、EMエージェントで使用されるデフォルトのポート番号は3872です。- オプションの"-s"オプションは、IP範囲を特定のOMSに制限します。ベスト・プラクティスは、追加のオプション・スイッチ"- s ip1,ip2"を追加し、IP範囲を制限することです。
template-iptables
ファイルを変更する際には、細心の注意を払ってください。編集に誤りがあった場合、システムが動作不能になる可能性があります。template-iptables
ファイルの権限を読取り専用に戻します。chmod 444 template-iptables
- 次のコマンドを
root
として実行します。/usr/local/dbfw/bin/priv/configure-networking
- 変更内容をテストします。エージェントのポート番号がデフォルト値3872であり、
oem-agent
でOracleによってIANAに正式に登録されている場合は、次を使用します。
別のポートを使用している場合は、次のコマンドを実行します。iptables -L | grep oem
iptables -L n | grep <EM agent port number>
ノート:
ここでtemplate-iptablesファイルに対して行った変更は、次回のOracle Audit Vault and Database Firewallパッチまたはアップグレードによりロールバックできる場合があります。次回のパッチまたはアップグレードの適用後に、Enterprise ManagerがAV Serverに関する情報を正確には収集していないことが判明した場合は、前述のステップaおよびbを繰り返します。
次のステップでは、AVDFエージェントが常駐している各サーバーでEM管理エージェントをインストールおよび構成します。EM管理エージェントをインストールするには、Enterprise Managerグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用するか(プッシュ方式を使用)、エージェント・ソフトウェアをAudit Vault ServerまたはDatabase Firewall Applianceに手動でプルします。
UIを使用したEnterprise Managerエージェントのインストール
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cエージェントのインストールは、OEMコンソールからのプッシュ方式を介して実行されます。
Enterprise Managerエージェントのインストールの前提条件で説明されている前提条件を必ず実行してください。
- 「設定」ドロップダウンから、「ターゲットの追加」→「ターゲットの手動追加」を選択します。
- 「ホストにエージェントをインストール」をクリックします。
- 「+追加」ボタンをクリックし、「ホスト名」および「プラットフォーム」に入力して「次」をクリックします。
- 「インストールのベース・ディレクトリ」に/var/lib/oracle/agent13cと入力します。
- ユーザーoracleの名前付き資格証明を作成します。
- root資格証明は空白のままにします。
- 「エージェントのデプロイ」をクリックします。
ノート:
インストール・フェーズ中に、有効なパスワードで設定されていないsudoに関するメッセージが表示される場合があります。すべてのホストを続行をクリックします。 - 監査Vaultサーバーでrootとして端末ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。
./var/lib/oracle/agent13c/<agent_version>/root.sh
Audit Vault ServerまたはDatabase Firewall ApplianceのEM管理エージェントの手動インストール
次のステップに従って、エージェント・ファイルをプルし、Audit Vault ServerまたはDatabase Firewall Applianceでエージェントを構成して、EM管理エージェントを手動でインストールします。
Enterprise Managerエージェントのインストールの前提条件で説明されている前提条件を必ず実行してください。
-
Audit Vault Serverに
root
ユーザーとしてログインし、次のコマンドを実行してoracle
ユーザーになります。su - oracle
-
次のようにして、
AgentPull.sh
スクリプトをダウンロードします。cd /tmp curl "https://<OMS_HOST>:<OMS_PORT>/em/install/getAgentImage" -k -o AgentPull.sh
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AgentPull.shスクリプトに対して、実行権限を付与します。
chmod +x AgentPull.sh
-
次の内容のレスポンス
agent.rsp
ファイルを作成します。LOGIN_USER=sysman PLATFORM="Linux x86-64"
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AgentPull.sh
スクリプトを実行し、管理エージェントをダウンロードしてインストールします。./AgentPull.sh RSPFILE_LOC=/tmp/agent.rsp AGENT_BASE_DIR=/var/lib/oracle/emagent ORACLE_HOSTNAME=location.mycompany.com AGENT_PORT=3872
ノート:
ORACLE_HOSTNAME
は、EM管理エージェントがインストールされているAudit Vault Serverの完全修飾ホスト名です。このコマンドの実行直後に2つのパスワードを要求されます。
ダウンロードが終了すると同時に、EM管理エージェントのインストールが自動的に開始されます。インストールの最後で、スクリプトをroot
として実行するように要求されます。
スクリプトを実行したら、Oracle AVDFターゲットの検出に進みます。