16 Enterprise Managerフェデレーションの構成

Enterprise Managerフェデレーションを使用すると、お客様はすべてのEnterprise Managerサイトの統合ビューを使用して、企業全体にデプロイされているすべてのEnterprise Managerサイトの概要を提供できます。

この章の構成は、次のとおりです。

概要

Enterprise Managerフェデレーションを使用すると、お客様はすべてのEnterprise Managerサイトの統合ビューを使用して、企業全体にデプロイされているすべてのEnterprise Managerサイトの概要を提供できます。

Enterprise Managerフェデレーションのユーザー・インタフェースには、フェデレーテッド・サマリーと、詳細な分析のための特定のEnterprise Managerサイトのサマリー・ページへのリンクも用意されています。フェデレーションの概要ページには、ターゲット・サマリー、インシデント・サマリー、問題サマリーおよびジョブ・サマリーの各領域のフェデレーテッド・サマリーが表示されます。

Enterprise Managerフェデレーションでは、cURLコマンドおよびREST APIの使用がサポートされます。

Enterprise Managerフェデレーション・ダッシュボード

フェデレーテッドEnterprise Managerサイト・データには、単一のインタフェースからアクセスできます。Enterprise Managerフェデレーション・ダッシュボードの概要は次のとおりです。
  • ターゲット
  • インシデント
  • 問題
  • ジョブ

前述のサマリー・オプションからドリルダウンすることもできます。たとえば、個々のEnterprise Managerのすべてのターゲット・ページ、ジョブ・アクティビティ・ページまたはインシデント概要ページにドリルダウンして詳細を表示できます。

EMフェデレーション・ダッシュボード

Enterprise Managerフェデレーションの設定と構成

次のステップは、Enterprise Managerフェデレーションを設定するためにEMスーパー管理者ユーザーが一度のみ実行する必要があります。

ステップ1: プライマリEnterprise Managerサイトの設定

ステップ2: フェデレーテッドEnterprise Managerサイトのリストの追加

ステップ3: 証明書のインポート

ステップ1: プライマリEnterprise Managerサイトの設定

Enterprise Manager管理者は、企業全体からプライマリEnterprise Managerサイトを選択する必要があります。Enterprise Manager 13cリリース4アップデート5 (13.4.0.5)以降のバージョンを実行している任意のEnterprise Managerサイトを指定できます。

プライマリEnterprise Managerサイトを設定するには、emctlユーティリティを使用して、次を実行する必要があります。
emctl set property -name "oracle.sysman.federation.masterEM" -value "true"

ステップ2: フェデレーテッドEnterprise Managerサイトのリストの追加

Enterprise Manager管理者は、フェデレーションの一部となるEnterprise ManagerサイトおよびそれぞれのURLのリストを、cURLコマンドライン・ツールを使用してプライマリEnterprise Managerサイトに追加する必要があります。Enterprise Manager 13cリリース4アップデート4 (13.4.0.4)以降をフェデレーテッド・サイトにできます。

Enterprise Managerサイトのリストを追加するには、cURLコマンドライン・ツールを使用して次のコマンドを実行できます。
curl -X POST <Primary_EM_host_URL>:<Primary_EM_host_port>/em/websvcs/restful/fed/emSites -u '<EM_user_from_Primary_EM_host>' -H 'content-type: application/json' -d '{"siteURL":
"<EM_site1_URL>:EM_site1_port>", "name": "host"}'
cURLの使用例
curl -X POST https://primary_em.sample.com:5416/em/websvcs/restful/fed/emSites -u 'user1' -H 'content-type: application/json' -d '{"siteURL":
"https://em_site1.sample.com:5416", "name": "host"}'

レスポンス

このコマンドからのレスポンスによって、次が返されます。
  • 成功した操作: 成功したレスポンスに対して新しく生成されたEM Site GUIDを返します。この値は次のステップで使用されます。たとえば、em_site1.sample.comサイトのEM Site GUIDとして「422cf85c13354336874a1971c1d57a70」が返されます。

  • 無効な入力: 失敗したレスポンスに対してエラー・コードとメッセージを返します。

cURLコマンドは、一度に1つのEnterprise Managerサイトをサポートします。このステップを繰り返して、Enterprise Managerサイトをフェデレーテッド・サイトとして追加します。サポートされるフェデレーテッドEnterprise Managerサイトの最大数は10です。

ステップ3: プライマリEnterprise Managerサイトのトラスト・ストアへの証明書のインポート

他のEnterprise Managerサイトへのhttps接続を許可するために、Enterprise Manager管理者は、フェデレーテッドEnterprise Managerサイトの証明書をプライマリEnterprise Managerサイトのトラスト・ストアにインポートします。

管理者は、指定された証明書がPEMでエンコードされていることを確認する必要があります(DERでエンコードされた証明書はサポートされていません)。

お客様は、cURLコマンドライン・ツールを使用して他のEnterprise Managerの証明書を提供します。

curl -X POST <Primary_EM_host_URL>:<Primary_EM_host_port>/em/websvcs/restful/fed/emSites/<EM Site GUID>/certificates -u '<EM_user_from_Primary_EM_host>' -H 'content-type: multipart/form-data' -F file=@<certificate file>
cURLの使用例
curl -X POST https://primary_em.sample.com:5416/em/websvcs/restful/fed/emSites/422cf85c13354336874a1971c1d57a70/certificates -u 'user1' -H 'content-type: multipart/form-data' -F file=@em_site1.pem

レスポンス

このコマンドからのレスポンスによって、次が返されます。
  • 成功した操作:成功したレスポンスに対してアップロードされたファイルのCertificate GUIDおよびPEMコンテンツが返されます。

  • 無効な入力: 失敗したレスポンスに対してエラー・コードとメッセージを返します。

証明書は、Enterprise Manager資格証明フレームワークに格納されます。

Enterprise Managerフェデレーションの構成後のタスク

次の構成後のタスクは、プライマリEnterprise ManagerサイトにあるEnterprise Managerフェデレーション・ダッシュボードへのアクセス権を持つ必要がある個々のユーザーが実行する必要があります。ユーザーは、資格証明を作成し、それをフェデレーテッドEnterprise Managerサイトにリンクする必要があります。資格証明はそのユーザー専用で、共有されません。

  1. ユーザーの資格証明の作成

    フェデレーテッドEnterprise Managerサイトに接続するには、プライマリEnterprise Managerサイトでユーザーの資格証明を作成する必要があります。

    資格証明には、ユーザー名、パスワードおよび資格証明名(オプション)を含みます。これは専用であり、他のユーザーとは共有されません。

    curl -X POST <Primary_EM_host_URL>:<Primary_EM_host_port>/em/websvcs/restful/fed/credentials -u '<EM_user_from_Primary_EM_host>' -H 'content-type: application/json' -d '{"userName": "<user_name>", "password": "<password>", "name": "<optional_credential_name>"}'
    cURLの使用例
    curl -X POST https://primary_em.sample.com:5416/em/websvcs/restful/fed/credentials -u 'user1' -H 'content-type: application/json' -d '{"userName": "emuser", "password": "oracle", "name": "default"}'

    レスポンス

    このコマンドからのレスポンスによって、次が返されます。

    • 成功した操作: 成功したレスポンスに対して新しく作成されたCredential GUIDが返されます。たとえば、「3f1e2492016740f9aae9d2647d09efb0」です。この値は次のステップで使用されます。

    • 無効な入力: 失敗したレスポンスに対してエラー・コードとメッセージが返されます

  2. フェデレーテッドEnterprise Managerサイトへのユーザー資格証明のリンク

    資格証明を作成した後、ユーザー資格証明をフェデレーテッドEnterprise Managerサイトにリンクする必要があります。

    Enterprise Managerフェデレーション・ダッシュボードでは、ユーザー資格証明を使用して、EM Site GUIDの値を使用してフェデレーテッドEnterprise Managerサイトからデータを取得します。

    curl -X POST <Primary_EM_host_URL>:<Primary_EM_host_port>/em/websvcs/restful/fed/emSites/<EM Site GUID>/credential -u '<EM_user_from_Primary_EM_host>' -H 'content-type: application/json' -d '{"id": <Credential GUID>}'
    cURLの使用例
    curl -X POST https://primary_em.sample.com:5416/em/websvcs/restful/fed/emSites/422cf85c13354336874a1971c1d57a70/credential -u 'user1' -H 'content-type: application/json' -d '{"id":3f1e2492016740f9aae9d2647d09efb0}'
  • 成功した操作: 成功したレスポンスに対して文字列が返されます。

  • 無効な入力: 失敗したレスポンスに対してエラー・コードとメッセージが返されます。