28 Oracle Management Agentの廃止と削除

この章では、スタンドアロンのOracle Management Agent (Management Agent)を廃止および削除する方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

Oracle Management Agentの廃止

この項では、Oracle Management Agentの様々な廃止方法について説明します。この項では、特にEnterprise Manager Cloud Controlコンソールのユーザー・インタフェースと、emcliコマンドを使用してコマンドラインから、エージェント廃止機能を使用する方法について説明します。これらはいずれも、単一または複数のエージェントを同時に廃止できます。

Enterprise Managerコンソールを使用したManagement Agentの廃止

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して管理エージェントを廃止するには、「設定」 > 「Cloud Controlの管理」 > 「エージェント」ページの下にある、「エージェント廃止」ボタンを使用します。

単一エージェントを廃止する場合は、「ターゲット」 > 「エージェントの選択」 > 「エージェント」 > 「ターゲット設定」 > 「エージェント廃止」に移動して、エージェント・ホームページから「エージェント廃止」オプションを使用することもできます。

「エージェント廃止」には、次の2つのオプションがあります。
  • 「リポジトリからエージェントを削除します。」。選択したエージェントとそのターゲットをリポジトリから削除します。エージェント・ホストの資格証明は必要ありません。スーパーユーザー資格証明のみ必要になります。
  • 「ホストとリポジトリからエージェントを削除します**。」。選択したエージェントとそのターゲットをリポジトリから削除します。また、ホストからのエージェント・ソフトウェアの削除も実行します。これにはエージェント・インストール・ユーザーのホスト資格証明が必要です。このオプションを選択した場合は、後でディレクトリをクリーン・アップしたり、エージェントを手動で削除する必要はありません。

必要なオプションを選択すると、「エージェント廃止」確認ウィンドウが表示されます。

「エージェント廃止」確認ウィンドウ

エージェントを削除すると、モニター中のターゲットもすべて削除されることを理解しています」チェック・ボックスを選択します。オプションを選択して、「OK」をクリックします。

チェック・ボックス選択後の「エージェント廃止」確認ウィンドウ

確認すると、「Enterprise Managerジョブ」ページが開きます。必要な詳細情報を入力し、「発行」をクリックします。ジョブ発行の成功ウィンドウに、エージェント廃止ジョブへのリンクが表示されます。場合によっては、ターゲットとエージェントがすでにリポジトリから削除されているため、ジョブの完全な詳細が表示されないことがあります。

emcliを使用したManagement Agentの廃止

emcliコマンドを使用して管理エージェントを廃止するには、コマンドラインを使用してスクリプトを作成し、スクリプトを手動で実行して、エージェントの廃止プロセスを管理します。

emcliを使用してエージェントを廃止するには、次の2つのオプションがあります。
  • 「リポジトリからエージェントを削除します。」。目的のエージェントとそのターゲットをリポジトリから削除します。このオプションにエージェント・ホストの資格証明は必要ありません。スーパーユーザー資格証明のみ必要になります。このオプション・タイプは"Multiple Agents Decommission"と呼ばれます。

  • 「ホストとリポジトリからエージェントを削除します**。」。目的のエージェントとそのターゲットをリポジトリから削除します。また、ホストからのエージェント・ソフトウェアの削除も実行します。これにはエージェント・インストール・ユーザーのホスト資格証明が必要です。後でディレクトリをクリーン・アップしたり、エージェントを手動で削除する必要はありません。このオプション・タイプは"Multiple Agents Cleanup"と呼ばれます。

次の手順を実行します。

  1. 次に示す必須パラメータを指定して、テキスト・エディタで入力プロパティ・ファイルを作成します。

    nameは、使用する任意のジョブ名です。

    typeは、エージェント廃止オプション・タイプの名前です。type=Multiple Agents Decommissionまたはtype=Multiple Agents Cleanupを指定できます。

    target_listは、完全修飾ホスト名とポート番号を使用して、ターゲットのリストを指定します。例: target_list=host1.example.com:1834:oracle_emd

    schedule.frequencyは頻度を指定します。サポートされている値はIMMEDIATEです。

    cred.agent_creds.<all_targets>:oracle_emdはエージェント資格証明を指定します。これは、type=Multiple Agents Cleanupを使用する場合にのみ必須のパラメータです。例: cred.agent_creds.<all_targets>:oracle_emd=NAMED:agentinst

    • type=Multiple Agents Cleanupの入力プロパティ・ファイルのサンプル
      name=Multi Agent Full Cleanup Job
      type=Multiple Agents Cleanup
      target_list=<FQDN_Host_Name1>:<port>:oracle_emd
      target_list=<FQDN_Host_Name2>:<port>:oracle_emd
      target_list=<FQDN_Host_Name3>:<port>:oracle_emd
      schedule.frequency=IMMEDIATE
      cred.agent_creds.<all_targets>:oracle_emd=NAMED:<Agent_Install_User>
      
      type=Multiple Agents Cleanupの場合は、すべてのエージェント・ターゲットが同じエージェント資格証明でインストールされている必要があります。異なる資格証明を使用してエージェント・ターゲットをインストールしている場合は、異なる資格証明を持つ入力プロパティ・ファイルを作成する必要があります。
    • type=Multiple Agents Decommissionの入力プロパティ・ファイルのサンプル
      name=Multi Agent Decommission Repo only
      type=Multiple Agents Decommission
      target_list=<FQDN_Host_Name1>:<port>:oracle_emd
      target_list=<FQDN_Host_Name2>:<port>:oracle_emd
      target_list=<FQDN_Host_Name3>:<port>:oracle_emd
      schedule.frequency=IMMEDIATE
      

    適切な入力プロパティ・ファイルを作成した後、プロパティ・ファイルをテキスト・ファイルとして保存できます。たとえば、"decom_agent_multi.txt"という名前にできます。

  2. emcliコマンドを実行し、ステップ1で作成したテキスト・ファイルを使用してジョブを作成します。
    ./emcli create_job -input_file=property_file:"decom_agent_multi.txt"
    Creation of job "MULTI AGENT FULL CLEANUP JOB" was successful.
  3. エージェント廃止ジョブのステータスを確認します。
    ./emcli get_jobs -name="MULTI AGENT FULL CLEANUP JOB"
    Name    Type
    Job ID                            Execution ID                       Scheduled
    Completed        TZ Offset   Status   Status ID  Owner   Target Type  Target Name
    MULTI AGENT FULL CLEANUP JOB  Multiple Agents Decommission
    90AF4B4FBAD35BAEE053BD70F00A8249  90AF4B4FBADC5BAEE053BD70F00A8249   2019-08-21 22:52:25
    none             GMT-07:00  Running  2           SYSMAN  oracle_emd   <Host_Name1>:<port>
    MULTI AGENT  FULL CLEANUP JOB  Multiple Agents Decommission
    90AF4B4FBAD35BAEE053BD70F00A8249  90AF4B4FBAD55BAEE053BD70F00A8249   2019-08-21 22:52:25
    none             GMT-07:00  Running  2           SYSMAN  oracle_emd   <Host_Name2>:<port>
    MULTI AGENT  FULL CLEANUP JOB  Multiple Agents Decommission
    90AF4B4FBAD35BAEE053BD70F00A8249  90AF4B4FBAD95BAEE053BD70F00A8249   2019-08-21 22:52:25
    none             GMT-07:00  Running  2           SYSMAN  oracle_emd   <Host_Name3>:<port>

Oracle Management Agentの削除

この項では、削除の前提条件を示し、スタンドアロンのOracle Management Agentを削除する様々な方法について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

ノート:

クラスタで、管理エージェントをすべてのノードから1つずつ確実に削除するようにしてください。そのためには、この章で説明されている手順に従ってください。

ノート:

古いスタンドアロン管理エージェントを削除して同じホストに新しいスタンドアロン管理エージェントをインストールすると、管理リポジトリからターゲットのすべての履歴情報が失われます。

履歴情報がすべて消失することを回避するには、最初に新しいスタンドアロン管理エージェントをインストールし、emcli relocate_targetsコマンドを実行して旧スタンドアロン管理エージェントから新スタンドアロン管理エージェントにターゲットを渡してから、旧スタンドアロン管理エージェントを削除します。

emcli relocate_targetsコマンドの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlコマンドライン・インタフェース・ガイド』relocate_targetsに関する項を参照してください。

スタンドアロンのManagement Agentの削除

ここでは、以下の項目について説明します。

AgentDeinstall.plスクリプトを使用したスタンドアロン管理エージェントの削除

AgentDeinstall.plスクリプトを使用してスタンドアロン管理エージェントを削除するには、次のステップを実行します。

  1. AgentDeinstall.plスクリプトを起動して、スタンドアロン管理エージェントを削除し、エージェント・ベース・ディレクトリも削除します。

    $<AGENT_HOME>/perl/bin/perl <AGENT_HOME>/sysman/install/AgentDeinstall.pl -agentHome <AGENT_HOME>

    次に例を示します。

    /u01/software/em13c/agentbasedir/agent_13.4.0.0.0/perl/bin/perl /u01/software/em13c/agentbasedir/agent_13.4.0.0.0/sysman/install/AgentDeinstall.pl -agentHome /u01/software/em13c/agentbasedir/agent_13.4.0.0.0

  2. 削除したスタンドアロン管理エージェントによってモニターされていたターゲットをEnterprise Manager Cloud Controlコンソールから手動で削除します。それには、EM CLIがインストールされている任意のホストで次のEM CTLコマンドを実行します。

    emcli delete_target

    -name="<host_name>:<agent_port>"

    -type="oracle_emd"

    -delete_monitored_targets

    次に例を示します。

    emcli delete_target

    -name="example.com:1836"

    -type="oracle_emd"

    -delete_monitored_targets

  3. エージェント・ベース・ディレクトリを手動で削除します。エージェント・ベース・ディレクトリの詳細は、「エージェント・ベース・ディレクトリとは」を参照してください。

    UNIXプラットフォームの場合:

    rm -rf <absolute_path_to_install_base_dir>

    Microsoft Windowsプラットフォームの場合:

    rmdir /s /q <absolute_path_to_install_base_dir>

ノート:

スタンドアロン管理エージェントを削除するとき、管理エージェント・サービスは自動的に削除されます。サービスが自動的に削除されない場合は、次のコマンドを実行して、削除後に手動で削除できます。

sc delete <service_name>

共有エージェントの削除

共有エージェントを削除するには、共有エージェントがインストールされているホストで認識可能なマスター・エージェント・ホームから次のコマンドを実行します。

$<AGENT_HOME>/perl/bin/perl <AGENT_HOME>/sysman/install/NFSAgentDeInstall.pl AGENT_INSTANCE_HOME=<absolute_path_to_agent_instance_home> ORACLE_HOME=<absolute_path_to_agent_home>

次に例を示します。

/shared/app/agentbasedir/agent_13.4.0.0.0/perl/bin/perl /shared/app/agentbasedir/agent_13.4.0.0.0/sysman/install/NFSAgentDeInstall.pl AGENT_INSTANCE_HOME=/shared/app/agentbasedir/agent_inst ORACLE_HOME=/shared/app/agentbasedir/agent_13.4.0.0.0

RPMファイルを使用してインストールしたスタンドアロン管理エージェントの削除

.rpmファイルを使用してインストールされたスタンドアロン管理エージェントを削除するには、Resource Package Manager (RPM)が管理エージェント・ホストにインストールされていることを確認し、次のステップを実行します。

  1. 管理エージェントで次のコマンドを実行し、RPM名を取得します。

    rpm -qa | grep oracle-agt

  2. rootユーザーとして次のコマンドを実行し、管理エージェントを削除します。

    rpm -e <rpm_name>

    ここで、<rpm_name>はステップ1で実行したコマンドの出力に表示されるRPM名を表します。

スタンドアロン管理エージェントの削除後

スタンドアロン管理エージェントを削除した後は、次のステップを実行します。

  1. 削除したOracleホームが、中央インベントリから登録解除されたことを確認します。ただし、一部のファイルがこれらのOracleホームに残ることもあります。その場合は、手動でファイルを削除できます。

    また、/etc/init.dディレクトリにあるgcstartupという名前の自動起動スクリプトを手動で削除する必要があります。

    ノート:

    この自動開始スクリプトは、Microsoft Windowsでは提供されていません。

  2. Microsoft Windowsプラットフォームで削除を行った場合は、次のステップに従って、Microsoft Windowsレジストリからエントリを削除します。そのホストに対する管理者権限を持つユーザーとしてログインしていることを確認してください。

    1. 「HKEY_LOCAL_MACHINE」「SOFTWARE」「Oracle」「Sysman」を展開します。「Sysman」ディレクトリで、管理エージェント・サービスを削除します。たとえば、Oracleagent13cAgentです。

    2. レジストリ・エディタを閉じます。

Oracle Management Agentからのプラグインのみの削除またはアンデプロイ

Management Agentからプラグインのみを削除またはアンデプロイし、Management Agent自体は削除しない場合は、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールのプラグイン・ページを使用します。手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』Oracle Management Agentからのプラグインのアンデプロイに関する項を参照してください。プラグインのみのアンデプロイにインストーラを使用しないでください。