configure_db_ha
データベースの高可用性(HA)構成タスクを実行します。このverbには複数のサブコマンドがあり、様々なHA関連操作を実行します。使用できるサブコマンドについて次に詳しく説明します。
configure_db_ha -configureBackupToRA
1つ以上のリカバリ・アプライアンスによる保護のために1つ以上のデータベースを構成します。このコマンドでは、複数のデータベースを処理して、それぞれが指定のリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように構成するEnterprise Managerデプロイメント・プロシージャをスケジュールします。さらに、このコマンドを使用すると、個別のデータベースまたはData Guard Broker構成内から、リカバリ・アプライアンスへのREDOトランスポートも可能になります。このプロシージャのステップには、データベース・バックアップ・ウォレットの構成、データベースのOracleホームへのリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール(必要な場合)、データベースとEnterprise Managerで必要になるすべてのバックアップ設定とREDO設定の構成が含まれます。このコマンドの実行前に、指定したデータベースがリカバリ・アプライアンスに保護対象データベースとしてすでに登録されている必要があります(emcli manage_ra-addProtectedDatabaseコマンドまたはEnterprise Managerリカバリ・アプライアンス管理コンソールを使用してリカバリ・アプライアンス管理者が実行します)。
-backup_configパラメータでは、処理するデータベースのタイプと、それらをバックアップ用およびREDOトランスポート用に構成する方法を制御します。このパラメータに「NO_DG」の値を指定すると、Data Guard構成内に存在していないデータベースのみが構成されます。このパラメータに「ALL_DG」または「CUSTOM_DG」の値を指定すると、Data Guard Broker構成内のデータベースのみが1つ以上のリカバリ・アプライアンス(すべてのデータベースに対応する同一のリカバリ・アプライアンスまたはデータベースごとに指定した個別のリカバリ・アプライアンス)にバックアップを送信するように構成されて、リカバリ・アプライアンスがData Guard Broker構成のメンバーとして追加され、そのリカバリ・アプライアンスに対してREDOトランスポートが有効化されます。
このコマンドを使用して、同じリカバリ・アプライアンスまたは現在構成しているものとは別のリカバリ・アプライアンスに対応する、1つ以上のデータベースの既存の構成を変更することもできます。このプロシージャは、初期構成と再構成のどちらの場合も同様に機能しますが、再構成の場合は既存の保護対象データベースの構成が新しい設定で上書きされる点が異なります。
ウォレットの処理
Oracleウォレット内のリカバリ・アプライアンスの仮想プライベート・カタログ資格証明の構成は、データベースがリカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信するための要件です。この構成は、ウォレットを使用するその他のデータベース機能と共存する必要があるため、既存のウォレット(存在する場合)に統合するか、新しいウォレットを適切な場所に作成する必要があります。SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONパラメータは、一部のデータベース機能(REDOトランスポートなど)でウォレットの場所を判断するために使用されるため、SQLNET.ORAの場所も決定する必要があります。このコマンドによって発行される構成プロシージャでは、SQLNET.ORAとデータベース・ウォレットの場所を判断するために次のルールが使用されます。
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各データベースのSQLNET.ORAの場所は、次のようにして判断されます。
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データベースのSRVCTLユーティリティで設定したTNS_ADMIN環境変数の値を使用します(設定されている場合)。
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それ以外の場合は、データベースをモニタリングしているEnterprise Managerエージェントの環境のTNS_ADMINの値を使用します(設定されている場合)。
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それ以外の場合、データベースのOracleホームが読取り専用のときには、$ORACLE_BASE_HOME/network/adminを使用します。
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それ以外の場合は、$ORACLE_HOME/network/adminを使用します。
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各データベース用に作成/更新されるバックアップ・ウォレットの場所は、次のようにして判断されます。
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SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONで指定される場所のウォレットを作成/更新します。
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それ以外の場合は、$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_UNQNAME/walletにあるデフォルトのウォレットを更新します(存在する場合)。
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それ以外の場合、-wallet_locationが指定されているときには、指定された場所(USE_RECOMMENDEDが指定されている場合は、$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_UNQNAME/wallet)のウォレットを作成/更新します。
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それ以外の場合、データベースのOracleホームが読取り専用のときには、$ORACLE_BASE_HOME/dbs/zdlraのウォレットを作成/更新します。
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それ以外の場合は、$ORACLE_HOME/dbs/zdlraのウォレットを作成/更新します。
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前述の2番目のケースでは、SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONは、-force_update_wallet_loc引数を指定した場合にのみ、関連付けられるウォレットの場所に設定されます。これは、データベース機能が使用しているデフォルト・ウォレットが誤って上書きされないようにするためです。3番目から5番目のケースでは、デフォルト・ウォレットもWALLET_LOCATIONの既存の値も存在しないため、WALLET_LOCATIONはデフォルトで関連付けられる値に設定されます。なんらかの理由でWALLET_LOCATIONを設定できない場合は、次のようになります。
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構成プロシージャのREDOトランスポート・ユーザーの設定ステップは、必要なWALLET_LOCATION設定が存在しないことを示すエラーで失敗します。
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プロシージャのその他すべてのステップは続行されます。
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データベースは、リカバリ・アプライアンスへのバックアップの送信のみが構成され、REDOトランスポートは有効化されません。
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処理されるデータベースがData Guard構成内にある場合、リカバリ・アプライアンスはData Guard Broker構成に追加されません。
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プロシージャのステータスは、「エラーで完了」とレポートされます。
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書式
emcli configure_db_ha -configureBackupToRA ( (-target_name="<database or group target name>" -target_type="oracle_database|rac_database|composite") | -input_file="<full path name of input file>" ) -backup_config="NO_DG|ALL_DG|CUSTOM_DG" [-ra_target_name="<Recovery Appliance or Recovery Appliance Monitoring View target name>"] [-ra_vpc_username="<Recovery Appliance virtual private catalog username>"] [-ra_override_conn_desc="<Recovery Appliance database override connect descriptor>"] [-db_cred="<database target named credential>"] [-db_host_cred="<database host target named credential>"] [-download_backup_module] [-force_install_backup_module] [-backup_module_directory="<full pathname where backup module will be installed on database hosts>"] [-wallet_location=USE_RECOMMENDED|"<full pathname of backup wallet location>"] [-force_crs_setenv] [-force_update_wallet_loc] [-wallet_cred="<named credential containing wallet credentials for a password-protected wallet>"] [-ship_redo=YES|NO] [-skip_controlfile_autobackup] [-update_snapshot_controlfile_loc] [-parallelism=<# of channels to set in database RMAN settings for Recovery Appliance backups>] [-force_restart_db] [-skip_configured_dbs] [-force_serial_execution] [-schedule= { start_time:yyyy/MM/dd HH:mm; tz:{java timezone ID}; frequency:interval/weekly/monthly/yearly; repeat:#m|#h|#d|#w; months:#,#,...; days:#,#,...; end_time:yyyy/MM/dd HH:mm; } ]
オプション
引数の説明の属性値には、次の規則が使用されます。
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必須: 引数がコマンドラインまたは入力ファイルのいずれかで必須かどうか。必須の場合、その条件はどのようなものか。
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デフォルト: オプションの引数の場合、デフォルト値があるかどうか。
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範囲:
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コマンドラインのみ: 引数はコマンドラインでのみ指定でき、入力ファイルでは指定できません。コマンドに関連するすべてのデータベース・ターゲットにグローバルに適用されます。
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入力ファイルのみ: 引数は、ターゲット・レベルごとに入力ファイルでのみ指定できます。
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両方: 引数は、コマンドライン、入力ファイル、またはその両方で指定できます。両方の場所で指定された場合は、対応するコマンドライン引数の値が入力ファイルの値によって上書きされます。
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backup_config="NO_DG|ALL_DG|CUSTOM_DG"
このコマンドで構成するデータベースを指定します。1回のコマンドの起動では、Data Guardデータベース(Data Guard構成のプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベース)のセットまたはData Guard以外のデータベース(プライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースではなく、Data Guard構成のメンバーでもないデータベース)のセットのどちらかに対してのみ操作を実行できます。構成するデータベースのセットにData GuardデータベースとData Guard以外のデータベースの組合せが含まれている場合は、Data GuardデータベースとData Guard以外のデータベースに対して1回ずつ、2回コマンドを起動する必要があります。
- 必須: はい
- 範囲: コマンドラインのみ
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NO_DG:
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Data Guard以外のデータベースのみが、指定のリカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信するよう構成されます。
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ALL_DG:
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ターゲットとして(コマンドラインまたは入力ファイルで)指定できるのは、1つ以上のData Guard構成内のプライマリ・データベースのみです。データベースに指定したリカバリ・アプライアンスは、次のステップでData Guard構成に統合されます。
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Data Guard構成内のすべてのデータベースは、プライマリ・データベースに対して指定されたリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように構成されます。(その後、いずれかのデータベースからバックアップをスケジュールできます)。
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リカバリ・アプライアンスがData Guard Broker構成のメンバーとして追加されます。
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プライマリ・データベースからリカバリ・アプライアンスへのREDOトランスポートが有効になります。(Data Guard構成内のすべてのデータベースにREDOの送信に必要な基本設定がありますが、REDOトランスポートはプライマリ・データベースからのみ有効になります。このコマンドによって実行される初期構成の後で、Data Guard Brokerのコマンドを使用して、Data Guard構成内のREDOトランスポートの設定を変更できます)。
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-
制限事項:
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Data Guard構成内の複数のデータベースがターゲットとして指定されている場合、それらのデータベースは無視され、構成は試行されません。
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このオプションはグループ・ターゲットとの互換性がありません。このオプションと組み合せてコマンド・ラインまたは入力ファイルでグループ・ターゲットを指定すると、エラーがスローされます。
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優先データベース資格証明と優先データベース・ホスト資格証明が、すべてのデータベースに存在している必要があります。これがData Guard構成内のすべてのデータベースで使用可能になっていない場合、構成プロシージャは失敗し、この構成内のすべてのデータベースに対するエラーをレポートします。
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CUSTOM_DG:
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入力ファイルでは、1つ以上のData Guard構成内の1つ以上のデータベース(プライマリと一部/すべてのスタンバイ)をターゲットとして指定できます。各データベースは、同一または個別のリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように指定できます。指定したリカバリ・アプライアンスは、次のステップでData Guard構成に統合されます。
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指定した各データベースは、指定のリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように構成されます。(明示的にターゲットとして指定されていないData Guard構成内のデータベースは、バックアップについて構成されません)。
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リカバリ・アプライアンスは、関連付けられたData Guard Broker構成のメンバーとして追加されます。
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現在、Data Guard構成にREDOルートが定義されていない場合は、プライマリ・データベースからすべてのリカバリ・アプライアンスへのREDOトランスポートが有効になります。現在、Data Guard構成に対してREDOルートが定義されている場合、リカバリ・アプライアンスはBroker構成に追加されますが、メンバーからのREDOは受信しなくなります。このコマンドによって実行される初期構成の後で、Data Guard Brokerのコマンドを使用して、Data Guard構成内のREDOトランスポートの設定を変更できます。
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Data Guard構成内のどのデータベースが指定されているかに関係なく、統合リカバリ・アプライアンスに適応するプライマリ・データベースでREDOトランスポート・ユーザーの設定が変更され、その設定(およびプライマリ・データベース・パスワード・ファイル)がすべてのスタンバイ・データベースに伝播されます。
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制限事項:
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グループ・ターゲットがコマンドラインで指定されている場合、実際には、そのグループの一部であるターゲットのみが構成されます。このグループにはData Guard構成のプライマリ・データベースが含まれている必要があります。
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個々のグループは、単一のリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するようにのみターゲット設定できます。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースで異なるリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信する必要がある場合は、それらが異なるグループのメンバーである必要があり、そのグループを入力ファイルで指定する必要があります。プライマリ・データベースは、入力ファイルで指定したグループのいずれかのメンバーであることが必要です。
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-
-
target_name="<データベースまたはグループ・ターゲットの名前>"
保護されたデータベースとして構成される単一インスタンス・データベースまたはクラスタ・データベースのEnterprise Managerターゲット名、またはすべてのメンバー・データベースが構成されるグループ。(グループ・ターゲットを指定するか、次に示すinput_fileオプションを使用することで、複数のデータベースを構成できます)。
- 必須: はい
- 範囲: 両方
-
target_type="oracle_database|rac_database|composite"
-target_nameで指定されたターゲットに対応するターゲット・タイプ。指定可能なターゲット・タイプは、シングル・インスタンス・データベース(oracle_database)、クラスタ・データベース(rac_database)またはグループ(composite)です。
- 必須: はい
- 範囲: 両方
-
input_file="target_list:<入力ファイルのフルパス名>"
複数のデータベースやグループ・ターゲットの情報を含むファイル。これは、複数のリカバリ・アプライアンスで構成するデータベースが複数ある場合に使用できる-target_nameパラメータのかわりに使用できます。ファイル内のエントリは、コマンドライン・パラメータを反映しています。
- 必須:
- コマンドライン: はい。-target_nameが指定されている場合を除きます。(-target_nameまたは-input_fileのどちらかを指定する必要があります)。
- 入力ファイル: 該当しません。
- 範囲: コマンドラインのみ
このファイルの形式は次のとおりです。
-
データベースまたはグループごとに、target_nameとtarget_typeが必要です。
-
次のパラメータはオプションです(特に記載がある場合は条件付き、それ以外の場合は全体)。これらは、ターゲットの一部またはすべてに対して指定できます。特定のターゲットにオプションが指定されていない場合は、そのオプションのコマンドラインで指定された値がターゲットに使用されます。オプションが入力ファイルとコマンドラインの両方に存在する場合は、入力ファイルの値でコマンドラインの値が上書きされます。
- ra_target_name (対応するコマンドライン引数が指定されている場合のみオプション)
- ra_vpc_username (対応するコマンドライン引数が指定されている場合にのみオプションです)
- ra_override_conn_desc
- db_cred
- db_host_cred
- force_install_backup_module
- backup_module_directory
- wallet_location
- force_update_wallet_loc
- wallet_cred
- ship_redo
- skip_controlfile_autobackup
- update_snapshot_controlfile_loc
- force_restart_db
-
入力ファイルの形式。3つのデータベース全体に指定されるオプションのパラメータを示しています。
target.0.target_name="<database #1 target name or group target name>" target.0.target_type=<oracle_database|rac_database|composite> target.0.db_cred="<database named credential for database #1 or common credential for all databases in group target>" target.0.db_host_cred="<database host named credential for database #1>" target.0.ra_target_name="<target name of Recovery Appliance for which database #1 is to be configured (or multiple databases if target_name is group)>" target.0.ra_vpc_username="<Recovery Appliance virtual private catalog username for database #1>" target.0.force_install_backup_module target.0.wallet_location=USE_RECOMMENDED target.0.ship_redo=YES target.1.target_name="<database #2 target name or group target name>" target.1.target_type=<oracle_database|rac_database|composite> target.1.db_cred="<database named credential for database #2>" target.1.db_host_cred=<database host named credential for database #2> target.1.ra_target_name="<target name of Recovery Appliance for which database #2 is to be configured (or multiple databases if target_name is group)>" target.1.ra_vpc_username="<Recovery Appliance virtual private catalog username for database #2>" target.1.skip_controlfile_autobackup target.1.force_restart_db target.1.wallet_location="<full pathname of backup wallet location for database #2>" target.1.wallet_cred="<named credential containing wallet credentials for a password-protected backup wallet for database #2>" target.2.target_name=<database #3 target name or group target name>" target.2.target_type=<oracle_database|rac_database|composite> target.2.db_cred="<database named credential for database #3>" target.2.db_host_cred=<database host named credential for database #3> target.2.ra_target_name="<target name of Recovery Appliance for which database #3 is to be configured (or multiple databases if target_name is group)>" target.2.ra_vpc_username="<Recovery Appliance virtual private catalog username for database #3>" target.2.update_snapshot_controlfile_loc
- 必須:
-
ra_target_name="<リカバリ・アプライアンスまたはリカバリ・アプライアンス・モニタリング・ビューのターゲット名>"
指定したデータベースのバックアップの送信先として構成されるリカバリ・アプライアンスのターゲット名。-input_fileオプションが使用される場合、前述のように、個々のデータベースについてのこの設定が上書きされることがあります。また、リカバリ・アプライアンス・モニタリング・ビューのターゲットを指定することもできます。この場合、データベースはリカバリ・アプライアンス・モニタリング・ビューに関連付けられたリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように構成されます。
- 必須: はい
- 範囲: 両方
-
ra_vpc_username="<リカバリ・アプライアンスの仮想プライベート・カタログのユーザー名>"
リカバリ・アプライアンス・データベースの仮想プライベート・カタログ・ユーザーの名前。この名前は、指定したすべてのデータベースに対するリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信する場合とREDOを転送する場合に使用されます。これには、リカバリ・アプライアンスの管理者ユーザーではなく、仮想プライベート・カタログ・ユーザーを指定する必要があります。
- 必須: はい
- 範囲: 両方
-
ra_override_conn_desc="<リカバリ・アプライアンスのデータベース・オーバーライド接続記述子>"
リカバリ・アプライアンスのTNS接続記述子。この記述子は、リカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信するためにデータベースで使用されます。指定した場合、この接続記述子はリカバリ・アプライアンス・ターゲットのデフォルトのEnterprise Manager接続記述子を上書きします。指定可能な値は、完全な接続記述子、簡易接続文字列またはTNS別名です。
- 必須: いいえ
- デフォルト: リカバリ・アプライアンス・ターゲットのデフォルトのEnterprise Manger接続記述子を使用します。
- 範囲: 両方
-
db_cred="<データベース・ターゲットの名前付き資格証明>"
既存のEnterprise Managerデータベースの名前付き資格証明の名前。SYSDBAロール・ユーザーまたはSYSBACKUPロール・ユーザーのためのもので、これを使用することで指定されたすべてのターゲット・データベースに接続できるようになります。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。入力ファイルで複数のデータベースを指定する場合は、グローバル名前付き資格証明にする必要があります。
- 必須: いいえ
- デフォルト: データベース・ターゲット・タイプの優先データベース資格証明。
- 範囲: 両方
-
db_host_cred="<データベース・ターゲット・ホストの名前付き資格証明>"
指定したターゲット・データベース・ホストでオペレーティング・システムのコマンドを実行するために使用できる、既存のEnterprise Managerデータベース・ホストの名前付き資格証明の名前。資格証明は、すべてのOracleホームへの書込み権限を持つユーザーのものであることが必要です。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。入力ファイルで複数のデータベース・ホストを指定する場合は、グローバル名前付き資格証明にする必要があります。
- 必須: いいえ
- デフォルト: データベース・ターゲット・タイプの優先ホスト資格証明。
- 範囲: 両方
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download_backup_module
デプロイメント・プロシージャの実行中に、Oracle Cloudからサポート対象のオペレーティング・システムのすべてに対応するリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの最新バージョンがダウンロードされて、Enterprise Managerのソフトウェア・ライブラリにアップロードされます。これにより、その後のプロシージャで処理されるすべてのデータベースへのデプロイメントとインストールに最新バージョンを使用できるようになります。
- 必須: いいえ
- デフォルト: 新しいバージョンのバックアップ・モジュールをダウンロードしません。
- 範囲: 両方
この引数には、次の条件が適用されます。
-
使用可能な最新バージョンのバックアップ・モジュールをすべてのデータベースにインストールする場合は、この引数を-force_install_backup_moduleと同時に指定する必要があります。
-
この引数は、すべてのデータベースでバックアップ・モジュールのバージョンについて厳密な制御を維持する場合は指定しないでください。その場合は、emcli configure_db_ha -uploadBackupModuleコマンドを使用して、目的のバックアップ・モジュールのバージョンを取得して、ソフトウェア・ライブラリに手動でアップロードできます。
-
この引数が指定されていても、Enterprise Managerにインターネットの外部接続がない場合は、バックアップ・モジュールのダウンロードがスキップされます。
-
force_install_backup_module
Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリに格納されているリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのバージョンを、指定のターゲット・データベースのOracleホームに強制的に(既存のバックアップ・モジュールがOracleホームにインストールされていても)インストールします。このオプションにより既存のバックアップ・モジュールは上書きされます。そのため、このオプションは、ソフトウェア・ライブラリにあるバックアップ・モジュールのバージョンが指定したターゲット・データベースにインストールされているバージョン以降であるとわかっている場合にのみ指定してください。この引数を指定していないときに、Oracleホームに既存のバックアップ・モジュールがインストールされていないと、ソフトウェア・ライブラリにアップロードにバックアップ・モジュールのバージョンがアップロードされている場合にのみ、バックアップ・モジュールがインストールされます。
- 必須: いいえ
- デフォルト: バックアップ・モジュールはインストールされません。
- 範囲: 両方
-
backup_module_directory="<バックアップ・モジュールがデータベース・ホストにインストールされるフル・パス名>"
バックアップ・モジュールがインストールされるデータベース・ホストのディレクトリ。このディレクトリは、すべてのホストに存在している必要があります。
- 必須: いいえ
- デフォルト: ORACLE_HOME/lib
- 範囲: 両方
-
wallet_location=USE_RECOMMENDED|"<バックアップ・ウォレットの場所のフル・パス名>"
バックアップ・ウォレットとして構成する既存のウォレットの場所。ウォレットが存在しない場合は新しいバックアップ・ウォレットを作成する場所。SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONは、指定の場所に設定されます。USE_RECOMMENDEDを指定すると、ウォレットの場所がOracle推奨の値の$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_UNQNAME/walletに設定されます。
- 必須: いいえ
- デフォルト: SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONを変更しません。
- 範囲: 両方
この引数には、次の条件が適用されます。
-
この引数と-force_update_wallet_locを同時に指定していないときに、すでにSQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONが設定されている場合や既存のデフォルト・ウォレットがある場合は、それらの既存の設定を使用する別のデータベース機能に支障が出ないように、この引数は無視されます。
-
この引数と-force_update_wallet_locを同時に指定すると、デフォルト・ウォレットやWALLET_LOCATION設定がすでに存在するかどうかに関係なく、前に説明したウォレットの作成/使用とWALLET_LOCATIONの更新が実行されます。
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force_crs_setenv
SRVCTLコマンドを使用して、データベースのCluster Ready Services (CRS)設定で必要な環境変数の値を設定します。この引数は、そうした変数を使用するウォレット・ロケーションが(前述のウォレット処理の説明に従って)構成されていて、それらの変数がまだCRSで設定されていない場合に指定する必要があります。これには、データベースの再起動が必要になります。
- 必須: いいえ
- デフォルト: 環境変数は設定されません。
- 範囲: 両方
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force_update_wallet_loc
SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONパラメータを-wallet_location argumentで指定した値に設定します。
- 必須: いいえ
- デフォルト: SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONを強制的には更新しません。
- 範囲: 両方
この引数には、次の条件が適用されます。
-
この引数は、WALLET_LOCATIONを-wallet_location引数で指定した場所に変更する場合に指定する必要があります。(この引数を省略すると、WALLET_LOCATIONは、前述の-wallet_location引数の説明で示した条件でのみ設定されます)。
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このオプションは、新しいウォレットの場所が、既存のウォレットを使用する可能性があるその他のデータベース機能に支障をきたさないことを検証する必要があるため、注意して使用してください。
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wallet_cred="<パスワードで保護されているウォレットのウォレット資格証明が含まれる名前付き資格証明>"
リカバリ・アプライアンスへの接続に使用されるリカバリ・アプライアンス仮想プライベート・カタログ・ユーザー資格証明によってパスワードで保護された新しいウォレットを作成する場合やパスワードで保護された既存のウォレットを更新する場合に使用する名前付き資格証明
- 必須: いいえ
- デフォルト: 自動ログインのパスワードで保護されないウォレットを作成するか、既存のウォレットはパスワードで保護されていないとみなされます。
- 範囲: 両方
-
ship_redo=YES|NO
指定したすべてのデータベースから、それぞれに対応するリカバリ・アプライアンスへのリアルタイムのREDOトランスポートを有効化または無効化します。この引数は、-backup_config=NO_DGと同時に指定した場合にのみ有効です。NOを指定すると、構成するデータベースで現在REDOトランスポートが有効化されているものがあれば、そのデータベースで無効化します。
- 必須: いいえ
- デフォルト: 現在のREDOトランスポート設定を変更しません。
- 範囲: 両方
-
skip_controlfile_autobackup
データベースで、RMAN制御ファイル自動バックアップを有効化しません。(リカバリ・アプライアンスにバックアップするときに、制御ファイル自動バックアップを有効化することをお薦めします。制御ファイル自動バックアップが有効化されているデータベースがある場合、その設定は変更されません)。
- 必須: いいえ
- デフォルト: 制御ファイル自動バックアップを有効化します。
- 範囲: 両方
-
update_snapshot_controlfile_loc
データベース・スナップショットの制御ファイルの場所を高速リカバリ領域に構成します(設定されている場合)。それ以外の場合は、データベース制御ファイルと同じ場所に構成します。
- 必須: いいえ
- デフォルト: スナップショット制御ファイルの場所を変更しません。
- 範囲: 両方
-
parallelism=<リカバリ・アプライアンス・バックアップのデータベースRMAN設定に設定するSBTチャネルの数>
すべてのデータベースのRMAN設定を、リカバリ・アプライアンス・バックアップ用に指定したSBTチャネルの数で構成します。これにより、バックアップごとに、指定した数のバックアップ・ピースがパラレルで処理されます。
- 必須: いいえ
- デフォルト: データベースのRMAN設定のチャネル設定を変更しません。
- 範囲: 両方
-
force_restart_db
実際に実行された構成ステップで必要かどうかは関係なく、構成プロセスの後にデータベースが再起動されます。Real Application Cluster (RAC)データベースに対してローリング再起動が実行されます。この引数は、データベースの再起動が必要であることがわかっている場合に、個別のデータベースに対してのみ使用してください。この引数を繰返し実行するプロシージャに指定すると、この引数が適用されるすべてのデータベースが実行ごとに再起動されます。
- 必須: いいえ
- デフォルト: このオプションを指定しない場合、ローリング再起動が自動的に実行されるのは、再起動が必要な構成操作が実行されたときのみになります。
- 範囲: 両方
-
skip_configured_dbs
デプロイメント・プロシージャでデータベースを処理する際に、それぞれのリカバリ・アプライアンスで保護されるデータベースとして、すでに構成されているデータベースをスキップします。これらのスキップされたデータベースは、すべてデプロイメント・プロシージャの初期化ステップの出力にリストされます。このオプションは、グループ・ターゲットにのみ適用されます。このオプションは、1つ以上のグループ・ターゲットに対して繰返し実行する構成プロシージャをスケジュールするときに指定すると、すでに構成されているデータベースが後から実行されるプロシージャで不必要に再構成されることがなくなります。このシナリオでは、プロシージャの繰返し実行ごとに、前回の実行以降にグループに参加したデータベースのみが処理されます。
- 必須: いいえ
- デフォルト: グループ内のすべてのデータベースを処理します。
- 範囲: コマンドラインのみ
-
force_serial_execution
Enterprise Managerの構成デプロイメント・プロシージャをシリアル・モード(データベースを1つずつ処理するモード)で実行します。
- 必須: いいえ
- デフォルト: すべてのデータベースをパラレルで処理します。
- 範囲: コマンドラインのみ
-
schedule
デプロイメント・プロシージャのスケジュールこの引数を指定しない場合、プロシージャは即座に実行されます。
- 必須: いいえ
- デフォルト: プロシージャを即時実行にスケジュールします。
- 範囲: コマンドラインのみ
サブ引数:
-
start_time - プロシージャの実行を開始する必要がある時間。
- 書式は"yyyy/MM/dd HH:mm"にする必要があります
-
tz - タイムゾーンID (オプション)
-
frequency: 有効値は、once/interval/weekly/monthly/yearlyです(オプション)。
- frequencyをintervalに設定した場合、repeatを指定する必要があります。
- frequencyをweeklyまたはmonthlyに設定した場合、daysを指定する必要があります。
- frequencyをyearlyに設定した場合、daysとmonthsを指定する必要があります。
- repeat - プロシージャを繰り返す頻度。(頻度がintervalに設定されている場合のみ必要)
-
days - 曜日のカンマ区切りリスト。(頻度がweekly、monthlyまたはyearlyの場合のみ必要)
- frequencyがweeklyの場合、有効範囲は1から7です
- frequencyをmonthlyまたはyearlyに設定した場合は、有効な値の範囲は1から30です
-
months - 月のカンマ区切りリスト。(頻度がyearlyに設定されている場合のみ必要)
- 有効範囲は1~12です。
-
end_time - プロシージャ実行の終了時間。(オプション)
- 指定がない場合、プロシージャは無限に実行されます。
- 書式は"yyyy/MM/dd HH:mm"にする必要があります
-
grace_period - 分単位の猶予期間(オプション)
例1
リカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信するように、Data Guard以外の単一インスタンス・データベースを1つ構成します。データベースとホストの名前付き資格証明を使用します。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=NO_DG -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -target_name="Finance" -target_type="oracle_database" -db_cred="DB_USER" -db_host_cred="DB_HOST_USER" -ship_redo=YES
例2
リカバリ・アプライアンスにREDOトランスポートなしでバックアップを送信して、各クラスタ・データベース・インスタンスのOracleホームにあるバックアップ・モジュールをダウンロードして強制的にインストールするように、Data Guard以外のクラスタ・データベースを1つ構成します。データベースとホストの優先資格証明を使用します。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=NO_DG ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -target_name="Finance" -target_type="rac_database" -download_backup_module -force_install_backup_module
例3
リカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信して、各データベースのOracleホームにあるバックアップ・モジュールを強制的にインストールするように、入力ファイルで指定されているData Guard以外の複数のデータベースを構成します。データベースとデータベース・ホストの名前付き資格証明を使用します。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=NO_DG -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -input_file="target_list:/tmp/dblist" -db_cred="DB_USER" -db_host_cred="DB_HOST_USER" -ship_redo=YES -force_install_backup_module
例4
リカバリ・アプライアンスにバックアップを送信して、各データベースのOracleホームにあるバックアップ・モジュールを強制的にインストールするように、入力ファイルで指定されている複数のData Guardデータベースを構成します。データベースとデータベース・ホストの名前付き資格証明を使用します。Data Guard構成内のプライマリ・データベースは、入力ファイルで指定する必要があります。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=CUSTOM_DG -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -input_file="target_list:/tmp/dblist" -db_cred="DB_USER" -db_host_cred="DB_HOST_USER" -force_install_backup_module
例5
リカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信して、バックアップ・モジュールの強制インストールは実行しないように、入力ファイルで指定されているData Guard以外の複数のデータベースを構成します。データベースとホストのグローバル名前付き資格証明を使用します。この操作を将来のある時点にスケジュールします。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=NO_DG -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -input_file="target_list:/tmp/dblist" -db_cred="DB_USER" -db_host_cred="DB_HOST_USER" -ship_redo=YES -schedule="start_time:2020/10/28 18:31;tz:PST;"
例6
リカバリ・アプライアンスにバックアップとREDOを送信するように、グループ・ターゲットのデータベース・メンバーを構成します。すべてのデータベースの優先資格証明を使用します。毎日繰り返すスケジュールで実行するようにプロシージャをスケジュールして、グループ内で以前のプロシージャの実行時にすでに登録されたデータベースは処理しないようにします(つまり、前回のプロシージャの実行後にグループに参加したデータベースのみが処理されます)。最初のコマンドの呼出しは、グループ内のData Guard以外のすべてのデータベースに対して機能します。2番目の呼出しは、グループ内のすべてのData Guardデータベースに対して機能します。Data Guard構成内のプライマリ・データベースは、そのグループに属している必要があります。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=NO_DG -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -target_name="Backup_Group" -target_type=composite -ship_redo=YES -skip_configured_dbs -schedule="start_time:2020/10/10 01:00;tz:PST;frequency:interval;repeat:1d"
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=CUSTOM_DG -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -target_name="Backup_Group" -target_type=composite -skip_configured_dbs -schedule="start_time:2020/10/10 04:00;tz:PST;frequency:interval;repeat:1d"
例7
入力ファイルを使用して、Data Guard以外の複数のデータベースを複数のリカバリ・アプライアンスで構成します。すべてのデータベースに適用可能なデータベース資格証明をコマンドラインの値で指定して、最新のバックアップ・モジュールをソフトウェア・ライブラリにダウンロードするよう指定します。入力ファイルでは、バックアップ・モジュールのインストール、REDOトランスポート、ウォレットの場所、スナップショット制御ファイルの設定について、データベースごとの値を指定します。
emcli configure_db_ha -configureBackuptoRA -backup_config=NO_DG -input_file="target_list:/tmp/dblist" -db_cred="DB_USER" -download_backup_module
この例で使用する入力ファイルでは、3つのデータベースが指定されています。そのうちの2つは1つのリカバリ・アプライアンスに関連付けられ、もう1つは別のリカバリ・アプライアンスに関連付けられます。Data Guard構成内にはデータベースがありません。オプションは、データベースによって次のように異なります。
- FinanceDB
- ZDLRA: Montreal ZDLRA
- VPCユーザー: rauser1
- Redoトランスポート: 有効。
- バックアップ・モジュール: インストール。
- ウォレット: 推奨の場所を使用して、SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONを強制的に更新します。
- スナップショット制御ファイル: 共有の場所に設定します。
- パラレル・バックアップ・チャネル数: 2
- SalesDB
- ZDLRA: Montreal ZDLRA
- VPCユーザー: rauser2
- REDOトランスポート: 無効。
- バックアップ・モジュール: インストールしません。
- ウォレット: すでにデータベースがデフォルト・ウォレットで構成されている場合は、デフォルト・ウォレットを使用します。構成されていない場合は、ZDLRAのデフォルトの場所に設定します。WALLET_LOCATIONの更新は強制しません。
- MarketingDB
- ZDLRA: Boston ZDLRA
- VPCユーザー: rauser1
- REDOトランスポート: 既存の設定を維持します。
- バックアップ・モジュール: インストール。
- ウォレット: カスタムの場所を使用して、SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONを強制的に更新します。
- パラレル・バックアップ・チャネル数: 4
入力ファイルは、次のようになります。
target.0.ra_target_name="Montreal ZDLRA" target.0.ra_vpc_username="rauser1" target.0.target_name="FinanceDB" target.0.target_type="rac_database" target.0.force_install_backup_module target.0.ship_redo=YES target.0.wallet_location=USE_RECOMMENDED target.0.force_update_wallet_loc target.0.update_snapshot_controlfile_loc target.0.parallelism=2 target.1.ra_target_name="Montreal ZDLRA" target.1.ra_vpc_username="rauser2" target.1.target_name="SalesDB" target.1.target_type="oracle_database" target.1.ship_redo=NO target.2.ra_target_name="Boston ZDLRA" target.2.ra_vpc_username="rauser1" target.2.target_name="MarketingDB" target.2.target_type="rac_database" target.2.force_install_backup_module target.2.wallet_location="/prod/db/wallet/$ORACLE_UNQNAME" target.2.force_update_wallet_loc target.2.parallelism=4
例8
リカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように1つのData Guard構成内のすべてのデータベースを構成します。そのために、このData Guard構成のプライマリ・データベースを指定します。バックアップ・モジュールをダウンロードして各データベース・インスタンスのOracleホームに強制的にインストールします。データベースとホストの優先資格証明を使用します。
emcli configure_db_ha -configureBackupToRA -backup_config="ALL_DG" -ra_target_name="Chicago ZDLRA" -ra_vpc_username="rauser1" -target_name="OrclPrimary" -target_type="oracle_database" -download_backup_module -force_install_backup_module
例9
複数のグループ・ターゲットが含まれている入力ファイルを使用して、Data Guardデータベースの複数のグループを複数のリカバリ・アプライアンスで構成します。毎日繰り返すスケジュールで実行するようにプロシージャをスケジュールして、各グループ内で以前のプロシージャの実行時にすでに登録されたデータベースは処理しないようにします(つまり、前回のプロシージャの実行後に各グループに参加したデータベースのみが処理されます)。すべてのデータベースに対して、最新のバックアップ・モジュールをインストールする必要があることを指定するコマンド・ラインの値を指定します。入力ファイルでは、データベース資格証明、REDOトランスポート、ウォレットの場所およびスナップショット制御ファイル設定について、データベースごとの値を指定します。
emcli configure_db_ha -configureBackupToRA -backup_config="CUSTOM_DG" -input_file="target_list:/tmp/dblist" -skip_configured_dbs -download_backup_module -force_install_backup_module -schedule="start_time:2020/10/10 01:00;tz:PST;frequency:interval;repeat:1d"
この入力リストで指定したグループには、複数のData Guard構成のデータベースが含まれています。次に、該当するData Guardデータベースのグループ・メンバーシップを示します。ここに示した入力ファイルを使用して、このコマンドを実行すると、グループG1、G2およびG3のData Guardデータベースが構成されます。スタンドアロンのData Guardデータベースや入力ファイルに含まれていないグループ内のData Guardデータベースは構成されません。DGConfiguration4のデータベースは、その構成内のプライマリ・データベースが入力ファイルで指定したグループのいずれにも存在しないためすべて無視されます。
- DGConfiguration1
- プライマリDB: ORCL12 - グループG1
- スタンバイDB: ORCL12Stby - グループG2
- スタンバイDB: ORCLStby2 - グループG3
- スタンバイDB: ORCLStby3 - スタンドアロン
- DGConfiguration2
- プライマリDB: DB19 - グループG1
- スタンバイDB: DB19Stby - グループG1
- スタンバイDB: DB19Stby2 - グループG2
- DGConfiguration3
- プライマリDB: DBx - グループG2
- スタンバイDB: DBxStby - グループG1
- スタンバイDB: DBxStby2 - グループG3
- スタンバイDB: DBxStby3 - グループG4
- DGConfiguration4
- プライマリDB: DB18 - グループG4
- スタンバイDB: DB19Stby - グループG1
- スタンバイDB: DB19Stby2 - グループG2
この例で使用する入力ファイルでは、それぞれ異なるリカバリ・アプライアンスに関連付けられる3つのグループを指定します。各グループは、特定のパラメータ値のセットにも関連付けられています。オプションは、グループによって次のように異なります。
- グループG1
- ZDLRA: Montreal ZDLRA
- VPCユーザー: rauser1
- ウォレット: 推奨の場所を使用して、SQLNET.ORAのWALLET_LOCATIONを強制的に更新します。
- スナップショット制御ファイル: 共有の場所に設定します。
- パラレル・バックアップ・チャネル数: 2
- グループG2
- ZDLRA: Boston ZDLRA
- VPCユーザー: rauser1
- グループG3
- ZDLRA: Barcelona ZDLRA
- VPCユーザー: rauser2
- ウォレットは推奨の場所を使用します
入力ファイルは、次のようになります。
target.0.ra_target_name="Montreal ZDLRA" target.0.ra_vpc_username="rauser1" target.0.target_name="G1" target.0.target_type="composite" target.0.db_cred="DB_SYSDBA_MONTREAL" target.0.db_host_cred="HOST_MONTREAL" target.0.wallet_location=USE_RECOMMENDED target.0.force_update_wallet_loc target.0.update_snapshot_controlfile_loc target.0.parallelism=2 target.1.ra_target_name="Boston ZDLRA" target.1.ra_vpc_username="rauser1" target.1.target_name="G2" target.1.target_type="composite" target.1.db_cred="DB_SYSDBA_BOSTON" target.1.db_host_cred="HOST_BOSTON" target.2.ra_target_name="Barcelona ZDLRA" target.2.ra_vpc_username="rauser2" target.2.target_name="G3" target.2.target_type="composite" target.2.db_cred="DB_SYSDBA_BARCELONA" target.2.db_host_cred="HOST_BARCELONA" target.2.wallet_location=USE_RECOMMENDED
configure_db_ha -configureRABackup
ノート:
configureRABackup
サブコマンドは、まもなく非推奨になります。このタスクの実行には、サブコマンドconfigureBackupToRA
を使用します。
ノート:
ここで指定するデータベースは、リカバリ・アプライアンスの保護データベースとして登録する必要があります。書式
emcli configure_db_ha –configureRABackup –ra_target_name="<Recovery Appliance target name>" –ra_user="<Recovery Appliance database user name>" ( (–target_name="<database target name>" –target_type="oracle_database|rac_database") | input_file="target_list:<full pathname of input file>" ) [–db_cred="<database named credential>"] [–db_host_cred="<database host named credential>"] [–enable_redo_ship] [–force_backup_module_install] [–staging_directory=”<full pathname where Backup Module will be staged on database hosts>”] [–schedule= { start_time:yyyy/MM/dd HH:mm; tz:{java timezone ID}; }] [ ] indicates that the parameter is optional.
オプション
-
ra_target_name
指定したデータベースのバックアップの送信先として構成されるリカバリ・アプライアンスのターゲット名。
-
ra_user
指定したすべてのデータベースが、リカバリ・アプライアンスへのバックアップとREDOの送信に使用するリカバリ・アプライアンス・データベース・ユーザー。これには、リカバリ・アプライアンスの管理者ユーザーではなく、仮想プライベート・カタログ・ユーザーを指定する必要があります。
-
target_name
リカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するように構成される単一インスタンスまたはクラスタ・データベースのターゲット名。複数データベース操作は、–target_name/–target_typeのかわりに–input_fileオプションを使用して実行できます。
-
target_type
–target_nameによって指定されるターゲットの種類。単一インスタンス・データベース(oracle_database)またはクラスタ・データベース(rac_database)です。
-
input_file
構成される各データベースの情報を含む入力ファイル。このオプションは-target_name/-target_typeのかわりです。target_nameおよびtarget_type行はデータベースごとに必須です。db_credおよびdb_host_cred行はオプションです。これらがデータベースについて指定されると、そのデータベースについてコマンドラインで指定された資格証明の設定(ある場合)が上書きされます。このファイルの形式は次のとおりです。target.0.target_name=<database #1 target name> target.0.target_type=oracle_database|rac_database target.0.db_cred=<database named credential for database #1> target.0.db_host_cred=<database host named credential for database #1> target.1.target_name=<database #1 target name> target.1.target_type=oracle_database|rac_database target.1.db_cred=<database named credential for database #2> target.1.db_host_cred=<database host named credential for database #2>
-
db_cred
既存のEnterprise Managerデータベースの名前付き資格証明の名前。これを使用して、指定されたすべてのターゲット・データベースに接続できます。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。複数のデータベースが使用される場合、これにはグローバル名前付き資格証明を指定する必要があります。ノート:
-input_fileオプションが使用される場合、個々のデータベースについてこのオプションが上書きされることがあります。 -
db_host_cred
データベース・インスタンスまたはクラスタ・インスタンスのターゲット・タイプに対して作成された、既存のEnterprise Managerデータベースのホスト資格証明の名前。(ホスト・ターゲット・タイプとは異なり)指定のターゲット・データベース・ホストでのオペレーティング・システム・コマンドの実行に使用できます。資格証明は、すべてのOracleホームへの書込み権限を持つユーザーのものであることが必要です。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。複数のデータベースが使用される場合、これにはグローバル名前付き資格証明を指定する必要があります。ノート:
-input_fileオプションが使用される場合、個々のデータベースについてこのオプションが上書きされることがあります。 -
enable_redo_ship
指定されたすべてのターゲット・データベースからリカバリ・アプライアンスへのリアルタイムREDO転送を有効にします。
-
force_backup_module_install
既存のバックアップ・モジュールがOracleホームにすでにインストールされていても、Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリに格納されているリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのバージョンを、指定のターゲット・データベースのOracleホームにインストールします。このオプションでは既存のバックアップ・モジュールが上書きされるため、ソフトウェア・ライブラリ内のバックアップ・モジュール・バージョンが、指定されたすべてのターゲット・データベースにインストールされているバージョンと同じか新しい場合のみこのオプションを選択してください。このフラグを指定しないと、既存のバックアップ・モジュールがOracleホームに存在しない場合のみ、バックアップ・モジュールがインストールされます。
-
staging_directory
データベース・ホストでバックアップ・モジュールのインストール・ファイルがステージングされるディレクトリ。このディレクトリはすべてのホストに存在する必要があります。この場所に一時サブディレクトリが作成され、バックアップ・モジュールのインストール後またはファイル・システム・バックアップ・エージェントの完了後に削除されます。デフォルトのディレクトリは<Agent installation root>/EMStageです。
-
schedule
カスタマイズされたバックアップ・デプロイメント・プロシージャをスケジュールします。スケジュール・オプションを指定しない場合、プロシージャは即座に実行されます。-
start_time: プロシージャの実行開始時間。書式は\"yyyy/MM/dd HH:mm\"です
-
tz: タイムゾーンID (オプション)
-
例1
次の例では、単一インスタンス・データベース"Finance"が、バックアップとREDOをリカバリ・アプライアンス"Chicago ZDLRA"に送信するように構成します。バックアップ・モジュールがすでに存在する場合、各データベースのOracleホームにバックアップ・モジュールはインストールされません。この例では、データベースとホストの名前付き資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –configureRABackup –ra_target_name="Chicago ZDLRA" –ra_user="rauser1" –target_name="Finance" –target_type="oracle_database" –db_cred="DB_USER" –db_host_cred="DB_HOST_USER" –enable_redo_ship
例2
次の例では、クラスタ・インスタンス・データベース"Finance"が、バックアップとリカバリ・アプライアンス"Chicago ZDLRA"に送信するように構成します。REDOは送りません。各クラスタ・データベース・インスタンスのOracleホームにバックアップ・モジュールの強制インストールが実行されます。この例では、データベースとホストの優先資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –configureRABackup -ra_target_name="Chicago ZDLRA" –ra_user="rauser1" –target_name="Finance" –target_type="rac_database" –force_backup_module_install
例3
次の例では、入力ファイル"/tmp/dblist"に指定された複数のデータベースが、バックアップとREDOをリカバリ・アプライアンス"Chicago ZDLRA"に送信するように構成します。各データベースのOracleホームにバックアップ・モジュールの強制インストールが実行されます。バックアップ・モジュールのインストール・ファイルはカスタム・ディレクトリの場所(/tmp/stage)にステージングされます。この例では、データベースとデータベース・ホストの名前付き資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –configureRABackup –ra_target_name="Chicago ZDLRA" –ra_user="rauser1" –input_file="target_list:/tmp/dblist" -db_cred="NC_PDB_SYSDBA" –db_cred=”DB_USER” –db_host_cred="DB_HOST_USER" –enable_redo_ship –force_backup_module_install –staging_directory=”/tmp/stage"
例4
次の例では、入力ファイル"/tmp/dblist"に指定されたデータベースが、バックアップとREDOをリカバリ・アプライアンス"Chicago ZDLRA"に送信するように構成します。すでに存在する場合、バックアップ・モジュールはインストールされません。この例では、データベースとホストのグローバル名前付き資格証明が使用されます。この操作は、指定された将来の時刻にスケジュール設定されます。
emcli configure_db_ha –configureRABackup –ra_target_name="Chicago ZDLRA" –ra_user="rauser1" –input_file="target_list:/tmp/dblist" –db_cred="DB_USER" –db_host_cred="DB_HOST_USER" –enable_redo_ship -schedule="start_time:2016/06/28 18:31;tz:PST;"
configure_db_ha -configureCloudBackup
1つまたは複数のデータベースがバックアップをDatabase Backup Cloud Serviceに送信するように構成します。必要に応じて、データベースのOracleホームにDatabase Cloudバックアップ・モジュールをインストールします。
書式
emcli configure_db_ha –configureCloudBackup ( (–target_name="<database target name>" –target_type="oracle_database|rac_database") | input_file="target_list:<full pathname of input file>" ) [–cloud_account="<Database Backup Cloud Service account name>"] [–db_cred="<database named credential>"] [–db_host_cred="<database host named credential>"] [–force_backup_module_install] [–staging_directory=”<full pathname where Backup Module will be staged on database host>"] [-schedule= { start_time:yyyy/MM/dd HH:mm; tz:{java timezone ID}; }] [ ] indicates that the parameter is optional.
オプション
-
target_name
単一インスタンスまたはクラスタ・データベースのターゲット名。複数データベース操作は、–target_name/–target_typeのかわりに–input_fileオプションを使用して実行できます。
-
target_type
–target_nameによって指定されるターゲットの種類。単一インスタンス・データベース(oracle_database)またはクラスタ・データベース(rac_database)です。
-
input_file
構成される各データベースの情報を含むファイル。このオプションは–target_name/–target_typeのかわりです。target_nameおよびtarget_type行はデータベースごとに必須です。db_credおよびdb_host_cred行はオプションです。これらがデータベースについて指定されると、そのデータベースについてコマンドラインで指定された資格証明の設定(ある場合)が上書きされます。このファイルの形式は次のとおりです。
target.0.target_name=<database #1 target name> target.0.target_type=oracle_database|rac_database target.0.db_cred=<database named credential for database #1> target.0.db_host_cred=<database host named credential for database #1> target.1.target_name=<database #1 target name> target.1.target_type=oracle_database|rac_database target.1.db_cred=<database named credential for database #2> target.1.db_host_cred=<database host named credential for database #2>
-
cloud_account
Enterprise ManagerのHybrid Cloud設定コンソールで構成したクラウド・アカウントの名前。Backup Serviceに接続するために必要なすべての情報(サービス名、アイデンティティ・ドメイン、ユーザー名、パスワード、コンテナ(オプション)など)は、このアカウントとそれに関連するBackup Service設定から取得されます。この引数が指定されない場合、Database BackupのCloud Service設定ページで構成したグローバル・クラウド・アカウント設定が使用されます。(この引数を適用できるのは、Hybrid Cloud設定コンソールを使用して、アカウントとBackup Service設定を構成した場合のみです)。
-
db_cred
既存のEnterprise Managerデータベースの名前付き資格証明の名前。これを使用して、指定されたすべてのターゲット・データベースに接続できます。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。複数のデータベースが使用される場合、これにはグローバル名前付き資格証明を指定する必要があります。ノート:
-input_fileオプションが使用される場合、個々のデータベースについてこのオプションが上書きされることがあります。 -
db_host_cred
データベース・インスタンスまたはクラスタ・インスタンスのターゲット・タイプに対して作成された、既存のEnterprise Managerデータベースのホスト資格証明の名前。(ホスト・ターゲット・タイプとは異なり)指定のターゲット・データベース・ホストでのオペレーティング・システム・コマンドの実行に使用できます。資格証明は、すべてのOracleホームへの書込み権限を持つユーザーのものであることが必要です。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。複数のデータベースが使用される場合、これにはグローバル名前付き資格証明を指定する必要があります。ノート:
-input_fileオプションが使用される場合、個々のデータベースについてこのオプションが上書きされることがあります。 -
force_backup_module_install
既存のバックアップ・モジュールがOracleホームにすでにインストールされていても、Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリに格納されているOracle Database Cloudバックアップ・モジュールのバージョンを、指定のターゲット・データベースのOracleホームにインストールします。このオプションでは既存のバックアップ・モジュールが上書きされるため、ソフトウェア・ライブラリ内のバックアップ・モジュール・バージョンが、指定されたすべてのターゲット・データベースにインストールされているバージョンと同じか新しい場合のみこのオプションを選択してください。このフラグを指定しないと、既存のバックアップ・モジュールがOracleホームに存在しない場合のみ、バックアップ・モジュールがインストールされます。
-
staging_directory
データベース・ホストでバックアップ・モジュールのインストール・ファイルがステージングされるディレクトリ。このディレクトリはすべてのホストに存在する必要があります。この場所に一時サブディレクトリが作成され、バックアップ・モジュールのインストール後またはファイル・システム・バックアップ・エージェントの完了後に削除されます。デフォルトのディレクトリは<Agent installation root>/EMStageです。
-
schedule
カスタマイズされたバックアップ・デプロイメント・プロシージャをスケジュールします。スケジュール・オプションを指定しない場合、プロシージャは即座に実行されます。-
start_time: プロシージャの実行開始時間。書式は"yyyy/MM/dd HH:mm"です。
-
tz: タイムゾーンID (オプション)
-
例1
次の例では、単一インスタンス・データベース"Finance"が、バックアップをDatabase Backup Cloud Serviceに送信するように構成します。バックアップ・モジュールがすでにインストールされている場合、バックアップ・モジュールはインストールされません。この例では、データベースとホストの名前付き資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –configureCloudBackup –target_name="Finance" –target_type="oracle_database" –db_cred="DB_USER" –db_host_cred="DB_HOST_USER"
例2
次の例では、クラスタ・データベース"Finance"が、バックアップをDatabase Backup Cloud Serviceに送信するように構成します。各クラスタ・データベース・インスタンスのOracleホームにバックアップ・モジュールの強制インストールが実行されます。この例では、データベースとホストの優先資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –configureCloudBackup –target_name="Finance" –target_type="rac_database" –force_backup_module_install
例3
次の例では、入力ファイル"/tmp/dblist"に指定されたデータベースが、バックアップをDatabase Backup Cloud Serviceに送信するように構成します。各データベースのOracleホームにバックアップ・モジュールの強制インストールが実行されます。バックアップ・モジュールのインストール・ファイルはカスタム・ディレクトリの場所(/tmp/stage)にステージングされます。この例では、データベースとホストの名前付き資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –configureCloudBackup –input_file="target_list:/tmp/dblist" -db_cred=”DB_USER” –db_host_cred="DB_HOST_USER" –force_backup_module_install –staging_directory=”/tmp/stage"
configure_db_ha -installSoftware
Recovery Manager (RMAN)バックアップ・モジュールをOracleホームにインストールするか、リカバリ・アプライアンスのファイル・システム・バックアップ・エージェントを1つまたは複数のデータベースのホストにインストールします。
書式
emcli configure_db_ha –installSoftware ( (–target_name="<database target name>" –target_type="oracle_database|rac_database") | input_file="target_list:<full pathname of input file>" ) ( (–install_backup_module –module_type=”ra|cloud” [–force_backup_module_install] [–db_host_cred="<database host named credential>"]) | (–install_fs_agent [–fs_agent_host_cred=”<host named credential>”] [–fs_agent_install_directory=”<full pathname of OSB client installation directory>”]) ) [–staging_directory=”<full pathname where Backup Module and file system backup agent installation will be staged on database hosts>”] [–schedule= { start_time:yyyy/MM/dd HH:mm; tz:{java timezone ID}; }] [ ] indicates that the parameter is optional.
オプション
-
target_name
リカバリ・アプライアンスまたはOracle Cloudにバックアップを送信するように構成される単一インスタンスまたはクラスタ・データベースのターゲット名。複数データベース操作は、–target_name/–target_typeのかわりに–input_fileオプションを使用して実行できます。
-
target_type
–target_nameによって指定されるターゲットの種類。単一インスタンス・データベース(oracle_database)またはクラスタ・データベース(rac_database)です。
-
input_file
構成される各データベースの情報を含む入力ファイル。このオプションは–target_name/–target_typeのかわりです。target_nameおよびtarget_type行はデータベースごとに必須です。db_credおよびdb_host_cred行はオプションです。これらがデータベースについて指定されると、そのデータベースについてコマンドラインで指定された資格証明の設定(ある場合)が上書きされます。–install_backup_moduleオプションを使用してバックアップ・モジュールをインストールするときは、次の書式が使用されます。
target.0.target_name=<database #1 target name> target.0.target_type=oracle_database|rac_database target.0.db_host_cred=<database host named credential for database #1> target.1.target_name=<database #1 target name> target.1.target_type=oracle_database|rac_database target.1.db_host_cred=<database host named credential for database #2>
install_fs_backup_agentオプションを使用してファイル・システム・バックアップ・エージェントをインストールするときは、次の書式が使用されます。target.0.target_name=<database #1 target name> target.0.target_type=oracle_database|rac_database target.0.fs_agent_host_cred=<host named credential for the host(s) of database #1> target.1.target_name=<databse #1 target name> target.1.target_type=oracle_database|rac_database target.1.fs_agent_host_cred=<host named credential for the host(s) of database #2>
-
install_backup_module
Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリに格納されているバックアップ・モジュールのバージョン(–module_type引数で指定されたタイプ)を、指定されたターゲット・データベースのOracleホームにインストールします。デフォルトでは、–force_backup_module_installフラグが指定されないかぎり、モジュールがインストールされるのはデータベースのOracleホームに既存のモジュールがない場合です。このモジュールは–install_osb_clientと組み合せて指定することはできません。
-
module_type
インストールされるRMANバックアップ・モジュールのタイプ。指定できる値は、ra (リカバリ・アプライアンスのバックアップ・モジュール)とcloud (Oracle Database Cloudバックアップ・モジュール)です
-
force_backup_module_install
既存のバックアップ・モジュールがOracleホームにすでにインストールされていても、Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリに格納されているリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのバージョンを、指定のターゲット・データベースのOracleホームにインストールします。このオプションでは既存のバックアップ・モジュールが上書きされるため、ソフトウェア・ライブラリ内のバックアップ・モジュール・バージョンが、指定されたすべてのターゲット・データベースにインストールされているバージョンと同じか新しい場合のみこのオプションを選択してください。このフラグを指定しないと、既存のバックアップ・モジュールがOracleホームに存在しない場合のみ、バックアップ・モジュールがインストールされます。
-
db_host_cred
データベース・インスタンスまたはクラスタ・インスタンスのターゲット・タイプに対して作成された、既存のEnterprise Managerデータベースのホスト資格証明の名前。(ホスト・ターゲット・タイプとは異なり)指定のターゲット・データベース・ホストでのオペレーティング・システム・コマンドの実行に使用できます。資格証明は、すべてのOracleホームへの書込み権限を持つユーザーのものであることが必要です。この引数が指定されない場合は、優先資格証明が使用されます。複数のデータベースが使用される場合、これにはグローバル名前付き資格証明を指定する必要があります。ノート:
-input_fileオプションが使用される場合、個々のデータベースについてこのオプションが上書きされることがあります。 -
install_fs_backup_agent
指定されたターゲット・データベースのすべてのホストにファイル・システム・バックアップ・エージェントをインストールします。
-
fs_agent_host_cred
指定されたターゲット・データベースのすべてのホストにファイル・システム・バックアップ・エージェントのインストールを実行するために使用できる、既存のEnterprise Managerホスト特権名前付き資格証明(データベース・ホスト資格証明ではありません)。この資格証明として、ルート・ユーザーまたはルート権限が委任されているユーザーを指定する必要があります。この引数が指定されない場合、データベースに関連付けられているホスト・ターゲットの優先資格証明が使用されます。複数のデータベースが使用される場合、これにはグローバル名前付き資格証明を指定する必要があります。
-
fs_agent_install_directory
すべてのデータベース・ホストでファイル・システム・バックアップ・エージェントがインストールされるディレクトリ。このディレクトリはすべてのホストに存在する必要があります。デフォルト・ディレクトリは/usr/local/oracle/backupです。
-
staging_directory
データベース・ホストでバックアップ・モジュールとファイル・システム・バックアップ・エージェントのインストールがステージングされる場所のフル名。
-
schedule
カスタマイズされたバックアップ・デプロイメント・プロシージャをスケジュールします。スケジュール・オプションを指定しない場合、プロシージャは即座に実行されます。-
start_time: プロシージャの実行開始時間。書式は"yyyy/MM/dd HH:mm"です。
-
tz: タイムゾーンID (オプション)
-
例1
次の例では、リカバリ・アプライアンス・バックアップが、1つの単一インスタンス・データベース"Finance"のOracleホームにインストールされます。バックアップ・モジュールがすでにインストールされている場合、バックアップ・モジュールはインストールされません。この例では、データベースとホストの名前付き資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –installSoftware –target_name="Finance" –target_type="oracle_database" –db_host_cred="DB_HOST_USER" -install_backup_module –module_type=”ra”
例2
次の例では、Oracle Database Cloudバックアップ・モジュールが、1つのRACデータベース"Finance"のOracleホームにインストールされます。モジュールがすでにインストールされている場合は、強制インストールが実行されます。この例では、データベース・ホストの名前付き資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –installSoftware –target_name="Finance" –target_type="rac_database" –install_backup_module –module_type=”cloud” –force_backup_module_install –db_host_cred="DB_HOST_USER"
例3
この例では、リカバリ・アプライアンスのファイル・システム・バックアップ・エージェントが、1つのクラスタ・データベース"Finance"のすべてのクラスタ・データベース・ノードのデフォルトではない場所にインストールされます。この例では、特権ホスト資格証明が使用されます。
emcli configure_db_ha –installSoftware –target_name="Finance" –target_type="rac_database" –install_osb_client –osb_install_directory=”/usr/local/osb12” –osb_host_cred=”HOST_PRIV_CRED”
例4
次の例では、リカバリ・アプライアンスのバックアップ・モジュールが、入力ファイル"/tmp/dblist"に指定された複数のデータベースのOracleホームにインストールされます。モジュールがすでにインストールされている場合は、強制インストールが実行されます。この例では、データベース・ホストの優先資格証明が使用されます。この操作は、指定された将来の時刻にスケジュール設定されます。
emcli configure_db_ha –installSoftware –input_file="target_list:/tmp/dblist" –install_backup_module –module_type=”ra” -force_backup_module_install -schedule="start_time:2016/06/28 18:31;tz:PST;"
例5
次の例では、リカバリ・アプライアンスのファイル・システム・バックアップ・エージェントが、入力ファイルに指定された複数のデータベースのすべてのホストのデフォルトの場所にインストールされます。この例では、優先される特権ホスト資格証明が使用されます。ファイル・システム・バックアップ・エージェントのインストール・ファイルはカスタムのステージング領域の場所にステージングされます。
emcli configure_db_ha –installSoftware -install_fs_backup_agent -staging_director="tmp/stage"
configure_db_ha -uploadFSBackupAgentInstall
リカバリ・アプライアンスのファイル・システム・バックアップ・エージェントのインストール・メディアをEnterprise Managerソフトウェア・ライブラリにアップロードします。このインストール・メディアは、-install_fs_backup_agentオプションを指定して実行する際に-installSoftwareサブコマンドによって使用され、ファイル・システム・バックアップ・エージェントのインストールを1つ以上のホストにプッシュします。アップロードされたインストール・メディアのプラットフォームに応じて個別のソフトウェア・ライブラリ・コンポーネントが作成されます。
書式
-media_location="<pathname of installation media zip file>"
-
media_location
ファイル・システム・バックアップ・エージェントのインストール・メディアzipファイルのローカル・パス名。
例
emcli configure_db_ha -uploadFSBackupAgentInstall -media_location="/home/osb_shiphome/releases/osb-12.1.0.2/osb_12.1.0.2.0_linux.x64_release.zip"
configure_db_ha -uploadBackupModule
Cloudバックアップ・モジュールまたはリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールを、Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリにアップロードします。アップロードされたバックアップ・モジュールのプラットフォームに応じて個別のソフトウェア・ライブラリ・コンポーネントが作成されます。
書式
emcli configure_db_ha -uploadBackupModule -module_location="<comma separated list of pathnames of Backup Module zip files>" -module_type="ra|cloud"
オプション
-
module_location
<comma separated list of pathnames of Backup Module zip files>
バックアップ・モジュールのzipファイルのローカル・パス名のリスト。 -
module_type
アップロードされるRMANバックアップ・モジュールのタイプ。指定できる値は、ra (リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュール)とcloud (Oracle Database Cloudバックアップ・モジュール)です。
例1
次の例では、複数プラットフォーム用のCloudバックアップ・モジュールをアップロードします。
emcli configure_db_ha -uploadBackupModule -module_type="cloud" -module_location="/home/opc_linux64.zip,/home/opc_zlinux64.zip"
例2
次の例では、Linux 64プラットフォーム用のリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをアップロードします。
emcli configure_db_ha -uploadBackupModule -module_type="ra" -module_location="/home/ra_linux64.zip"