このマニュアルの使用方法

Oracle Enterprise Manager Oracle Virtual Infrastructureメトリック・リファレンス・マニュアル(以後、Oracle Virtual Infrastructureメトリック・リファレンス・マニュアルと表記)では、Enterprise ManagerでモニターするOracle Virtual Infrastructureターゲットのメトリックすべてを示します。

この序文の内容は次のとおりです。

このマニュアルの構成

このマニュアルは、メトリックが存在する各ターゲットの章から構成されています。

各章のメトリックは、カテゴリごとにアルファベット順で並んでいます。

メトリックの情報

各メトリックの情報として、説明、メトリックの重要な統計のサマリー、データソース(可能な場合)およびユーザーの処理が示されます。次に詳細を説明します。

  • 説明

    メトリック名に続く説明です。これにより、メトリックが定義され、可能な場合はメトリックに関する追加情報が提供されます。

  • メトリックのサマリー

    表形式で、メトリックのターゲットのリリース番号、収集頻度、デフォルトの警告のしきい値、デフォルトのクリティカルのしきい値、およびアラート・テキストについて説明します。

  • データ・ソース

    メトリックの計算方法。メトリックによっては、データソース情報は示されません。

  • ユーザーの処置

    アラートの原因となっている問題の解決方法を提案します。

メトリック・サマリー表の例

この項では、このガイドに記載されているメトリック・サマリー表の例について説明します。

デフォルトのしきい値がメトリックに対して定義されていない場合、ターゲットのリリースおよび収集頻度のみが示されます。

ターゲット・バージョン 収集頻度

すべてのバージョン

15分ごと

メトリック・サマリー表の列の定義

前述のように、メトリック・サマリー表は、全メトリック情報の一部です。次の表で、メトリック・サマリー表の列について説明します。

列のヘッダー 列の定義

ターゲット・バージョン

ターゲットのバージョンで、9.0.2.x、10.1.0.xなどです。バージョン番号(たとえば、9.0.2.x)の最後のxは、そのリリースに関連する、後続のパッチセット番号を表します。

収集頻度

管理エージェントがデータを収集する割合。メトリックの収集頻度は、そのターゲット・タイプに対するEnterprise Managerのデフォルトの収集ファイルからのものです。

デフォルトの警告しきい値

警告アラートが発生するかどうかを示す値。警告しきい値の評価により、メトリックに対して定義された、指定した連続発生数に対してTRUEの結果が返された場合、アラートは警告の重大度レベルで発生します。

デフォルトのクリティカルしきい値

クリティカル・アラートが発生するかどうかを示す値。クリティカルのしきい値の評価により、メトリックに対して定義された、指定した連続発生数に対してTRUEの結果が返された場合、アラートはクリティカルの重大度レベルで発生します。

アラート・テキスト

アラートが生成された理由を示すメッセージ。パーセント記号(%)で囲んだ文字は、変数を表します。たとえば、「%keyValue%に対するディスク使用率は%value%%です」「d0に対するディスク使用率は80%です」のようになります。

メトリック、しきい値およびアラートのバックグラウンド情報

イベントとは、通常、正常な動作条件から外れるできごと(たとえばパフォーマンスしきい値違反、アプリケーション構成ファイルの認められていない変更またはジョブ障害)が管理対象ターゲット上で発生したことを示します。イベントは、操作の成功またはジョブの正常終了を示すために生成されることもあります。

既存のEnterprise Managerのユーザーは、メトリック・アラートおよびメトリック・コレクション・エラーについてよく知っているかもしれません。Enterprise Manager 13cの場合、メトリック・アラートは、イベントの1タイプです。特定のターゲットのメトリック(ホスト・ターゲットのCPU使用率など)またはターゲットとオブジェクトの組合せのメトリックでアラートが発生した場合に、メトリック・アラート・イベントが生成されます(例: データベース・ターゲットの特定表領域の領域使用率など)。

しきい値は、モニターする値が比較される境界の値です。たとえば、「ディスク使用率(%)」メトリックに関連する各ディスク・デバイスに対して、異なる警告およびクリティカルのしきい値を定義できます。Oracleによって事前に定義されているしきい値もあれば、そうでないものもあります。

しきい値に達すると、アラートが生成されます。このアラートは、特定の条件が発生したことを示すインジケータで、次のいずれかの条件を満たすと発生します。

  • しきい値に達した場合。

  • アラートが消去された場合。

  • モニターされているサービスの可用性が変わった場合。たとえば、アプリケーション・サーバーの可用性が稼働から停止になった場合です。

  • 特定の条件が発生した場合。たとえば、エラー・メッセージがデータベース・アラート・ログ・ファイルに書き込まれるとアラートが発生します。

アラートは、モニター対象の条件を事前定義された一定の間隔で別のプロセスからチェックすることによって、ポーリングベースのメカニズムで検出されます。

関連項目:

メトリック、しきい値およびアラートの詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』およびEnterprise Managerオンライン・ヘルプを参照してください。

編集

Enterprise Managerには、最初からクリティカルのメトリックに対するしきい値が含まれています。警告およびクリティカルのしきい値を使用してアラートが生成され、発生間近の問題について適時に対応できるよう知らせます。

編成のモニタリングに対するニーズに適応するよう、Enterprise Managerで提供されたしきい値を編集し、新しいしきい値を定義することができます。しきい値を定義する際、重要なのは許容された値を選択して不要なアラートを回避し、さらに適時に問題が通知されることです。

システムが通常のある期間にどのように稼働するかを反映するメトリック・ベースラインを定義することで、適時に関連情報を提供するしきい値を設定できます。

「しきい値の編集」ページにリストされるメトリックは、Oracleで提供されるデフォルトのメトリックか、変更可能なしきい値を持つメトリックのいずれかです。

複数のしきい値の指定

複数のしきい値の指定機能により、異なるしきい値を持つことができるデータの様々なサブセットを定義できます。複数のしきい値を指定すると、アラートのトリガーに使用するデータをさらに詳細に指定できます。これは、Enterprise Managerを使用する上での代表的な利点の1つです。複数のしきい値を指定する際の注意点は、比較とメトリックしきい値全体との関係を確認することです。その特定のデバイスやマウント・ポイントなどに、しきい値を上下に定義することによって得られる利点には、どのようなものがあるでしょうか。たとえば、平均ディスクI/Oサービス時間メトリックの場合、すべてのディスク(sd0とsd1)に適用する警告とクリティカルのしきい値を定義することも、特定のディスク(sd0)に異なる警告とクリティカルのしきい値を定義することもできます。これにより、現在sd0に定義されているしきい値のみを上下に調整できます。

Cloud Controlコンソールを使用したメトリックへのアクセス

Cloud Controlコンソールでメトリックにアクセスするには、次の手順を実行して、特定のターゲットに関する「すべてのメトリック」ページを使用します。

  1. Cloud Controlコンソールから、ターゲットを選択します。

  2. ターゲットのホームページで、「関連リンク」セクションの「すべてのメトリック」をクリックします。

  3. 「すべてのメトリック」ページで、関心のあるメトリックを選択します。