1 Microsoft SQL Serverプラグインの概要および前提条件

この章では、System Monitoring Plug-In for Microsoft SQL Serverについて説明し、使用可能な機能をリストします。Oracle Enterprise Manager Cloud ControlによるモニタリングのためにMicrosoft SQL Serverを構成する前に、必要な前提条件のサマリーを確認します。

この項の内容は次のとおりです。

Microsoft SQL Serverプラグインの概要および機能サマリー

System Monitoring Plug-In for Microsoft SQL Serverは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cを拡張して、Microsoft SQL Serverインスタンスを管理できるようにするためのプラグインです。このプラグインをCloud Control環境にデプロイすることで、次の管理機能を使用できるようになります。

  • SQL Serverインスタンスの監視。

  • SQL認証とWindowsの統合認証の両方のサポート。

  • SQL Serverインスタンスの構成データの収集および構成の変更の追跡。

  • 監視対象メトリックおよび構成データに設定されたしきい値に基づくアラートおよび違反の表示。

  • Enterprise ManagerのBI Publisherレポート機能を経由した、収集されたデータに基づく、充実した即時利用可能なレポートの提供。

  • ローカルまたはリモートのWindowsエージェントによるモニタリングのサポート。ローカルWindowsエージェントは、Microsoft SQL Serverと同じホスト上で稼働しているエージェントです。リモートWindowsエージェントは、SQL Serverが稼働するホストとは異なるホストで稼働するエージェントです。

  • Microsoft SQL ServerクラスタのモニタリングおよびMicrosoft SQL Server AlwaysOn (HADR)のモニタリング用の即時利用可能なモニタリング・テンプレート。

  • プラグインのUIからアクセスすることで簡単にアクセスできるようになったOracle Enterprise Managerジョブ。これらのジョブにより、Microsoft SQL Serverの次の管理が可能となります。

    • Microsoft SQL Serverのデータベース・バックアップのバックアップ、リストア、スケジュールおよびネーミング。

    • SQL Serverインスタンスの起動、停止、一時停止および再開。

    • CPUとメモリーの使用量が高いセッションの中断。

  • リソース使用量の測定、使用量レポート、およびチャージするリソースとその関連レートを定義するチャージ・プランに対するチャージバック機能の提供。

  • Microsoft SQL Serverデータベースのインベントリ・サマリーに対するインベントリと使用状況の詳細の提供。

  • ターゲットおよびシステムのコンプライアンスを評価するコンプライアンス管理の提供。

  • SQL Serverクラスタ内の指定されたノードへのフェイルオーバー。

  • SQL Serverの表またはビューの索引の作成。

サポートされているバージョン

このプラグインでは、次のバージョンの製品がサポートされます。

表1-1 Enterprise Manager (EM) (Oracle Management ServerおよびOracle Management Agent)

MS SQL Serverバージョン(Standard、EnterpriseおよびWorkgroup Edition) プラグイン・バージョン13.2.1.0.0 プラグイン・バージョン13.3.2.0.0 プラグイン・バージョン13.3.3.0.0 追加互換性詳細
Microsoft SQL Server 2008 EM 13.2、13.3および13.4 EM 13.3 EM 13.3
  • 32ビットまたは64ビット。(EM 13.3.xまで)
  • フェイルオーバー・クラスタ・サポートを含むMicrosoft SQL Server 2008 R2 (32ビットまたは64ビット)。(EM 13.3.xまで)
Microsoft SQL Server 2012 EM 13.2、13.3および13.4 EM 13.3、13.4および13.5 EM 13.3、13.4および13.5 フェイルオーバー・クラスタおよびAlwaysOn可用性グループのサポートを含む32ビットまたは64ビット。(EM 13.2.1.0.0以上)
Microsoft SQL Server 2014 EM 13.2、13.3および13.4 EM 13.3、13.4および13.5 EM 13.3、13.4および13.5 フェイルオーバー・クラスタおよびAlwaysOn可用性グループのサポートを含む32ビットまたは64ビット。(EM 13.2.1.0.0以上)
Microsoft SQL Server 2016 EM 13.2、13.3および13.4 EM 13.3、13.4および13.5 EM 13.3、13.4および13.5 フェイルオーバー・クラスタおよびAlwaysOn可用性グループのサポートを含む32ビットまたは64ビット。(EM 13.2.1.0.0以上)
Microsoft SQL Server 2017 . EM 13.3、13.4および13.5 EM 13.3、13.4および13.5 フェイルオーバー・クラスタおよびAlwaysOn可用性グループのサポートを含む32ビットまたは64ビット。(EM 13.3.2.0.0以上)
Microsoft SQL Server 2019 . EM 13.4および13.5 EM 13.4および13.5 フェイルオーバー・クラスタおよびAlwaysOn可用性グループのサポートを含む32ビットまたは64ビット。(EM 13.4.1.0.0以上)

ノート:

Microsoft SQL Serverクラスタのモニタリングは、リモート・モニタリング構成でのみサポートされます。モニタリングで使用されるOracle Management Agentをクラスタ・ノードのいずれかにインストールすることはできません。

Microsoft SQL Serverプラグインの前提条件

プラグインをデプロイする前に、次の前提条件を満たす必要があります。パッチは、My Oracle Support (https://support.oracle.com)から入手できます。

  1. Enterprise Manager Cloud Control (Oracle Management ServerおよびOracle Management Agent)がインストールされている必要があります。

    • Enterprise Manager Cloud Control 13c

  2. プラグインは、Oracle Management Agentを32ビットまたは64ビットのWindowsで稼働している場合にのみサポートされます。

  3. admin以外のシステム・ユーザーがSQL Serverインスタンスのリモート監視を実行するには、アクセス権限が必要です。

    詳細は、「ターゲットを監視するためのリモート接続の構成」を参照してください。

  4. Windows Management Instrumentationサービスが実行中です。

  5. SQL ServerインスタンスのTCP/IPを有効にします。詳細は「TCP/IPポート情報の有効化と検索」を参照してください。

  6. SQL ServerインスタンスでSQL認証または混合認証を有効にします。詳細は、「SQL認証または混合認証の有効化」を参照してください。

  7. 固定サーバー・ロールsysadminを使用して適切なDBユーザーを作成します。sysadmin以外のユーザーとしてSQL Serverインスタンスを監視するには、sysadmin以外のロールを作成し、次のアクセス権を付与します。

    1. 次のコマンドを実行してユーザーにアクセス権を付与します。

      GRANT VIEW SERVER STATE TO "login name"
      
    2. データベース・アクセス権をこのユーザーに付与します。

    3. msdbでのSQLAgentOperatorRoleの固定データベース・ロールをユーザーに付与します。

  8. プラグインのデプロイ先のエージェントすべてで優先資格証明が設定され検証されていること。

  9. ユーザーのOS権限(エージェントの優先資格証明で設定)が、Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windowsのジョブ・システムをEnterprise Managerで機能させるための資格証明の設定に関する項に記載されている要件を満たしている必要があります。

    ノート:

    ユーザーに適切な権限を割り当てないと、デプロイに失敗します。

  10. JDBC URLの一部として、IPアドレスもホスト名も使用できます。ホスト名がネットワークで一貫して解決されることを確認します。nslookuptracerouteなどの標準のTCPツールを使用してホスト名を検証できます。プラグインをデプロイする管理エージェントで次のコマンドを使用して検証します。

    • nslookup <hostname>

      IPアドレスと完全修飾ホスト名が返されます。

    • nslookup <IP>

      IPアドレスと完全修飾ホスト名が返されます。

  11. バックアップ、バックアップの削除およびリストアの各ジョブの使用を有効にするには、次のSQLコマンドをモニター対象のSQL Serverデータベース上で処理する必要があります。

    EXEC sp_configure 'show advanced options', 1
    RECONFIGURE 
    EXEC sp_configure 'xp_cmdshell', 1
    RECONFIGURE

プラグインのダウンロード

プラグインをオンライン・モードまたはオフライン・モードでダウンロードできます。オンライン・モードとは、インターネット接続があり、My Oracle SupportからEnterprise Managerを通してプラグインを直接ダウンロードできる環境のことです。オフライン・モードとは、インターネット接続がない、またはMy Oracle Supportからプラグインを入手できない環境のことです。

いずれかのモードでのプラグインのダウンロードの詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドプラグインの管理の章を参照してください。

プラグインのデプロイ

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して、またはEM Command Line Interface (EMCLI)を使用して、プラグインをOracle Management Serviceインスタンスにデプロイできます。コンソールでは一度に1つのプラグインをデプロイできますが、コマンドライン・インタフェース・モードでは一度に複数のプラグインをデプロイでき、デプロイメント時間と、該当する場合は停止時間が短くなります。

プラグインのデプロイの手順については、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドプラグインの管理の章を参照してください。

プラグインのアップグレード

自己更新機能は、新規または更新機能が使用可能になるたびに、Enterprise Managerコンポーネントを更新してEnterprise Managerの機能を拡張できます。更新プラグインはEnterprise Managerストアから使用でき、この外部サイトは、ダウンロード可能な更新についての情報を得るためにEnterprise Manager Cloud Controlによって定期的にチェックされます。プラグインを更新するステップは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドCloud Controlの更新の章を参照してください。

プラグインのアンデプロイ

プラグインをアンデプロイするステップは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドプラグインの管理の章を参照してください。