A Oracle Audit Vault and Database Firewallのトラブルシューティング

Oracle Audit Vault and Database Firewallでは、デプロイメントまたはインストール・プロセスで予想される問題に対するトラブルシューティングのアドバイスが提供されます。

A.1 サービス・リクエスト申請時に参考のために提供する情報

サービス・リクエストを申請するときに参考のために提供する次の情報リストを確認します。

ノート:

診断データ(特にトレース・ファイル)には、多くの場合、機密情報が含まれています。適切に保護し、必要な情報のみ収集および送信してください。
  • Oracle AVDFのバージョン(インストール済バンドル・パッチを含む)
  • 仮想化が使用されているかどうか。その場合は、どれであるか。
  • Audit Vault ServerおよびDatabase Firewallアプライアンスに使用できる物理メモリーはどのくらいか。
  • 初期インストールで使用可能だったディスク領域量。
  • SANストレージを追加したかどうかと、その場合のディスク領域量。
  • 使用しているハードウェアのブランドおよびモデルに関連する詳細情報を提供します。この情報を提供する必要があるのは、インストール・メディアからのブートに関して特定の問題がある場合です。
  • セキュア・ターゲット・データベースのホストOSおよびバージョン。この情報を提供する必要があるのは、エージェントの互換性の問題をチェックする場合です。
  • セキュア・ターゲット・データベースのブランド(Oracle、MySQL、SQL Serverなど)。
  • セキュア・ターゲット・データベースのバージョン(PSUおよびその他の個別パッチを含む)。
  • セキュア・ターゲット・データベースのalert.logファイルをアップロードします。
  • Oracleセキュア・ターゲット・データベースからの、次の出力内容を提供します:
    • show parameter audit
    • opatch lsinventory -patch -detail
    • 統合監査が構成されているかどうか(一部のバージョンのOracleデータベースの場合のみ)
    • 構成中の監査証跡タイプ、およびすべての関連属性
  • Audit Vault Serverの詳細な診断情報。Oracle Audit Vault Serverの詳細診断レポートのダウンロードを参照してください
  • Oracle Supportからリクエストされた場合、Oracle Trace File Analyzerからの診断情報。Oracle Trace File Analyzer (TFA)の使用を参照してください。
  • Database Firewallに関する情報:
    • Database Firewallの詳細な診断情報。Database Firewallのステータスおよび診断レポートの表示を参照してください
    • Database Firewallアプライアンスに取り付けられているネットワーク・インタフェース・カードの数。
    • 強制ポイントでデフォルト・パスワード列挙(DPE)またはデータベース・アクティビティ監視(DAM)が使用されているかどうか。その場合は、それがブリッジ、スパンまたはプロキシのどれであるか。
    • VLANタグ付けを使用するかどうか。VLANのサポートには制限があります。
  • インストールの問題については、インストールに関連する診断ファイル。「インストールの失敗をデバッグするためのログの収集」を参照してください。

サポートに連絡する前に、監査証跡トランザクション・ログが次のガイドラインに従っている必要があります:

  • ユーザー設定スクリプトを、引数REDO_COLLを指定して実行する必要があります
  • セキュア・ターゲット・データベースが、ARCHIVELOGを使用して構成されている必要があります
  • Streams推奨パッチがセキュア・ターゲット・データベースに適用されている必要があります: Streams推奨パッチ(ドキュメントID 437838.1)
  • global_nameが完全修飾されている必要があります(select global_name from global_name;)
  • パラメータglobal_names = trueの使用をお薦めします
  • 取得側または適用側でエラーが発生した場合は、Streams関連の問題が発生した場合と同様に、それぞれのalert.logファイルを確認してください(avログには、この監査証跡タイプについての限られた情報のみが示されます)

A.2 Audit Vault Serverをリリース20.1から20.3にインストールする際のエラー

Audit Vault Server 20.1、20.2または20.3のインストール時に表示されるエラーを解決する方法を学習します。

問題

Audit Vault Serverのインストール中にエラーが表示されます。これは、Oracle AVDFリリース20.1から20.3でのみ表示されます。

解決策

Audit Vault Serverインストーラ(ISO)ファイルは、Oracle AVDFリリース20.1から20.3の3つの部分またはファイルに分割されます。インストールを続行する前に、3つのISOファイルを連結して、1つのAudit Vault Server 20.x ISO (avdf-install.ISO)を取得する必要があります。

詳細は、「Oracle AVDFソフトウェアのダウンロードおよび検証」を参照してください。

Oracle AVDF 20.4以降、Audit Vault Server ISOファイルは1つで、連結する必要はありません。

A.3 Oracle AVDFに追加されたストレージ上の競合するデータ

Oracle Audit Vault and Database Firewall (Oracle AVDF)への追加前に競合する既存のデータをストレージから削除する方法について説明します。

問題

既存のファイル・システム、論理ボリューム・マネージャ(LVM)またはデバイス・マッパーのメタデータが、Oracle AVDFの機能と競合している場合があります。これにより、パッチ適用、アップグレードまたはインストールに失敗する可能性があります。

現象

既存のLVMまたはその他のデバイス・マッパーのメタデータが原因で発生する現象としては次のことがありますが、これらのみではありません:

  • vg_rootボリューム・グループが2つある。
  • パッチ適用、アップグレードまたはインストールの間にハード・ドライブ・デバイスを使用できなくなる。これにより、入力または出力のエラーが発生し、最終的にパッチ適用、アップグレードまたはインストールに失敗する可能性があります。

解決策

注意:

これにより、ドライブからデータが消去されます。
  1. Oracle Linuxダウンロードから最新のOracle Linux 8 ISOイメージをダウンロードします。
  2. レスキュー・モードでブートします。

    1. ご使用のアプライアンスにOracle Linux 8 ISOをロードし、ブートします。

      インストール・メニューに次のオプションが表示されます:

      Install Oracle Linux 8.x.x
      Test this media & install Oracle Linux 8.x.x
      Troubleshooting
    2. [↓]を押して「トラブルシューティング」を選択し、[Enter]を押します。

      トラブルシューティング・メニューに次のオプションが表示されます:

      Install Oracle Linux 8.x.x in basic graphics mode
      Rescue a Oracle Linux system
    3. [↓]を押してOracle Linuxシステムのレスキューを選択し、[Enter]を押します。

      レスキュー・メニューに次のオプションが表示されます:

      1) Continue
      2) Read-only mount
      3) Skip to shell
      4) Quit (Reboot)
    4. 3 (シェルにスキップ)を入力し、[Enter]を押します。
    5. もう一度[Enter]を押してシェル・プロンプトを開きます。
  3. 接続されているストレージを検出するには、シェル・プロンプトでlsblkコマンドを入力します。

    たとえば:

    sh-4.4# lsblk
    NAME        MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
    loop0         7:0    0 745.4M  1 loop
    loop1         7:1    0     4G  1 loop
    ├─live-rw   253:0    0     4G  0 dm   /
    └─live-base 253:1    0     4G  1 dm
    loop2         7:2    0    32G  0 loop
    └─live-rw   253:0    0     4G  0 dm   /
    sda           8:0    0   256G  0 disk
    └─sda1        8:1    0   256G  0 part
    sr0          11:0    1  11.2G  0 rom  /run/install/repo
    sr1          11:1    1  1024M  0 rom
  4. ドライブを消去するには、シェル・プロンプトでwipefsコマンドを入力します。

    オプションをすべて含むリストを表示するには、wipefs --helpと入力します。

    たとえば、/dev/sdaドライブを消去するには、次のコマンドを入力します:

    sh-4.4# wipefs --all /dev/sda

    コマンド出力で、変更内容が一覧表示されます。たとえば:

    /dev/sda: 2 bytes were erased at offset 0x000001fe (dos): 55 aa
    /dev/sda: calling ioctl to re-read partition table: Success
  5. 安全に電源を切断するには、シェル・プロンプトでsyncコマンドを入力し、続けてpoweroffを入力します。

    sh-4.4# sync
    sh-4.4# poweroff
  6. ドライブを消去したら、ISOを取り出し、インストールを再開します。

A.4 Audit Vault ServerをVMwareにインストールする際のEFI関連エラー

Audit Vault ServerをVMwareにインストールする際のEFI関連エラーを解決する方法を学習します。

問題

Audit Vault ServerをVMwareにインストールしようとすると、次のエラーが発生する可能性があります。


EFI Virtual disk (0.0) … unsuccessful.
EFI VMware Virtual SATA CDROM Drive (0.0) … unsuccessful.
EFI Network …

解決策

Audit Vault ServerをVMwareにインストールする際に従う必要がある重要な前提条件があります。

  • VMX構成パラメータdisk.EnableUUIDは、TRUEに設定する必要があります。これは、ディスクを適切にマウントできるようにするために実行する必要があります。このように設定しないと、Audit Vault ServerのVMwareへのインストールは失敗します。

  • EFIブートを使用するように仮想マシンを設定する必要があります。VMwareの一部のバージョンでは、これは、「VMオプション」タブを選択してから、「起動オプション」を展開し、「ファームウェア」フィールドで「EFI」を選択することによって実行されます。セキュアなブートを無効にする必要があります。UEFIセキュア・ブートを有効にするチェック・ボックスを選択しないでください。

    このEFIブート設定は、特にディスク・サイズが2TBを超える場合にAudit Vault Serverのフレッシュ・インストールにのみ必要です。この設定はアップグレードに必要ありません。

ノート:

詳細は、Audit Vault ServerのVMwareへのインストールを参照してください。

A.5 Audit Vault Serverコンソールにアクセスできない

Audit Vault Serverのユーザー・インタフェースまたはコンソールにアクセスできない場合の回避策について説明します。

問題

Audit Vault Serverコンソールにアクセスできません。

解決策

この問題がいつ発生するかに応じて、実行できる2つの処置があります。

  • Audit Vault Serverのインストール直後に問題が発生する。

    この場合は、インストールが正常に完了していない可能性があります。再度インストールを実行します。

  • システムはすでに実行中で、その後に問題が発生する。

    この場合は、ディスクがフルでないこと、および次のコマンドを使用して、Oracle Audit Vault Serverデータベースが実行されていることを確認します。

    /etc/init.d/dbfwdb status

    データベースを再起動するには、rootとして次のコマンドを実行します。

    /etc/init.d/dbfwdb start

    データベースの再起動に問題がある場合は、Oracleサポートに連絡してください。

A.6 インストールの失敗をデバッグするためのログの収集

Oracle Audit Vault and Database Firewallのインストール時の問題をデバッグするためのログを収集できます。

A.6.1 ベース・オペレーティング・システムのインストールに関する問題のログの収集

ベース・オペレーティング・システムのインストール中に発生する障害(再起動前または再起動後)のログを収集するには、次のステップを使用します。

再起動前のインストールの失敗をデバッグするためのログの収集

  1. インストール中またはアップグレード中の、.isoファイルのマウント後に、[Tab]を押して通常のブート・プロセスを中断します。
  2. ログを収集するには、インストーラをコマンドライン・アクセスで実行する必要があります。コマンドライン・アクセスを有効にするには、起動オプションからnoshellを削除します。
  3. 障害が発生したら、次のいずれかのキーボード・ショートカットを使用してコマンドラインにアクセスします:

    • Oracle AVDF 20.9 (Oracle Linux 8)以降では、[Ctrl]を押しながら[B]を押し、次に[2]を押します。
    • Oracle AVDF 20.1から20.8 (Oracle Linux 7)をインストールしている場合は、[Alt]を押しながら[→]を押します。
  4. 次のコマンドのいずれかを実行して収集ツールを起動します:

    • Oracle AVDF 20.9 (Oracle Linux 8)以降では、次のコマンドを使用します:

      /usr/libexec/platform-python /run/install/repo/collect_diagnostics.py

      Oracle AVDF 20.1から20.8 (Oracle Linux 7)の場合は、次のコマンドを使用します:

      python /run/install/repo/collect_diagnostics.py
  5. 診断ファイルを収集する手順に従います。

再起動後のインストールの失敗をデバッグするためのログの収集

  1. 以前に設定したパスワードを使用して、コンソールでrootとしてログインするか、SSHを使用します。
  2. 次のコマンドのいずれかを実行して収集ツールを起動します:

    • Oracle AVDF 20.9 (Oracle Linux 8)以降では、次のコマンドを使用します:

      /usr/libexec/platform-python /media/avdf-install/collect_diagnostics.py
    • Oracle AVDF 20.1から20.8 (Oracle Linux 7)の場合は、次のコマンドを使用します:

      python /media/avdf-install/collect_diagnostics.py
  3. 診断ファイルを収集する手順に従います。

分析用のログ・ファイルの転送

再起動前または再起動後の障害のログを収集する手順を実行した後、収集ツールによって次の場所にログ・ファイルまたは診断ファイルが作成されている必要があります。

/root/install-diagnostics.tgz

  1. プロンプトの指示に従って、分析のためにログ・ファイルを転送します。次のコマンドを使用します。

    scp /root/install-diagnostics.tgz <user>@<Ip address>:<Path>
  2. 次のステップおよびコマンドを実行してネットワークを構成することもできます。

    ip addr add <IP address>/<sub net> dev <interface>
    ip link set <interface> up
    ip route add default via <gateway>
  3. ログ・ファイルにある情報を使用して問題を分析し、問題に対処した後でインストールを再試行します。

A.6.2 Oracle AVDFのインストールに関する問題のログの収集

Oracle AVDFのインストール時に発生する障害のログを収集するには、次のステップを使用します。

  1. インストール開始画面で、[Tab]を押します(さらに"noshell"という語を削除します)。
  2. [Enter]を押して、インストールを開始します。
  3. インストールが開始されたら、[Ctrl]を押しながら[B]を押した後、[2]を押します。

    インストールが失敗した場合でも、ログイン画面が表示されます。

  4. tarまたはGzipを使用して、次のログを収集します。
    • /var/log
    • /var/lib/oracle/diag
    • /var/lib/oracle/oraInventory/logs
    • /tmp
  5. 次の構成ファイルを収集します。

    • /etc/sysconfig/avdf
    • /var/lib/avdf/system_history.yaml
    • /usr/local/dbfw/etc/dbfw.conf
  6. 次のコマンドから出力を収集します。

    1. su root
    2. rpm -qa avs
    3. ls -lrt /var/log/installation-*
    4. ls -lrt /var/log/upgrade-*
    5. df -h
    6. du -sh /var/lib/oracle/19.7.0.0.0
    7. du -sh /var/lib/oracle/19.7.0.0.0/grid
    8. cat /proc/meminfo
  7. 次のコマンドから出力を収集します。

    1. su root
    2. hostname
    3. cd /var/lib/oracle/diag
    4. ls -lrt
    5. cd crs
    6. ls -lrt
    7. hostname
    8. cd <hostname>
    9. ls -lrt
    10. cd crs
    11. ls -lrt

A.7 ゲートウェイに到達できないエラー

インストール時に入力された不正なゲートウェイの詳細を修正する方法について説明します。

問題

Audit Vault ServerまたはDatabase Firewallのインストール中に不正または無効なゲートウェイ詳細が入力されました。次のエラー・メッセージが表示されることがあります。

Gateway is not reachable from host

解決策

ゲートウェイの詳細は、次のステップにより修正できます。

  1. RootユーザーとしてTerminal-1にログインします。または、Terminal-1Ctrl+Alt+Right Arrow Keyを押してアクセスできます。
  2. 次のコマンドを実行してdbfw.confファイルにアクセスし、開きます。
    vi /usr/local/dbfw/etc/dbfw.conf
  3. GATEWAYフィールドに、既存の値を上書きして正しい値を設定します。
  4. 保存してファイルを閉じます。
  5. 次のコマンドを実行して、変更された値を適用します。
    /usr/local/dbfw/bin/priv/configure-networking
  6. Ctrl+Alt+Left Arrow Keyを押してアプライアンス画面に戻ります。

ノート:

インストール中に入力したネットワーク設定は、インストーラまたはアプライアンス画面でIP設定の変更オプションを選択することで変更できます。

A.8 Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したOracle AVDFの構成または管理に関する問題

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したOracle AVDFの構成または管理に関する問題を解決する方法を学習します。

問題

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してOracle AVDFを構成または管理できません。

解決策

Oracle AVDFプラグインは、Oracle AVDFコンポーネントを管理および監視する管理者用のOracle Enterprise Manager Cloud Control内のインタフェースです。Oracle EMプラグインの構成時に問題が発生した場合は、『System Monitoring Plug-inユーザーズ・ガイドfor Audit Vault and Database Firewall』を参照してください。

サポートされているバージョンのOracle Enterprise ManagerとOracle AVDF 20を確認するには、「Oracle Enterprise Managerとの互換性」を参照してください。

A.9 IPアドレスの入力後にインストールの進行が停止する

インストールの進行が停止したときの対処方法を説明します。

問題

Audit Vault Serverのインストール時に、IPアドレスを入力するとインストールの進行が停止します。

解決策

  1. 「Oracle AVDFのインストールに関する問題のログの収集」の手順に従って、Oracle AVDF 20のインストールに関する問題のログをデバッグおよび収集します。
  2. サービス・リクエスト(SR)を出し、収集した診断情報をSRに添付します。

A.10 インストール後タスクの間の「シグナルなし」エラー

「シグナルなし」エラーが表示されたときの対処方法を説明します。

問題

インストール中に、緑色の画面で「シグナルなし」エラーが表示され、インストールが完了するまでに時間がかかります。

解決策

  1. 画面のコンテンツをキャプチャします。
  2. Oracle AVDFのインストールに関する問題のログの収集」の手順に従って、Oracle AVDF 20のインストールに関する問題のログをデバッグおよび収集します。
  3. サービス・リクエスト(SR)を出し、画面キャプチャと収集した診断情報をSRに添付します。

A.11 アップグレード前RPMの警告

Oracle Audit Vault and Database Firewall (Oracle AVDF)のパッチ適用またはアップグレード中に、アップグレード前RPMに、更新を続行する前に解決する必要がある問題を示す警告が表示されます。

A.11.1 RPMアップグレードに失敗する

RPMアップグレードに失敗する場合は、トラブルシューティングのアドバイスを確認します。

問題

RPMアップグレードが次のエラーで失敗します。

error: %post(dbfw-mgmtsvr-###) scriptlet failed, exit status 1

解決策

  1. 少なくとも10MBの空き容量が/tmpにあることを確認します。

  2. 新しいRPMを削除します。

    rpm -e dbfw-mgmtsvr-###

  3. アップグレードを再試行します。

A.11.2 AVDF 20.12以降のアップグレード前RPMのアンインストールでファイルシステムが削除されない

現在Oracle AVDF 20.11以前で、AVDF 20.12以降のアップグレード前RPMを適用し、アップグレードを続行しないと決めた場合、Database Firewallのファイルシステムは削除されません。アップグレード用に予約されている領域を再割当てする場合は、次を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、アップグレード前RPMの正確なバージョンを確認します。

    rpm -q avdf-pre-upgrade
    
  2. 次のコマンドを実行して、アップグレード前RPMをアンインストールおよび削除します。

    rpm -e {rpm name}
  3. 次のコマンドを実行して、ファイルシステムがマウントされたままであることを確認します:
    # df

    次のように表示されます:

    
    [...]
    /dev/mapper/vg_root-lv_var_dbfw_upgrade on /var/dbfw/upgrade type ext4(rw,relatime,seclabel)
    [...]
  4. 次のコマンドを実行して、ファイルシステムをアンマウントします:
    umount /var/dbfw/upgrade
  5. 次のコマンドを実行して、論理ボリュームを削除します:
    lvremove /dev/vg_root/lv_var_dbfw_upgrade
  6. 次のコマンドを実行して、論理ボリュームがアンマウントおよび削除されていることを確認します:
    # df
    # lvs

    次のように表示されます:

    [no /var/dbfw/upgrade records]
    [no /var/dbfw/upgrade records]

A.11.3 メモリー不足によるアップグレード前RPMの障害

メモリー不足によるアップグレード前RPMの障害を解決する方法を学習します。

問題

アップグレード前RPMをインストールすると、システムが安全な状態に置かれ、複数のチェックが実行されて、Audit Vault ServerおよびDatabase Firewallを安全かつ正常にインストールまたはアップグレードするためにアプライアンス上の空き領域が再編成されます。

次のエラーが表示されることがあります。


 AVDF::Installer::Upgrade::InvalidPreconditions
 Recommended memory is x.yy GB; system only has xx.yy MB available
 ERROR:
 AVDF::Installer::Upgrade::InvalidPreconditions
 Verifying pre-upgrade conditions failed.

解決策

この問題を解決するには、次のステップを実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、アップグレード前RPMの正確なバージョンを確認します。

    rpm -q avdf-pre-upgrade
    
  2. 次のコマンドを実行して、アップグレード前RPMをアンインストールおよび削除します。

    rpm -e {rpm name}
  3. ホスト・マシンの電源をオフにします。

  4. 推奨に従ってメモリーを増やします。

  5. ホスト・マシンの電源をオンにします。

  6. アップグレード前RPMを再インストールします。

  7. メモリーに関連する警告が解決されていることを必ず確認します。

  8. Oracle AVDFのドキュメントに従って、アップグレードを続行します。

A.11.4 アップグレード前RPMによってレポートされた/var/lib/oracleファイル・システムの領域不足エラー

アップグレード前RPMによってレポートされた/var/lib/oracle (lv_oracle)ファイル・システムでの領域不足エラーの問題を修正する方法を学習します。

問題

アップグレード前RPMの実行時にエラーまたは問題が表示されます。/var/lib/oracle (lv_oracle)ファイル・システムに十分な領域がありません。

解決策

/var/lib/oracleファイル・システムには、アップグレードを実行するために最低31 GBの空き領域が必要です。

次のステップに従って、/var/lib/oracleの領域をクリアし、アップグレード・プロセスを続行します。

  1. gridユーザーとして次のコマンドを実行します。

    /usr/bin/find /var/lib/oracle/grid/rdbms/audit -name '*.aud' -mtime +1 -delete

    このプロセスは、完了するまでに最大1時間かかる場合があります。

  2. 別の端末を作成します。

  3. gridユーザーとして次のコマンドを実行し、trcおよびtrmファイルを削除します。

    rm /var/lib/oracle/diag/asm/+asm/+ASM/trace/*.tr[cm]
  4. rootユーザーとして、/var/lib/oracle/upgrade_iso_fileディレクトリが存在するかどうかを確認します。ISOファイルが存在する場合は削除します。

  5. rootユーザーとして、これらのファイルが存在する場合に確認して削除します。

    rm /var/lib/oracle/software/database.tar.xz
    rm /var/lib/oracle/dbfw/av/grid[12].zip
  6. oracleユーザーとして次のコマンドを実行し、trcおよびtrmファイルを削除します。

    rm /var/lib/oracle/diag/rdbms/dbfwdb/dbfwdb/trace/*.tr[cm]
  7. Audit Vault Serverコンソールから診断ログをクリアします。このプロセスにより、追加領域を解放することもできます。いずれかのコンポーネントが「デバッグ」に設定されている場合は、「警告」に設定します。

    ノート:

    診断ログのクリアに関する項

A.11.5 アップグレード前RPMによってレポートされた/ファイル・システムの領域不足エラー

アップグレード前RPMによってレポートされた、/ファイル・システムでの領域不足エラーの問題を修正する方法を説明します。

問題

アップグレード前RPMの実行時に次のメッセージのようなエラーが表示されます。/ファイル・システムの領域が不足しています。
Checking upgrade preconditions
This upgrade requires at least 2.35GiB free on / (actual: 2.29GiB)

    AVDF::Installer::Upgrade::InvalidPreconditions

Precondition: 'space-check.rb'
    Result: 'Please follow the instructions in the Administrator's Guide to add storage, then retry.
    Summary: AVDF::Installer::Upgrade::InvalidPreconditions
        System is not ready for upgrade.

解決策

vg_rootの空き領域を使用して/を拡張します。
lvextend --resizefs -L+2.35G /dev/vg_root/lv_ol8root

A.11.6 Oracle AVDFのアップグレード中にアップグレード前RPMで特定のプロセスを停止できない

Oracle AVDFのアップグレード中にアップグレード前RPMによって示される警告またはエラーを修正する方法を学習します。

問題

アップグレード前RPMは、アップグレードに必要なチェックを実行して、アプライアンスをアップグレード用に準備します。アプライアンス上で実行されている特定のプロセスが、その時点で停止します。場合によっては、一部のプロセスをアップグレード前RPMで停止できないことがあります。次のエラーまたは警告が発生します。

Not all processes were stopped
target is busy

解決策

次のステップに従います。

  1. アップグレード前RPMでは、まだ実行中の特定のプロセスを見つけるために可能な方法または解決策が示されています。手順に従って、特定のプロセスを停止します。
  2. アップグレード前RPMをアンインストールします。
  3. アップグレード前RPMを再インストールします。
  4. アップグレードの手順を実行します。

A.11.7 アップグレード前RPMが「オブザーバを停止できません」と表示されて失敗する

アップグレード前RPMでの「オブザーバを停止できません」という警告を解決する方法を説明します。

問題

アップグレード前RPMが、「オブザーバを停止できません」という警告が表示されて失敗します。

オブザーバの起動時に、メッセージおよびデバッグ・ファイルに、次のいずれかのエラーが示されます。

「DGMGRL:ORA-28000: アカウントがロックされています。」または「DGMGRL:ORA-28001: パスワードが期限切れです」

解決策

これは、sysパスワードの有効期限が切れているか、sysユーザーがロックされている場合に発生することがあります。この問題を解決するには、プライマリ・システムとスタンバイ・システムでsysユーザーを更新します。手順は、「SYSユーザーがロック解除され、パスワードが期限切れでないことの確認」を参照してください。

A.11.8 アップグレード前RPMチェック: アラート・キュー領域の警告

アップグレード前RPMでは、アップグレード中にアラート・キューをパージするための十分な領域がシステムにない場合に警告が表示されます。

次の警告が表示されます。

The system does not have sufficient space to purge alert queue. Refer to Installation Guide on how to resolve this.

この問題を解決するには、「システムにアラート・キューをパージするための十分な領域があることの確認」の手順を参照してください。

A.11.9 アップグレード前RPMチェック: ブート・デバイスが2 TB超過

アップグレード前RPMは、ブート・デバイスが2TBを超えた場合に警告します。その場合、アップグレード・プロセスは失敗することがあります。アップグレードする前に、ブート・デバイスが2TB未満であることを確認します。

この問題を解決するには、「ブート・デバイスが2TB未満であることの確認」の手順を参照してください。

A.11.10 アップグレード前RPMチェック: ブート・パーティション領域の警告

アップグレード前RPMでは、ブート・パーティションに十分な領域がない場合は警告が表示され、その場合はアップグレード・プロセスが失敗する可能性があります。アップグレードする前に、ブート・パーティションに少なくとも500MBが含まれていることを確認してください。

この問題を解決するには、「ブート・パーティションが500MB以上あることの確認」の手順を参照してください。

A.11.11 アップグレード前RPMチェック: レガシーの暗号化の警告

現在のOracle Audit Vault and Database Firewall (Oracle AVDF) 12.2デプロイメントに、AIX上にホスト・モニター・エージェントまたはAudit Vault Agentがあり、Oracle AVDF 20.4以降にアップグレードする場合、アップグレード前RPMにTLSおよび暗号化に関する警告が表示されます。

この問題を解決するには、アップグレードの前後にコマンドを実行する必要があります。

Oracle AVDF 12.2.0.11.0以前からのアップグレード

Oracle AVDF 12.2.0.11.0以前からアップグレードする場合、アップグレード前RPMに次の警告が表示されます。警告の指示に従って問題を解決してください。

ご使用の環境にホスト・モニター・エージェント(またはAIX上のAudit Vault Agent)をデプロイした場合は、デフォルト・バージョンのTLS 1.2ではなくTLS 1.1を暗号化に使用する必要があります。それ以外の場合、ホスト・モニター・エージェント(またはAIX上のAudit Vault Agent)は自動的にアップグレードされません。暗号化にTLS 1.1を使用する場合は、アップグレードを続行する前に次のコマンドを実行します。

ruby /usr/local/dbfw/bin/upgrade/configure_tls_settings.rb 2

Audit Vault Serverとエージェントのアップグレード後に、rootユーザーとして次のコマンドを実行します。

/usr/local/dbfw/bin/priv/configure-networking --agent-tls-cipher-level 4

プロンプトにのみ表示されている場合は、アップグレード後に次のコマンドを実行します。

/usr/local/dbfw/bin/priv/send_agent_update_signal.sh

詳細は、『Oracle AVDFインストレーション・ガイド』の「アップグレード前のRPMレガシー暗号化チェック警告」および「アップグレード後のTLSセキュリティ強化」の項を参照してください。

Oracle AVDF 12.2.0.12.0以降からのアップグレード

Oracle AVDF 12.2.0.12.0以降からアップグレードする場合、アップグレード前RPMに次の警告が表示されます。警告の指示に従って問題を解決してください。

ご使用の環境のAIXにAudit Vault Agentをデプロイした場合は、デフォルト・バージョンのTLS 1.2ではなくTLS 1.1を暗号化に使用する必要があります。それ以外の場合、AIX上のエージェントは自動的にアップグレードされません。暗号化にTLS 1.1を使用する場合は、アップグレードを続行する前に次のコマンドを実行します。

ruby /usr/local/dbfw/bin/upgrade/configure_tls_settings.rb 2

Audit Vault Serverとエージェントのアップグレード後に、rootユーザーとして次のコマンドを実行します。

/usr/local/dbfw/bin/priv/configure-networking --agent-tls-cipher-level 4

プロンプトにのみ表示されている場合は、アップグレード後に次のコマンドを実行します。

/usr/local/dbfw/bin/priv/send_agent_update_signal.sh

詳細は、『Oracle AVDFインストレーション・ガイド』の「アップグレード前のRPMレガシー暗号化チェック警告」および「アップグレード後のTLSセキュリティ強化」の項を参照してください。

A.11.12 アップグレード前RPMで「すべてのプロセスが停止されませんでした」というエラーが発生する

問題

「すべてのプロセスが停止されませんでした: 7378,7379」という警告が表示されてアップグレード前RPMが失敗します。

たとえば:

rpm -ivh --force avdf-pre-upgrade-20.x.0.0.0-0_NNNNNN.NNNN.x86_64.rpm 
Preparing... ########################################### [100%] 
1:avdf-pre-upgrade ########################################### [100%] 
Checking upgrade preconditions 
/bin/df: '/var/dbfw/upgrade': No such file or directory 
/bin/df: no file systems processed 
Shutting down services. 
Traceback (most recent call last): 
3: from /usr/local/dbfw/bin/pre_upgrade.rb:642:in '<main>' 
2: from /usr/local/dbfw/bin/pre_upgrade.rb:614:in 'process_command_line' 
1: from /usr/local/dbfw/bin/pre_upgrade.rb:503:in 'post_install' 
/usr/local/dbfw/lib/ruby/upgrade/common.rb:621:in 'stop_nonroot_processes': 
Not all processes were stopped: 7378,7379 

原因

この問題は、アイドル状態のSSHセッション、ビジー状態のデバイス、または開かれている一時ファイルが原因である可能性があります。

解決策

  1. rootユーザーとしてそのRPMをアンインストールします。

    1. SSHを使用してAudit Vault Serverにログインし、rootユーザーに切り替えます。

      SSHを使用したOracle AVDFアプライアンスへのログインを参照してください。

    2. 次のいずれかのコマンドを使用してアップグレード前RPMをアンインストールします:

      rpm -e avdf-pre-upgrade
      rpm -e avdf-pre-upgrade --noscripts
  2. アップグレード前RPMのリストを確認します。

    1. 次のコマンドを入力します。

      rpm -qa |grep avdf-pre-upgrade
    2. avdf-pre-upgrade RPMのエントリがないことを確認します。
    3. STANDALONEシステムである場合は、Audit Vault Serverを再起動します。
  3. 他のSSHセッション、ビジー状態のデバイスまたは開かれている一時ファイルがないか確認します。

    1. supportユーザーが所有する他のSSHセッションがないことを確認します。

      これを行うには、アイドル状態のnotty (no tty) というSSHセッションを特定し、それらの停止を試みます。

      次のコマンドを使用して、sshd: support@nottypidを確認します。

      ps -ef |grep support
      ps -ef |grep notty

      たとえば:

      support 2480 2427 0 18:31 ? 00:00:00 sshd: support@notty
      support 2481 2480 0 18:31 ? 00:00:00 -bash
      kill -9 2481
      kill -9 2480
    2. システム内のsupport@nottyプロセスをもう一度確認します。
    3. システムにビジー状態のデバイスや開かれている一時ファイルがないことを確認します。これを行うには、/tmpおよび/usr/local/dbfw/tmpに対してlsofを実行します。

      たとえば:

      lsof /usr/local/dbfw/tmp
      lsof /tmp

      ノート:

      パッチ適用またはアップグレード・プロセスの開始時にログが開かれていないことを確認します。
  4. rootユーザーとして、アップグレード前RPMのインストールを試みます。

    1. SSHを使用してAudit Vault Serverにログインし、rootユーザーに切り替えます。

      SSHを使用したOracle AVDFアプライアンスへのログインを参照してください。

    2. 次のコマンドを入力します。

      rpm -i /root/avdf-pre-upgrade-20.x.0.0.0-0_NNNNNN.NNNN.x86_64.rpm

A.11.13 アップグレード前RPMチェック: エージェント失敗チェック - アップグレードの前提条件

Oracle AVDF 20.9以降では、アップグレード前RPMによって、Audit Vault Agentおよびホスト・モニター・エージェントの構成がOracle AVDF 20.10以降と互換性があることが検証されます。

問題

agent_prereq_checks_failure_report.txtレポートは、Audit Vault Agentまたはホスト・モニター・エージェントがOracle AVDF 20.10以降に更新するための前提条件を満たしていないことを示します。エージェントの成功および失敗のレポートは次の場所にあります。

  • 成功レポート: /opt/avdf/report/agent_prereq_checks_success_report.txt
  • 失敗レポート: /opt/avdf/report/agent_prereq_checks_failure_report.txt

次の例は、失敗メッセージを示しています。

Agent/HM Validation Failure statuses are as below :
------------------------------------------------------------------
Agent Name : agent-linux
Agent Validation Status : FAILURE
Agent Failure Checks : Upgrade Prerequisites check jar build with latest version. Please check the minimum java version required. - <Exception Message>
Agent Checks Warning Messages :
Validated at : 2022-12-02 09:11:24.774880

解決策

レポートに示されている問題を解決します。たとえば、Audit Vault Agentマシンを、サポートされている最小Javaバージョンに更新します。

失敗チェック・スクリプトを個別に再実行して、問題が解決されたことを確認できます。これらのスクリプトをrootユーザーとして実行します。

/usr/bin/python3 /usr/local/dbfw/bin/upgrade/pre_upgrade_validate_agent.py standalone
/usr/bin/python3 /usr/local/dbfw/bin/upgrade/pre_upgrade_download_agent_validation_status.py standalone

A.12 FIPSを有効にしてOracle AVDFを更新するとSSHが無効になる

FIPSモードを有効にしてOracle AVDFを更新した後にSSHが無効になった場合は、FIPSに準拠するようにSSHキーを更新します。

問題

FIPSモードが有効な状態でOracle AVDFをリリース20.9に更新すると、SSHが無効になります。

解決策

FIPS 140-2を有効にする前に、SSHキーがFIPSに準拠していることを確認してください。SSHキーがFIPSに準拠していない場合は、FIPSを有効にした後にアプライアンスとのSSH接続が失われる可能性があります。

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)上のOracle AVDFの場合は、FIPSモードを有効にする前に、opcユーザーの、FIPS準拠のキーが/home/opc/.ssh/authorized_keysに登録されていることを確認してください。

この問題を解決するには、次のステップを実行します。

  1. Audit Vault Serverコンソールにログインし、FIPSモードを無効にします。

  2. SSHを使用してアプライアンスに再度ログインし、~/.SSH/authorized_keysで、SSH対応ユーザーのユーザー・キーを確認し、FIPSに準拠するように更新します。

    FIPSモードを有効または無効にした後、コンソールが使用可能になるまでに数分かかることがあります。

  3. FIPSモードを有効にします。

A.13 アップグレード前RPMのアンインストール時におけるSSH接続のタイムアウト

問題

アップグレード前RPMをアンインストールすると、SSH接続がタイムアウトします。

原因

デフォルトのSSH接続タイムアウトは10分で、アップグレード前RPMのアンインストールには10分以上かかる場合があります。

解決策

アップグレード前RPMをアンインストールする前に、screenコマンドを実行します。screenコマンドを使用すると、ネットワーク切断によってパッチ適用またはアップグレードが中断されることがなくなります。

セッションが終了したら、rootユーザーに切り替え、screen -rコマンドを実行して再開します。

A.14 rootパスワードの入力後にインストールが一時停止する

問題

Oracle AVDF 20.5のインストーラを起動すると、いくつかのパッケージがインストールされ、rootパスワードの変更を求めるプロンプトが表示されます。新しいrootパスワードを入力すると、インストーラはただちにいくつかのマウント解除コマンドを表示し、インストールの開始画面に戻ります。インストールは続行できません。

原因

インストールが完了する前にISOファイルが削除されました。

解決策

新しいrootパスワードを入力し、インストールの開始画面に戻ったら、次の手順を実行します。

  • CDドライブからISO CDを取り外して、マシンを再起動します。
  • ログインするよう求められたら、ROOTとしてログインします。
  • ISOファイルを求められたら、メディアからISOファイルを追加します。

A.15 Oracle AVDF 20.3へのアップグレード時にELMIG_POPULATE_CLUSTERS_202およびELMIG_CONVERT_HASH_202dba_objects表でINVALIDとしてレポートされる

オブジェクトが無効であっても、これはシステム操作に影響を与えず、無視できます。

問題

Oracle AVDF 20.3にアップグレードする場合、オブジェクトELMIG_POPULATE_CLUSTERS_202およびELMIG_CONVERT_HASH_202dba_objects表でINVALIDとしてレポートされます。

次の問合せの結果は、ELMIG_POPULATE_CLUSTERS_202およびELMIG_CONVERT_HASH_202オブジェクトとなります。
elect object_name from dba_objects where status = ‘INVALID’;
OBJECT_NAME

解決策

これはシステム操作には影響せず、無視できます。

A.16 Oracle AVDFのインストール時にSDAF1をフォーマットしようとするとエラーが発生する

問題

Audit Vault Serverのインストール中に、次のエラーが発生します。

Error: An error occurred trying to format sdaf1. This problem is serious, and the install cannot continue. Press to reboot your system.

原因

サーバーにSAN接続があります。

解決策

SAN接続を無効にします。Audit Vault Serverのインストールが完了するまで、ISCSIデバイスを接続しないでください。

A.17 Audit Vault Agentの起動時の失敗: OAV-10: DBへの接続の解放に失敗しました

問題

Audit Vault Agentのインストール時に、./agentctl start -kを実行したらOAV-10: DBへの接続の解放に失敗しましたというエラーが発生しました。データベースからAudit Vault Serverへの接続に失敗しました。

原因

JAVA_HOMEに正しくない場所が使用され、agentctlでそのパスにある別のJavaが取得されました。その接続は、データベース・ホームに存在するJavaでは機能しないため失敗しました。

解決策

JAVA_HOMEの適切な場所を設定してください。
JAVA_HOME=/usr/java/jdk1.8.0_361
export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH

A.18 upgrade_apexステップでAVDF 20.4へのアップグレードが失敗する

AVDF 20.4へのアップグレード時に、upgrade_apexステップでODF-10001: Internal error: FAILED migration: upgrade_apex (as oracle)エラーが発生します。

問題

/var/log/messagesにはERROR - ODF-10001: Internal error: FAILED migration: upgrade_apex (as oracle) (applied change)が含まれ、/var/log/debugには次の情報が記録されます
upgrade_apex: error: cannot create /var/lib/oracle/dbfw/apex/images/computer.gif
upgrade_apex: Permission denied
upgrade_apex: error: cannot create /var/lib/oracle/dbfw/apex/images/phone_support.gif
upgrade_apex: Permission denied
さらに、rootユーザーで次のコマンドを実行した場合:
/opt/avdf/bin/privmigutl –status
結果は次のようになります
System state - recovery
Migration set 'AVS' - failed
Last migration 'Upgrading apex20' - failed

解決策

  1. SSHを使用してAudit Vault Serverにログインし、rootユーザーに切り替えます。

    SSHを使用したOracle AVDFアプライアンスへのログインを参照してください。

  2. 次のコマンドを実行します。
    chown -R oracle:oinstall /var/lib/oracle/dbfw/apex/images
  3. oracleユーザーに切り替えます。

    su - oracle
  4. 次のスクリプトを実行します。
    /usr/local/dbfw/etc/privileged-migrations/upgrade_apex
  5. 次を実行します
    echo $?

    結果が2の場合は、スクリプトが正常に完了しています。

  6. SSHを使用してAudit Vault Serverにログインし、rootユーザーに切り替えます。

    SSHを使用したOracle AVDFアプライアンスへのログインを参照してください。

  7. 次を実行して、アップグレード・プロセスを再開します。
    /opt/avdf/bin/privmigutl --resume --confirm

    Oracle AVDFサーバーへのssh接続が信頼でき、このコマンドの実行中に終了しないことを確認してください。

  8. $ORACLE_HOME/apex/imagesフォルダとその内容にoracle:oinstall権限があるかどうかを確認し、ない場合はこれらに権限を付与します。

A.19 Oracle Audit Vault Serverのアップグレード後にWebコンソールに別名保存オプションがない

問題

Audit Vault ServerをOracle AVDF 12.xから20.xにアップグレードした後、UI Webコンソールの特定のページで別名保存オプションが使用できなくなります。以前は、このオプションは、「監査証跡表リスト」および「ホスト表リスト」からページを保存するために使用されていましたが、新しいバージョンではユーザーがレポートを生成することが難しくなりました。

原因

お客様は、別名保存オプションに頼って、監査レビューおよび管理プレゼンテーションの「監査証跡」および「ホスト表リスト」からレポートを作成します。バージョン20.1から20.4の新しいUIではこのオプションが削除され、監査者の既存のワークフローに混乱が生じていました。

解決策

なくなった別名保存機能に対処するために、手動でSQL問合せを実行して必要なデータを抽出することができます。これらの問合せは、SQL DeveloperやSQL*Plusなどのツールを使用してHTMLレポートまたはPDFレポートにフォーマットできます。

問合せの例:
  • 監査証跡問合せ: この問合せを使用して、「監査証跡」ページに表示される表を取得できます。
    Select st.secured_target_name,atv.location,atv.audit_trail_type,atv.host_name,atv.status,stt.secured_target_type_name,atv.error_message,atv.collection_autostart,atv.trail_autostart_attempts,atv.trail_last_start_time,
    (select checkpoint_time from avsys.checkpoint c 
    where c.audit_Trail_id = atv.audit_Trail_id )Last_Collection_Time 
    from avsys.audit_trail_view atv, avsys.secured_target st,avsys.secured_target_type stt 
    where atv.source_id = st.secured_target_id and st.secured_target_type_id = stt.secured_target_type_id and st.active = 'Y' and atv.active ='Y';
  • 「ホスト」ページ・データ問合せ: この問合せを使用して、「ホスト」ページに表示される表を取得できます。
    select a.host_name, a.host_ip, a.activation_key, upper(a.status) as agent_status, a.activation_time, 
    a.platform, a.agent_location, a.version, h.HOSTMON_INSTALL_STATE, h.HOSTMON_LOCATION, 
    h.HOSTMON_VERSION, h.HOSTMON_ZIP_GEN_TIMESTAMP, h.HOSTMON_UPDATE_TIMESTAMP, h.AGENT_OS_USER, 
    h.HOSTMON_ERROR_MSG, hs.STATUS_TIMESTAMP as last_connected_At 
    from avsys.agent_view a, avsys.hostmon_view h, avsys.host hs 
    where a.host_ip = h.host_ip and hs.host_ip = h.host_ip and hs.host_ip = a.host_ip 
    and a.deleted_at is null and h.deleted_at is null and hs.deleted_at is null;
  • HTMLレポートの生成: 次のステップに従って、SQL*Plusを使用して体裁のよいHTMLレポートを生成できます:
    set LINESIZE 4000; set PAGESIZE 4000; column SECURED_TARGET_NAME format a20; column
          TRAIL_AUTOSTART_ATTEMPTS format 9; column AUDIT_TRAIL_TYPE format a10; column host_name format
          a25; column status format a12; column TRAIL_AUTOSTART_ATTEMPTS format 9; column location
          format a32; column TRAIL_LAST_START_TIME format a30; column LAST_COLLECTION_TIME format a30;
          column ERROR_MESSAGE format a80; set colsep '|'  
    
    Select st.secured_target_name,atv.location,atv.audit_trail_type,atv.host_name,atv.status,stt.secured_target_type_name, 
    atv.error_message,atv.collection_autostart,atv.trail_autostart_attempts,atv.trail_last_start_time,
    (select checkpoint_time from avsys.checkpoint c where c.audit_Trail_id = atv.audit_Trail_id )
    Last_Collection_Time from avsys.audit_trail_view atv, avsys.secured_target st,
    avsys.secured_target_type stt where atv.source_id = st.secured_target_id and
    st.secured_target_type_id = stt.secured_target_type_id and st.active = 'Y' and atv.active ='Y';

    次の問合せを実行して、レポートを生成します:

    SET ECHO OFF 
    SET PAGESIZE 4000 
    SET FEEDBACK OFF 
    SET TERMOUT OFF 
    SET MARKUP HTML ON TABLE ""
    SPOOL AuditTrail.html  
    
    Select st.secured_target_name,atv.location,atv.audit_trail_type,atv.host_name,atv.status,stt.secured_target_type_name,
          atv.error_message,atv.collection_autostart,atv.trail_autostart_attempts,atv.trail_last_start_time,
          (select checkpoint_time from avsys.checkpoint c where c.audit_Trail_id = atv.audit_Trail_id )
          Last_Collection_Time from avsys.audit_trail_view atv, avsys.secured_target st,
          avsys.secured_target_type stt where atv.source_id = st.secured_target_id and
          st.secured_target_type_id = stt.secured_target_type_id and st.active = 'Y' and atv.active =
          'Y'; SPOOL OFF

A.20 パッケージのダウンロード・エラーによりOracle AVDF 20.7のインストールが失敗する

Oracle AVDF 20.7のインストール中に、インストールが失敗してOracle Audit Serverのインストールを完了できませんでした。

問題

Oracle AVDF 20.7のインストールが次のエラーで失敗します:

Installation failed: Failed to complete the Oracle Audit Server Installation

原因

次のエラーがデバッグ・ログに表示され、パッケージのダウンロードに問題があることを示しています:
localhost run-privileged-migrations[22598]:
com.oracle.dbfw.privilegedMigration DEBUG - yum: Error downloading packages:
localhost run-privileged-migrations[22598]:
com.oracle.dbfw.privilegedMigration DEBUG - yum:
avs-grid-<version>.x86_64: [Errno 256] No more mirrors to try.

これは、インストール中にインストールISOが使用できないときや、ネットワークの問題によってダウンロード・プロセスが中断した場合に発生します。

解決策

この問題を解決するには、次のステップに従います:
  1. ISOファイルの確認:
    1. ISOファイルが完全にダウンロードされ、インストール全体を通してアクセス可能であることを確認します。
    2. ファイル・サイズをチェックし、SHA-256チェックサムを比較して、ダウンロードを確認します。Linuxで次のコマンドを実行して、チェックサムを生成します:
      $ sha256sum Vpart_number.iso
    3. チェックサムがファイルのダウンロード・ダイアログ・ボックスで指定した値と一致することを確認します。
  2. ISOアクセシビリティの確認:
    1. rootとしてISOをAudit Vault Server (AVS)にマウントしたら、システムによって認識されていることを確認します:
      ls /dev/disk/by-label
      AVS_20_7_0_0_0のようなラベルを探します。
    2. 次を使用してISOをマウントします:
      mount /dev/disk/by-label/AVS_20_7_0_0_0 /mnt
    3. 必要なパッケージ・ファイルが存在することを確認します:
      find /mnt -name 'avs-grid*' -ls
  3. ネットワークの安定性チェック:
    1. AVサーバーから、次を使用してネットワークの安定性をテストします。
      cat 'Copy one of the files from find /mnt -name "avs-grid*" -ls' > /dev/null
    2. このコマンドが遅い場合、ネットワークの速度低下がインストールに影響している可能性があります。追加のエラー・ログについては、/var/log/messagesを確認してください。
問題が解決しない場合は、ISOファイルを再ダウンロードし、チェックサムの精度を確認してから、インストールを再試行します。

ノート:

この問題は、Oracle AVDFバージョン20.8でも確認されています。

A.21 AVDFで「メモリーの不足」エラーを防止するために必要な最小インメモリー・サイズの計算

「メモリーの不足」エラーが発生した場合に、表をインメモリー領域に移入するのに十分なメモリーを検出する方法を学習します。

問題

EVENT_LOGデータを格納するための十分なメモリーがインメモリー領域に割り当てられていない場合、AVDFシステムで「メモリーの不足」エラーが表示されることがあります。

解決策

EVENT_LOGデータを1か月間インメモリーに格納するために必要な最小メモリー(バイト)を計算するには、次のステップに従います:
  1. 主問合せの実行
    次のSQL問合せを実行して、必要なメモリー割当てを確認します:
    SELECT NVL(MAX((SUM(msize)) / (SELECT EXTRACT(DAY FROM (partition_end - partition_start)) 
    FROM avsys.dw_partition_view WHERE partition_name=pname)), 0) 
    FROM (SELECT s.partition_name pname, (i.inmemory_size + i.bytes_not_populated) msize 
          FROM user_tab_subpartitions s, v$im_user_segments i 
          WHERE s.subpartition_name=i.partition_name 
          AND s.table_name='EVENT_LOG' 
          AND i.segment_name='EVENT_LOG') 
    GROUP BY pname;
    
  2. 必要なメモリーの計算
    • 前述の問合せの出力に31*1.2 (1か月で最大31日間、データが多い日のために20%のバッファを追加)を乗算します。
    • 結果の値が1か月間に必要な最小メモリー(バイト)です。
  3. 代替計算(問合せが0を返す場合)
    主問合せから0が返された場合は、次の代替問合せを実行して必要なメモリーを見積もります:
    SELECT MAX((SUM(r.bytes)) / (SELECT EXTRACT(DAY FROM (partition_end - partition_start)) 
    FROM avsys.dw_partition_view WHERE partition_name=pname)) 
    FROM (SELECT s.partition_name pname, u.bytes 
          FROM user_tab_subpartitions s, user_segments u 
          WHERE s.subpartition_name=u.partition_name 
          AND u.segment_name='EVENT_LOG' 
          AND s.table_name='EVENT_LOG') r 
    GROUP BY pname;
    
    • この問合せの出力に31*0.8 (メモリーを20%削減してディスク・データ圧縮を考慮)を乗算します。
    • この結果が1か月間に必要な最小メモリー(バイト)です。
この算出されたメモリーをインメモリーに指定すれば、毎月EVENT_LOGデータを格納するときに「メモリーの不足」メッセージは表示されなくなります。

A.22 特権移行ステップでエラーが発生してVMwareで20.12から20.13へのアップグレードが失敗する

Oracle AVDF 20.12から20.13へのアップグレード時の特権移行エラーを解決する方法を学習します。

問題

Oracle AVDF 20.12から20.13にアップグレードすると、VMwareで次のエラーが発生してアップグレードが失敗します:
run-privileged-migrations ERROR - ODF-10001: Internal error: Fatal error running migrations

解決策

この問題を解決するには、まず同じエラーが発生していることを確認します。その場合は、次のステップに従ってください:
  1. rootユーザーとして、RPMデータベースの整合性を確認します:
    cd /var/lib/rpm
    /usr/lib/rpm/rpmd_verify Packages
    エラーがない場合は、これらの手順は適用されません。Oracleサポートに連絡してください。
  2. エラーが見つかった場合は、次のコマンドを実行してRPMデータベースを再構築します:
    cd /var/lib
    cp -ax --backup=t rpm rpm.old
    rm -i rpm/__db.???
    rpm --rebuilddb
  3. RPMデータベースを再構築したら、再構築したパッケージ・データベースの妥当性を確認します。
    cd /var/lib/rpm
    /usr/lib/rpm/rpmdb_verify Packages
  4. 確認後、発生したRPMデータベース破損の特定のタイプに応じてアップグレードを続行します。発生したシナリオに基づいて、該当するステップを実行します:
    • 特権移行がまだ開始されていない場合のアップグレードの再開:
      1. システムを再起動します。
      2. rootユーザーとしてログインします。
      3. 次のコマンドを実行します。
        systemctl isolate avdf-upgrade.target
      4. アップグレード・ステータスを確認するには、rootユーザーとしてコンソールに再ログインします。
    • 特権移行が開始された後でのアップグレードの再開:
      1. AVDF 20.13更新をリカバリ・ユーティリティに適用します:
        rpm -U /media/avdf-install/bootstrap/Packages/avdf-bootstrap-20.13.0.0.0-*.noarch.rpm
      2. 現在のステータスを確認します:
        /opt/avdf/bin/privmigutl --status
      3. 出力を確認して失敗した移行を見つけ、rootユーザーとして手動で再実行します。
      4. 移行が正常に完了したら、次のコマンドを実行します:
        /opt/avdf/bin/privmigutl --resume

A.23 Perlパッケージの更新失敗につながるパッチ適用後のパッケージ・バージョンの不一致

Oracle AVDF 20.9から新しいバージョンへのパッチ適用時に問題を引き起こしている様々なPerlパッケージを更新する方法について学習します。

問題

AVDF 20.9へのパッチ適用後、特定のシステムに、perl-interpreterperl-libsperl-Utilsなどの古いPerlパッケージのセットがあり、フレッシュ・インストールで使用可能なバージョンと一致しません。この不一致により、CVEは(Qualysレポートに従って)導入されませんが、特にアップグレードをさらに試みた場合に、依存関係の競合が発生する可能性があります。

解決策

このパッケージの不一致を解決するには、Perl-develパッケージとそれに依存する他のパッケージをアンインストールしてから、次の回避策を使用してPerlパッケージを手動でアップグレードします:
  1. パッチ適用を開始する前に、次のコマンドを実行します:
    dnf remove perl-devel
  2. アップグレードISOを挿入します。
  3. mount /dev/sr0 /imagesを使用してマウントします。
  4. updateコマンドを実行します:
    /usr/bin/yum update --exclude=avs,dbfw-mgmtsvr -c /images/upgrade.repo
    このコマンドは、パッチ適用前のパッケージを消去し、古いPerlパッケージをすべてアップグレードして、想定されるパッケージ・セットにシステムを合致させて、依存関係の競合を正常に解決します。