DLTHREADSWRITE
DLTHREADSWRITE構成設定は、ブロックをディスクに書き込むブロック・ストレージ・データ・ロード・プロセスのステージでEssbaseが使用できるスレッド数を指定します。複数のスレッドにより処理が並行で行われ、データ・ロードのパフォーマンスを改善できます。
Essbaseは集約ストレージ(ASO)のデータ・ロード・プロセスの書込みステージで単一のスレッドを使用するため、DLTHREADSWRITEはASOデータベースには適用されません。
構文
DLTHREADSWRITE [appname [dbname]] n
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appname—アプリケーション名。アプリケーション内の1つまたはすべてのデータベースで指定したスレッド数を使用するためのオプションのパラメータ。appnameの値を指定し、dbnameの値を指定しない場合、設定は指定したアプリケーションのすべてのデータベースに適用されます。アプリケーションを指定しない場合、データベースを指定できず、設定はEssbaseサーバー上のすべてのアプリケーションおよびデータベースに適用されます。
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dbname—データベース名。指定したアプリケーション内で指定したデータベースのロード時に、指定したスレッド数を使用するためのオプションのパラメータ。dbnameの値を指定しない場合、設定は指定したアプリケーション内のすべてのデータベースに適用されます。appnameが指定されていない場合、dbnameを指定することはできません
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n—データ・ロード・プロセスがデータ・ブロックをディスクに書き込むために使用できるスレッド数。1から32の整数を指定します。デフォルト値は1です。nが32より大きいか、負の数である場合、値は32に想定されます。
説明
この設定およびDLTHREADSPREPAREとDLSINGLETHREADPERSTAGEは、並列データ・ロード処理に関連しています。パイプラインの概念は、Essbaseデータ・ロードに関連しています。パイプラインは、シリアルまたは並列で実行できる、メモリー内の一連のデータ処理要素です。Essbaseデータ・ロード操作では、5つのステージで構成されるパイプラインが使用されます。デフォルトでは、ステージごとに1つのスレッドが使用されます。したがって、すべてのデータ・ロード操作には、最低5つのスレッドが必要です。
状況にあわせてプロセッサ・リソースの使用を最大化することでデータ・ロード・パフォーマンスを改善するには、これらの設定を使用して、データ・ロード処理の準備および書込みステージ内の追加のマルチスレッド処理を有効にします。
個々のデータベース、アプリケーション内のすべてのデータベース、またはサーバー上のすべてのアプリケーションとデータベースにDLTHREADSWRITEを指定できます。
EssbaseがDLTHREADSWRITEに指定された値を使用するには、構成設定DLSINGLETHREADPERSTAGEをFALSEに設定する必要があります。
ブロック・ストレージ・データ・ロードでの並列スレッド処理の詳細は、データ・ロードの最適化を参照してください。
ノート
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別の構成設定DLTHREADSPREPAREを使用して、データ・ロード処理の準備ステージのスレッド数を指定できます。
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マシンのプロセッサ数およびマシンで実行する他のプロセス数など、多くの要因がDLTHREADSWRITEの可能な最適値に影響を与えます。この設定をデフォルト(1)より大きい値に設定する場合は、大量のシステム・リソースを消費する可能性があるため、システム管理者にお問い合せください。この設定のスレッド数がサーバー・マシンのプロセッサ数より大きい場合、パフォーマンスの改善を期待しないでください。
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DLTHREADSWRITEの値を1より大きく設定しても、単一プロセッサ・マシンにおいては効果が少ない場合があります。
例
DLSINGLETHREADPERSTAGE Sample Basic FALSE
DLTHREADSWRITE Sample Basic 3
DLSINGLETHREADPERSTAGEがSample Basicアプリケーションおよびデータベースに対してFALSEに設定されているため、Sample Basicにデータをロードすると、Essbaseでは書込みステージで3つの並列スレッドが使用されます。