IMPLIED_SHARE_ON_CREATE

デフォルトでは、暗黙の共有はEssbase 21cでは有効になっていません。IMPLIED_SHARE_ON_CREATE構成設定を使用して、必要に応じて有効にできます。

暗黙の共有が有効な場合、親メンバーに式がある場合、または「共有しない」に設定されていないかぎり、親メンバーは単一の子メンバー(または唯一の連結子メンバー)の値を共有します。

構文

IMPLIED_SHARE_ON_CREATE [app_name] TRUE | FALSE
  • app_name—オプション。指定した場合、この設定は指定したアプリケーションにのみ適用されます。指定しない場合、この設定はEssbaseサーバーに適用されます。

    アプリケーション固有の設定はサーバー・レベルの設定よりも優先されます。

  • TRUE—親は、子が1つしかない場合または親に連結している子が1つしかない場合に、暗黙の共有として処理されます。

  • FALSE—暗黙の共有を使用しません。これがデフォルトの動作です。

暗黙の共有について

共有メンバーは、通常、ColaとDietの両方の親にあるDiet Colaメンバーを計算する場合など、複数の親で同じメンバーを計算する際に使用します。

共有メンバーに関連付けられたデータ値はプロトタイプ・メンバーと呼ばれる同じ名前を持つ他のメンバーから導出されたものです。共有メンバーはプロトタイプ・メンバーに含まれるデータへのポインタを保管し、データは一度だけ保管されます。共有メンバーのプロパティを使用して、共有データの関係を明示的に定義します。

暗黙の共有メンバーは、共有として明示的に設定しなくても、共有として動作します。

アプリケーションが暗黙の共有の使用に依存している場合、この構成をTRUEに設定できます。

暗黙の共有の移行ガイドライン

IMPLIED_SHARE_ON_CREATE構成設定は、Essbase 21cに最初に作成(または移行)されたときに、Essbaseアプリケーションにデフォルトの暗黙の共有動作を定義します。

Essbase 11gオンプレミスでは、暗黙の共有設定はIMPLIED_SHARE設定を使用したアプリケーションに対して変更できます。Essbase 21c以降では、暗黙の共有の動作はアプリケーションの作成時に一度のみ設定できます。

アプリケーションをEssbase 11gオンプレミスからEssbase 21cに移行し、essbase.cfgにIMPLIED_SHARE構成に値が設定されている場合、この設定はEssbase 21cでIMPLIED_SHARE_ON_CREATEに保持されます。すなわち、IMPLIED_SHARE TRUEとして構成されたEssbase 11gオンプレミス・アプリケーションは、Essbase 21cにIMPLIED_SHARE_ON_CREATE TRUEとして移行されます。

アプリケーションをOracle Analytics Cloud - EssbaseまたはEssbase 19cからEssbase 21cに移行し、IMPLIED_SHARE構成にアプリケーション・レベルの値が設定されている場合、この設定はEssbase 21cでIMPLIED_SHARE_ON_CREATEに保持されます。

IMPLIED_SHARE_ON_CREATE設定を変更しても、既存のアプリケーションまたはキューブに影響しません。既存のアプリケーションのこの設定を切り替えることはできません。この設定をサーバー・レベルのessbase.cfgで変更すると、新しく作成されたアプリケーションのみが影響を受けます。

既存の1つのEssbase 21cアプリケーションのみに暗黙の共有設定を変更する必要がある場合、次のワークフローを使用してこれを再作成する必要があります:

  1. キューブではなく、アプリケーションを再作成します。

  2. TRUEまたはFALSEの値を新しく選択したIMPLIED_SHARE_ON_CREATE設定をアプリケーション構成に追加します。

  3. キューブを作成し、アウトラインを再作成します。設定をキューブに適用したら、これを.otlファイルに保持します。

  4. データをリロードします。

  5. 集約または計算スクリプトを実行します。

複数のアプリケーションに暗黙の共有設定を変更する必要がある場合、次のようにします。

  1. Essbaseサーバーの構成ファイルessbase.cfgで、TRUEまたはFALSEの優先する値を指定したIMPLIED_SHARE_ON_CREATEを追加します。

  2. ファイルを保存して、Essbaseサーバーを再起動します。

  3. 各アプリケーション(キューブなし)を再作成します。essbase.cfgにグローバルに定義されたものと異なる、アプリケーションへの暗黙の共有設定が必要な場合、TRUEまたはFALSEの優先する値を指定したIMPLIED_SHARE_ON_CREATE設定をそのアプリケーション構成に追加します。

  4. キューブをソース・アウトラインから再作成します。

  5. データをリロードします。

  6. 集約または計算スクリプトを実行します。

IMPLIED_SHARE_ON_CREATE Sample TRUE

アプリケーションSampleに暗黙の共有を使用します。

関連項目

暗黙の共有の理解に関する項