ボールトとシークレットの作成および値の暗号化
Oracle Cloud Infrastructure Vaultを使用すると、サーバー・ドメインの作成時に機密情報を管理できます。ボールトとは、暗号化キーおよびシークレットのコンテナです。
Essbase 21cおよび19.3.0.5.6では、シークレットを使用します(Oracle Cloud Infrastructureコンソールの「アイデンティティとセキュリティ」領域の「ボールト」で作成されている)。ボールトで、パスワードを入力すると、最新版がキーの一部としてボールトに格納されます。Oracle Cloud Infrastructureドキュメントのキー管理を参照してください。
ノート:
既存のボールトを使用し、暗号化キーがすでに作成されている場合、「新しいボールトの作成」および「新しい暗号化キーの作成」の各項をスキップし、「新しいシークレットの作成」の項に進むことができます。それ以外の場合は、まずボールトおよびキーを作成する必要があります。
ボールとおよびキーをEssbaseアプリケーションの暗号化に使用する場合は、Essbaseスタックと同じリージョンに配置する必要があります。
プロビジョニング時にボールトを使用して資格証明を暗号化する場合、シークレットを作成する必要があります。Essbase管理者用およびデータベース用に選択したパスワードは、リソース・マネージャのパスワード要件を満たしている必要があります。
シークレットを次のフィールドに追加する必要があります。
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Essbase管理者のパスワード
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IAMまたはIDCSアプリケーションのクライアント・シークレット
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データベース・システム管理者のパスワード
ノート:
次の手順では、低コストのボールト・オプションを作成する方法について説明します。新しいエンティティは、まだ作成されていない場合にのみ必要です。-
Oracle Cloud Infrastructureコンソールにサインインします。
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ナビゲーション・メニューで、「アイデンティティとセキュリティ」を選択し、「キー管理とシークレット管理」セクションで「ボールト」をクリックします。
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「リスト範囲」で、Essbaseのコンパートメントを選択します(まだ選択されていない場合)。
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「ボールトの作成」をクリックします。
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「コンパートメントに作成」で、Essbaseコンパートメントが選択されていることを確認します。
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「名前」で、名前(
OracleEssbaseVault
など)を入力します。 -
低コストのオプションの場合は、仮想プライベート・ボールト・オプションの選択が解除されたままにします。
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「ボールトの作成」をクリックします。
ノート:
ボールトの暗号エンドポイント値は、「ボールト」ページに表示される新しく作成したボールトをいつでもクリックすることで、後で使用するために取得できます。
新しい暗号化キーの作成
「ボールト」ページに移動し、次のように新しい暗号化キーを作成します。
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新しく作成したボールトの名前(前述の項の
OracleEssbaseVault
など)をクリックします。 -
「マスター暗号化キー」で、「キーの作成」をクリックします。
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キーの名前(
OracleEssbaseEncryptionKey
など)を指定します。 -
「キーの作成」をクリックします。このキーは、シークレットの作成時に使用します。
新しいシークレットの作成
「ボールト」ページに移動します。パスワードごとに、次のようにシークレットを作成します。
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「シークレット」をクリックします。
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「シークレットの作成」をクリックします。
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一意で簡単に識別できるシークレットの名前(たとえば、dbadminpassword)および関連する説明を入力します。
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新しい暗号化キー(前述の項で作成)を選択するか、既存のものを選択します。たとえば、
OracleEssbaseEncryptionKey
です。 -
「シークレット・コンテンツ」に、パスワードのテキストを入力します。
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「シークレットの作成」をクリックします。
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作成された各シークレットについて、その名前、ボールト、OCIDおよびその他の詳細をメモし、後で構成で使用するために認識できるようにします。
ノート:
異なるボールトに格納されている場合でも、各シークレットに一意の名前があることを確認してください。Oracle Essbase管理者のパスワード(19C用)を暗号化するには:
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Essbaseドメインに対して使用する管理者パスワードをbase64エンコーディングに変換します。
たとえば、Linuxターミナルから次のコマンドを使用します。
echo -n 'OracleEssbase_Password' | base64
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Oracle Cloud Infrastructureコマンドライン・インタフェースを使用して
encrypt oci
コマンドを実行します。次のパラメータを指定します。-
ボールト暗号化キーのOCID
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ボールト暗号エンドポイント
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base64エンコード・パスワード
次に例を示します。
oci kms crypto encrypt --key-id Key_OCID --endpoint Cryptographic_Endpoint_URL --plaintext Base64_OracleEssbase_Password
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次に示すように、出力から、デプロイ・プロセスで使用するために暗号化パスワード値をコピーします。
"ciphertext": "Encrypted_Password"
ボールト暗号化を使用して、データベース・パスワードおよびクライアント・シークレットを暗号化します。