@WEIGHTEDSUMX

Essbaseの@WEIGHTEDSUMX計算関数は、リモート・データソースからフェッチされる各メンバーの単位重量に応じて、メンバー・リスト内のすべてのメンバーを集約します。

この関数は、計算フレームワークを1回しか呼び出さないことで、通貨データベースを集約するパフォーマンスを向上させます。

次の用語がこの関数を説明するために使用されています。

  • データ・ターゲット: 現在の計算が実行されているデータベース(つまり、@WEIGHTEDSUMX呼び出しが開始されたデータベース)。

  • データ・ソース: @WEIGHTEDSUMXによって問い合されるデータベース。このデータベースはリモート(つまり、データ・ターゲットとは異なるマシン上)にある可能性があります。

  • 視点: データ・ターゲットで現在計算されているメンバーの組合せ(つまり、計算の左側を識別するメンバーの組合せ)。

構文

目標に応じて、この関数を呼び出す方法は複数あります。

リモート・キューブからの値を組み込むには、この構文を使用します。

@WEIGHTEDSUMX (mbrList, locationAlias [, CurrencyType, CurrencyRate, Period]);

mbrListパラメータとlocationAliasパラメータは必須です。他のパラメータが指定されていない場合、それらはPOVから取得されます。

別のアプリケーションとデータベースからの値を同じEssbaseサーバー・インスタンスに組み込むには、次の構文を使用します。

@WEIGHTEDSUMX (mbrList, appname, dbname [, CurrencyType, CurrencyRate, Period]);

パラメータ

mbrList

必須。個々のメンバーの単位重量に従って集約されるメンバーのリストを指定します。mbrListは、メンバー・リストまたはメンバー名のカンマ区切りリストを返す計算関数にできます。メンバー・リストには、複数のメンバーを返す関数を含めることはできません。

メンバー・リストを返す関数の例: @CHILDREN@DESCENDANTS@RANGE

メンバー名のカンマ区切りのリストは、単一の引数として表現する必要があります。たとえば、"USD","ARS","AUD","BRL"などの通貨のリストは、@LIST ("USD", "ARS","AUD","BRL")のようにメンバー・リスト関数と一緒に使用でき、"USD":"BRL"のようにメンバーが同じレベルの場合は範囲として表され、("USD", "ARS","AUD","BRL")のようにカッコで囲みます。

mbrListに指定したメンバーは、データ・ターゲットの現在の視点のメンバーに加えて、データ・ソースに送信されます。次に、データ・ソースは、優先順位を使用して、メンバーの組合せを作成します。

  • mbrListで指定したメンバー

  • 現在の視点でのメンバー

  • データ・ソースの不特定のディメンションの最上位メンバー

次の式は、データ・ターゲットの視点を変更します。データ・ソース(sourceDB)のキューブに、2002年のデータのみが含まれているとします。この式は、2003年1月の在庫を2002年12月の在庫の値に設定します。

2003(2003->Jan->Inventory = @WEIGHTEDSUMX (mbrList, locationAlias, Dec) ;)

次の式は、データ・ターゲットに特定の視点を定義します。データ・ターゲットにメンバーJanが含まれ、データ・ソース(locationAlias)にメンバーJanuaryが含まれているとします。この式は、データ・ターゲット(Jan)のメンバーをデータ・ソース(January)の対応するメンバーにマップし、データ・ソースからJanuaryを取得します。

Jan = @WEIGHTEDSUMX (mbrList, locationAlias, January);

次の式は、@RANGEを、同じレベルのメンバーの範囲を含むメンバーのカンマ区切りリストとともに使用する例です。

@WEIGHTEDSUMX(@RANGE("Entered","USD":"ZAR"), _FCCS_Rates_, "Rate.Average", "Rate_USD");
locationAlias

必須。データ・ソースのロケーション別名。ロケーション別名は、データ・ソースを識別する記述子です。ロケーション別名は、計算スクリプトが実行されるデータベースに設定する必要があります。ロケーション別名はデータベース管理者によって設定され、データ・ソースのサーバー、アプリケーション、データベース、ユーザー名、パスワードを指定します。

appname, dbname
アプリケーションとキューブ名。Essbaseサーバー・インスタンスが1つしかないデプロイメントにのみ使用します。
CurrencyType
オプション。平均、決算、履歴などのメンバーを持つ、通貨タイプを含むディメンションのメンバー。
CurrencyRate
オプション。為替レートを含むディメンションのメンバー。メンバーはグローバル通貨レートを表します。
Period
オプション。時間ディメンションからのメンバー。

ノート

  • データ・ターゲットにサインインし、データ・ソースでプロビジョニングする必要があります。

  • mbrListで指定したメンバーがデータ・ソースに存在しない場合、エラーが返されます。

  • データ・ソースで問い合されるデータ・セルの数は、データ・ターゲットで予期されるデータ・セルの数と一致する必要があります。

  • メンバー・リストには、複数のメンバーを返す関数を含めることはできません。

  • ディメンションごとに指定できるパラメータは1つだけです。