Essbase属性の利点
属性を使用して、ディメンションの観点からだけでなく、ディメンションの特性(属性)に関してもデータを分析します。状況によっては、属性ディメンションの代替アプローチを検討する場合があります。
属性のユースケース
属性を使用して、パッケージに基づいて製品の収益性を分析したり、販売地域の人口などの市場属性に基づいて結論を出すことができます。
このような分析により、小規模市場(人口6,000,000未満)では缶で販売されるカフェイン抜き飲料の収益性が予想よりも低いことがわかります。詳細を調べるために、類似の市場セグメントの様々な製品の売上と利益の最小値または最大値など、特定の属性基準で分析をフィルタできます。
次のリストでは、属性による分析によって、視点に深さと展望をもたらし、より適切な情報に基づく意思決定を支援するいくつかの方法について説明します:
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共通の特徴(属性)に基づくデータの選択、集約およびレポートを実行できます。
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属性をテキスト型、数値型、ブール型または日付型と定義することによって、AND、ORおよびNOT演算子や、<、>および=比較演算子など、型に関連した関数を使用したデータのフィルタ(選択)が可能になります。
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数値属性タイプを使用すると、属性範囲別に統計値をグループ化できます。たとえば、<500,000、500,000–1,000,00、>1,000,000などの人口グループにグループ化できます。
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Essbaseによって自動的に作成される属性計算ディメンションによって、属性データの合計、カウント、最小値または最大値、および平均値を参照できます。たとえば、スプレッドシートにAvgとBottleを入力すると、Essbaseによってシート上の列と行のすべての交差のボトル入り製品の平均売上の計算値が取得されます。
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計算スクリプトとメンバー式で数値属性値を使用して計算を実行できます。たとえば、サイズがオンスで示された製品についてオンス当たりの収益性を判断できます。
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同じディメンションの属性データのクロス集計を作成したり、スプレッドシートで詳細データのピボットとドリルダウンを実行することができます。
属性のクロス集計は、同じディメンションの属性全体のデータ集計を表示するレポートまたはスプレッドシートです。次のクロス集計の例では、製品のパッケージを列で、製品のサイズ(オンス)を行で表示しています。それらの交差には、パッケージ・タイプとサイズの組合せごとの利益が表示されます。
この情報から、Florida市場で最も収益性の高かったサイズとパッケージの組合せがわかります。
Product Year Florida Profit Actual Bottle Can Pkg Type ====== ===== ======== 32 946 N/A 946 20 791 N/A 791 16 714 N/A 714 12 241 2,383 2,624 Ounces 2,692 2,383 5,075
属性とその他のアプローチの利点
柔軟性と機能性を最大にするために、属性ディメンションを使用して属性データを定義します。属性ディメンションの使用には、次のような特徴があります。
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洗練された柔軟なデータ取得
必要なときにのみ属性データを参照できます。クロス集計を使用して有用なサマリーを作成できます。また、タイプベースの比較を使用すると、必要なデータのみを選択して参照できます。
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追加の計算機能
属性ディメンションのメンバーの名前で計算を実行して標準ディメンションのメンバーを定義できるだけでなく、属性データの5つのタイプの集計(合計、カウント、平均、最小および最大)にアクセスすることもできます。
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経済性と単純性
属性ディメンションは疎(動的計算)であるため、データとして保管されません。共有メンバーの使用と比較して、属性ディメンションを使用するアウトラインは含まれるメンバーが少なく、読取りが容易です。
状況によっては、属性ディメンションの代替アプローチを検討する場合があります。
表6-1 属性ディメンションの代替の検討
状況 | 代替 |
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密ディメンションの属性を分析する |
UDAまたは共有メンバー - 「属性とUDAの比較」を参照してください。 |
データのバッチ計算を実行する |
共有メンバーまたは個別の標準ディメンションのメンバー共有メンバーの短所は、カテゴリで多数のメンバーが繰り返されるとアウトラインが大きくなることです。 |
属性ディメンションのメンバーの名前を式の結果の値として定義する |
共有メンバーまたは個別の標準ディメンションのメンバー |
時間によって変化する属性を定義する |
個別の標準ディメンションのメンバー。たとえば、長期にわたって製品のメンテナンス・コストを追跡する場合は、メンテナンスの時点での製品の使用年数が重要です。ただし、属性機能を使用すると、製品に1つの使用年数のみを関連付けることになります。追跡する期間ごとに個別のディメンションに複数のメンバーが必要です。 |
多数の基本ディメンション・メンバーでの取得時間を最小化する |
共有メンバーまたは個別の標準ディメンションのメンバーを使用したバッチ計算。 |
パフォーマンスへの影響が小さいディメンション間分析を実行する |
非集約属性 |