通貨換算アプリケーションの構築および換算の実行

このトピックでは、通貨換算アプリケーションの構築方法と通貨の換算方法について説明します。この手順では、メイン・キューブのSample.Interntlと通貨キューブのSample.Xchgrateを例として使用します。これらを再作成して、手順に従ってください。

通貨換算アプリケーションを構築して換算を実行するには、次の手順を実行します。

  1. このドキュメントで使用されるサンプル・キューブを作成します。

    1. Essbase Webインタフェースで、「ファイル」をクリックしてgallery/Technical/Currency Conversionに移動します。

    2. usersの下の独自のディレクトリにLCM_Sample_Currency.zipをコピーします。

    3. 「ジョブ」をクリックします。

    4. 「新規ジョブ」メニューから、「LCMのインポート」を選択します。

    5. ユーザー・ディレクトリからLCM_Sample_Currency zipファイルを選択します。

    6. 「OK」をクリックし、ライフサイクル管理(LCM)を使用してSample_Currency.Interntlキューブを作成します。

  2. メイン・キューブのアウトラインを開き、通貨換算に向けて準備します。Interntlキューブをインポートした場合はすでに準備ができていますが、このトピックでは例としてこのキューブを使用します。別のキューブを使用していて、この項で説明されている変更を行う必要がある場合は、アウトラインを開いて編集します。

    1. 「アプリケーション」をクリックして、リストを更新します。

    2. アプリケーション(この例ではSample_Currency)を展開します。

    3. キューブ名(この例ではInterntl)の右側にあるアクション・メニューから「アウトライン」を選択します。

    4. アウトライン・ビューアで、アウトラインに次のディメンションが含まれていることを確認します。

      • 時間としてタグ付けされたディメンションディメンション・タイプ=時間を示すWebインタフェースの時計アイコン

      • 勘定科目としてタグ付けされたディメンションディメンション・タイプ=勘定科目を示すWebインタフェースの番号記号アイコン

      • 国としてタグ付けされたディメンションディメンション・タイプ=国を示すWebインタフェースの地球アイコン

    5. 為替レートの様々なカテゴリを処理するために、通貨カテゴリを勘定科目ディメンション(およびこのディメンション内のメンバー)に割り当てます。指定がなければ、子メンバーはディメンション・カテゴリを継承します。
      P&L (利益と損失)という名前の通貨換算カテゴリを示す最上位のAccountsディメンション・メンバーのメンバー・プロパティ

    6. 換算されないメンバーに「換算しない」とタグ付けします。「換算しない」タグは継承されません。「なし」は換算しないことを示しているのではなく、換算カテゴリが指定されていない(そのため継承されない)ことを示しています。
      通貨換算オプションとして「換算しない」が選択されている、メンバー・プロパティの「一般」タブ

    7. 通貨名を国ディメンションのメンバーに割り当てます。最上位レベルのメンバーの場合、基本通貨の通貨名(USDなど)を割り当てて、基本通貨が国ディメンション階層で継承されることを確認します。メンバーの子が単一通貨を共有する場合は、親の通貨名を定義するだけでかまいません。
      通貨名としてUSDが選択されている、メンバー・プロパティの「一般」タブ

    8. オプション: 1つのディメンションを通貨パーティションディメンション・タイプ=通貨パーティションを示すWebインタフェースのドル記号アイコンとしてタグ付けし、キューブのどこにローカル・データや基本データが保持されているのかをEssbaseでわかるようにします。
      ディメンション・タイプとして通貨パーティションが選択されている、メンバー・プロパティの「一般」タブ

      通貨パーティションとしてタグ付けしたディメンションには、ローカル値と基本値の両方のメンバーが含まれます。このディメンションには、ユーザーが自国通貨に入力したデータが保持されます。ローカル・データは、通貨換算計算スクリプトを使用して基本値に変換されます。

    9. データを保存しないディメンションおよびメンバーに、「ラベルのみ」タグを適用します。
      データ・ストレージ・タイプとして「ラベルのみ」が選択されている、メンバー・プロパティの「一般」タブ

    10. 変更した場合は、アウトラインを保存します。

    11. この項で説明したサンプルを使用している場合、通貨キューブSample_Currency.Xchgrateはすでに存在します。

      独自のメイン・キューブで作業していて、通貨キューブがまだない場合は、今すぐ生成します。メイン・キューブのアウトライン・ビューアから、「検査」グループの円記号Webインタフェースのアウトライン・ビューアの円記号アイコンをクリックし、通貨キューブの名前を指定します。
      アウトライン・ビューア・インタフェースの「通貨データベースを生成します」ボタン

  3. メイン・キューブと通貨キューブがリンクされていない場合は、リンクします。次のキューブ・インスペクタのイメージは、Sample_Currency.InterntlがXchgrateという名前の通貨キューブにすでにリンクされていることを示しています。メイン・キューブInterntlのキューブ・プロパティの「通貨」タブで、Xchgrateキューブは通貨データベースとして表示されており、換算方法は除算、デフォルトの通貨タイプ・メンバーはAct xchg、CountryディメンションはMarket、TimeディメンションはYearとなっています

  4. 通貨換算を計算します。計算スクリプトでCCONVコマンドを使用し、ローカル通貨から共通の換算通貨にデータ値を変換します。たとえば、様々な通貨のデータをUSDに変換できます。CCONV TOLOCALRATEコマンドを使用すると、データ値を元のローカル通貨に換算しなおすことができます。

  5. 通貨換算を追跡します。CCTRACKアプリケーション構成設定を使用して、換算される通貨パーティションや使用される為替レートをEssbaseで追跡するかどうかを制御します。

  6. 必要に応じて、通貨換算のトラブルシューティングを行います。

    通貨キューブをメイン・キューブにリンクするときにエラーが発生した場合は、メイン・キューブが次の基準を満たしていることを確認します。

    • ディメンションが時間としてタグ付けされている。

    • ディメンションが勘定科目としてタグ付けされている。

    • 勘定科目ディメンションに、変換する勘定科目のカテゴリ用に定義された通貨換算カテゴリがある。

    • 換算されない勘定科目ディメンションのすべてのメンバーが「換算しない」としてタグ付けされている。

    • 市場ディメンションが国としてタグ付けされている。

    • 国ディメンションに通貨名が割り当てられている(ディメンション内の各メンバーに個々に通貨名が割り当てられている場合でも)。

    • 国ディメンションの各メンバーが、国名を関連付けられているか、ディメンション・レベルで定義された通貨を継承している。

    また、通貨キューブが次の基準を満たしていることも確認します。

    • ディメンションが時間としてタグ付けされている。

    • 時間ディメンションに、メイン・キューブの時間ディメンションで定義された各メンバーが含まれている。各メンバーが含まれていて、スペルが正しいことを確認します。

    • メイン・キューブで動的時系列メンバーを使用している場合は、通貨キューブでもそれらを使用する必要があります。

    • ディメンションが勘定科目としてタグ付けされている。通貨キューブの勘定科目ディメンションに、メイン・キューブで定義された勘定科目カテゴリが含まれている。

    • ディメンションが国としてタグ付けされていて、メイン・キューブで国としてタグ付けされたディメンションで使用される通貨の名前が含まれている。各通貨が含まれていて、スペルが正しいことを確認します。

    • 通貨キューブが開始されていることを確認する。