換算方法

通貨換算アプリケーションを設計する際は、ビジネスで現地通貨での分析とレポート作成が必要になるか、換算後の通貨以外での分析とレポート作成は不要なのかを検討してください。

Essbaseでは、次の2つの換算方法がサポートされています。

  • 換算後の値による現地通貨の値の上書き

    一部のアプリケーションでは、換算後の値のみをメイン・キューブに保管する必要があります。現地通貨の値が入力されて、換算操作によって、現地通貨の値が共通通貨の値で上書きされます。この方法は、現地通貨のレポート作成も分析も必要ではないことを前提としています。

    この操作によってデータが上書きされるため、換算を実行するたびに現地通貨の値をロードして、データを再計算します。この方法は、1回の(継続しない)換算にのみ有用です。

  • 現地通貨の値と換算後の値の保持

    ほとんどのアプリケーションでは、データを現地通貨と共通通貨(換算後)の値の両方で保管する必要があります。この方法では、現地通貨のデータのレポート作成と分析が可能で、データの変更と再計算の制御が比較的容易です。この方法を使用するには、メイン・キューブで通貨パーティション・ディメンションを定義する必要があります。

どちらの方法でも、レポート時に通貨換算が必要になる可能性があります。レポート時の換算では、実際にデータベースにデータを保管することなく、様々な為替レートのシナリオを分析できます。通貨換算モジュールでは、レポート・スクリプトでアド・ホック換算を実行できます。