集約ストレージ・キューブでの排他操作

Essbase集約ストレージ(ASO)キューブでの一部の操作は排他的であり、これは、それらを同じタイプの他の操作と同時には実行できないということです。排他操作の進行中は、キューブに対する問合せを続行できます。

集約ストレージ・キューブでは、同じキューブで複数の排他操作を同時には実行できません。ある排他操作の実行中に別の排他操作を同時に実行しようとすると、最初の操作の進行中は別の操作を開始できないことを示すメッセージが表示され、2番目の操作は拒否されます。たとえば、部分データ・クリアを実行しているときに、別の部分データ・クリアを同時には実行できません(その操作で別のリージョンがクリアされている場合でも同様)。ほとんどの排他操作は相互に排他的ですが、例外がいくつかあります。

排他操作および例外:

  • エクスポート

    エクスポートは読取り専用操作であるため、エクスポート操作は同時に複数実行できます。エクスポート操作は、集約の構築およびバックアップと同時に実行できます。これらはいずれも排他操作ですが、エクスポートは他の排他操作と互換性がありません。

  • 集約の構築

  • バックアップ(キューブを読取り専用アーカイブ・モードに設定します)

  • データ・ロード(ロード・バッファのコンテンツをキューブにコミットします)

    集約ストレージ・ロード・バッファの作成およびロード・バッファへのデータのロードは、排他操作ではありません。これらの操作は他の操作と同時に実行できます。ただし、ロード・バッファのデータをキューブにコミットすると、排他的な操作になります。

  • スプレッドシート送信操作(セルの更新など)

    送信操作の実行中に別の排他操作を試行した場合、送信操作が終了するまで待機してから新しい操作が開始されます。送信操作は小さく短時間(5秒未満)であると想定されているため、送信操作と互換性がない場合でも、新しい操作がエラーになることはありません。つまり、相互に互換性がないことが原因で操作が拒否されることはなく、多数のユーザーがスプレッドシート送信操作を同時に実行できます。

    ノート:

    送信操作の実行中に複数の排他操作を試行した場合、送信操作の完了後に新しい排他操作が実行される順序はランダムです。この順序は、新しい排他操作が試行された順番には基づきません。たとえば、送信操作の実行中に異なるタイプの排他操作を試行した場合は、送信操作が終了するまで待機してから新しい排他操作が開始されます。一方、別のユーザーが他の送信操作を試行した場合は、それらの送信操作が後から試行されたとしても、送信操作はその他の排他操作より前に実行されます。そのため、実行を待機している送信操作が1つでも存在すると、排他操作が無制限に待機する可能性があります。

  • スライスのマージ

  • カスタムの計算や割り当てなどの書込み操作

  • データ・クリア操作(完全、集約のみおよび部分)

問合せは、すべての排他操作と同時に実行できます。ただし、操作によってキューブでデータが追加、変更または削除された場合に、問合せで変更が認識されると、操作の最後に次のシーケンスが実行されます。

  1. 新しい問合せの開始が一時的にブロックされます(問合せの待機)。

  2. 既存の問合せの実行が終了します。

  3. 排他操作からのデータ変更が、キューブにコミットされます。

  4. 待機中の問合せが開始されます。

集約ストレージ・キューブのデータを変更する操作が原因で、問合せが拒否されたり、取り消されることはありません。