集約ストレージ・キューブでのディメンションの構築

Essbase集約ストレージ(ASO)キューブでディメンションを構築する場合は、階層に変更を加えると再構築がトリガーされ、集約ビューおよびデータ値のクリアにつながる可能性があることに注意してください。時間の節約のために、増分ディメンション構築をお薦めします。

集約ストレージのディメンション構築によってアウトラインが変更されると、ディメンション構築の終了時に、すべての集約ビューまたはすべてのデータ値がキューブからクリアされる可能性があります。アウトラインの変更の結果については、「集約ストレージ・キューブの再構築」で説明しています。

複数のデータソースを使用してディメンションを構築する場合は、増分ディメンション構築を実行することで処理時間を節約できます。増分ディメンション構築により、すべてのデータソースの処理が完了するまで再構築を延期できます。

増分ディメンション構築については、「増分ディメンション構築」を参照してください。

ブロック・ストレージ・アウトラインと集約ストレージ・アウトラインのアウトラインの特徴の相違点は、データソースおよびルール・ファイルに影響します。たとえば、ディメンションを疎として定義するか密として定義するかは、集約ストレージ・アウトラインには関係ありません。

集約ストレージ・データ・ロード・バッファを使用する場合は、データソースとルール・ファイルを組み合せて、メンバーをアウトラインに追加したり、データ値をレベル0のセルにロードすることができます。ファイルを指定した順序に関係なく、Essbaseによってアウトラインが変更され、データ値がロードされます。

ノート:

一部のディメンション構築によってデータがクリアされることにより、データが失われる可能性があるため、ディメンション構築操作とデータ・ロード操作は、分離することをお薦めします。「集約ストレージ・キューブでのディメンションの構築」を参照してください。

集約ストレージのディメンション構築用のロード・ルールの相違点

Essbase集約ストレージ(ASO)アウトラインを構築するためのロード・ルールでは、ASOに適用されるアウトライン・プロパティおよびフィールド・タイプのみを定義する必要があります。

ブロック・ストレージ・アウトラインを集約ストレージに変換する場合は、ロード・ルールをアウトラインのASOバージョンに関連付けることで更新します。

フィールド・タイプの相違点

フィールドには、アウトライン内でメンバーが評価される順序を指定する数値(0–127)が含まれます。0より小さい値または127より大きい値は、それぞれ0および127にリセットされます。警告メッセージは表示されません。解決順序プロパティについては、「ASOキューブでの計算順序と解決順序」を参照してください。

解決順序には、次の構築方法が有効です:

  • 世代

  • レベル

  • 親子参照

集約ストレージのディメンション構築のソース・データの相違点

一部のEssbaseメンバー・コードは、ディメンション構築ソース・データで集約ストレージ・アウトラインのメンバーのプロパティとして認識されます。リストにない集計コードは無視され、+ (加算)とみなされます。

表37-1 集約ストレージ・アウトラインのメンバーの集計コード

コード 説明

%

集計の現在の合計をパーセンテージで表します(動的階層のメンバーにのみ適用)

*

集計の現在の合計で乗算します(動的階層のメンバーにのみ適用)

+

集計の現在の合計に加算します(動的階層のメンバーにのみ適用)

-

集計の現在の合計から減算します(動的階層のメンバーにのみ適用)

/

集計の現在の合計で除算します(動的階層のメンバーにのみ適用)

~

集計から除外します(動的階層のメンバー、または保管階層内のラベルのみのメンバーの下のメンバーにのみ適用)

C

メンバーを保管階層の最上位として設定します(ディメンション・メンバーまたは世代2メンバーにのみ適用)

D

メンバーを動的階層の最上位として設定します(ディメンション・メンバーまたは世代2メンバーにのみ適用)

H

ディメンション・メンバーを複数階層有効として設定します(ディメンション・メンバーにのみ適用)

K

タイム・バランス・プロパティをNONEにリセットします(勘定科目ディメンションにのみ適用)。

N

データ共有を許可しません

O

ラベルのみとしてタグ付けします

P

タイム・バランス・スキップ・オプションをNONEにリセットします(勘定科目ディメンションにのみ適用)。

通貨名および通貨カテゴリのフィールド・タイプは、集約ストレージ・アウトラインではサポートされていません。

集約ストレージ・アウトラインでは、式はMDX数値式と同じ形式で指定する必要があります。

集約ストレージ・データベースでの代替階層の構築

集約ストレージ・アウトラインで共有メンバーを構築するには、Essbase Webインタフェースのルール・エディタで次の選択を行います: 「グローバル・プロパティ」タブで、「自動構成」を選択します。ディメンション・プロパティで、「詳細」タブの「共有」を選択します。

自動構成および共有が有効になっている場合は、新しい親の下に重複メンバーが共有メンバーとして自動的に作成されます。

注意:

集約ストレージ・データベースの代替階層では、属性をレベル0のメンバーにのみ関連付けることができます。