属性ディメンションのメンバー名の設定
属性機能を使用すると、Essbaseによってデフォルトのメンバー名が確立されます。たとえば、システム定義のTrueおよびFalseとその他のメンバー名のTrueおよびFalseは混在できません。データベースのこれらのシステム定義名は変更できます。また、日付属性と数値属性を重複させることもできます。重複する名前による混乱を回避するために、属性ディメンションのメンバー名を修飾する設定を確立できます。アウトラインには完全修飾された属性名は表示されませんが、パーティションを定義するときや、取得する情報を選択するときなどに、メンバーを選択すると完全な属性名を確認できます。
メンバー名の設定を定義してから、属性ディメンションを定義または構築します。属性ディメンションおよびメンバーを定義した後に設定を変更すると、無効なメンバー名が発生する場合があります。
次の項では、属性ディメンションのメンバーの名前を処理する方法を説明します。
- 属性ディメンションのメンバー名の接頭辞および接尾辞のフォーマットの設定
- ブール属性メンバー名の設定
- 日付属性ディメンションのメンバー名の変更
- 値の範囲を表すメンバー名の設定
- 属性計算ディメンションのメンバー名の変更
ノート:
属性ディメンションを含むアウトラインをパーティション化する場合は、この項で説明されているメンバーの名前のフォーマット設定がソースおよびターゲットのアウトラインで同じである必要があります。
属性ディメンションのメンバー名の接頭辞および接尾辞のフォーマットの設定
この項の情報は、重複メンバーの属性ディメンションには適用されません。
ブール、日付および数値属性ディメンションの名前は値です。異なる属性ディメンションで重複する属性値が発生する場合があります。
-
ブールの例
1つのアウトラインに複数のブール属性ディメンションがある場合、デフォルトでは、各ディメンションの2つのメンバーが同じ名前(TrueとFalse)を持ちます。
-
日付の例
複数の日付属性ディメンションがある場合、両方のディメンションの一部のメンバー名が同じになることがあります。たとえば、特定の市場で店舗を開店する日付が、ある製品の発売日と同じになる場合があります。
-
数値の例
製品のサイズの属性値が12である場合、この12は製品の梱包ユニットの数の値である可能性もあります。この例では、名前が12であるメンバーが2つになります。
アウトラインでブール、日付および数値属性ディメンションのメンバー名に接頭辞または接尾辞を付けて、一意の名前を定義できます。ディメンション、親、親の親またはすべての祖先を属性名に添付できます。たとえば、属性ディメンションのメンバー名に接尾辞としてディメンション名をアンダースコアによって添付するように設定すると、Ounces属性ディメンションのメンバー値12は、一意の完全な属性メンバー名12_Ouncesと想定されます。
デフォルトでは、Essbaseでは、属性ディメンションのメンバーの名前には接頭辞も接尾辞も添付されていないことが想定されます。
選択する規則が、アウトラインのすべての数値、ブールおよび日付属性ディメンションのレベル0のメンバー名に適用されます。取得時により短い名前が表示されるようにする場合は、名前の別名を定義できます。
Cube.Settingsワークシートの理解: 属性の設定を参照してください。
ブール属性メンバー名の設定
属性ディメンションのディメンション・タイプをブールに設定すると、Essbaseでは、ブール属性の設定に指定されている名前を持つレベル0のメンバーが2つ自動的に作成されます。データベース内の初期ブール・メンバーはTrueおよびFalseとして設定されます。これらのデフォルトの名前をYesとNoなどに変更する場合は、ブール属性ディメンションのメンバー名を定義してからデータベースでブール属性ディメンションを作成します。
属性ディメンション・タイプをブールに設定するには、そのディメンションの既存のメンバーをすべて削除する必要があります。
Cube.Settingsワークシートの理解: 属性の設定を参照してください。
日付属性ディメンションのメンバー名の変更
日付属性ディメンション・メンバーのフォーマットは変更できます。たとえば、次の日付フォーマットを使用できます。
-
mm-dd-yyyy: 2007年10月18日は10-18-2007と表示されます。
-
dd-mm-yyyy: 2007年10月18日は18-10-2007と表示されます。
日付メンバー名のフォーマットを変更すると、日付属性ディメンションの既存のメンバーの名前が無効になる場合があります。たとえば、10-18-2007メンバーが存在する場合、フォーマットをdd-mm-2007に変更すると、アウトライン検証でこのメンバーが無効と検出されます。日付フォーマットを変更する場合は、日付属性ディメンションを再構築する必要があります。
Cube.Settingsワークシートの理解: 属性の設定を参照してください。
値の範囲を表すメンバー名の設定
数値属性ディメンションのメンバーは、単一の数値または数値の範囲を表すことができます。
-
単一値の例: Ounces属性ディメンションのメンバー12は、単一の数値12を表します。この属性を12オンスの製品すべてに関連付けます。アウトラインには、サイズごとに別個のメンバーが含まれます(16、20、32など)。
-
値の範囲の例: 図7-1に母集団属性ディメンションを示します。
図7-1 母集団属性ディメンションとメンバー
このアウトラインでは、母集団属性ディメンションのメンバーは関連するMarketディメンションの母集団値の範囲を表しています。3000000メンバーは、ゼロから3,000,000の母集団を表し、6000000メンバーは3,000,001から6,000,000の母集団を表します。以下同様です。アウトラインの設定によって、各数値メンバーが範囲の上限を表すことが設定されています。
数値属性ディメンションのメンバーが範囲の下限を表すように定義することもできます。たとえば、数値メンバーが範囲の下限を定義するように設定されている場合、3000000メンバーは3,000,000から5,999,999の母集団を表し、6000000メンバーは6,000,000から8,999,999の母集団を表します。
基本ディメンションを構築すると、Essbaseによって、基本ディメンションのメンバーが適切な属性範囲に自動的に関連付けられます。たとえば、数値メンバーが範囲の上限を表す場合、Essbaseによって、人口3,269,858名のConnecticut市場が母集団属性ディメンションの6000000メンバーに自動的に関連付けられます。
ディメンション構築ルール・ファイルで数値属性ディメンションの各メンバーの範囲のサイズを指定します。前述の例では、各属性が3,000,000の範囲を表しています。
ノート:
数値属性ディメンションのメンバー名に含める小数点以下の桁数を6桁以下にすることをお薦めします。そのようにしない場合、精度調整のため、アウトラインで検証が合格しない場合があります。
Cube.Settingsワークシートの理解: 属性の設定を参照してください。
属性計算ディメンションのメンバー名の変更
アウトラインにおける名前の重複を避けるために、属性計算ディメンションまたはそのメンバーの名前の変更が必要になる場合があります。
Essbaseによって属性計算ディメンションに作成されるメンバーの名前であるSum、Count、Min、MaxおよびAvgは、予約語とみなされません。これは、これらの名前を属性計算ディメンションで変更してから、属性ディメンションまたは標準ディメンションでデフォルトの名前を使用できるためです。次のガイドラインに従います。
-
アウトラインが重複メンバーのアウトラインとしてタグ付けされている場合、デフォルト名を使用して他の基本メンバーまたは属性メンバーに名前を付けることができます。
-
アウトラインが一意のメンバー・アウトラインとしてタグ付けされている場合、Sum、Count、Min、MaxおよびAvgをメンバー名として使用しないようにしてください。たとえば、Maxを標準ディメンションとして使用してから、属性ディメンションを作成すると、Essbaseによってこの属性計算ディメンションにMaxメンバーが作成され、Essbaseによって重複名が検出され、名前がすでに使用されていることを示すエラー・メッセージが戻されます。
属性計算ディメンションのメンバーに使用する名前に関係なく、機能は同じです。たとえば、2番目のメンバーのCountは、常にカウントします。
Cube.Settingsワークシートの理解: 属性の設定を参照してください。