パーティションでの計算スクリプトの使用

パーティション化された1つのEssbaseアプリケーションを複数のサーバー、プロセッサまたはコンピュータで処理できます。アプリケーションをパーティション化して、各パーティションで個別に計算を実行することで、計算パフォーマンスを大幅に改善できます。

パーティション用の計算スクリプトの作成

透過または複製パーティション用の計算スクリプトを作成するときは、次のガイドラインを確認してください:

  • キューブ(データベース)計算全体のパフォーマンスへの影響を評価します。次の操作を行うことで、パフォーマンスを改善できる可能性があります。

    • 計算全体を再設計し、リモート・キューブ内の透過パーティションにあるリモート値を参照しないようにします。

    • リモート・キューブ内の値を動的に計算します。

      「パーティション内のデータの動的計算」を参照してください。

    • 該当する式が含まれているキューブ内の値を複製します。

      たとえば、東部地域の四半期ごとのデータを複製する場合は、Qtr1、Qtr2、Qtr3およびQtr4の値のみを複製し、親のYear値をローカルで計算します。

  • Essbaseで参照値が取得されるとき、その値が最新であるようにしてください。前に説明したオプション(再設計、動的計算または複製)のいずれかを選択するか、式を計算する前に参照されるキューブを計算します。

パーティションの計算順序の制御

Essbaseで必要な結果を計算するには、パーティション化されたキューブを特定の順序で計算する必要があります。

次のイメージは、West、CentralおよびEastデータベースの情報をCorporateデータベースから透過的に見ているパーティションを例示しています。

図23-1 パーティションの計算


このイメージは、Corporateキューブ内のパーティション(West、EastおよびCentral)を示しています。

West、CentralおよびEastには実績値のみが含まれています。Corporateには、実績値と予算値が含まれています。West、CentralおよびEastのデータをCorporateデータベースで参照できますが、データはWest、CentralおよびEastにのみ存在し、Corporateには複製されません。

このため、EssbaseでCorporateを計算するときは、West、CentralおよびEastから最新の値を取得する必要があります。必要な結果を得るには、Corporateを計算する前にWest、CentralおよびEastを計算する必要があります。