アーティファクトの選択的かつ順序付きインポート

Essbaseのアーティファクトのインポートは、選択リスト・テキスト・ファイルを使用して制御できます。このファイルには、11gの移行用(11g LCMエクスポート・ユーティリティを使用)とクラウド・サービスの移行用(CLIユーティリティを使用)があります。

選択リスト・テキスト・ファイルには、エクスポートされたzip内のすべてのアーティファクトをセクションでグループ化したリストが格納されます。このファイルは、lcmexportコマンドを使用したエクスポートの際に生成できます。ファイルの最後にあるIMPORTセクションには、インポートされるアーティファクト・エントリのリストが含まれています。

このファイルは編集可能であり、lcmimportコマンドを使用して、インポートでスキップするアーティファクトの行を削除またはコメント化できます。lcmimport操作では、テキスト・ファイルを引数として指定します。インポートの順序を制御することもできます。

サンプルの選択リスト・テキスト・ファイル

@Provisions
/Sample/Provisions/CalcAssociation.csv

@Databases/Basic/Calc_scripts
/Sample/Databases/Basic/Calc scripts/Default Calc
/Sample/Databases/Basic/Calc scripts/CalcAll.csc

# ------------IMPORT-----------------
import @Provisions
import @Databases/Basic/Calc_scripts
# ------------IMPORT----------------

この機能の使用方法

  • エクスポートに11g LCMエクスポート・ユーティリティを使用する場合は、オプションの引数–generateartifactlistを指定してエクスポートされるアーティファクトのリストが含まれているテキスト・ファイルを生成できます。
  • あるカテゴリのファイル(.rulファイルなど)をすべてスキップする場合は、テキスト・ファイルの最後にある対応するIMPORTセクションをコメント化します。
  • 特定のファイルをスキップする場合は、テキスト・ファイル内の該当するエントリを削除するかコメント化します。
  • インポートの順序を制御するには、特定のカテゴリの下にあるエントリをインポートする順序に並べ替えます。これで、当該カテゴリの下にリストされた順序でファイルがインポートされます。インポートの際に、次を使用してこのファイルを指定します。
    -al,-artifactlist
  • lcmimportコマンドには-overwriteオプションがあります。
    • –overwriteがtrueの場合は、インポート操作でアプリケーション全体が再作成されます。この場合、テキスト・ファイルにリストされているアーティファクトまたはファイルのみがインポートされます。
    • –overwriteがfalseの場合は、テキスト・ファイルでコメント化されていないアーティファクトまたはファイルのみがインポート操作でインポートされます。ターゲット・アプリケーションにすでにある他のアーティファクトには影響しません。

サンプルのユース・ケース

  • エクスポートされたzipからデータのみをインポート

    Sampleアプリケーションのエクスポートされたzipがあり、Sample/Basicからデータのみをインポートします。

    • lcmexportで生成されたテキスト・ファイルで、import @Databases/Basicを除くすべてのインポート・エントリをコメント化します。
    • また、データのみをインポートするために、@Databases/Basicの下の/Sample/Databases/Basic/Basic outlineをコメント化します。
    • このユース・ケース(データのみのインポート)では、-overwriteオプションが無効であることに注意してください。これは、インポート時に、LCMでアプリケーション全体が削除され、ブランクとしてインポートされるためです。その後に、アウトラインなしでデータのみのインポートが試行されるため、アプリケーションが無効になります。
  • アウトラインのみをインポート

    エクスポートされたzipのアウトラインのみでSample.Basicキューブを更新します。

    • テキスト・ファイルの最後にあるIMPORTセクションで、「import @Databases/Basic」を除くすべてのエントリをコメント化します。
    • また、アウトラインのみをインポートするために、「@Databases/Basic」の下の「/Sample/Databases/Basic/Data」もコメント化します。
  • 複数のキューブがあるアプリケーションで単一のキューブをインポート

    SampleアプリケーションにはBasic、Basic1、Basic2の3つのキューブがあり、Basicのみをインポートします。

    • テキスト・ファイルの最後にあるIMPORTセクションで、Basicキューブのエントリ(import @Databases/Basic、import @Databases/Basic/Xml_filesなど)を除くすべてのエントリをコメント化します。
    • -overwriteオプションを指定しない場合は、Basicキューブのみのインポートまたはオーバーライドが行われ、そのアプリケーションの他のキューブ(Basic1、Basic2)は影響を受けることなく維持されます。
    • -overwriteオプションを指定した場合は、アプリケーションが削除され、Basicキューブのみを使用して再作成されます。