SPARSE

レポート・ライターのSPARSEコマンドは、Essbaseに疎データ抽出メソッドを使用するように指示します。このメソッドは、レポートされたデータ行の大部分が#MISSINGのときにパフォーマンスを最適化します。

Essbaseでは、動的計算に疎データ取得最適化メソッドを使用できません。

レポートに疎行ディメンションが1つ以上ある場合、Essbaseでは次の2つのケースで疎データ抽出メソッドが使用されます。

  • ケース1: レポート・スクリプトでSUPMISSINGROWSを使用して#MISSING値を抑制し、リクエストされたデータ行の大部分が#MISSINGになることがEssbaseで推測されます。この場合、Essbaseでは疎メソッドが暗黙的に使用されてパフォーマンスが最適化されます。

  • ケース2: レポート・スクリプトでSPARSEコマンドを明示的に使用します。こうすることで、疎メソッドの使用がEssbaseに強制されます。SPARSEコマンドをレポートで使用し、SUPMISSINGROWSを使用しなかった場合、EssbaseではSPARSEが含まれるレポート向けにSUPMISSINGROWSが自動的にオンになります。Essbaseでは、後続のレポートでINCMISSINGROWSを指定しないかぎり、レポート・スクリプトに含まれる後続のレポートすべてに対してSUPMISSINGROWSがオンになります。

ノート:

レポートに疎行ディメンションが1つも含まれない場合、Essbaseでは疎メソッドを使用できず通常のメソッドに戻ります。疎メソッドを使用できないことを通知するメッセージがEssbaseに表示されます。

Essbaseで疎メソッドが使用されている場合、「レポート・ライターのSparse Extractorメソッドが実行されます」というメッセージが表示されます。

レポートに疎行ディメンションが1つ以上ある場合、レポートは非常に大きくなってレポートされるデータ行の大部分が#MISSINGになり、SPARSEコマンドを使用する可能性があります。その上で、レポート・スクリプトのパフォーマンスが改善するかどうかを評価できます。

レポートで少数のセル(#MISSINGと非欠落)をリクエストする場合、疎データ抽出メソッドは通常のメソッドよりも効率が悪くなります。この場合、レポート内に少なくとも1つの疎行ディメンションないかぎり、また、SPARSEコマンドを明示的に使用しないかぎり、Essbaseでは通常の方法が使用されます。

SPARSEメソッド: Essbaseで疎データ抽出メソッドが使用される場合、Essbaseでは、最初にレポート・スクリプトでリクエストした行メンバーの組合せが選択されます。Essbaseでは、これらの行メンバーの組合せについて、非欠落データ・ブロックのみが確認されます。データベースが非常に疎である場合、このメソッドは非常に効率的です。

通常のメソッド: 反対に、Essbaseで通常のデータ抽出メソッドが使用される場合は、レポート・スクリプトでリクエストされた考えられるすべてのメンバーの組合せが循環されます。その後、#MISSINGではない行のみがレポートされます。

たとえば、キューブ内の10,000個のデータ・セルのうち1個だけが存在するとします。残りのセルは#MISSINGです。このデータベースで、データの100%をリクエストするレポート・スクリプトを実行し、SUPMISSINGROWSを使用して#MISSING値を抑制します。

Essbaseで通常のデータ抽出メソッドが使用されている場合、リクエストされたメンバーの組合せすべてが循環されます。

Essbaseで、疎抽出メソッドが使用されている場合は、リクエストされた行メンバーの組合せについて、非欠落データ・ブロックのみが確認されます。このキューブは非常に疎であるため、データ・ブロックの数は低いと予想されます。疎メソッドのほうがより早くレポートを生成します。

疎データ抽出メソッドが使用されないように除外するには、<SPARSEOFFコマンドを使用します。たとえば、動的計算メンバーが含まれるデータについてレポートする場合に、このコマンドを使用します。

構文

<SPARSE
<SPARSEOFF

ノート

  • 疎抽出メソッドは、レポートに属性ディメンションが含まれる場合には使用できません。

  • 1つのレポート・スクリプト内に、!で区切られた複数の論理レポートを含めた場合は、フォーマット・コマンドと見出しを各論理レポートに含めます。

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