7.2 Oracle Machine Learning for SQLのアップグレードまたはダウングレード

リストされているステップに従うことで、Oracle Machine Learning for SQLをアップグレードおよびダウングレードします。

7.2.1 アップグレード前のステップ

アップグレード前の考慮事項。

アップグレードする前に、Oracle Data Minerで作成された機械学習モデルおよび機械学習操作をすべて削除する必要があります。

7.2.2 Oracle Machine Learning for SQLのアップグレード

Database Upgrade Assistant (DBUA)を使用してデータベースをアップグレードすることも、エクスポートおよびインポート・ユーティリティを使用して手動アップグレードを実行することもできます。

すべてのモデルおよび機械学習メタデータは、19cからアップグレードするか、それ以前のリリースからアップグレードするかにかかわらず、Oracle Databaseのアップグレード・プロセスと完全に統合されます。

アップグレードされたモデルは、引き続き以前のリリースの場合と同様に機能します。アップグレードされたモデルおよびアップグレードされた環境で作成した新しいモデルの両方が、新しいリリースで導入された新しい機械学習機能を利用できます。

7.2.2.1 Database Upgrade Assistantを使用したOracle Machine Learning for SQLのアップグレード

Oracle Database Upgrade Assistantには、アップグレード・プロセスをインタラクティブに順を追って説明するグラフィカル・ユーザー・インタフェースが用意されています。

Windowsプラットフォームでは、次のステップに従ってUpgrade Assistantを起動します。

  1. Windowsの「スタート」メニューに移動し、Oracleホーム・ディレクトリを選択します。

  2. 「コンフィグレーションおよび移行ツール」メニューを選択します。

  3. Upgrade Assistantを起動します。

Linuxプラットフォームでは、DBUAユーティリティを使用してOracle Databaseをアップグレードします。

7.2.2.2 エクスポートとインポートを使用した機械学習モデルのアップグレード

以前に作成したモデルをエクスポートして、Oracle Databaseバージョンのインスタンスにモデルをインポートするには、Oracle Databaseのエクスポートおよびインポート機能を使用します。

必要に応じて、自動化の程度を下げた方法で機械学習モデルをアップグレードできます。以前のバージョンのOracle Databaseで作成したモデルをエクスポートし、それらをOracle Databaseバージョンのインスタンスにインポートできます。

7.2.2.2.1 Oracle Machine Learning for SQLモデルのエクスポートとインポート

Oracle Machine Learning for SQLモデルのエクスポートとインポート

以前のリリースのOracle Databaseインスタンスからダンプ・ファイルにモデルをエクスポートする場合は、「Oracle Machine Learning for SQLモデルのエクスポートとインポート」に示した手順を実行してください。

Oracle Databaseデータベースにダンプ・ファイルをインポートするには、次のようにします。

%ORACLE_HOME\bin\impdp system\<password> 
       dumpfile=<dumpfile_name> 
       directory=<directory_name> 
       logfile=<logfile_name> .....
SQL>CONNECT / as sysdba;
SQL>EXECUTE dmp_sys.upgrade_models();
SQL>ALTER SYSTEM flush shared_pool;
SQL>ALTER SYSTEM flush buffer_cache;
SQL>EXIT;

ALTER SYSTEM文

データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュをフラッシュするには、ALTER SYSTEM FLUSH FLASH_CACHE文を発行します。データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュのフラッシュは、リライトされた問合せ、または同一の開始点からの一連の問合せのパフォーマンスを測定する必要がある場合に有効です。

7.2.3 アップグレード後のステップ

アップグレードされたデータベースを表示するステップを実行します。

データベースのアップグレード後、アップグレードされたデータベースのDBA_MINING_MODELSビューをチェックします。このビューには、新しくアップグレードされた機械学習モデルがリストされます。

アップグレードを検証し、ダウングレードの必要がないことを確認したら、初期化パラメータCOMPATIBLE21.0.0に設定する必要があります。Oracle Database 21cでは、パラメータ・ファイルにCOMPATIBLE初期化パラメータが設定されていない場合、COMPATIBLEパラメータ値はデフォルトで21.0.0に設定されます。

ノート:

機械学習モデルの作成に使用されるOracle Machine Learning for SQLユーザー・アカウントに、CREATE MINING MODEL権限が付与されている必要があります。

7.2.4 Oracle Machine Learning for SQLのダウングレード

Oracleデータベースを以前のバージョンにダウングレードする前に、モデルが存在しないことを確認します。

ダウングレードする前に、DBMS_DATA_MINING.DROP_MODELルーチンを使用して、モデルを削除します。削除しないと、データベースのダウングレード・プロセスは終了します。

SYSで次のSQL文を発行して、ダウングレードを検証します。

SQL>SELECT o.name FROM sys.model$ m, sys.obj$ o 
                  WHERE m.obj#=o.obj# AND m.version=2;